私的良スレ書庫
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元スレ小町「こまちにっき!」八幡「は?」
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そう、言い訳だろうがなんだろうが、これが一番の、最良で最適で最高の答えだ。
これで、比企谷小町の初恋が終わりを告げる。
雪乃さんと、結衣さんのおかげで終わらせることが出来た。
自分の中でどろどろとしたものが溜まっていくのを感じていくだけで、終わらせられなかったはずのこの恋を終わらせることが出来たのだ。
小町は、これで満足。
だから小町は──
これで、比企谷小町の初恋が終わりを告げる。
雪乃さんと、結衣さんのおかげで終わらせることが出来た。
自分の中でどろどろとしたものが溜まっていくのを感じていくだけで、終わらせられなかったはずのこの恋を終わらせることが出来たのだ。
小町は、これで満足。
だから小町は──
八幡「──小町」
そこに、あの声が響く。
今まで、十数年以上聞き続けた声が。
小町が、大好きなあの声が。
そこに、あの声が響く。
今まで、十数年以上聞き続けた声が。
小町が、大好きなあの声が。
小町「お兄……ちゃん……!?」
見れば部屋の扉は開いていて、お兄ちゃんが立っている。
雪乃さんと、結衣さんも驚いたような表情でお兄ちゃんの方を見ていた。
結衣「ひ、ヒッキー!?」
雪乃「比企谷くん……まさか、あなた聞いていて……!?」
八幡「終わらせてやる」
小町「えっ?」
扉にいたお兄ちゃんはそのまま小町の側にまでやってくると、小町の両肩をがっと掴む。
小町のことを真っ直ぐに見るお兄ちゃんの顔はすごく真面目で、とても誠実で、やっぱりかっこよかった。
八幡「俺が全部終わらせてやる、小町──自分に嘘をつくのは、もう終わりだ」
見れば部屋の扉は開いていて、お兄ちゃんが立っている。
雪乃さんと、結衣さんも驚いたような表情でお兄ちゃんの方を見ていた。
結衣「ひ、ヒッキー!?」
雪乃「比企谷くん……まさか、あなた聞いていて……!?」
八幡「終わらせてやる」
小町「えっ?」
扉にいたお兄ちゃんはそのまま小町の側にまでやってくると、小町の両肩をがっと掴む。
小町のことを真っ直ぐに見るお兄ちゃんの顔はすごく真面目で、とても誠実で、やっぱりかっこよかった。
八幡「俺が全部終わらせてやる、小町──自分に嘘をつくのは、もう終わりだ」
流石にちょっと気持ち悪いな
兄妹でとかそういう意味じゃなくて、二人に告白とかその二人の小町に対する言動とか
なんかマジで感動してるっぽい人の方が多いみたいでドン引き
兄妹でとかそういう意味じゃなくて、二人に告白とかその二人の小町に対する言動とか
なんかマジで感動してるっぽい人の方が多いみたいでドン引き
ゆいゆいが小町にごめんって言ってるシーンがあるから大分早く気付かれてると思う
素直にサキサキルートにしておけばこんなギャグにはならずにすんだな
荒らしは気にせずがんばってくれ>>1
雪乃「あなた、最初から聞いていたの?」
八幡「すまん……最近小町の様子がおかしかったから、その理由が知りたくて……」
お兄ちゃんのその言葉を聞いて、小町は驚愕する。
お兄ちゃんの前では、いつもの小町をやっていたつもりだった。
しかし、普段通りに振舞えていると思っていたのは小町一人らしい。
お兄ちゃんに心配をかけさせるほど、小町はもうとっくにおかしくなっていたのかな。
八幡「すまない小町……俺は、」
小町「謝らないでよお兄ちゃん……」
お兄ちゃんの声を遮るように、声を振り絞る。
お兄ちゃんは悪くない。
雪乃さんも、結衣さんも、悪くない。
悪いのは妹なのにお兄ちゃんに恋をしちゃった、小町なんだ。
八幡「すまん……最近小町の様子がおかしかったから、その理由が知りたくて……」
お兄ちゃんのその言葉を聞いて、小町は驚愕する。
お兄ちゃんの前では、いつもの小町をやっていたつもりだった。
しかし、普段通りに振舞えていると思っていたのは小町一人らしい。
お兄ちゃんに心配をかけさせるほど、小町はもうとっくにおかしくなっていたのかな。
八幡「すまない小町……俺は、」
小町「謝らないでよお兄ちゃん……」
お兄ちゃんの声を遮るように、声を振り絞る。
お兄ちゃんは悪くない。
雪乃さんも、結衣さんも、悪くない。
悪いのは妹なのにお兄ちゃんに恋をしちゃった、小町なんだ。
小町「小町が悪いの、お兄ちゃんは何も悪くない」
八幡「お前が悪いってのもおかしいだろ……!」
小町「悪いよ」
兄妹で恋愛をするのはおかしいこと。
そう、それが世間の常識。当たり前。正論。
それは、小町とお兄ちゃんの間でも例外じゃない。
そしてそれを破るのは悪いことなんだ。
小町「だから、小町の恋はこれで終わり。それでいいでしょ」
八幡「そんな終わり方があってたまるかよ……!」
小町「いいの……お兄ちゃん。小町が妹であることを受け入れるだけでいいんだから」
好意を伝えるわけにはいかない。
小町のこの想いは、受け入れられることも振られることもあってはならない。
だって、元々あってはならない想いだから。
小町「お願いお兄ちゃん、全部聞かなかったことにして。そうすれば、まだ兄妹としてはいられるんだから」
自分で言っておいて、自覚してしまう。
これは欺瞞なんだって。
世間の正論を盾にした言い訳なんだって。
本当は、今すぐお兄ちゃんに大好きって言いたい。
今すぐ抱きしめられたい。
でも、そう望むことは許されないから。
小町の本物の想いは、許されないから。
だから、だから──!!
八幡「お前が悪いってのもおかしいだろ……!」
小町「悪いよ」
兄妹で恋愛をするのはおかしいこと。
そう、それが世間の常識。当たり前。正論。
それは、小町とお兄ちゃんの間でも例外じゃない。
そしてそれを破るのは悪いことなんだ。
小町「だから、小町の恋はこれで終わり。それでいいでしょ」
八幡「そんな終わり方があってたまるかよ……!」
小町「いいの……お兄ちゃん。小町が妹であることを受け入れるだけでいいんだから」
好意を伝えるわけにはいかない。
小町のこの想いは、受け入れられることも振られることもあってはならない。
だって、元々あってはならない想いだから。
小町「お願いお兄ちゃん、全部聞かなかったことにして。そうすれば、まだ兄妹としてはいられるんだから」
自分で言っておいて、自覚してしまう。
これは欺瞞なんだって。
世間の正論を盾にした言い訳なんだって。
本当は、今すぐお兄ちゃんに大好きって言いたい。
今すぐ抱きしめられたい。
でも、そう望むことは許されないから。
小町の本物の想いは、許されないから。
だから、だから──!!
八幡「それは……」
震えた声音が聞こえた。一瞬自分の声かと思ったが、それはお兄ちゃんから発せられたものだった。
思わずお兄ちゃんの方を見てみると、お兄ちゃんの肩が重く沈んでいる。
でも、その目は小町のことをしっかりと見つめている。
八幡「それは、本物と呼ばない」
小町「……本物って何」
八幡「俺も、未だに分からん……でも」
お兄ちゃんの吐く息の音がやけに耳に届く。
見れば、辛そうにその表情を歪めている。
その両手を強く握り締め、振り絞ったような声をようやく出す。
八幡「妹なんて言い訳で隠されたそれは……きっと、本物じゃない」
震えた声音が聞こえた。一瞬自分の声かと思ったが、それはお兄ちゃんから発せられたものだった。
思わずお兄ちゃんの方を見てみると、お兄ちゃんの肩が重く沈んでいる。
でも、その目は小町のことをしっかりと見つめている。
八幡「それは、本物と呼ばない」
小町「……本物って何」
八幡「俺も、未だに分からん……でも」
お兄ちゃんの吐く息の音がやけに耳に届く。
見れば、辛そうにその表情を歪めている。
その両手を強く握り締め、振り絞ったような声をようやく出す。
八幡「妹なんて言い訳で隠されたそれは……きっと、本物じゃない」
小町「……小町は」
何かを言おうとしたけれど、何も言葉が見つからない。
いや、言うべき言葉自体はいくらでもあるはずなのだ。
このまま、小町は妹であり続けるために、出来る妹を演じ続けるために言うべき言葉はいくらでもある。
でも、結局お兄ちゃんの言うとおり小町が言おうとしている言葉は全て本物じゃないのだ。
どこまでいっても、どんなに考えても、言い訳で、建前で、詐欺で、欺瞞で、偽物でしかない。
それを言うべき状況だと小町は理解している。
なのに、小町のどこかにそれを言いたくない気持ちが存在している。
本当は本物の気持ちを言葉にしたいって思ってしまっている。。
そんなことを言ったって迷惑なのに、言うだけ無駄なのに。
そもそも本物の気持ちって何?
きっと、小町はそれに向き合おうとしてこなかった。
今まで、妹だからとか雪乃さんがいるからとか結衣さんがいるからとか迷惑だからとか言うだけ無駄だからとか、言い訳を尽くして本物の気持ちに向き合おうだなんて考えてこなかった。
けれど、もしも、もしも小町が本物を求めてもいいのなら。
この醜い自己満足を押し付けることが出来て、そしてそんな小町を許してくれるような兄がいるのなら、
本来は、そんなことは絶対にないのは分かっている。そんな都合のいいことがないのは分かっている。
それでも、お兄ちゃんなら。比企谷八幡なら。
こんな嘘で塗り固められた毒のような気持ちを、受け止めてくれるのでしょうか。
小町は、本物を知ろうとしてもいいのでしょうか。
何かを言おうとしたけれど、何も言葉が見つからない。
いや、言うべき言葉自体はいくらでもあるはずなのだ。
このまま、小町は妹であり続けるために、出来る妹を演じ続けるために言うべき言葉はいくらでもある。
でも、結局お兄ちゃんの言うとおり小町が言おうとしている言葉は全て本物じゃないのだ。
どこまでいっても、どんなに考えても、言い訳で、建前で、詐欺で、欺瞞で、偽物でしかない。
それを言うべき状況だと小町は理解している。
なのに、小町のどこかにそれを言いたくない気持ちが存在している。
本当は本物の気持ちを言葉にしたいって思ってしまっている。。
そんなことを言ったって迷惑なのに、言うだけ無駄なのに。
そもそも本物の気持ちって何?
きっと、小町はそれに向き合おうとしてこなかった。
今まで、妹だからとか雪乃さんがいるからとか結衣さんがいるからとか迷惑だからとか言うだけ無駄だからとか、言い訳を尽くして本物の気持ちに向き合おうだなんて考えてこなかった。
けれど、もしも、もしも小町が本物を求めてもいいのなら。
この醜い自己満足を押し付けることが出来て、そしてそんな小町を許してくれるような兄がいるのなら、
本来は、そんなことは絶対にないのは分かっている。そんな都合のいいことがないのは分かっている。
それでも、お兄ちゃんなら。比企谷八幡なら。
こんな嘘で塗り固められた毒のような気持ちを、受け止めてくれるのでしょうか。
小町は、本物を知ろうとしてもいいのでしょうか。
小町「小町は……」
いつの間にか漏れていた声は自分でも震えているのが分かった。
小町「小町は……」
自分の目頭が熱くなっていくのが分かる。
凍りつかせていたはずの感情が解けていくのを感じる。
自分の内に秘めていたはずの想いが溢れてしまっていくのを理解する。
自分の中にあったどろどろとした何かが消えていくのを認識する。
小町「小町は、本物が知りたい」
自分の肩が、歯が、喉が、声が、意識せずに震えて止まらない。
視界が霞むし、手の感覚もなくなってしまっているようだ。
それでも、期待してしまう。
存在すら許されなかったはずのこの感情をどうすればいいのか、お兄ちゃんなら教えてくれるって。
そして受け止めてくれるって。
小町の本物を、教えてくれるって。
小町「お兄ちゃん……お兄ちゃん!」
八幡「小町……」
お兄ちゃんが小町のことを包み込むように抱きしめてくれた。
小町はお兄ちゃんの胸の中に入り込むと、子どものように泣き叫んだ。
いつの間にか漏れていた声は自分でも震えているのが分かった。
小町「小町は……」
自分の目頭が熱くなっていくのが分かる。
凍りつかせていたはずの感情が解けていくのを感じる。
自分の内に秘めていたはずの想いが溢れてしまっていくのを理解する。
自分の中にあったどろどろとした何かが消えていくのを認識する。
小町「小町は、本物が知りたい」
自分の肩が、歯が、喉が、声が、意識せずに震えて止まらない。
視界が霞むし、手の感覚もなくなってしまっているようだ。
それでも、期待してしまう。
存在すら許されなかったはずのこの感情をどうすればいいのか、お兄ちゃんなら教えてくれるって。
そして受け止めてくれるって。
小町の本物を、教えてくれるって。
小町「お兄ちゃん……お兄ちゃん!」
八幡「小町……」
お兄ちゃんが小町のことを包み込むように抱きしめてくれた。
小町はお兄ちゃんの胸の中に入り込むと、子どものように泣き叫んだ。
× × ×
八幡「小町……これから30分、俺はお前のお兄ちゃんをやめる」
小町「へ?」
しばらくの間お兄ちゃんの胸の中で泣き続け、ようやく泣き止み落ち着いた小町にお兄ちゃんはそう言った。
八幡「いいか、小町……今、お前は妹じゃない」
お兄ちゃんが何を言っているのか分からなかった。近くにいる雪乃さんや結衣さんまで似たような感じで困惑している。
でも、それから一瞬遅れて小町はお兄ちゃんの言おうとしていることを理解する。
お兄ちゃんは、小町から『妹だから』という言い訳を奪い去ろうというのだ。
小町「お兄ちゃん……それ言葉遊びだよ……」
八幡「こら、お兄ちゃんって呼ぶんじゃありません」
それを聞いて、思わずおかしくなってふっと笑ってしまった。
前に比べて随分とかっこよくなったような気がしてたけど、ルールに縛られないで何かを斜め下の方法で解決しようとする辺り何も変わってない。
どこまで行ってもお兄ちゃんは──いや、『八幡』は『八幡』のままだった。
やっぱり馬鹿なんだなぁこの人、ほんとにしょうがないなぁって思う。
雪乃さんや結衣さんと付き合うようになってから変わったと思ったのに、何一つ変わってない。
小町「じゃあ、おにい……八幡さん、お話がありますっ」
自分で言っておいて、この呼び方はすごい違和感あるなぁ。ちょっと小町には合わないかも。
八幡「な、なんだ、小町……」
小町「んーとね……」
言葉を慎重に探していく。
今の小町は『妹じゃない』。ただの比企谷小町。
目の前にいる比企谷八幡とは、なんでもない他人。
ただの一人の男の子と一人の女の子だ。
しょせん言葉の上でしかないなんてのは、もちろん分かっている。
でも、お兄ちゃんに妹じゃないって言われて不思議と心が落ち着いた。
これで、小町の前には何の障害もない。止まる理由はない。言い訳も出来ない。
自分の本物の気持ちと、ようやく向き合える。
今、本物を知りにいくんだ。
自分で言っておいて、この呼び方はすごい違和感あるなぁ。ちょっと小町には合わないかも。
八幡「な、なんだ、小町……」
小町「んーとね……」
言葉を慎重に探していく。
今の小町は『妹じゃない』。ただの比企谷小町。
目の前にいる比企谷八幡とは、なんでもない他人。
ただの一人の男の子と一人の女の子だ。
しょせん言葉の上でしかないなんてのは、もちろん分かっている。
でも、お兄ちゃんに妹じゃないって言われて不思議と心が落ち着いた。
これで、小町の前には何の障害もない。止まる理由はない。言い訳も出来ない。
自分の本物の気持ちと、ようやく向き合える。
今、本物を知りにいくんだ。
小町「小町は──私は、比企谷八幡さんのことが大好きです」
これが『私』の、本物の気持ち。
小町「八幡さんのちょっと馬鹿なところが好きです。少し気持ち悪いところが好きです。割としょうがないところが好きです」
八幡「えっ」
一度想いを口にすると、思っていたより言葉がすらすらと出ていく。
なんだ、別に言葉を無理に選ぶ必要なんかないじゃん。小町が思っていることを、ただそのまま言えばいい。
小町「結構めんどくさいところが好きです。人間としてどうしようもないところが好きです。小町的にポイント低いところが好きです」
八幡「あ……あの、小町さん?」
ただ普段一緒に暮らしていて、感じていることを並べているだけ。
正直に言って、八幡さんは割とどうしようもなくて、めんどくさくて、そして乙女心が分からない駄目駄目な男の子だ。
ただ、15年も一緒にいるとそれらにも愛着が沸いてくるし──そんな駄目男にも、いいところの1つくらいは見つけられるのだ。
小町「そして、私にすごく優しくしてくれるところが大好きです」
悪いところもいっぱいある、短所もいっぱいある、実は文句も結構ある。
それでも。
それでも私は。
小町「八幡さん、大好きです。私と付き合ってください」
八幡「……」
これが『私』の、本物の気持ち。
小町「八幡さんのちょっと馬鹿なところが好きです。少し気持ち悪いところが好きです。割としょうがないところが好きです」
八幡「えっ」
一度想いを口にすると、思っていたより言葉がすらすらと出ていく。
なんだ、別に言葉を無理に選ぶ必要なんかないじゃん。小町が思っていることを、ただそのまま言えばいい。
小町「結構めんどくさいところが好きです。人間としてどうしようもないところが好きです。小町的にポイント低いところが好きです」
八幡「あ……あの、小町さん?」
ただ普段一緒に暮らしていて、感じていることを並べているだけ。
正直に言って、八幡さんは割とどうしようもなくて、めんどくさくて、そして乙女心が分からない駄目駄目な男の子だ。
ただ、15年も一緒にいるとそれらにも愛着が沸いてくるし──そんな駄目男にも、いいところの1つくらいは見つけられるのだ。
小町「そして、私にすごく優しくしてくれるところが大好きです」
悪いところもいっぱいある、短所もいっぱいある、実は文句も結構ある。
それでも。
それでも私は。
小町「八幡さん、大好きです。私と付き合ってください」
八幡「……」
言い切って、お兄ちゃんの目を見つめる。
お兄ちゃんの目も、私の目を真っ直ぐに見つめていてくれた。
これで、私の言いたいことは全部だ。悔いはない。
後は──お兄ちゃんの返答を待つだけ。
八幡「……俺は」
少し間が開いて、お兄ちゃんはようやく口を開いた。
そして、私の告白への答えが下される。
お兄ちゃんの目も、私の目を真っ直ぐに見つめていてくれた。
これで、私の言いたいことは全部だ。悔いはない。
後は──お兄ちゃんの返答を待つだけ。
八幡「……俺は」
少し間が開いて、お兄ちゃんはようやく口を開いた。
そして、私の告白への答えが下される。
八幡「悪いが、小町とは付き合えない」
小町「……」
八幡「俺は雪ノ下と由比ヶ浜のことが好きだ。その気持ちに嘘はつけない」
雪乃「比企谷くん……」
結衣「ヒッキー……」
小町「……そっか」
言われて、逆に少しホッとする。
正直に言ってそう返してくれることは分かっていたし、そう返してくれることを期待していた。
私が信じたこの人は、やっぱり変に律儀で真面目なままだ。
もしもここで下手に浮気でもされようなら、逆に怒ってたまである。
でも、これで終わることが出来た。
きちんとした形で、比企谷小町の初恋は終わることが出来たんだ。
妹だからなんて不本意な言い訳で固められた偽物の結末ではなく、きちんと一人の女の子が一人の男の子に告白し、そして振られることが出来たんだ。
白黒はっきりすることすら許されなかったはずのこの恋を──終わらせることが出来たんだ。
小町「ありがとう八幡さん──ちゃんと、振ってくれて」
八幡「ありがとう小町──ちゃんと、言ってくれて」
小町「うん」
これで全て終わった。
清清しい気持ちになって、ふと部屋の窓から空を見上げる。
昨日まで台風で荒れていたとは思えない、雲一つない快晴だった。
小町「……」
八幡「俺は雪ノ下と由比ヶ浜のことが好きだ。その気持ちに嘘はつけない」
雪乃「比企谷くん……」
結衣「ヒッキー……」
小町「……そっか」
言われて、逆に少しホッとする。
正直に言ってそう返してくれることは分かっていたし、そう返してくれることを期待していた。
私が信じたこの人は、やっぱり変に律儀で真面目なままだ。
もしもここで下手に浮気でもされようなら、逆に怒ってたまである。
でも、これで終わることが出来た。
きちんとした形で、比企谷小町の初恋は終わることが出来たんだ。
妹だからなんて不本意な言い訳で固められた偽物の結末ではなく、きちんと一人の女の子が一人の男の子に告白し、そして振られることが出来たんだ。
白黒はっきりすることすら許されなかったはずのこの恋を──終わらせることが出来たんだ。
小町「ありがとう八幡さん──ちゃんと、振ってくれて」
八幡「ありがとう小町──ちゃんと、言ってくれて」
小町「うん」
これで全て終わった。
清清しい気持ちになって、ふと部屋の窓から空を見上げる。
昨日まで台風で荒れていたとは思えない、雲一つない快晴だった。
× × ×
小町「う、うあああああああああああああああああ!!!!!」
小町がお兄ちゃんに告白して振られ、また『妹』に戻ってから大体二週間とちょっとが過ぎた。
今日は4月7日で、時間は夕日が沈む頃。
お兄ちゃんは今日から始業式だから学校に行ってるから家にはいなくて、小町は明日が総武高校の入学式なのです。
学校に行くようになる前に部屋の掃除でもしようと思って机の周りをごそごそとやっていると、ちょっと前までつけていた日記帳が見つかった。
そういえばあれ以来色々あってすっかりつけるのを忘れていたなぁと思いながら、軽い気持ちで読み直していたらこれだ。
思わず、日記帳をバンと強く叩きつけてしまう。
何!? 何なのこれ!?
えっ、あの頃の小町ってこんなにヤバイ人だったの!?
日記の内容の節々からちょっと精神病んじゃった☆オーラが溢れてしまっている。
自分で言うのもなんだけど、あの頃の小町結構ヤバい。
そりゃお兄ちゃんにも雪乃さんにも結衣さんにもバレちゃうわけだ。
昔、お兄ちゃんの机の奥にしまってあるノートを読もうとしたらすごい顔をしながら無理矢理引っ剥がされたことがあったけど、今になってお兄ちゃんの気持ちが痛いほどよく分かった。
うん……これみたいなものを他人に読まれそうになったら、さすがにあんな顔にもなるよ……お兄ちゃんにも、きっと小町に似たような経験があったんだね……厨二病、おそるべし。
そこでふと、何かが足りないような気がした。
そうだ思い出した。あの日記帳、小町の誕生日──3月3日のページがないんだ。
それ以外にもところどころ抜けているページはあったけど、自分の誕生日のページがないというのもなんか変だ。
今年の小町の誕生日って日記書いてたっけ──と思い返したところで、ばっと机の引き出しを開けた。
そういえば、誕生日にも日記は書いた。書いたはいいけど、確か滅茶苦茶恥ずかしいことを書いていて、当時の小町ですら見るに耐えなくてそのページだけ破って机の引き出しに封印したんだった!
引き出しの奥を見てみると、誕生日の夜に書いたページが出てきた。うわ、見直したくない……このページも、日記帳と一緒に捨ててしまおうそうしよう。
全部なかったことにしてやるー!
そうだ思い出した。あの日記帳、小町の誕生日──3月3日のページがないんだ。
それ以外にもところどころ抜けているページはあったけど、自分の誕生日のページがないというのもなんか変だ。
今年の小町の誕生日って日記書いてたっけ──と思い返したところで、ばっと机の引き出しを開けた。
そういえば、誕生日にも日記は書いた。書いたはいいけど、確か滅茶苦茶恥ずかしいことを書いていて、当時の小町ですら見るに耐えなくてそのページだけ破って机の引き出しに封印したんだった!
引き出しの奥を見てみると、誕生日の夜に書いたページが出てきた。うわ、見直したくない……このページも、日記帳と一緒に捨ててしまおうそうしよう。
全部なかったことにしてやるー!
アニメで放送されたりSSのネタにされたりする度に滑稽になってゆく『本物』
あっ、でも一つだけ無かったことには出来ないことがあるかな。
それは、『八幡さん』のことが大好きだったっていうこと。
結局、あれからもお兄ちゃんは雪乃さん、結衣さんと上手くやっているようだ。
今でも夕飯の時に、たまに雪乃さんや結衣さんの話になる。
ほとんど素直な感想じゃなくて、何かしら遠まわしな言い方ばっかりなんだけど。
ほんと、捻デレてるんだからなぁ。
でも、今の小町は普通に妹として笑ってその話を聞いてあげられる。
お兄ちゃんが幸せそうにしているのを見ると、小町も幸せになる。
今は本心から言えるよ。
お兄ちゃんの幸せが、小町の幸せだってね!
そんなとき、玄関の扉が開く音がした。
八幡「ただいまー」
小町「あっ、おかえりー」
小町はその声を聞くと、すぐに部屋の扉を開けて玄関に迎えに行った。
小町「お兄ちゃん、夕飯の材料無くなっちゃったから一緒に買いに行こ!」
八幡「げっ、なんだよ言ってくれれば帰りに買ってきたのに」
小町「えー、でも小町はお兄ちゃんと一緒にお買い物に行きたいなーって。あっこれ小町的にポイント高い!」
八幡「お前のそのポイントはどこに溜まっていってるんだよ……」
お兄ちゃんといつも通りのやり取りをしながら、改めて心の中で思う。
お兄ちゃん、大好きだよ!!
それは、『八幡さん』のことが大好きだったっていうこと。
結局、あれからもお兄ちゃんは雪乃さん、結衣さんと上手くやっているようだ。
今でも夕飯の時に、たまに雪乃さんや結衣さんの話になる。
ほとんど素直な感想じゃなくて、何かしら遠まわしな言い方ばっかりなんだけど。
ほんと、捻デレてるんだからなぁ。
でも、今の小町は普通に妹として笑ってその話を聞いてあげられる。
お兄ちゃんが幸せそうにしているのを見ると、小町も幸せになる。
今は本心から言えるよ。
お兄ちゃんの幸せが、小町の幸せだってね!
そんなとき、玄関の扉が開く音がした。
八幡「ただいまー」
小町「あっ、おかえりー」
小町はその声を聞くと、すぐに部屋の扉を開けて玄関に迎えに行った。
小町「お兄ちゃん、夕飯の材料無くなっちゃったから一緒に買いに行こ!」
八幡「げっ、なんだよ言ってくれれば帰りに買ってきたのに」
小町「えー、でも小町はお兄ちゃんと一緒にお買い物に行きたいなーって。あっこれ小町的にポイント高い!」
八幡「お前のそのポイントはどこに溜まっていってるんだよ……」
お兄ちゃんといつも通りのやり取りをしながら、改めて心の中で思う。
お兄ちゃん、大好きだよ!!
3月3日(火) 小雨 ←こまちのおたんじょうび!
今日は小町のお誕生日でした!
なんと、お兄ちゃんと雪乃さんと結衣さんにお祝いしてもらいましたいぇーい!
今日は小町達のお家で、雪乃さんと一緒に料理をしました! お兄ちゃんは結衣さんを止めるのに必死でした。
さてさて、今日も今日とて、お兄ちゃんの雪乃さん&結衣さんお義姉ちゃん化計画を進めてまいりました!
この前のデートではちょっとやらかしちゃったみたいだけど、まだまだ汚名挽回出来るよお兄ちゃん!
お話をしている途中で、平塚先生のお話になって、そこから結婚の話になりました。
そこがチャンスと思って、お兄ちゃんと結婚したらどうなるかなって話を雪乃さんと結衣さんに振ったら反応が可愛い可愛い。むふふ、ほんと可愛い。
でも、こんなときくらい専業主夫専業主夫ってクズ予防線を張るのはやめてほしいなーって思いました。小町的にポイントひくーい。
でもお兄ちゃんと結婚かぁ、もしも小町が結婚したとしたらどうなるんだろ。
お兄ちゃんの世話を見てー、掃除してー、料理してー、選択してー、お兄ちゃんの世話を見る。
あっれー普段とかわんないなー。
じゃあ結婚したら変わりそうなことって?
たとえば、ちゅーしたり……とか?
おはようのちゅーとか、いってらっしゃいのちゅーとか、おかえしのちゅーとかしちゃうのかな……
お兄ちゃんとのちゅー……いやいやいやいやありえないし。
あと、抱きしめられたりとか、あと一緒にお風呂入ったりとか、一緒に寝るとか?
お兄ちゃんに抱きしめられたりとかお風呂入ったりとか一緒に寝るとか……?
ありえないありえない。
でも、ちょっとだけそれもいいかなーとか思ったり……?
あと、お兄ちゃんにやってもらいたいことと言えば……
(以下、小町によるお兄ちゃんにやってもらいたいことリストが書き綴られている)
了
今日は小町のお誕生日でした!
なんと、お兄ちゃんと雪乃さんと結衣さんにお祝いしてもらいましたいぇーい!
今日は小町達のお家で、雪乃さんと一緒に料理をしました! お兄ちゃんは結衣さんを止めるのに必死でした。
さてさて、今日も今日とて、お兄ちゃんの雪乃さん&結衣さんお義姉ちゃん化計画を進めてまいりました!
この前のデートではちょっとやらかしちゃったみたいだけど、まだまだ汚名挽回出来るよお兄ちゃん!
お話をしている途中で、平塚先生のお話になって、そこから結婚の話になりました。
そこがチャンスと思って、お兄ちゃんと結婚したらどうなるかなって話を雪乃さんと結衣さんに振ったら反応が可愛い可愛い。むふふ、ほんと可愛い。
でも、こんなときくらい専業主夫専業主夫ってクズ予防線を張るのはやめてほしいなーって思いました。小町的にポイントひくーい。
でもお兄ちゃんと結婚かぁ、もしも小町が結婚したとしたらどうなるんだろ。
お兄ちゃんの世話を見てー、掃除してー、料理してー、選択してー、お兄ちゃんの世話を見る。
あっれー普段とかわんないなー。
じゃあ結婚したら変わりそうなことって?
たとえば、ちゅーしたり……とか?
おはようのちゅーとか、いってらっしゃいのちゅーとか、おかえしのちゅーとかしちゃうのかな……
お兄ちゃんとのちゅー……いやいやいやいやありえないし。
あと、抱きしめられたりとか、あと一緒にお風呂入ったりとか、一緒に寝るとか?
お兄ちゃんに抱きしめられたりとかお風呂入ったりとか一緒に寝るとか……?
ありえないありえない。
でも、ちょっとだけそれもいいかなーとか思ったり……?
あと、お兄ちゃんにやってもらいたいことと言えば……
(以下、小町によるお兄ちゃんにやってもらいたいことリストが書き綴られている)
了
くぅ疲これ完。
本作品内のカレンダーは2015年のものを使用しております。
また、気が付かれた方もいらっしゃるようですが、本作品内の総武高校の受験発表日や卒業式、入学式及び千葉市公立中学校の卒業式の日などは、リアルの稲毛高等学校(総武高校のモデル)と千葉市公立中学校の日程などをそのまま引用させてもらいました。
大志と小町の中学校が違うことに関しては本当に知りませんでした。
俺ガイルという作品をはじめて知って読んだのが二ヶ月前とかなので、ミスが掲載されている初版を読んでたから勘違いしてましたとかいう言い訳も特に出来ないです。
これを含め、皆様のご指摘には本当に感謝しております。
一番気をつけたのは、題材の性質上どうしても雪乃と結衣へのヘイトが溜まってしまうことを避けるということだったのですが、反応を見る限りあまり上手くは書けなかったようです。
これは自分の表現力の低さ故の問題です、反省して以後活かしていきたいと思います。
執筆中にベッドにダイビングした回数は50を越えました。二度とシリアスなんか書かねぇ。
また、他の現行スレで八幡「俺ガイルRPG?」というSSも書いてます。
そちらもよろしくお願いします。
八幡「俺ガイルRPG?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430984337/
過去作
いろは「先輩、バレンタインデーって知ってますか?」八幡「は?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431921943/
八幡「雪ノ下雪乃がねこのしたねこのんになった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432002727/
それでは、またRPGスレか新作で。
本作品内のカレンダーは2015年のものを使用しております。
また、気が付かれた方もいらっしゃるようですが、本作品内の総武高校の受験発表日や卒業式、入学式及び千葉市公立中学校の卒業式の日などは、リアルの稲毛高等学校(総武高校のモデル)と千葉市公立中学校の日程などをそのまま引用させてもらいました。
大志と小町の中学校が違うことに関しては本当に知りませんでした。
俺ガイルという作品をはじめて知って読んだのが二ヶ月前とかなので、ミスが掲載されている初版を読んでたから勘違いしてましたとかいう言い訳も特に出来ないです。
これを含め、皆様のご指摘には本当に感謝しております。
一番気をつけたのは、題材の性質上どうしても雪乃と結衣へのヘイトが溜まってしまうことを避けるということだったのですが、反応を見る限りあまり上手くは書けなかったようです。
これは自分の表現力の低さ故の問題です、反省して以後活かしていきたいと思います。
執筆中にベッドにダイビングした回数は50を越えました。二度とシリアスなんか書かねぇ。
また、他の現行スレで八幡「俺ガイルRPG?」というSSも書いてます。
そちらもよろしくお願いします。
八幡「俺ガイルRPG?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1430984337/
過去作
いろは「先輩、バレンタインデーって知ってますか?」八幡「は?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1431921943/
八幡「雪ノ下雪乃がねこのしたねこのんになった」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432002727/
それでは、またRPGスレか新作で。
おつ
小町最高だね
いつの日かドロドロの実妹エンドSSを書いてくれるの待ってます
小町最高だね
いつの日かドロドロの実妹エンドSSを書いてくれるの待ってます
IFのハーレムルート(小町も含めた3人との)も書いてほしい…
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