私的良スレ書庫
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元スレ京太郎「この子が許嫁?…かわいくていいじゃんw」
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乙です
SSで霞さんの思惑が成功した試しがない、つまり明日には霞さんも京ちゃんを認めちゃう展開に
SSで霞さんの思惑が成功した試しがない、つまり明日には霞さんも京ちゃんを認めちゃう展開に
結構話しっかりしてて面白そう
近頃京太郎SSでこういうのなかったから期待が高まる
神代の守り人だっけか、あれと雰囲気似てるな
近頃京太郎SSでこういうのなかったから期待が高まる
神代の守り人だっけか、あれと雰囲気似てるな
昔安価スレでのお題にあった姫様と許嫁だけど、巴と駆け落ちするっていうの思い出したわ
女性陣がチョロすぎないのがいい
京太郎SSは脈絡もなく女キャラが初っ端から好感度激高のケース多いし
京太郎SSは脈絡もなく女キャラが初っ端から好感度激高のケース多いし
初期好感度マイナスないし0に近いヒロインズのほうが攻略市外がある
はっちゃんのツンケンにも期待
はっちゃんのツンケンにも期待
>>64
半ケツロリに見えた、大して変わらなかった
半ケツロリに見えた、大して変わらなかった
二、三人称でしか呼ばない辺りモノローグ無しでも邪険してるのが分かるなぁ
別に安価スレじゃないのにハーレム作る気だとか何言ってるんだけどね
そんなこといいつつどーせお前らいつもの京太郎安価SSで
ハーレム拡大するような安価ばっかとってんだろ?
素直になれよ
ハーレム拡大するような安価ばっかとってんだろ?
素直になれよ
小蒔「ど、どうでしょうか……?」
春「ばっちり」
小蒔「えへへ、ありがとうございます。春のお墨付きなら、心強いです」
小蒔「それじゃあ、いってきますね」すっ
春「……うん」ぽりぽり
春「気を付けて……」
――
小蒔「遅くなってごめんなさい、須賀くん」ざりっ
小蒔「用意に手間取っちゃって……」
京太郎(透き通った声に振り向くと、神代さんがやってきていた。でもすぐにその姿から目を逸らしてしまった)
京太郎(昨日も緊張してはいても目は合わせられたのに。でも今は、何だか恥ずかしくて正視すらできない)
京太郎(これから彼女と二人きりになるっていう状況を想像すると、ヤバいくらい胸が高鳴る……!)
京太郎(正気でいられるかな、俺……)
京太郎「……いえいえ、全然待ってませんよ」
京太郎「んじゃ、出発しますか!」
小蒔「はい!」
ざっ…
霞「――…ちょっと、いいでしょうか」ぬっ
小蒔「? 霞ちゃん? はい、なんでしょう」くるり
霞「あ、小蒔ちゃんじゃなくて、そっちの……」
京太郎「……俺?」きょとん
霞「はい」こくり
霞「……ちょっとこちらへ」ひょいひょい
京太郎「あ、わかりました」
京太郎(さっきまでいなかったのに唐突に現れて、一体何だろう?)
たたたっ
京太郎「……それで、どうかしたんですか?」
霞「参詣の前に、貴方に渡す物があります」ごそごそ
すっ…
霞「――これを」
京太郎「……これは、お守り?」ぽすん
京太郎(黒くてざらざらした布が、札状のものを包むように何重にも巻かれている)
霞「はい。厄除けを願って作りました」
京太郎「え? 作ったって、誰が?」
霞「……私です」
京太郎「石戸さんが!? なんか凄いですね……」
霞「だから……肩身離さずに持っていて下さいね」
京太郎「勿論っす! コレ、ありがとうございました。心強いですよ」
京太郎「へへ……それじゃ、行ってきます!」たたっ
霞「……」
京太郎「神代さんお待たせしました。行きましょうか」ざっ
小蒔「はいっ」とてて
霞「…………」
巴「……行っちゃいましたね。姫様と須賀くん」ざりっ
巴「正直ちょっと羨ましいですね。私たちもいつか運命の人と出会ってああして……な、なんちゃってー」
巴「……こほん。ごめんなさい、何でもないです」
霞「追うわよ、巴ちゃん」
巴「えっ、本当に?」
霞「もちろん、本当よ」にこ
巴「ま、まぁ……霞さんが言うなら、わかりました。こっそり追いましょう」
巴「悪い気もしますが、見守るだけですしね」
霞「そうね」
霞「私たちはただ、見守るだけでいいわ」
――
小蒔『神宮は、私たちのお屋敷からちょっと歩いたところにあるんですよ』
京太郎「――って、言ってませんでしたっけ……神代さん」
京太郎(俺と神代さんの目の前には、空まで続くかのような石造りの階段が構えていた)
京太郎「この階段も、そのうちに入るんですか?」
小蒔「えっと……はい」
京太郎「マジかぁ」
小蒔「のぼるのはちょっと疲れますけど、頑張りましょう!」
京太郎「あ、弱音吐いてるように見えました?」にや
小蒔「い、いえ! 決してそんな事は!」わたふた
京太郎「へへ、頑張ってのぼります。いきましょう、神代さん」ざっ
小蒔「はいっ」たたっ
ざりっ ざりっ…
京太郎「――…でも、弱音とかじゃなくて、ちょっと感心してました」
小蒔「感心……ですか?」
京太郎「はい。だって、こんな長い階段でも『ちょっと歩いた』って言えるくらいには根気と体力があるんだなって」
小蒔「そ、そんな! 根気も体力も全然です。学校の体育じゃ、成績もあまり良くなくて……」
小蒔「でも、この参詣道をそういうふうに言えるのは、多分私が、幼い頃からずっとこの道を歩いてきたから……でしょうか?」
京太郎「……慣れっていうのもコワいもんですね」
ざっ
ざっ
ざっ
ざりっ!
京太郎「ふう、ようやくのぼりきったぁー……! 最近体動かしてなかったから、昨日も今日もいい運動になったなー」
京太郎「あ、これからここで暮らすから、運動不足とか心配しなくて良くなるのか。ガッコ行くようになったら尚の事だな」
小蒔「運動好きなんですか?」
京太郎「体を動かすのは好きですよ。気持ちいいし。中学ではハンドボールもやってました」
京太郎「神代さんは……あんまりそういうタイプには見えないですけど」
小蒔「わ、私だって体を動かすの、好きですよ。その、得意じゃあ、ないんですけど……」
京太郎「成績気にしてましたもんね」
小蒔「うう。恥ずかしい話です……」
京太郎「それにしても――…」ちら
京太郎「良い光景ですね」
京太郎(階段を上がりきると、タッパのある鳥居が姿を現して)
京太郎(その向こうには、朱色の綺麗な神社が建っていた)
京太郎「こういう場所ではあまりふさわしくない気持ちかもしれませんが、気分がノッちゃいます」
京太郎「綺麗すぎて……」
小蒔「……好きなんです」
京太郎「え?」
小蒔「この場所の、この雰囲気が」
小蒔「だから須賀くんが気に入ってくれると、私も嬉しいです」すたすた
小蒔「……」ぺこり
京太郎(小蒔さんは、鳥居の前で一礼して、そよ風を受けながら先導する)すたすた
京太郎(俺も続いて一礼し、鳥居を抜け――…)ざりっ
京太郎「――っ」ぞくり
小蒔「? 須賀くん?」
京太郎「……」くらっ
小蒔「わわっ……! す、須賀くん……!?」たたっ
京太郎「」はっ
小蒔「ふらつかれましたが大丈夫ですかっ?」
京太郎「はい、ちょっと立ち眩みが……」
京太郎「でも大丈夫ですよ。すいません時間取らせて。行きましょう」
小蒔「ほんとうですか? 無理はしないでくださいね?」ちらちら
京太郎(めっちゃ心配してくれてる……神代さんにそうされるとマジで、クるものがあるな)
京太郎「ホントホント、ヘーキですよ。ホントにただの立ち眩みなんで」
京太郎(要らない心配かけさせてしまったな)すたすた
京太郎(……)ちら
京太郎(あの鳥居を抜けた瞬間、身体中がぞわりとして、急激に寒くなったように感じた)
京太郎(……気にしすぎか)
こおぉぉぉ…
京太郎「近くで見ると、ホント立派な神社だなぁ……さっそく参拝しますか」
京太郎「ええと、神代さん。正しい参拝のルールとかってあるんですか? あ、先に手を洗うんでしたっけ?」
小蒔「あ、待って下さい! それももちろんあるんですけど」
小蒔「参拝の前に……」
小蒔「境内のお掃除をしましょう!」
京太郎「掃除ィ?」きょとん
小蒔「はい!」ごそごそ
小蒔「掃除は基本ですから。私たち巫女にとって、ご神域を整える事はもっとも大切な事の一つなんです」
小蒔「だから朝は、参拝の前にいつも掃除をしているんですけど……」ちらり
小蒔「……でもやっぱり、須賀くんに無理に手伝わせたりはできませんね。もし嫌なら、見てるだけでもいいので……」
京太郎「いえいえ。そんな事ヒトコトも言ってませんよ。是非手伝わせて下さい」
京太郎(……このまま神代さんと結婚した場合、俺も神社に奉職する確率が高い筈だ)
~~
霞「……私たちの守ってきた伝統に触れる事で、お互いを身近に感じて頂けるかと」
~~
京太郎「……なるほど、こういう事か」ぼそり
京太郎(神代さんとの距離を縮める為には、まず彼女たちの伝統に触れるのが大切、って事だな)
京太郎(石戸さんも俺たちの為に色々考えてくれてるんだ。感謝の言葉もないな……)
小蒔「ありがとうございます!」ぺこり
小蒔「それじゃあ、布を渡しますから、積もってる埃を拭きとってくれますか?」
小蒔「私は箒で地面の枝や葉っぱを払いますから」
京太郎「わかりました!」ざっ
ぷつんっ
京太郎「……あれ?」
小蒔「どうかしましたか? 須賀くん」
京太郎「いえ……何でもありません」
京太郎(……)ちらり
京太郎(靴紐が、切れてる――…)
京太郎(仕方ない。切れたままでも歩けない訳じゃないし、取り敢えずこのままにしておくか)
京太郎(神代さんを困らせる訳にもいかないしな)すたっ
京太郎「えっと、どこを拭こうか……なんか、どこも普通に綺麗だけどな」
京太郎「取り敢えず一通りやっていくか……」すたすた
――
小蒔「ふう……」くいっ
小蒔「一通り、お掃除完了ですっ」
小蒔「……」ちら
京太郎「……」ふきふき
小蒔(急にこんな事をやらせてしまって、須賀くんには申し訳ないと思ったのですが)
小蒔(霞ちゃんからの助言ですしね。許嫁として必要な事なのでしょう)
小蒔(それでも)
小蒔(いい人、ですね。須賀くんは)
小蒔(……これは本来須賀くんのお仕事じゃないのに、頼まれて嫌な顔も、退屈そうな顔もまるでせずに、黙々と作業をしてくれている)
小蒔(……)
小蒔(体、大きい……)
小蒔(私よりも歳は下なのに、全くそんな感覚がしないのは、須賀くんが男の人だからでしょうか……)
小蒔(……)じぃぃ…
京太郎「……っ」ふきふき
小蒔(……?)ぴく
小蒔(何か、様子が……)
京太郎「イてて……」ふう
小蒔(――!)
小蒔(イタい?)
小蒔(怪我を、している――…!?)どくん
たたっ
小蒔「須賀くんっ!?」たたた
京太郎「……あれ? 神代さん、どうしたんですか? そんなに慌てて」
小蒔「どこか、怪我をされているんですか!?」ずいっ
京太郎「えっ」
京太郎「……どうして?」
小蒔「それは……ちらっと見えた時に、なにか痛がるような素振りをしていたので……」
京太郎「へぇ、めざといですね神代さん」
京太郎「でも残念ながらハズレです」
小蒔「えっ?」
京太郎「最近体を動かしてなかったって、さっき言ったじゃないですか。だから久しぶりに体を動かして、関節が驚いちゃったんですよ」
小蒔「そ、そうなんですか?」
京太郎「そうなんですよ。はは、心配かけちゃってスイマセン」
京太郎「……あれっ? ところで、神代さんはもう掃除終わったんですか?」
小蒔「あ……はい! 一通りは終わりました」
京太郎「流石、慣れてる人は違うなあ。俺なんて拭くだけなのに、まだ終わってませんよ」
京太郎「まあ、もうそろそろ終わりそうなんですけど」
小蒔「それだけ丁寧にやってくださってるんです。ありがとうございます!」
京太郎「はは、そう言われると照れますね。じゃ、最後にあっちの祠の方、拭いてきますね」ざりっ
小蒔「はい、お願いします。私は集めた枝葉を袋にまとめておきますね」
――
京太郎(ホント、めざとい……よもや"気付かれる"なんて)
京太郎(けれど誤魔化しきれて良かった。神代さんに余計な心配はかけられない)
京太郎(それにこんな事がバレたら、あまりにもダサすぎるだろ?)
京太郎(ここにきて異様な頻度で、足をくじきまくってる、なんて事)
京太郎(俺の不注意なのか、切れた靴紐の影響か……とにかく、動いているとたびたび無理な力がかかって、足をくじいてしまっていた)
京太郎(くじいた場所が、じんじんと痛む)
京太郎(けれどこの程度、耐えられない程じゃない)
京太郎(転んだりして目立つ擦り傷とかつけなくて良かった。嫌でも神代さんに気付かれてしまう)
京太郎(こんな軽いドジでも、神代さんは本気で心配してきそうだしな)
京太郎(あまりみっともないトコ見せるワケにはいかない)
京太郎「……ん」
京太郎「この祠、少し雰囲気が怖いな……」
京太郎「って、何を言ってるんだか。この祠もさっさと拭いて綺麗にして、神代さんトコに戻ろう」
京太郎「ええっと、まず積もった枝を落として……」ごそごそ
きぃ
京太郎「?」
きいぃぃぃぃ……!
京太郎「!!?」
京太郎(祠の扉が、開いた!!?)
京太郎「だ、誰だっ!?」
しーん
京太郎「いや、誰もいない……」
京太郎「ひとりでに、開いたっていうのか……?」
京太郎「そんな馬鹿な……」
京太郎「……ごくり」
そろ~
京太郎(神聖な香りがする祠の中には)
京太郎(銅か何かで出来た鏡のような物が一つ、立てかけられている)
京太郎(それ以外には、何もなかった)
京太郎「一体、何が――…」
京太郎「!!?」
京太郎「な、なんだ……?」
京太郎(今、頭の中に声が響いた気が――)
――不届キ
――誰ノ許シヲ得テ此処二居ル?
――帰レ
京太郎「なっ――…」
京太郎(今度は鮮明に聞こえる! 確かに頭の中に響いている!)
京太郎(一体何だ、この声は……!? いや、かすかに聞いた事のあるような……?)
京太郎「それよりも、何だって? 帰れ、だと?」
京太郎「屋敷に帰れ、と言いたいのか?」
――違ウ
――元居タ場所ニ 帰レ
京太郎「……長野か?」
――其ノ通リ
京太郎「意味が解らないな。どうして帰る必要がある」
京太郎「俺は親同士の約束で此処へ来たんだ。神代さんの許嫁としてな」
――ソレガ不届キダト 言ッテイル!!
ごあっ
京太郎「うっ……!!」
京太郎「マ、マジで意味解んねーぞ。俺が神代さんにふさわしくないって事か?」
京太郎「だから神様の怒りを買って、こうして聞こえる筈のない声が聞こえてるのか?」
――其ノ通リ
――貴方ハ姫様ニ 相応シクナイ
――此処ニ居ルベキデハ ナイ
京太郎「嫌だ、と言ったら?」
――痴レ者ハ
かっ!
京太郎「――…」ど く ん
京太郎「ぐあああぁぁぁああっ!!?」ごごごご
京太郎「っ」ぱちんっ
京太郎「はぁ、はぁ……」
――コウナル
京太郎(一瞬)
京太郎(祠の中の鏡が発光し、その眩しさに目を閉じると)
京太郎(瞼の裏で、頭がひび割れるような痛みと共に地面が崩れて)
京太郎(俺はそのまま、深い闇の底に沈んでいく……そんな映像が、視えた)
京太郎「……な、成程」
京太郎「わ、わかった。俺は、長野に帰る」
京太郎(こんなに神様の怒りを買って、具体的に映像まで見せられて)
京太郎(無理してこの場所に留まる必要なんてない)
京太郎(鳥居を抜けてからの俺の身にふりかかった出来事も、そういう事なんだろう)
京太郎(悔しいが、俺は神代さんにふさわしくなかったんだ)
京太郎(事前に神代さんの写真見てるのにも拘らず、緊張のあまり狩宿さんと間違えるしな)
京太郎(仕方ねえよ。俺には上手い話過ぎると思ってたんだ。実際来てみれば、こんなモンだ)
京太郎(……俺如きが、調子乗り過ぎてた結果だな)
――見カケニ依ラズ賢イ判断デ 何ヨリ
京太郎「うるせえよ。だけど……」
――案ズル必要ハ無イ
――急グ必要ハ有レド 慌テル必要ハ無イ
――今日中ニ 山ヲ降リ
――不自然ジャナイヨウニ 静カニ去レ
――無理ニ姫様ヲ拒絶シテ 只徒ラニ 姫様ヲ傷付ケル事ハ
――許サナイ 決シテ
京太郎「ああ、わかった。肝に銘じとく」
京太郎「お互い無駄に傷付くのは、嫌だもんな」
――
霞「気が、憑いてる?」
霞(神様かと思ったでしょう? 違うの)
霞(これは、貴方に渡したお守りと、祠の力によって発生させた、私の祈りの力そのもの)
霞(こんな形で、脅すように恐怖を与えてしまって、貴方には本当に申し訳なく思います)
霞(でもこうして、見せしめになってもらう他にないの)
霞(そうじゃないと、当主様たちの考えなんて、到底曲げられないもの)
霞(小蒔ちゃんにとって、定められた婚姻なんかよりも、恋愛結婚の方がいいに決まってる)
霞(それを妨げるもの、小蒔ちゃんに近づく不穏因子は)
霞(一つも残らず、私が排除する)
巴「――霞さん?」
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