私的良スレ書庫
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元スレ衣「できたぞ!牌に愛されし者に愛されるようになるクスリだっ!」咲「なにそれ!?」
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一説によれば能力はビギナーズラックじゃなくて豪運らしいからなかおりん。
もしそうなら来年の長野個人戦代表入りは確実だな。本戦はどこまで行けるかはわからんが
もしそうなら来年の長野個人戦代表入りは確実だな。本戦はどこまで行けるかはわからんが
眠気に耐えながら思い付いてたネタをあれこれ詰め込んだからなんかようわからんことになってるかも
先に謝っとく
先に謝っとく
桃子「せーんぱいっ」
ゆみ「…モモ」
桃子「なんすか?」
ゆみ「…なんだ、私たちも部室から足が遠のきつつある。だからたまに会えたら甘えるというのも悪いとは言わない」
桃子「おお、公認っすか」
ゆみ「しかしだな。いまは宮永や龍門渕らが打ってくれるんだ。貴重な経験を優先した方がいいんじゃないか?」
桃子「なにを優先するかは自分で決めるっすよ」
ゆみ「モモ…」
智美「今日も今日とて暑苦しいやっちゃ」ワハハ
睦月「ですね」
透華「やる気のない方は出て行ってもらってかまいませんのに…妹尾さん?モタクサしてないでちゃっちゃと打ってくださいな」
佳織「あ、は、ハイっ」ワタワタ
咲「妹尾さん、相手のペースに惑わされないで、しっかり自分のペースで打ちましょう。その牌も一旦戻して」スッ
佳織「あ…は、はい…」カァ
透華「むっ…」
衣「智美の打ち方は愉快だな」
智美「そうか?こっちからしたらおまえや宮永の打ち方のほうが愉快だぞ」ワハハ
咲「だいじょうぶです、落ち着いて。試合ではあまり長考できませんけど、ここのみんなは待ってくれますから」
佳織「は、はい」
咲(この人…ただのビギナーズラックだと思ってたけど、たぶん違う…)
咲(これはもう、引き寄せてるとしか思えないよ…)
咲(難しいのは、無自覚であるということ。もしもこの引きが自覚的なものだったら、臨機応変にやっていける…そうしたら彼女は…)ゾクッ
佳織(ちかいちかいちかいちかいちかいよぉ…)ドックンドックン
智美「そうか?こっちからしたらおまえや宮永の打ち方のほうが愉快だぞ」ワハハ
咲「だいじょうぶです、落ち着いて。試合ではあまり長考できませんけど、ここのみんなは待ってくれますから」
佳織「は、はい」
咲(この人…ただのビギナーズラックだと思ってたけど、たぶん違う…)
咲(これはもう、引き寄せてるとしか思えないよ…)
咲(難しいのは、無自覚であるということ。もしもこの引きが自覚的なものだったら、臨機応変にやっていける…そうしたら彼女は…)ゾクッ
佳織(ちかいちかいちかいちかいちかいよぉ…)ドックンドックン
佳織「こ、これでしょうか…」チラッ
咲(私ならそっちは捨てない…でも、あれこれテコ入れして妹尾さんらしさが抜けたら、その麻雀には応えてくれないだろうし…)
咲「妹尾さんがそれだと思ったのなら、それでいいんですよ。ただ、慣れるまではいまみたいにすこしでも考える時間を置くようにしたほうがいいと思います」
佳織「は、はい!」
透華(うらやましーですわぁ…!)ギリッ
咲(私ならそっちは捨てない…でも、あれこれテコ入れして妹尾さんらしさが抜けたら、その麻雀には応えてくれないだろうし…)
咲「妹尾さんがそれだと思ったのなら、それでいいんですよ。ただ、慣れるまではいまみたいにすこしでも考える時間を置くようにしたほうがいいと思います」
佳織「は、はい!」
透華(うらやましーですわぁ…!)ギリッ
衣「ム…佳織から不可思議な気を感じる…智美、気をつけろ」
智美「んなこと言われてもどうしようもないぞ…」
佳織「っと…あ」キュ
咲(すごい…一番厳しいところを容易く引いてくる…)
佳織(なんだか調子がいいなぁ…宮永さんが見てくれてるから…だったり…?)
佳織「よしっ!きましたよ!」トン
智美「マジか!?」
智美「んなこと言われてもどうしようもないぞ…」
佳織「っと…あ」キュ
咲(すごい…一番厳しいところを容易く引いてくる…)
佳織(なんだか調子がいいなぁ…宮永さんが見てくれてるから…だったり…?)
佳織「よしっ!きましたよ!」トン
智美「マジか!?」
佳織「えっと、この子たちが役牌で、みっつずつあるから手が伸びるんですよね?」
咲「そうですね」ニコニコ
佳織「だから、えと…ツモ白發中でしょうか?」
咲「はい、役満ですね」ニコッ
佳織「ふぇ?」
智美「大」ワハハ
睦月「三…」ヒクッ
透華「元…ですの…?」マッシロ
ゆみ「まったく…妹尾には驚かされてばかりだな」
桃子「…」
咲「そうですね」ニコニコ
佳織「だから、えと…ツモ白發中でしょうか?」
咲「はい、役満ですね」ニコッ
佳織「ふぇ?」
智美「大」ワハハ
睦月「三…」ヒクッ
透華「元…ですの…?」マッシロ
ゆみ「まったく…妹尾には驚かされてばかりだな」
桃子「…」
佳織「役満って…えっと、満貫さんのえーっと」
咲「四倍ですよ」
佳織「す、すごい…」
智美「何回も和了ってるくせに未だに覚えてないあたりすごいな」
睦月「しかしこれは滅入りますよ…」
透華「こ…こんなの認めませんわ…」
佳織「や、やったっ」ガシッ
咲「はい。おめでとうございます」ニコニコ
佳織「…」ギュウ
佳織「わっ、ご、ごめんなさいっ」パッ
ゆみ「妹尾があんなに嬉しそうなのも珍しいな…麻雀に対して前向きになってくれたんだろうか」ウンウン
桃子「…」
桃子(なんすか…これ…なんかむかむかするっす)
桃子(今日の私、なんか変っすよ…これじゃまるで)
桃子(いやいや。なに考えてるすか。そんなありえっこないっす)
睦月「宮永さん、次私についてもらっていいだろうか」
咲「私なんかでよければ」
睦月「ありがたい。なにか思うこと感じることがあったら率直に教えてくれ」
咲「はい」
桃子(…なんかいやっす、いまの私…かおりん先輩から咲ちゃんが離れてほっとするなんて、なんかいや…)
桃子(今日の私、なんか変っすよ…これじゃまるで)
桃子(いやいや。なに考えてるすか。そんなありえっこないっす)
睦月「宮永さん、次私についてもらっていいだろうか」
咲「私なんかでよければ」
睦月「ありがたい。なにか思うこと感じることがあったら率直に教えてくれ」
咲「はい」
桃子(…なんかいやっす、いまの私…かおりん先輩から咲ちゃんが離れてほっとするなんて、なんかいや…)
睦月「む…」
咲「どうしたんですか?なんだかぎこちなくなりましたけど…」
睦月「す、すまない…耳に息がかかって、その…」
咲「あ、ごめんなさいっ…他のひとに聞こえないようにって思ったら」
睦月「い、いや、いいんだ。たぶん、私が気にしすぎなだけ…だから。うむ」
桃子(ムッ)
桃子(あ~~~~~~~~~~っ!もうっ!いや!いやいや!)
ゆみ「も、モモ?なんかすごい形相だが…」
桃子「先輩っ」ダキッ
ゆみ「おっ…おいおい…」
桃子「…」
桃子(たすけて…この胸のもやもや、どうにかしてほしいっす…先輩…)
咲(…さっきから桃子ちゃんの視線がこわい…)ブルッ
咲「どうしたんですか?なんだかぎこちなくなりましたけど…」
睦月「す、すまない…耳に息がかかって、その…」
咲「あ、ごめんなさいっ…他のひとに聞こえないようにって思ったら」
睦月「い、いや、いいんだ。たぶん、私が気にしすぎなだけ…だから。うむ」
桃子(ムッ)
桃子(あ~~~~~~~~~~っ!もうっ!いや!いやいや!)
ゆみ「も、モモ?なんかすごい形相だが…」
桃子「先輩っ」ダキッ
ゆみ「おっ…おいおい…」
桃子「…」
桃子(たすけて…この胸のもやもや、どうにかしてほしいっす…先輩…)
咲(…さっきから桃子ちゃんの視線がこわい…)ブルッ
後日
咲「え、蒲原さんって車運転できるんですか?」
智美「おう。お茶の子さいさいだぞ」ワハハ
咲「お、大人なんですね…」
智美「そうか?咲もあと二、三年したら乗ってるんじゃないか?」
咲「あまり想像できない…ですね」ハハ
智美「まぁそうだよなー。よっし、なんなら乗るか」
咲「え、無理ですよ!運転の仕方とかわかんないですし!」
智美「さすがに無免で運転はさせないぞ。そうじゃなくて、運転するから助手席に乗るかってこと」
咲「いいんですか?」
智美「おう。ドライブいこうドライブ。最近みんなを誘っても付き合ってくんなくてな」
咲「遠慮してるんじゃないですか?車を走らせるのもタダじゃないですし…」
智美「そんなの遠慮しなくてもいいのになー。どこかいきたいとこあるか?」
咲「うーん…あんまりこのあたりに詳しくないですし」
智美「なら適当に転がすか。よし、そうと決まれば善は急げ!」ワハハ
咲「え、いまからですか!?」
智美「よっし。シートベルトはきちんとしろよー」
咲「透華さんや衣ちゃんにも言わずにきちゃったよ…」
智美「ちょっと出るくらいだいじょうぶだろ」
咲「だいじょうぶ…かな」
智美「んじゃ出すぞー」ブロロ
がったんがったん
ぐわん キキィーッ
咲「こ…これ、は…」グルグル
智美「んー、気持ちいー!やっぱだれかと走るのはちがうなー!」ワハハ
咲(す…すごい…この運転は…だれも乗りたがらないわけだよぅ…)グルングルン
咲「透華さんや衣ちゃんにも言わずにきちゃったよ…」
智美「ちょっと出るくらいだいじょうぶだろ」
咲「だいじょうぶ…かな」
智美「んじゃ出すぞー」ブロロ
がったんがったん
ぐわん キキィーッ
咲「こ…これ、は…」グルグル
智美「んー、気持ちいー!やっぱだれかと走るのはちがうなー!」ワハハ
咲(す…すごい…この運転は…だれも乗りたがらないわけだよぅ…)グルングルン
智美「華麗に駐車だぞ!」キキィーッ!
咲「わあっ!?」グラッ
ギャリギャリ!
ぴたっ…
咲「…」
智美「…」
咲「あ、あの…」
智美(バランスを崩した咲の顔が目の前に)
咲「えっと、ごめんなさ」
智美「…」スッ
咲「!」
智美「…」
咲「…」
智美「…」フッ
咲「…えっと…あの」
智美「…」
咲「い、いまのは」
智美「…わすれてくれ」
咲「え」
智美「わすれてくれ。いや、じきにわすれる。しゅっぱつしんこー!」ブロロン
咲「ちょっ、急発進は危ないです!」
智美「うわああああああああああああああああ」
智美(とち狂ったぞ!いままさに!ワハハハハハ!)
咲「うえええええええええっ」グルングルン
智美「今日は楽しかったな!」ツヤツヤ
咲「クルマコワイ…」
智美「じゃあまた明日!」ブロ
咲「ちょっと!私降ります、まだ降りてないですから!待ってください!」
夜
智美「…」
智美「しにたいぞ」ワハハ…
智美(なんということをしてしまったんだ…あの瞬間の私は狂ってたとしか思えないぞ…)
智美「…」
智美「明日謝ろう。うん、そうしよう」
咲「うぅ…だめだよ…そんな、荒っぽい運転じゃ…事故が…」ウゥ
透華「宮永さん…うなされてる…だいじょうぶかしら」
衣「うるさい…ねられない」ゴシゴシ
智美「おはようゆみちん」ワハハ
ゆみ「おはよう…おい蒲原だいじょうぶか?すごいクマだぞ…」
智美「だいじょばないかも」ワハハ
ゆみ「寝不足か?」
智美「そんなとこ」
ゆみ「夜更かしはよくないぞ。理由はなんだ?勉強とかだったりは」
智美「あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ「…ちなみに、昨日出た課題くらいはやってきたよな?」
智美「あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ「ハァ…おまえなぁ…まだ学生とはいえもういい大人なんだから」
智美「決して大人になんかなってないぞ!」
ゆみ「は?」
智美「…あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ(だめだ、今日の蒲原はなんかおかしい)
智美「あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ「…ちなみに、昨日出た課題くらいはやってきたよな?」
智美「あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ「ハァ…おまえなぁ…まだ学生とはいえもういい大人なんだから」
智美「決して大人になんかなってないぞ!」
ゆみ「は?」
智美「…あまり深くは聞かないでほしい」
ゆみ(だめだ、今日の蒲原はなんかおかしい)
智美「…」ぼーっ
ゆみ「おい蒲原、昼だぞ」
智美「…」
ゆみ「だめだなこれは…」
ゆみ「モモも今日はこないか…久しぶりにひとりだな」
ゆみ「…」
ゆみ(宮永でも誘ってみるか…?いや、他意はないぞ、うん)
ゆみ(彼女とはいろいろと話したいこともある。聞きたいこともある。よし)
ゆみ「おい蒲原、昼だぞ」
智美「…」
ゆみ「だめだなこれは…」
ゆみ「モモも今日はこないか…久しぶりにひとりだな」
ゆみ「…」
ゆみ(宮永でも誘ってみるか…?いや、他意はないぞ、うん)
ゆみ(彼女とはいろいろと話したいこともある。聞きたいこともある。よし)
ゆみ(…どうやって誘おうか。『宮永、いっしょに昼食でもどうだ』)
ゆみ(ちょっと堅いか…?『宮永、いっしょにお昼食べないか』…ううむ)
ゆみ(『咲、いっしょにお昼でもどうだ』…よし、これだな)
ゆみ(練習してからいこう)コホン
ゆみ「…咲、いっしょにお昼でも、どうだ?」
ゆみ(さ、さすがにいきなり名前で呼んだら馴れ馴れしいか?)
咲「いいですよ?」ヒョコ
ゆみ「うおわっ!?」
咲「え、どうしてそんなに驚くんですか」
ゆみ「い、いや、君がいきなり背後から現れるから、そりゃ驚きもするだろう!」
咲「いきなりって…声をかけましたよ?それに、お昼誘ってくれたのは加治木さんなんですし、そんな予想外みたいに言われても」
ゆみ(あれは単なる練習だったから、いきなり本人がOKしてくるとは思わなかったんだ!)
ゆみ「ま、まぁいい。それより、そっちもひとりなのか?」
咲「はい。桃子ちゃんを誘おうと思ったんですけど、声をかけたら逃げられちゃって」
ゆみ「…そうか。モモが」
ゆみ(なんだか、最近モモの様子がおかしいとは思っていたが…宮永がなにか関係あるんだろうか?)
ゆみ「い、いや、君がいきなり背後から現れるから、そりゃ驚きもするだろう!」
咲「いきなりって…声をかけましたよ?それに、お昼誘ってくれたのは加治木さんなんですし、そんな予想外みたいに言われても」
ゆみ(あれは単なる練習だったから、いきなり本人がOKしてくるとは思わなかったんだ!)
ゆみ「ま、まぁいい。それより、そっちもひとりなのか?」
咲「はい。桃子ちゃんを誘おうと思ったんですけど、声をかけたら逃げられちゃって」
ゆみ「…そうか。モモが」
ゆみ(なんだか、最近モモの様子がおかしいとは思っていたが…宮永がなにか関係あるんだろうか?)
ゆみ「宮永、君はモモと…」
咲「あれ?そういえば、さっきは咲って」
ゆみ「……いや、あれはだな」
咲「あ、じゃあ私もゆみさんって呼んでいいですか?」
ゆみ「…い、いいんじゃないか?宮永がそう呼びたければ」
咲「なら、ゆみさんも咲でいいですよ」
ゆみ「…わかった、咲」
咲「はい!じゃあお昼いっしょにいきましょう」
ゆみ「そ、そうだな。話は一息ついてからにしようか」
ゆみ(…どうしよう。睦月も誘ったほうがいいかな)
咲「あれ?そういえば、さっきは咲って」
ゆみ「……いや、あれはだな」
咲「あ、じゃあ私もゆみさんって呼んでいいですか?」
ゆみ「…い、いいんじゃないか?宮永がそう呼びたければ」
咲「なら、ゆみさんも咲でいいですよ」
ゆみ「…わかった、咲」
咲「はい!じゃあお昼いっしょにいきましょう」
ゆみ「そ、そうだな。話は一息ついてからにしようか」
ゆみ(…どうしよう。睦月も誘ったほうがいいかな)
中庭
咲「ゆみさんはサンドイッチと缶コーヒーですか」
ゆみ「ああ。そういう君はお弁当なんだな」
咲「はい。龍門渕のホテルって立派なキッチンがあって、食材もたくさんあるのでなんだかもったいない気がして。せっかくだから自分の分と、衣ちゃんと透華さんの分も作ってるんです」
ゆみ「なんというか、うらやましいな」フフ
咲「ゆみさんの方はなんだか、想像通りですね。将来はもっと簡素なものを食べたりしてそう」
ゆみ「む、意外と失礼なことを言う。私だって美味いものは食べられるなら食べたいさ。たとえば、そう、その卵焼きとかな」
咲「あ、食べます?お口に合うかどうか」
ゆみ「いいのか?まぁはじめからもらうつもりだったが」
咲「もうっ。はい、どうぞ」
ゆみ「ありがとう。ふむ…うん、おいしい。想像通り、なんだかあったかい味だ」
咲「なんですかそれ」クスッ
ゆみ「言葉通りさ」
咲「褒められた、って思っちゃうことにします。あ、コーヒー、ブラックなんですね。すごい、大人だなぁ」
ゆみ「ん。そうか?まぁブラックで飲めたら大人、って思うのもわかるが…ただ甘いものが得意じゃないだけなんだよな」
咲「そうなんですか?」
ゆみ「ああ。べつに甘ったるくなければ緑茶や紅茶でもいいんだが。ちょうどいいんだ、缶コーヒーくらいがな」
咲「へぇ…でも、やっぱり大人です」
ゆみ「…こんなことでそう言われてもな」フフ
女生徒A「なんだあの甘ったりいリア充空間」
女生徒B「こんなの…こんなのって…!………最高や…」
ゆみ「それで、モモのことなんだが」
咲「桃子ちゃんですか?」
ゆみ「ああ。なんだか、最近ちょっと様子がおかしい気がしてな」
咲「…」
ゆみ「なにか思い当たる節などないだろうか」
咲「桃子ちゃんですか?」
ゆみ「ああ。なんだか、最近ちょっと様子がおかしい気がしてな」
咲「…」
ゆみ「なにか思い当たる節などないだろうか」
咲「…もしかしたら」
ゆみ「?」
咲「私のせいかも、しれません」
ゆみ「どういうことだ?」
咲「私も具体的になにが、とまではわからないんですけど…なんだか、桃子ちゃんに避けられてる気がして。もしかしたら、私が無意識のうちに桃子ちゃんが嫌がるようなことを」
ゆみ「そうか。だったらだいじょうぶだ」
咲「え、どうして…?」
ゆみ「モモはそんな子じゃないからな。君がなにかしたというならきっと真っ向から言ってくるさ。きっと、なにか理由がべつにあるんだろう」
ゆみ「?」
咲「私のせいかも、しれません」
ゆみ「どういうことだ?」
咲「私も具体的になにが、とまではわからないんですけど…なんだか、桃子ちゃんに避けられてる気がして。もしかしたら、私が無意識のうちに桃子ちゃんが嫌がるようなことを」
ゆみ「そうか。だったらだいじょうぶだ」
咲「え、どうして…?」
ゆみ「モモはそんな子じゃないからな。君がなにかしたというならきっと真っ向から言ってくるさ。きっと、なにか理由がべつにあるんだろう」
咲「…」
ゆみ「なにか思い悩んでいるのだろうか…咲には知られたくないような…それなら、あいつはあれで強情なところもあるし、ありえるかも」
咲「…ふふっ」
ゆみ「なんだ?これでも真面目に考えてるんだぞ」
咲「あ、いえ、ごめんなさい。ただ…ゆみさんと桃子ちゃんは仲がいいんだなぁって」
ゆみ「…そうだろうか」ポリポリ
咲「はい!すっごく!」
ゆみ「まぁ…そう、だな」
咲「照れてるゆみさんって」
ゆみ「なんだ」
咲「かわいいですね」
ゆみ「ふ、ふざけるな!」
咲「大真面目ですよ」
ゆみ「君というやつは…まったく」
ゆみ「なにか思い悩んでいるのだろうか…咲には知られたくないような…それなら、あいつはあれで強情なところもあるし、ありえるかも」
咲「…ふふっ」
ゆみ「なんだ?これでも真面目に考えてるんだぞ」
咲「あ、いえ、ごめんなさい。ただ…ゆみさんと桃子ちゃんは仲がいいんだなぁって」
ゆみ「…そうだろうか」ポリポリ
咲「はい!すっごく!」
ゆみ「まぁ…そう、だな」
咲「照れてるゆみさんって」
ゆみ「なんだ」
咲「かわいいですね」
ゆみ「ふ、ふざけるな!」
咲「大真面目ですよ」
ゆみ「君というやつは…まったく」
ゆみ「そういえば…おかしいといえば蒲原もなんか変だったな。なにかあったのだろうか」
咲「え」
ゆみ「そういえば君たちは昨日ふたりでどこかへ行ってたんだよな。なにかあったのか?」
咲「…」
咲(なにか…クルマ…ウンテン…チュウシャ…)
咲「いえ、なにもなかったですよ」ニコッ
ゆみ「そ、そうか」
咲「ハイ」
ゆみ「?」
咲「え」
ゆみ「そういえば君たちは昨日ふたりでどこかへ行ってたんだよな。なにかあったのか?」
咲「…」
咲(なにか…クルマ…ウンテン…チュウシャ…)
咲「いえ、なにもなかったですよ」ニコッ
ゆみ「そ、そうか」
咲「ハイ」
ゆみ「?」
桃子「…」
桃子(いらいらがやばいっす。マッハで有頂天な怒髪天ってカンジ)
桃子(昨日は部長さんと仲良くドライブ、今日はあろうことか先輩とランチ)
桃子(当の本人は)チラッ
咲「…」
桃子(のんきに本なんか読んじゃって…だれのせいでこんな悩んでると思ってるんすか!)ダン
智美「お、それロンだぞモモ」
桃子「え」
智美「どうした珍しいな。そんなおおきな音たてるなんて」
桃子「…まさか聞こえてたとは」チャラッ
智美「まいど」ワハハ
桃子(もうっ…なんだかだめだめっす)
桃子(いやいや。べつに咲ちゃんのこと考えてとかじゃないっす。断じて違うっす)
桃子(頭のなかが咲ちゃんでいっぱいとか、そんなことないっすから)
睦月「モモ、それ」
桃子「…はい?」
睦月「ロン」
桃子「え」
桃子「…まさか聞こえてたとは」チャラッ
智美「まいど」ワハハ
桃子(もうっ…なんだかだめだめっす)
桃子(いやいや。べつに咲ちゃんのこと考えてとかじゃないっす。断じて違うっす)
桃子(頭のなかが咲ちゃんでいっぱいとか、そんなことないっすから)
睦月「モモ、それ」
桃子「…はい?」
睦月「ロン」
桃子「え」
ゆみ「…どうしたモモ、調子でも悪いのか?」
桃子「……そ、そうっすね。ちょっと集中しきれてないみたいっす」
ゆみ「どこか具合が悪かったらすぐに言うんだぞ」
桃子「はい。ありがとうございます。先輩大好きっす」
ゆみ「はいはい。私もおまえが大好きだよ」
智美「目の前でいちゃつきやがってこのやろー」ワハハ
桃子(…本当に、どうしてしまったんだろう)
桃子(不甲斐ない…情けない…バカみたい)
桃子(あーもう…本当に消えちゃいたいっす…)フッ
智美「…モモ?」
ゆみ「どうした?」
智美「あ、いや…」
睦月「?」
透華「そこはこっちですわ!何度言わせますの!?」
佳織「ふぇぇ…」
桃子「……そ、そうっすね。ちょっと集中しきれてないみたいっす」
ゆみ「どこか具合が悪かったらすぐに言うんだぞ」
桃子「はい。ありがとうございます。先輩大好きっす」
ゆみ「はいはい。私もおまえが大好きだよ」
智美「目の前でいちゃつきやがってこのやろー」ワハハ
桃子(…本当に、どうしてしまったんだろう)
桃子(不甲斐ない…情けない…バカみたい)
桃子(あーもう…本当に消えちゃいたいっす…)フッ
智美「…モモ?」
ゆみ「どうした?」
智美「あ、いや…」
睦月「?」
透華「そこはこっちですわ!何度言わせますの!?」
佳織「ふぇぇ…」
桃子(――目を閉じたら、どこまでも溶けていけそう…この感覚もひさしぶりっすね…)
桃子(なんかもうバカバカしくなってきたっすね。もうちょっとだけこうやって)
咲「――桃子ちゃん?」グイッ
桃子「え…?」
咲「どうしたの?対局中にぼんやりして」
桃子「どう…して」
咲「?」
桃子(なんかもうバカバカしくなってきたっすね。もうちょっとだけこうやって)
咲「――桃子ちゃん?」グイッ
桃子「え…?」
咲「どうしたの?対局中にぼんやりして」
桃子「どう…して」
咲「?」
桃子(…どうして、そんなに)
咲「え、どっ、どうしたのっ?も、桃子ちゃ…」
桃子(そんなに、私のそばに…)ポロポロ
ゆみ「モモ…?モモ、どうしたんだモモ!」
桃子「…どうしてそんなに、私のそばに踏み込んでくるんすか…?」ポロポロ
咲「え…?」
桃子「っ」ガタッ ダッ
咲「あ、桃子ちゃん!」
ゆみ「モモ!」
咲「え、どっ、どうしたのっ?も、桃子ちゃ…」
桃子(そんなに、私のそばに…)ポロポロ
ゆみ「モモ…?モモ、どうしたんだモモ!」
桃子「…どうしてそんなに、私のそばに踏み込んでくるんすか…?」ポロポロ
咲「え…?」
桃子「っ」ガタッ ダッ
咲「あ、桃子ちゃん!」
ゆみ「モモ!」
智美「なんだなんだ、昼ドラ的なドロッドロの愛憎劇か?」ワハハ
佳織「よくわかんないけど…智美ちゃん、空気読めてない?」
智美「失敬な」
ゆみ「モモ!」ダッ
咲「あ、私も!」タタタ
透華「なんなんですの…?」
佳織「よくわかんないけど…智美ちゃん、空気読めてない?」
智美「失敬な」
ゆみ「モモ!」ダッ
咲「あ、私も!」タタタ
透華「なんなんですの…?」
桃子「…」
桃子(消えたい)
桃子(昔は本当に自分という存在が消えちゃいそうで怖かったこともあったくらいなのに)
桃子(いまは、消えきれない自分がもどかしいくらいっす)
桃子「よくこんなすぐに私を見つけられたっすね、咲ちゃん」
咲「こんな隅っこでうずくまってたら何事かって思うよ」
桃子「ふつーはまずこんな隅っこでうずくまってることにすら気付けないんすけどね」
咲「そうだっけ。で、どうしたの?」
桃子「…黙秘するっす」
咲「え、えー…」
桃子(先輩は気付かずに…気付けずに通り過ぎていったのに、咲ちゃんはすぐに気付いた)
桃子(私を見つけるためにどんなことだってしてくれる先輩…そんな先輩が私は大好き)
桃子(じゃあ、どんなところにいたって何も言わずに見つけてくれる咲ちゃんは?どう思ってるの?)
桃子(…もう頭痛いっす。なにも考えたくない…)
咲「あ、じゃあこういうのはどう?宮永咲の相談室!もちろん内容に関しては一切他言しません!」
桃子「…だれより咲ちゃんに言いたくないっす」
咲「そ、そんな…」ガーン
桃子(…そんな、心底ショック受けたような顔…)
桃子(私を見つけるためにどんなことだってしてくれる先輩…そんな先輩が私は大好き)
桃子(じゃあ、どんなところにいたって何も言わずに見つけてくれる咲ちゃんは?どう思ってるの?)
桃子(…もう頭痛いっす。なにも考えたくない…)
咲「あ、じゃあこういうのはどう?宮永咲の相談室!もちろん内容に関しては一切他言しません!」
桃子「…だれより咲ちゃんに言いたくないっす」
咲「そ、そんな…」ガーン
桃子(…そんな、心底ショック受けたような顔…)
桃子「…………たとえば。たとえばの話っすよ?」
咲「…う、うん!」
咲(こういう時はだいたいたとえの話じゃなくて桃子ちゃんの話だよね…よし、話はしてくれるみたい!)
桃子「すっっっっっっごく好きなひと…あーいや、ものでもいいんすけど。あったとします」
咲「うん」
咲(そこまで好きなもの…プリンとかかな)
咲「…う、うん!」
咲(こういう時はだいたいたとえの話じゃなくて桃子ちゃんの話だよね…よし、話はしてくれるみたい!)
桃子「すっっっっっっごく好きなひと…あーいや、ものでもいいんすけど。あったとします」
咲「うん」
咲(そこまで好きなもの…プリンとかかな)
桃子「その…それが好きで好きでたまらなくて、それは一生覆らないと思ってたとするっすよ」
咲「うん」
桃子「でもある日突然、わた…その、目の前にその好きなものとは違う、心をかき乱すものが現れるんす」
咲「むむ」
咲(シュークリームだね。カスタードと生クリームが入ってる高いやつ)
桃子「そしたらほら、もうどうしたらいいかわからなくなるっすよね?本当に好きなのは…なのに、どうしたら、本当はどうなのか、わかんなくなるっすよ…」
咲「うん」
桃子「でもある日突然、わた…その、目の前にその好きなものとは違う、心をかき乱すものが現れるんす」
咲「むむ」
咲(シュークリームだね。カスタードと生クリームが入ってる高いやつ)
桃子「そしたらほら、もうどうしたらいいかわからなくなるっすよね?本当に好きなのは…なのに、どうしたら、本当はどうなのか、わかんなくなるっすよ…」
咲「…そうだね。大変だったんだね、桃子ちゃんも」
桃子「いやべつに私の話じゃないっすよ。ただのたとえ話っす」
咲「そういう時にどうするか…難しいね」
桃子「べつにどうしようとかってわけじゃないっす。決まってるっすよ。好きなひとは最初からひとり…」
咲「わかった!」
桃子「いや、だからべつに…」
桃子「いやべつに私の話じゃないっすよ。ただのたとえ話っす」
咲「そういう時にどうするか…難しいね」
桃子「べつにどうしようとかってわけじゃないっす。決まってるっすよ。好きなひとは最初からひとり…」
咲「わかった!」
桃子「いや、だからべつに…」
咲「そういう時はどっちも食べちゃおうよ!」
桃子「――どっちも…?」
咲「そう!たしかにプリンもシュークリームもどっちもってなると、ちょっと厳しいよね…おなか的にもおこづかい的にも。でも、そういう時はだれかといっしょに買ってはんぶんこだよ!」
桃子(…いや、なんの話っすか?)
咲「ほら、たとえば桃子ちゃんがプリンを、私がシュークリームを買って、ふたりではんぶんこするんだよ!そしたら不都合なくどっちも食べられるよ!名案じゃない!?」
桃子「…ぷっ」
咲「え」
桃子「どっちも食べられるって…なんの話かわからないうえ、どんだけ食い意地はってるんすか」クスクス
咲「ええっ?いや、べつに私、そこまで食べたいわけじゃ…いや食べたいけど…食べたいけど!」
桃子「あー、なんだかうじうじ悩んでた自分がバカみたいっす」
咲「え、いまこのタイミングで解決しちゃうの?」
桃子「咲ちゃんのおバカなお菓子話のおかげっすよ」
咲「ひ、ひどい!そんな言い方しなくたって…」
桃子「…ぷっ」
咲「え」
桃子「どっちも食べられるって…なんの話かわからないうえ、どんだけ食い意地はってるんすか」クスクス
咲「ええっ?いや、べつに私、そこまで食べたいわけじゃ…いや食べたいけど…食べたいけど!」
桃子「あー、なんだかうじうじ悩んでた自分がバカみたいっす」
咲「え、いまこのタイミングで解決しちゃうの?」
桃子「咲ちゃんのおバカなお菓子話のおかげっすよ」
咲「ひ、ひどい!そんな言い方しなくたって…」
桃子「そっすよね。どっちも気になるなら、どっちも食べちゃえばいいんすよ」
咲「そ、そうだよ…ね?」
桃子「なんかすっきりしたっす」
咲「食べてもいいんだよね?どっちも食べたいからってヘンじゃない…よね?」
桃子「さー部室に戻るっすよー」
咲「桃子ちゃん!答えてよう!」
咲「そ、そうだよ…ね?」
桃子「なんかすっきりしたっす」
咲「食べてもいいんだよね?どっちも食べたいからってヘンじゃない…よね?」
桃子「さー部室に戻るっすよー」
咲「桃子ちゃん!答えてよう!」
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