元スレ扶桑「不等辺三角形」
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301 :
「やっぱりメリハリは大事だな。昨日の今日で物凄く集中できる」
「そうですね…」
「……っと」
「あら、もう終わりに?」
「全部じゃないけど、一段落ってところかな」
「……そろそろお昼にしましょうか。よろしければ作りましょうか?」
「……いや、食堂で食べようと思う」
「そうですか……ご一緒しても?」
「勿論」
「……なぁ、やっぱり山城――」
「駄目です」
「そ、そっか…」
302 = 1 :
「……この時間はやっぱり混んでるな」
「少し待つことになりそうですね」
「まぁ休憩時間が延びると思えばありがたいな」
「ふふっ…そうですね」
「先に席取っておくか……あそこ空いてるな」
「隣は……青葉さんですね」
「ちょうどいい。少し注意しておくか」
303 = 1 :
「……おい」
「あ、司令官!」
「隣空いてるか?」
「どうぞどうぞ!……そのかわり、少しお話いいですか?」
「奇遇だな。俺も話があるんだ。小言だがな」
「えっ」
「……今朝の新聞はなんだ?」
「え、あ…またですか……」
「また?他の奴にも言われたのか?」
「えぇ。つい1時間ほど前に」
「……誰に言われたのかしら?」
「山城さんですよ」
「……山城?」
「ええ。今後は相手のプライバシーを気にかけろーって言われました」
「なんだ?あいつ動けるのか?」
「あ、いえ。それを言ったらすぐに帰っていきましたよ」
「それ言うためにわざわざって…それほど嫌だったのか……」
「…………………………」
304 = 1 :
「まぁ、山城から言われたんならわかってると思うが――」
「あーはいはい。りょーかいでーす」
「…………まぁ、いいか」
「ねぇ、青葉さん」
「どうしました?」
「山城は辛そうだったかしら」
「そーですねぇ……気分は良くなさげでしたね」
「…………そう。提督」
「ん?」
「食事が終わったら、少しだけ暇をいただけないでしょうか」
「……あー。山城の」
「はい。食事を持っていくと約束したのは私ですから、待たせ過ぎては悪化してしまうかもしれません……たとえ出歩ける力があったとしても」
「そうだな」
305 = 1 :
「あ!でしたらその間だけ青葉が秘書艦代理なんてどうですか?」
「えー……青葉が?」
「………………」
「その目はなんですかぁ?青葉もちゃんとできるんですよ?」
「…………うーん…たしかにある程度終わってるし、扶桑の休憩と考えたら――」
「青葉さん」
「扶桑さん、どうですか?たまには他の人に譲ってみたり――」
「ありがたい申し出だけれど、断らせてもらいます」
「……へ?」
「たしかに私以外の方も慣れておく必要があるやもしれません」
「なら――」
「ですが」
「っ!」
「私の方ができますから」
「……え」
「お、おい…その言い方は…」
「……誤解させてしまってすみません。私が言いたかったのは、適材適所、ということです」
「…………ほほぅ?」
306 = 1 :
「……たしかにそうですね。青葉が下手に弄るよりは確実ですし」
「……なら」
「ですけど、どーしても司令官の部屋が見たいんですよ!」
「…………」
「仕事には手をつけず、扶桑さんが戻ってくるまででいいですから!」
「それ俺が得しねぇけど…」
「いーじゃないですか!青葉は提督の部屋に興味があるんですから!」
「おい」
「……わかったわ」
「ありがとうございますー!では、お二人が食事を終えるまで待っておきますね~」
307 = 1 :
「……ごちそうさま」
「それでは私は山城の元へ昼食を持っていきますね」
「そうか」
「なら青葉が司令官を見張っておきますね!」
「…………変なことはやめてくださいね」
「りょーかいしました!」
「……じゃあ、行ってきます」
「おう」
「…………司令官。ひとつ気になるんですが、山城さんはそれほど重症なんですか?」
「ん?すっごい熱が出てるらしいけど」
「…………そーですかぁ…あ!ちょっと用事を思い出しました!少し出掛けてきます!」
「えっ」
308 = 1 :
「…………ぃとく…」
「山城」
「ん…ふぁ……ふぁい…!」
「寝てたようね」
「!姉様!?」
「何を驚いているの?約束通り昼食を持ってきたわよ」
「え?…あ。は、はい」
「……ごめんなさいね、山城。ぐっすり眠ってたみたいで」
「そ、そうですね」
「…………あれから、ずっと寝てたのかしら?」
「は、はい!」
「……………………そう」
「ええ!それはぐっすりと――」
「嘘をつくのね」
「ひゃい!?」
「青葉さんから聞いたわ。少し前に会ってたそうじゃない」
「え、えっと……その…」
309 :
「山城。なんのために嘘をついたの?」
「その……」
「………………わかったわ。あなたは私の邪魔をするのね」
「っ!ち、違うんです!」
「何が違うの?約束したこともすぐ破り、おめおめと外に出て……」
「ごめんなさい!ごめんなさいぃ!」
「邪魔するのならあなたを沈めてもいいのよ?」
「ひっ!」
「でも、練度の高いあなたが沈むのは怪しまれるわ。だから……」
「ま!…まっ、て……待って下さい!」
「もう十分許してあげたけど、これは少し罰が必要よ…そう思わないかしら」
「もうしません!ちゃんと大人しくします!ですから――」
310 = 1 :
「…………本当?」
「へ…?」
「本当の本当に、私の邪魔をしない?」
「は、はい!勿論です!」
「……山城。私も好きでこんなことしてるわけじゃないのよ」
「は、はい……」
「………次は無いわよ。どんな状況でも、即座に撃つわ」
「わ…わかりました……」
「こ、これは……大変なものを見ちゃいました…」
311 = 1 :
今日はここまで
扶桑姉様がかわいそうになってきたから扶桑姉様のいちゃいちゃを書きたい(書くとは言ってない)
たぶんあと二日回の投下で終わるかと
312 :
乙
もうすぐ終わるのか・・・
ちょっと寂しいな
313 :
青葉の溺死体ががが…
314 :
これは山城の前に青葉が沈められますね…
315 :
山城に青葉を沈めさて責任取らせれば一石二鳥だな!
316 :
あああああああ山城泣かせたいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
317 :
「……遅れてすみません」
「お、扶桑!よかった……」
「……青葉さんは?」
「それがさ…どっか行っちゃって、結局手伝いもなにもしてくれなかったんだ。助かったよ」
「………………そうですか」
「…………はぁ…」
「……や、山城さぁん」
「!……青葉さん?」
「そうです……その…」
「……見てたのね」
「……はい…」
「…………お願い、この事は誰にも――」
「わかりました……」
「…………姉様は、提督が私のことを好いているから私に当たるの」
「な、なるほど…でも、あれは――」
「そうね。少し度が過ぎている気がするわ」
「気がするって…!物凄く過ぎてますよ!」
「……でも、私は提督に興味なんて無いの…」
「なら、それを言ってみては……」
「その都度タイミング悪く提督に出くわすの…それを姉様は私が故意に会ってるんじゃないかって」
「そ、それは…」
「不幸だわ……」
318 = 1 :
「……あっ!」
「な!なに!?」
「あ、別に驚かせたかったわけではなかったんです…」
「びっくりしたじゃない……」
「すみません……それで、ひとつ思い付いたんですけど…山城さんが提督をフればいいんじゃないですか?」
「……どういうこと?」
「ですから……提督を呼び出して『気持ちには薄々気づいていましたが、ごめんなさい』みたいなかんじで…」
「…………それは盲点だったわ」
「では!」
「……でも、それでも姉様に変に見られそうで…」
「えー……山城さんは扶桑さんに臆病すぎるんです!」
「で、でも……」
「わかりました!では先程の扶桑さんと山城さんのやり取り。これを司令官に見せましょう!」
「えっ!?それは……」
「誠実な司令官なら打破してくれるはず!山城さん寄りの司令官ならなおさらです!」
「でも、姉様が……」
「そんなあまっちょろいこと言ってる場合ですか!脅迫ですよ!脅迫!」
「っ!」
「これが一番です!白日の元に晒しましょう!扶桑さんのためにもなるんです!」
319 = 1 :
「……そう、よね…」
「えぇ!このままではいけません!」
「……青葉、ありがとう」
「いえいえ!こちらもこんなスキャンダルが……あ、失礼しました…………ところで!本当に司令官に何の感情も無いんですか?」
「っ!?な、なんで……」
「あの写真を見て確信したんですよ!やはりこの二人はデキてるって!……違うんですか?」
「だから何度も違うって……」
「うーん…そうですかぁ……」
「…………当然だけど、ここで話したことは他言無用よ」
「司令官以外には…ですよね」
「…………扶桑姉様には、真っ直ぐなままでいてほしかったの…」
「早めに対処すれば……このデータ、すぐ渡しに行きますね!」
「!なら私が――」
「それはダメです!あくまで第三者に見られた。その体でいくのがもっとも安全なんです!」
「…………お願いするわ」
「はい!では!」
320 = 1 :
「やっぱり扶桑がいたら捗るよ……それにしても、青葉どこ行ったんだ…?」
「青葉さんは気まぐれで動いてますからね……」
「って言ってもなぁ……」
「……提督」
「ん?」
「……少し離れてもよろしいでしょうか?そろそろ山城の食器を片付けないといけないので」
「あ、そうだな。行っておいで」
「失礼します」
「…………山城」
「っ!……ね、姉様…?」
「食器を片付けに来たわ……ちゃんと食べてるわね」
「は、はい…」
「…………ところで、青葉さんを見なかった?」
「っ!」
「私の代わりに秘書艦を一時的…ほんの少しだけ任せたら、すぐに何処か行ってしまったらしくて……知らない?」
「……し、知りません」
「……………………本当に?」
「は、はい…」
「………………………………本当に?」
「っ!はいっ…!」
「…………わかったわ。ゆっくり寝てなさい……それじゃあまた夜に」
「は、はい……………………青葉…」
321 = 1 :
「…ただいま戻りました……提督?」
「ふぅ……」
「えっ?何処か行ってたんですか?」
「ギリギリセーフだな」
「……着替えたんですか」
「トイレでな。いやぁ、あまりにも暑かったから思わず……間に合ってよかった」
「では、仕事の続きを――」
「いや、それも……いよっし!今日の分終わり!」
「……お疲れ様でした」
「ところで、山城はどうだった……?」
「………………」
「ん?扶桑?」
「……順調に回復していると思います」
「それはよかった…」
322 = 1 :
「…………提督。ひとつよろしいでしょうか」
「なんだ?」
「……私と山城。似ていると思いませんか?」
「え?あ、あぁ…はじめの頃はよく間違えてたよな」
「服装も顔も声も…笑顔も」
「ま、まぁ姉妹だしな…」
「そして、私は山城よりも提督のことを理解している……」
「?……たしかに、君は俺の良き理解者だよ」
「……なら…」
「…………?」
「……いえ、なんでもありません…」
「そ、そうか…」
323 = 1 :
今日はここまで
>>313-315君達発想が怖い
>>316わかる。
324 :
おつ
既に青葉は扶桑側だと思うと捗る
325 :
流石に山城に味方が1人もいないと可哀想だからやめてやれ
326 :
扶桑にも味方はいないんだよなぁ……妹は裏切り者だし
327 :
早く青葉に裏切られて提督からも見限られる山城の泣き顔が見たいなあ…(子犬目)
328 :
もちろん山城と提督が結ばれてハッピーエンドなんてないよなぁ?
山城は提督が嫌いなんだから。な?
329 :
何こいつ
330 :
ただの自分の好きなように誘導したいだけの乞食
331 :
すみません
>>311の4行目は無かったことにしてください
332 :
「……あ!」
「どうかしました?」
「夕食の時間過ぎてるじゃないか!」
「え?……あ、本当ですね」
「……なんか俺たち、飯と仕事しかしてないな」
「大規模作戦に向けて力を温存しているので当然なのでは?」
「そうなんだけど……まぁいいか…って山城の分!」
「あら」
「どうするんだ?」
「……山城が寝てるか確認してきます。寝てたらそっとしておきましょう」
「そうか」
「……よろしければ、私が腕によりをかけてお作りいたしますよ?」
「お!それは嬉しいな」
「ふふっ……いつでも私に言ってくださいね」
「流石にいつでもってのは気が引けるけど……」
「いいですよ?提督のためならいつでもすぐにご用意します」
「あ、ありがとう…」
「先に向かってください。私は山城を見に行きます」
「ん、そうか」
333 = 1 :
「…………青葉、大丈夫かしら…」
「何が大丈夫なのかしら?」
「それは……姉様!?」
「……元気そうね」
「な、なんでしょうか…」
「夕食を用意するべきか確認したかったのよ……食堂は閉まってるし」
「あ……そうですね」
「…………それで、青葉さんがどうかしたの?」
「っ!あ、いえ!……さっき姉様が言っていたことを思い出してただけです」
「………………本当?」
「……っ…はい」
「……………………」
「………………」
「…………わかったわ」
「……はい…」
「じゃあ、あなたの分の料理も用意するわね」
「よ、よろしくお願いします…」
「任せなさい。とっても美味しい料理を用意してあげるから」
「…はい」
「……それと、今のうちに風呂に入りなさい」
「え……はい…」
「あと食堂には近づかないこと……いいわね?」
334 = 1 :
「やっぱり閉まるの早いよなぁ……もう少し延ばしてもらおうかな?」
「……私の手料理は嫌ですか?」
「いや!そういう意味じゃないって!」
「冗談ですよ」
「質の悪い冗談はやめてくれ……」
「ふふっ…」
「それで、今日は何を作ってくれるんだ?」
「そうですね……昨夜は洋食を御馳走になりましたし、今夜は和食でいかがでしょう」
「一昨日のをみた限り、扶桑は和風の方が得意なのか?」
「ある程度なら満遍なくできるように頑張ってますけど、やはりそうですね」
「ふーん……あ、豆腐の味噌汁とか欲しいな」
「はい。了解しました」
335 = 1 :
「ふぅ……やっぱり扶桑の手料理は最高だな」
「ありがとうございます」
「さっきはあんなこと言ったけど、本当に毎日でも……うん、ありだ」
「ま、毎日ですか……それなら――」
「あ、へんな意味じゃないからな!」
「…………わかってます」
「じゃあ俺は、今日こそ食器を洗っておくよ」
「それも私が…」
「大丈夫。任せてくれ」
「ですが……」
「それよりも、山城に夕食を届けてやってくれ」
「…………山城が心配ですか?」
「そりゃあな……どうかしたか?」
「……なんでもありません」
336 = 1 :
「…………!」
「山城…いるわね」
「と、当然です……」
「……そうね。食べ終わったらそこに置いておきなさい」
「はい…………あの…」
「なにかしら?」
「あ…青葉さんは?」
「さぁ、知らないわ」
「そ、そうですか……」
「……………………どうしたの?」
「へ……?」
「えらく青葉さんを心配するのね……特に仲が良かったわけでもないでしょ?」
「べ、別に……ただ話すことがなかっただけで」
「………………あなた」
「な、なんですか…?」
「あの新聞が嬉しくて仲良くなったのかしら?」
「ご、誤解です!」
「……青葉さんは見ていないわ」
「そうですか…」
「……話は終わり?提督が待ってるから戻るわ。早く寝なさい」
「……はい」
「…じゃあ――」
「山城ー大丈夫か?」
「提督!?」
「…………」
337 = 1 :
「………」
「お、中々元気じゃないか」
「お、お陰さまで……」
「いやー良かったなー」
「……提督、あの食器は?」
「もう終わったよ」
「……そうですか」
「流石にあれくらいはちゃちゃっとしないとな」
「…………提督、まだ病み上がりで近づくのは――」
「……提督」
「どうした?」
「…………せっかく提督を見ないで一日を過ごせると思ったのに、最後に会ってしまいましたね…姉様しかいなかったのに……不幸だわ」
「……俺はお前に会えて嬉しいけどな」
338 = 1 :
「っ!な、なんですか!」
「……………………」
「やっぱり山城と話せないのは寂しかったぞ」
「そ!……そんな…こと……」
「……………………提督、そろそろ」
「え。もう?」
「山城も今から食事ですし、そっとしてあげて下さい」
「そうか……流石に長居するのは辛いか」
「あっ……」
「……行きましょう」
「そうだな。じゃあ、また明日」
「は、はい……お休みなさい…」
「…………はぁ…」
「……提督のあの感じ、青葉はまだなのね…」
「……まさかバレた…?」
「………そ、そんなわけ…」
「…………そうね…今夜辺りにきっと…」
「じゃないとまた明日も……っ」
339 = 1 :
「……扶桑」
「どうかしました?」
「…本当に山城は体調が悪かったのか?」
「……今思えば、大したことなかったのかもしれません」
「俺もそんな気がするな……まぁ、しばらく出番は無いだろうから別にいいけど」
「…………」
「ん?どうかしたか?」
「……いえ」
「……あと話は変わるけど、前にも言った通り大規模作戦の前に君達に休暇を与えたいんだ」
340 = 1 :
「…………」
「それで、いつがいい?流石に明日すぐってのはあれだけど」
「…………提督は、お休みをとられないのですか?」
「俺?……考えたこともなかった」
「……できればなんですけど、一緒に休みをとりたいと…」
「…………そうか」
「ですので、提督の都合に合わせ――」
「ごめんな」
「っ…」
「気持ちは嬉しいんだけど、やっぱりこのタイミングでは厳しいかな…」
「…………!でしたら私も休むわけにはいきません」
「え?」
「提督にだけ仕事を押し付けて、悠々と休暇を楽しむことはできかねます」
「えー…でも山城は楽しみにしてたぞ?」
「……でしたら、山城だけ休暇を与えるのはいかがでしょうか」
「うーん……それもありだが、あいつが喜ぶか?」
「喜びますよ……絶対」
341 = 1 :
「……まぁ、一応聞いておくか」
「えぇ。是非」
「でも、休暇か……欲しいな…」
「……次の作戦が終わったら、二人で行きましょう?」
「……まぁ、それくらいなら」
「!ありがとうございます」
「とにかく、まだ先のことだ。それよりも来る大規模作戦に向けて色々頑張らないとな」
「えぇ……では、私はこれで…」
「そうか。おやすみ」
「はい。お休みなさい」
342 = 1 :
「………………はぁ…」
「山城」
「っ!ね、姉様…食器、ありがとうございます」
「いいのよ。途中で破ったとはいえ、約束を守って提督を避けてくれたんですもの」
「あ……はい…」
「……明日は一時間自由時間をあげるわ」
「っ……わかりました…」
「……それともうひとつお願いがあるの」
「っ…なんでしょうか……?」
「提督が休暇をくれるそうよ」
「そうですね……」
「それを、貴方は満喫しなさい」
「……はい?」
「要するに留守にしなさい」
「あ……そういうことですか…」
「徐々に提督から離れていくの。そうすれば……」
「……ね、姉様!」
「……………………なに?」
343 = 1 :
「私、思うんです…提督が好きだったら、やはり打ち明けるべきだと」
「…………それは、提督にフラれろということ?」
「いえ!違います!……姉様のお気持ち痛いほどわかります…」
「…………」
「昨夜の写真は本当に偶然です!私は姉様を応援しているんです!」
「…………」
「…私に考えがあります」
「……話してみなさい」
「……私が提督をふるんです」
「…………」
「そうすれば提督も私を諦めるでしょうし、姉様は傷心の提督に近づくことができます」
「…………それで私を騙して提督と付き合う…そういう算段かしら?」
「違います!……でしたら、ドアの隙間から監視していたらどうでしょうか」
344 = 1 :
「………」
「私が済ませてしまえば姉様の心配するようなことはすべて無くなるんです……どうでしょうか?」
「………………わかったわ」
「では!」
「……そうね。明日の朝に実行しなさい」
「あ、朝ですか…」
「えぇ。傷心の提督と長くいたいの……一緒に過ごせば過ごすほど、提督は私を頼ってくれる…」
「そ、そうですか……」
「ただし、私を裏切ったら……問答無用で頭を撃ち抜くわ」
「っ!え…」
「いいわね?」
「…………わかりました」
345 = 1 :
「大丈夫…………青葉が今夜中に…」
「山城、なにか言った?」
「……いいえ。独り言です」
「そう……おやすみ、山城」
「お休みなさい……姉様」
346 = 1 :
「……山城」
「………ん…」
「…………山城」
「……ふぁ…あ……姉様…?」
「そろそろ起きなさい」
「……今、何時ですか?」
「0600…私は提督を起こしに行くわ。あなたは0700の朝食に間に合うよう席をとっておきなさい」
「ふぁい……わかりました……」
「…………じゃあ、頼むわね」
「はぁ~い……」
「…………わかってるの?」
「っ!はい!わかりました!」
「……ならいいわ」
347 = 1 :
「…………提督?」
「扶桑か…おはよう」
「……珍しいですね。提督がもう起きているなんて」
「流石に扶桑が起こしてくれるとはいえ、頼りっぱなしってのものな……というより、別に辞めてもいいんだぞ?」
「いえ。私が自分で言い出したことですから……それに、嫌ではありません」
「それならいいんだが……そうだ。山城はどうだ?」
「…………一応治ったようです」
「ん。よかった…」
「……では早速着替えてしまいましょう」
「そうだな……」
「…………」
「…………あの」
「どうしました?」
「いつも言ってると思うけど、扶桑がいると着替えにくいんだ…」
「…………わかりました。では廊下でお待ちしています」
348 = 1 :
「よし、準備できたぞ……でも、混んでないかな…」
「先に山城が席を取っているはずです」
「え」
「?どうかしました?」
「あ、いや…昨日まで風邪で倒れてた山城に頼んだのか?」
「っ!……まさか。山城が自ら率先して言い出したんです。迷惑をかけたからと」
「あ、なるほど……やっぱりいい娘だなぁ」
「っ…………そう、ですね」
349 = 1 :
「…………」
「おっ、山城」
「っ!提督!」
「お、おぉ……元気だな」
「え…はい…」
「ん?どうした?」
「…………て、提督。あの、なにか聞いてませんか?」
「え?何か?」
「あ、その…青葉から……」
「青葉?……あれ。そういえば」
「なにかあるんですか!?」
「い、いや……無いなーって」
「……へ?」
「青葉新聞。あれ日刊だろ?今日は出てないんだな」
「…………っ!?」
350 = 1 :
今日はここまで
……台本形式って地の文よりも難しいですね
台本形式で書く人を尊敬します
また書き溜めがたまった頃に
ではお休みなさい
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