私的良スレ書庫
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元スレ提督「いやー鎮守府に帰るの久しぶりだなー」電「その2なのです」
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榛名「はあああああああ!」ドンドン
金剛「遅いデス!」サッ
榛名「くっ!ならばこれはどうですか!」ザザァ
金剛「!」
金剛「そんなに近くから撃ったら榛名自身まで巻き込まれマス!」
榛名「当たるなら榛名は構いませんよ!」ドンッ
金剛「!」
ドォン
榛名「これでどうですか」ハァハァ
金剛「」ヌッ
榛名「な!?煙の中から!?」
金剛「」ドゴォ
榛名「がはっ!」
金剛「この距離なら……外さないでショウ……」ハァハァ
榛名「まさか砲撃を食らいながら無理矢理攻撃してくるとは……」ハァハァ
金剛「言ったはずデス、沈めてでも止めると」
金剛「(とは言っても流石に今のは効きマシタ)」
金剛「でもこれでチェックメイトデス」チャキ
榛名「くっ!」ギリッ
金剛「ここで貴女を……沈めマス……」
榛名「そうですか、ここまでですか」
榛名「でも、例え沈んでも榛名はきっと蘇ってみせます」
金剛「その時はまた沈めマス」
榛名「……」
金剛「さようなら、榛名……」チャキ
金剛「……」
『榛名は、大丈夫です』
『無茶しないでください金剛お姉様、榛名は心配になります』
『榛名は、この鎮守府で過ごす日々が大好きです』
金剛「……」
榛名「……どうしたんですか?早く撃てばいいではないですか」
金剛「……」プルプル
金剛「……できまセン……」プルプル
金剛「やっぱり……私には大切な妹を沈めることなんて……できまセン……」ポロポロ
榛名「……」ギリッ
榛名「」バッ
金剛「!」
榛名「」ガッ
金剛「ぐっ!」
榛名「これで形成逆転ですね」ニヤリ
金剛「あ……が……」
榛名「お姉様は甘すぎます。だからこんなことになるんですよ」
榛名「このまま絞め殺してあげます」グググ
金剛「ぐ……」ポロポロ
金剛「テイ……トク……」ポロポロ
金剛「ごめん……なサイ……」ポロポロ
電「司令官……さん……?」
雷「しれー……かん……?」
提督「その砲塔を降ろすんだ電」
電「そ、それは……できないのです」
提督「なんでだ?」
電「電が戦わないと……司令官さんが危ないのです……」
電「司令官さんには……傷ついてほしくないのです……」
提督「じゃあ撃つのか?」
電「……それも……できないのです……」ポロポロ
電「同じ仲間を……姉妹を沈めたくなんてないのです……」ポロポロ
雷「電……」
電「もう電はどうすればいいのか自分でもわからないのです」ポロポロ
提督「もういい、無理するな」
電「でも……」
提督「もし俺に何かあったらその時はお前が守ってくれ、電」
電「それは……できないのです」
電「電の力じゃ加賀さんや榛名さんには敵いませんでした……」
電「この状況も……電の力が足りなかったからこうなってしまったんです」
電「だからせめて司令官さんだけは助かるようにって居なくなったのに……」
電「なんで……司令官さんはまた電の前に現れるのですか……」ポロポロ
提督「そんなの決まってるだろ!俺にはお前が必要だからだ!」
電「!」
提督「お前だけじゃない、加賀も、榛名も、全員俺の鎮守府には必要なんだよ!」
提督「俺はお前達全員ともう一度やり直したいんだよ!」
電「じれいがん……ざん……」ポロポロ
提督「だからこれ以上無茶するな。お前にはそんな役は似合わん」
電「うう……」ポロポロ
提督「今まで一人で頑張って来たんだな」ナデナデ
電「でも……でも……じゃあどうすればいいのですか……」ポロポロ
電「電だけじゃ……どうしようも……」ポロポロ
提督「安心しろ、もうお前は一人じゃないだろ?」
電「え……?」
提督「いるじゃないか。今まで集めてきた仲間が」
駆逐棲姫「……」チッ
駆逐棲姫「……」チャキ
駆逐棲姫「ソレナラ……全員沈メテアゲル」スッ
「折角いい所なのに邪魔するなんてレディじゃないわね」
ドゴォン
駆逐棲姫「ガハッ!」
駆逐棲姫「誰ダ!」キッ
暁「特Ⅲ型駆逐艦一番艦、暁よ!」エッヘン
加賀「さよなら……赤城さん」チャキ
ブロロロロロ
加賀「!」サッ
ドゴォン
加賀「くっ!」
加賀「艦載機に雷撃……一体誰かしら」キッ
蒼龍「久しぶり、加賀さん」
川内「ちょっと私と夜戦しない?」
金剛「ごめん……なサイ……」ポロポロ
「その汚い手を離しなさいな」
榛名「!」サッ
金剛「かはっ」ゲホゲホ
榛名「(凄い殺気……)」ハァハァ
榛名「誰ですか」ギロッ
大井「通りすがりの重雷装巡洋艦よ」
電「暁ちゃん……」
暁「全く、急に居なくなるんだから心配したわ!」プンスカ
提督「な?お前はもう一人じゃないだろ?」
提督「お前が一人でできないなら俺達も手伝うさ」
電「(そうだ……電は……もう一人じゃないんですね)」
電「(電達の今までの行動は……無駄じゃなかったんですね)」グスッ
電「ごめんなさい……心配かけてごめんなさいなのです……」ポロポロ
暁「いいのよ。電は今まで頑張ったんですもの、今度は暁達が頑張る番よ」
電「暁ちゃん……」
暁「ここは暁達に任せて電は行かなきゃいけない場所に行って」
電「で、でも……」
雷「大丈夫、私もいるわ!」
電「雷ちゃんまで……」
雷「もっと私に頼ってもいいのよ電!だから先に行きなさい!」
電「……わかりました、電は先に行くのです」
電「司令官さん……行きましょう、榛名さんの元へ」
提督「おう」
電「司令官さんは電の背中に」スッ
提督「わかった」
島風「じゃあ島風はそこの大破してる娘を預かって戻るね」スッ
響「……」
暁「ありがと、島風ちゃん」
島風「これで借りは返したからね!」
提督「ああ、十分だ」
雷「折角司令官と会えたのに直ぐ居なくなっちゃうのは悲しいけど……また会えるわよね?」
提督「当たり前だろ?帰ってまたやり直すんだからな」
雷「そうよね……なら気合い入れなきゃ!」
電「じゃあ急ぎますよ司令官さん」
提督「おう、行くぞ電!」
電「はいなのです!」ザザァ
暁「さ、さっさと終わらせましょ?」
雷「相手が深海棲艦ならこっちのものよ!」
駆逐棲姫「ヒネリツブシテヤル……!」
赤城「蒼龍さん、川内さん!」
川内「危なかったね、赤城さん」
蒼龍「大丈夫?」
赤城「ええ、なんとか。でももう艦載機は飛ばせそうにありません。ごめんなさい役に立たなくて」
蒼龍「ううん、赤城さんはよく頑張ってくれたよ。後は私達に任せて」
川内「そういうこと、後方でゆっくり休んでて」
赤城「ありがとうございます……」
加賀「……何しに来たのかしら」
川内「そりゃあもう」
蒼龍「加賀さんを止めに……かな」
加賀「私も随分舐められたものね。貴女達だけで止められると思ってるのかしら?」
蒼龍「確かに一人じゃ無理でも」
川内「力を合わせればできるって提督に教えてもらわなかった?」
加賀「そんなこと覚えてないわ」チャキ
蒼龍「じゃあまた教えてあげるよ」チャキ
川内「二度と忘れないよう身体に刻み込んであげる」チャキ
電「」ザザァ
提督「なあ電」
電「なんですか?」
提督「少しでいい、教えてくれないか?お前がどうして深海棲艦側にいたのか、そしてなんで一人で鎮守府に居たのか」
電「……大本営から異動命令が出た後、皆さん居なくなって後は榛名さんと加賀さんと電だけになりました……」
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電『榛名さん、加賀さん』
加賀『……』
榛名『……』
電『お二人は練度も高いし今までの戦果も優秀なので大本営がどこに行くか選ばせてくれるそうです』
榛名『結局、提督は来ませんでしたね』
電『……いつかきっと帰ってきますよ』
榛名『いつか来る、いつか来ると言って待ちどれ位経ちましたか?』
電『……』
榛名『ずっと提督を信じて待ってた私が馬鹿みたいですね』
電『それでも今はただ待つことしかできないと思うのです』
加賀『私達は提督にとってその程度の存在だったってことかしら』
電『そんなことは……ないのです……』
榛名『あの人に全てを捧げた私達の人生は何だったのでしょうね』
加賀『……』ギリッ
榛名『今はもうあの人への憎悪だけが込み上げてきます』
電『……』
戦艦水鬼『フフフ……捨テラレタ可哀想ナガラクタ達……』スゥ
電『!』
榛名『!』
加賀『!』
電『何故こんな所に戦艦水鬼が!?』
戦艦水鬼『オ前等ノ心ノ闇ガ私を呼ンダンダ』フフ
加賀『心の……闇……』
戦艦水鬼『憎インダロウ?提督ガ』
戦艦水鬼『ソコノ二人ハ正直ダゾ』フフ
電『そ、そんなことないですよね二人とも……』
榛名『……憎いです』
加賀『……ええ』
電『え……』
戦艦水鬼『ナラ復讐スレバイイ、壊セバイイ、何モカモ』
戦艦水鬼『本気デ復讐シタイノナラツイテキナサイ』
電『そんな口車には乗らないのです!』
加賀『……そうよ、私達を甘く見ないでちょうだい』
戦艦水鬼『フゥン……貴女達ノ憎シミッテソノ程度ナンダ』フフ
榛名『……行きます』
電『!』
加賀『!』
榛名『こんな世界にいたっていいことなんてありません。ならばいっそ壊してしまった方がいいではないですか』
戦艦水鬼『ソノ通リダ』フフ
電『榛名さん!』
戦艦水鬼『ツイテコイ』ザザァ
榛名『……』ザザァ
電『榛名さん、行かないでください!』
加賀『……』ザザァ
電『加賀さんまで……』
電『そんな……』ポロポロ
電『このままじゃ……』ポロポロ
電『……』グシグシ
電『電も行くのです!』ザザァ
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電「あの時の電には二人を説得することも、力づくで止めることもできませんでした」
電「ただあの二人をそのままにするともう二度と戻ってこれないような気がして……それで電もついていきました」
提督「……」
電「時間が経てば説得のチャンスがある……そう思っていましたが結局二人を止めることができませんでした……」
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電『加賀さん、もうこんなことはやめましょう』
加賀『……』
電『加賀さんだって気づいてるはずです、こんなことをしても何の解決にもならないって』
加賀『……』
電『電はこれ以上こんな加賀さんや榛名さんを見たくはないのです……』
加賀『やっぱり貴女はそっくりだわ』
電『え?』
加賀『その甘いところも、頑張れば皆が幸せになれると本気で夢見てるところも』
加賀『あの人そっくりで……ずっと気に入らなかったのよ』ギロッ
電『』ゾクッ
加賀『もし秘書艦が貴女じゃなくて私だったら……私も貴女と同じことを言ってたのかもしれないわね』チャキ
電『加賀さん……?』
加賀『これ以上協力できないというのなら……今すぐ沈めてあげるわ』バシュ
電『!』
ブロロロロロ
ドゴォン
電『』ハァハァ
加賀『どうしたの、動きが鈍いじゃない』
電『電は……加賀さんと戦いたくないのです……』
加賀『そう、じゃあ黙って沈みなさい』
ドドドドドド
電『きゃあ!』
電『はぁ……はぁ……』
電『(もう……立ってるのが……精一杯なのです……)』
加賀『もういいわ、これ以上やっても仕方ないもの』スッ
電『……』ハァハァ
加賀『もうこれ以上私達に関わらないでちょうだい』
電『……』ハァハァ
加賀『次会ったら本当に沈めるわよ。わかったらどこかで静かに暮らしなさい』
電『(だめ……なのです……もう意識が……)』
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電「そして電はそのまま流されて気づくと何の偶然か自分の鎮守府に流されていました」
電「それから電は何をすればいいのかわからずただずっと司令官さんが帰ってくるのを待ち続けることしかできませんでした」
電「そして諦めかけた時に司令官さんが帰って来たのです」
提督「……今まで本当にすまなかったな」
電「いいのです。今は司令官さんが居ます。電はそれだけで十分なのです」
電「司令官さん、また昔みたいに皆で笑いあえるように頑張りましょう」
提督「ああ、頑張るぞ!」
大井「」ハァハァ
榛名「」ハァハァ
大井「だいぶ動きが鈍くなってるじゃない。深海に浸かりすぎて身体が鈍ってるんじゃないの?」ハァハァ
榛名「そっちこそ普段から動かず魚雷ばかり撃ってるから動き方忘れたんじゃないですか?」ハァハァ
大井「言うじゃない」チャキ
榛名「ふん」チャキ
提督「お、見えてきたぞ電!」
電「なのです!」ザザァ
提督「もっと急げないか電、このままじゃ二人とも共倒れになっちまう!」
電「それは無理なのです!」
提督「くそ……どうすれば……」
電「!」
電「司令官さん、いい方法を思いつきました!」
提督「もうなんでもいい、時間がないから早速やるんだ!」
電「わかったのです!」フリカブリ
提督「え?」
電「司令官さん」カマエ
提督「嘘だろ……まさか……」
電「電の本気を見るのです!」ブンッ
提督「うわああああああああああああああああああ」
榛名「死になさい!」チャキ
大井「負けるもんですか!」チャキ
金剛「二人ともやめるデス!これ以上やったら……」
「ちょっと待ったああああああああああああああああああああああああ」
榛名「!」
大井「!」
金剛「!」
大井「この声は……」
金剛「まさか……」
榛名「てい……と……」
提督「ああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ヒュウウウウウウウウ
ボチャン
ブクブクブク……ブク……
大井「……」
金剛「……」
榛名「……」
提督「」ザバァ
提督「がば……ごぼ……誰か……助け……」ブクブク
大井「……」ザザァ
大井「」ガッ
提督「」ザバァ
大井「……」
提督「すまん……大井」ゲホゲホ
大井「すまんじゃないわよこの馬鹿!もっとビシッときめなさい!」ドゴォ
提督「ごめんなさい!」ゴフッ
金剛「本当に……テートクデスか?」
大井「ええ、この前帰って来たのよ」
榛名「う……そ……」
提督「大井、榛名のところまで連れてってくれないか」
大井「わかったわ」ザザァ
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