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    元スレいろは「せんぱーい、いちゃいちゃしましょー」八幡「無理」

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    308 :

    割と期間あいてるな
    なんとか頑張って

    309 :

    待ってるよー

    312 :

    sageろっつーの()

    313 :

    今追いついた

    314 :

    過去作からまとめて読んでた追いついたー

    315 :

    おもしろい!がんばってぇ!

    316 :

    だいぶ空いちゃってるね…

    帰ってきてほしい

    317 :

    2ヶ月期限が8月6日だから……あと4日か……

    318 :

    こんばんは。
    初めに、ずっと放置していて本当に申し訳ありませんでした。定期的に覗いていた方など、もしいらっしゃいましたら深くお詫びします。
    それでは、短いものですが投稿します。

    319 = 1 :

    プロローグ


    『じゃあ、元気でな』

    高校二年生の時の三月三日、卒業式が終わってから会いに行った私に、あの先輩はそう告げた。

    別に、恋をしていたわけじゃない。最後に告白でも、なんて思っていたわけじゃない。

    ただ、色々とお世話になったし、最後にお礼くらいは言おうと思っていただけだ。

    三年生たちの輪から外れてポツンと立っている先輩を発見した時、息を呑んだ。その瞳にある深い、深い悲しみに。そして、その瞳が誰と誰に向けられているのかも察した。

    急に「ご卒業おめでとうございます」の一言が出なくなって、私は先輩の近くで立ち止まって黙りこくってしまった。ふと先輩はこちらに気づき、驚いたような表情をしてから控えめに微笑んだ。記憶の中で数少ない先輩の笑顔だった。

    最後に見るかもしれない笑顔、だった。

    320 = 1 :


    そして『小町をよろしくな』とポツリとこぼし、去って行った。

    先輩に私は、何度も笑顔にしてもらったと思う。それに対して、私はどれだけあの先輩を笑顔にすることができただろうか。どうして、皆は晴れやかな顔をしているのに先輩だけがあんな辛そうな表情で校舎を後にしたのか。

    そのことについて、何度も考えた。そして未だ答えを出せないまま、三年が経ち。

    私はバイトからの帰り道を歩いている。

    321 = 1 :


    久しぶりにあの人の名字を思い出したきっかけは、店長の一言だった。

    『あ、一色さん。今度、新しいバイトの子入るからよろしくね』

    『はあ……。りょーかいです。なんて人ですか?』

    『比企谷って子。知らないでしょ?』

    何気なく言ったその店長の言葉に、私の心臓はドキリと跳ねた。まさか、と思いながらも名前を聞いてみる。

    『んーたしか……えー。荒田……じゃなくて、八幡、だったかな?もしかして知ってる?』

    その時、店長に何て返事をしたのかはもう覚えてない。『ええ』とか『ああ』とかなんとかボヤーッとしたことを言ったような気がする。

    322 = 1 :



    バイトから帰宅してテレビをつけると、高校の時に流行ったバンドの演奏が映し出されていた。

    そういえば、あの頃はずっと聴いてたっけな。いつから私、このバンドを聴かなくなったんだろう。


    大学に入学して、最初の頃は楽しかった。初めての一人暮らしとか、大学には高校と違って本当に色々な人がいて、その人たちと遊んだりすることが刺激的に感じた。

    いつからなんだろう、本当に。こんなに毎日を色あせて感じるようになったのは。

    323 = 1 :


    感情の大きな起伏が減ったように思う。思いっきり嬉しくなって笑顔になったり、辛いことがあって泣いたり。そういうことが年々少なくなっていった。

    まあ、皆そういう風になっていくものなのかもしれないけど。

    大学に入学してからできた一番仲のいい友達にそれを話すと、「好きな人とかいないからじゃない?」なんていかにも女子大生的な答えをもらった。

    でも、どうなのだろう。実際、高校時代に葉山先輩に恋をしていたときはもっと毎日が楽しかったような気もする。

    かといってその友達に合コンなどに連れて行ってもらったりしても、特にそういう気持ちになることもなく毎回終わってるし。

    324 = 1 :


    そういう恋愛ごとを抜きにしても、最近はいろいろとついてないことが多い。

    一週間前に、二ヶ月かけて準備したゼミの発表を教授にけちょんけちょんに貶された。これは、ついてないというより私の至らなさが原因だけど。

    なのでそれはともかく、三日前に高校時代から好きで使ってきた手鏡が割れた時は心底落ち込んだ。嫌なことは続くものである。良いことは続かないくせに。

    325 = 1 :


    ――――


    今日のバイトは忙しかった。どうしてパソコンで在庫検索をするとたしかに存在するくせに本棚に無いことがあるのだろう。たいがい、お客さんが別の棚に移してたりするんだけど。あれは困るからやめてほしい。

    どうしても見つからなくてお客さんに頭を下げると、めちゃくちゃ怒られた。あんたみたいないい加減な子がいるから日本はダメになっていくのよ、なんて壮大な意見を言われた時には思わず失笑しそうになった。私は日本代表ですか。

    それはそれ、見つからなかったことに関しては完全にこちらの非なので本当に申し訳なかったけど。

    時間になったのでタイムカードを切っていると、店長に「お疲れ」と声をかけられた。

    326 = 1 :


    「お疲れ様です」

    「明日からだから、新人くん。よろしく」

    「そうなんですか」

    と、真顔で答えることはできたと思う。なんとも言えない期待感と高翌揚感があった。久しぶりの感覚だった。

    どうしてこんなに楽しみにしているのかは自分でも分からなかった。

    あの人のこと好きだったっけ、私。いや、ないない。そんな記憶はない。ただ、一緒にいると気楽で、面白い先輩だったから。それだけな、はず。

    327 = 1 :


    帰宅するために自転車に乗って、家までの道を走る。

    今日は疲れた。早く帰ってお風呂に入って、ベッドで泥のように眠りたかった。思わずペダルを漕ぐ足に力が入る。

    すると突然、変な音がしたと思ったら身体がアスファルトに転がっていた。どうも自転車から転落したらしい。身体中に妙にジンジンくる痺れのような感じがあって、痛みはあまり感じなかった。

    「本当についてないなぁ……」

    思わずぼやいて自転車を起こそうと見てみると、チェーンが切れていた。どうもこのせいで転落したようだ。

    深いため息をついて、自転車を起こす。

    328 = 1 :

    とぼとぼと歩き始めると、どんどん落ち込んできた。

    毎日、嫌なことが続いている。私って、こういうときどうしてた?どういう風に切り抜けてたっけ?どうにかして耐えたら、いつの間にか切り抜けてた気がする。

    歩きながら考えを巡らせる。

    一、友達に話してた。たしかにそういうことはよくあった。でも最近はそれでもあまり上手くいかない。

    二、適当な男の子と遊んでた。最近はあまりそういうことへの興味が減ってしまった。

    三、家族に話してた。うーん、あんまり。

    思いつかないまま、ボーっと夜空を見上げてみる。あまり星が見えなくて、吸い込まれそうなほど黒い夜空にポツンと浮かぶ月は何故だかとても寂しそうだった。

    でも、綺麗だった。

    そしてふと、思い当たる。回答にたどり着く。

    329 = 1 :


    『いや、無理だろ』

    『すまん、今からちょっとアレだから』

    『はぁ……。しょうがねえな。で、何』

    文句を言いながら、いつもなんとかする。あざといヒーローが、私にはついていたことを。


    そっか、私っていろんなことをあの先輩に頼ってたんだ。いっぱい、救われてたんだ。心の支えになってたんだ。

    だから今、こんなに会いたかったんだ。


    意識すると、急に明日が楽しみになっている。明日には少なくとも一つ、いいことがあることが確定している。それだけで、少し力が湧いてくる。


    ポツンと浮かんだ月が、一人夜道を歩く私を私を優しく照らしていた。

    330 = 1 :


    翌日、私は気合を入れて出勤した。

    私はずっと、先輩にお礼を言いたかった。言う。言うんだ。そして、高校時代に私がたくさんの笑顔をあの人からもらったように、今度は私が、何度も、何度もいっぱい先輩を笑顔にするんだ。

    お酒とか、誘ってみようかな。先輩はあまり好きじゃないだろうか。ただの昔の知り合いなのに馴れ馴れしくしやがって、なんて嫌がったりしないだろうか。昔に比べて、ずいぶん私は臆病になったのかもしれないと思う。でも、これでいい。今の私と今の先輩で、ゆっくり仲良くなっていければいい。

    今の先輩がどうなっているのかは知らない。でも、もしまだあの場所で、総武高校奉仕部で立ち止まっているのなら、ほんのわずかな力になれればいいと思う。

    そのためにまず、仲良くなろう。自然な感じで声をかけて、全然気づいてませんでした。なんて、思わせるように。大丈夫、演技力だけは自信があるんだ。

    先輩が店長室から出てきた。すると、私は自然と笑顔になってしまって、そしてあなたに問いかける。





    「…あれ?もしかして比企谷せんぱいですか?」

    331 :


    始まりで

    332 :

    待ってた!乙

    333 = 1 :

    以上で終わります。今後の更新などが今以上に不定期かつ期間が空きそうなので……。身勝手で申し訳ありません。
    このスレを通して蛇足だったと思われる方、多数いらっしゃるでしょうが謝るしかできません。自分の力不足です。
    ※SSまとめサイト管理人様方へ
    このスレの転載はご遠慮ください。よろしくお願いします。
    それでは、さよなら。

    334 :

    終わってまうのか…寂しいな

    335 :

    待ってた
    乙です

    336 = 335 :

    次回作も期待するよ

    337 :

    おつでー

    いろはかわいかったなぁ

    338 :


    最後に一番最初に戻るってなんかいいなぁ……
    あとずっと台本だったのに最後だけ地の文なのもポイント高い

    339 :

    すばらしかった!

    340 :

    蛇足なんてとんでもない
    もっと見たかったよ 乙

    341 :

    ここで終わるのがとっても残念だけど凄く良かったよ。1乙です

    342 :

    乙でございます

    344 :


    次回作待ってる

    345 :

    乙です
    とても良かったです

    あと良ければ過去作のURL貼ってください

    346 :

    >>1じゃないけどここのだけなら

    八幡「餞の詩」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409086003/

    小町「ねえお兄ちゃん。小町ね、結婚するよ。……小町的にポイント、低いかな?」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409760408/

    八幡「春の幽霊」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1421545243/

    川崎沙希「恋」
    http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428735603/

    347 :

    >>346
    あえて三部作は外すのか

    348 :

    >>333

    自分は蛇足だとは思わないけど。
    次回作に期待します。


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