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元スレ結標「はぁー、出会いが欲しい…」
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美鈴「一つ目、結婚は16歳まで待つこと」
美鈴「二つ目、結婚をするときは二人で私達のところへ報告に来ること」
一方通行「それを守ればイインだな?」
美鈴「ええ。私から言うことはそれだけ。……なんだけど、一つ質問いいかしら?」
一方通子「なンだァ?俺達の馴初めでも聞くかァ?///」
美鈴「それはそれで興味深いけど……、あそこに立ってるのは君の知り合い?」
一方通行「ハァ?」チラッ「……」
海原「こんなところで会うとは、奇遇ですね」
美鈴「二つ目、結婚をするときは二人で私達のところへ報告に来ること」
一方通行「それを守ればイインだな?」
美鈴「ええ。私から言うことはそれだけ。……なんだけど、一つ質問いいかしら?」
一方通子「なンだァ?俺達の馴初めでも聞くかァ?///」
美鈴「それはそれで興味深いけど……、あそこに立ってるのは君の知り合い?」
一方通行「ハァ?」チラッ「……」
海原「こんなところで会うとは、奇遇ですね」
一方通行「何でオマエがこンなとこにいるンだよ!」
一方通行「超電磁砲絡みか!?」
美鈴「あら、やっぱりお知り合いなのかしら?って何でそこで美琴ちゃん!?」
美鈴「ちょっと!どういうことなの!?」
一方通行「ソイツは俺の同僚だ。俺もヨクは知らねェんだが……」
一方通行「どォやらソイツは超電磁砲に惚れてるらしィ……」
美鈴「あらあら。で、なんでそんな子がここへ?」
一方通行「超電磁砲絡みか!?」
美鈴「あら、やっぱりお知り合いなのかしら?って何でそこで美琴ちゃん!?」
美鈴「ちょっと!どういうことなの!?」
一方通行「ソイツは俺の同僚だ。俺もヨクは知らねェんだが……」
一方通行「どォやらソイツは超電磁砲に惚れてるらしィ……」
美鈴「あらあら。で、なんでそんな子がここへ?」
一方通行「さァな。ただの伝言か、俺がオマエと接触するのを嫌ったか、それとも」
海原「『貴方を消しに来た』、ですか?」
美鈴「ちょっと!」
一方通行「……」
海原「まさか、いくらグループ程度の関係とはいえ、そんな風に思われていたとは心外ですね」
一方通行「じゃァ何なンだってンだ!」
海原「逆にたずねますが、貴方は何をしにここに来たのですか?」
一方通行「まさかオマエ!!」
海原「ええ、そのまさか、です」
海原「お義母様、美琴さんを自分にください!」
海原「『貴方を消しに来た』、ですか?」
美鈴「ちょっと!」
一方通行「……」
海原「まさか、いくらグループ程度の関係とはいえ、そんな風に思われていたとは心外ですね」
一方通行「じゃァ何なンだってンだ!」
海原「逆にたずねますが、貴方は何をしにここに来たのですか?」
一方通行「まさかオマエ!!」
海原「ええ、そのまさか、です」
海原「お義母様、美琴さんを自分にください!」
>>356
なんかスラムダンクの柔道部部長を思い出した。
なんかスラムダンクの柔道部部長を思い出した。
美鈴「あらー、今度は美琴ちゃん?いや、『今度こそ美琴ちゃん?』かしら?」
一方通行「ンな違いはどォでもイインだよ!それより海原、オマエそれはマジで言ってンのか?」
一方通行「オマエの目的は『超電磁砲の日常を守ること』じゃなかったのか?」
一方通行「本当の面晒して、正面切った会話をしたこともねェ、まして暗部のオマエとの婚約を」
一方通行「本人でもなく、その親に頼みに来るたァ……」
一方通行「落ちるとこまで落ちたなァ、うなばらァァあああ!!」
海原「言いたいことはそれだけですか?」
一方通行「ンな違いはどォでもイインだよ!それより海原、オマエそれはマジで言ってンのか?」
一方通行「オマエの目的は『超電磁砲の日常を守ること』じゃなかったのか?」
一方通行「本当の面晒して、正面切った会話をしたこともねェ、まして暗部のオマエとの婚約を」
一方通行「本人でもなく、その親に頼みに来るたァ……」
一方通行「落ちるとこまで落ちたなァ、うなばらァァあああ!!」
海原「言いたいことはそれだけですか?」
海原「貴方の言うことはもっともですよ、全てにおいて正しいとも言えるでしょう」
海原「想う人のいる彼女の前に、突然婚約者として出るという愚行も」
海原「暗部である自分が接触することで、彼女自身の危険も増えるであろうことも」
海原「わかっていたから、今まで極力接触を取らずに来たのですから。」
海原「しかし、です。現状を見てみれば、例の彼はもうすでに学校を卒業し、学園都市にはいません」
海原「4年の間に、彼女を守るに足る力もつけて来たつもりです」
海原「ならばこの時、正式に彼女を守るものとして、資格を得てそばにいたいと想うことは『間違い』とまで言えますか?」
海原「想う人のいる彼女の前に、突然婚約者として出るという愚行も」
海原「暗部である自分が接触することで、彼女自身の危険も増えるであろうことも」
海原「わかっていたから、今まで極力接触を取らずに来たのですから。」
海原「しかし、です。現状を見てみれば、例の彼はもうすでに学校を卒業し、学園都市にはいません」
海原「4年の間に、彼女を守るに足る力もつけて来たつもりです」
海原「ならばこの時、正式に彼女を守るものとして、資格を得てそばにいたいと想うことは『間違い』とまで言えますか?」
一方通行「オマエの理屈なンざ聞いちゃいねェンだよ!」
海原「貴方に否定されることにも、大した意味なんか無いんですがね……」
美鈴「ちょっとちょっと君達!!不穏な空気なんか作っちゃダメよ!?」
一方「……」海原「……」
ジリッ
土御門「にゃー、お前等ホントこんなとこまで生真面目に生きて、人生楽しいのかにゃー?」
海原「貴方に否定されることにも、大した意味なんか無いんですがね……」
美鈴「ちょっとちょっと君達!!不穏な空気なんか作っちゃダメよ!?」
一方「……」海原「……」
ジリッ
土御門「にゃー、お前等ホントこんなとこまで生真面目に生きて、人生楽しいのかにゃー?」
美鈴「え?え?また知らない人が増えてる!」
一方「人の人生の岐路だってのに、何なンですかオマエラはァ!!」
土御門「邪魔するつもりはないんだにゃー。俺も超個人的な用で来ただけなんだぜい?」
海原「自分も貴方の邪魔をしに来た訳のではないのですが……」
土御門「そうそう、それぞれのやることをやりゃいいだけなんだぜい」
土御門「というわけで、この場の皆さんにお届けモノをもって来たんだにゃー」
旅掛「前フリが長かったが、間に合ったのならよしとすっか。ただいま、美鈴」
美鈴「……、ハァー、ホーント、こういう時だけはタイミングよく帰って来るのよねぇ」
美鈴「お帰りなさい、ア・ナ・タ」
一方「人の人生の岐路だってのに、何なンですかオマエラはァ!!」
土御門「邪魔するつもりはないんだにゃー。俺も超個人的な用で来ただけなんだぜい?」
海原「自分も貴方の邪魔をしに来た訳のではないのですが……」
土御門「そうそう、それぞれのやることをやりゃいいだけなんだぜい」
土御門「というわけで、この場の皆さんにお届けモノをもって来たんだにゃー」
旅掛「前フリが長かったが、間に合ったのならよしとすっか。ただいま、美鈴」
美鈴「……、ハァー、ホーント、こういう時だけはタイミングよく帰って来るのよねぇ」
美鈴「お帰りなさい、ア・ナ・タ」
旅掛「そりゃあねぇ、俺の仕事知ってるでしょ?」
美鈴「ん。足りないものを示すこと、でしょ?」
旅掛「ピンポーン。では、今この場所にそもそも足りてないものは何だかわかる?」
美鈴「父親、ってことなのかしら?」
旅掛「それも正解!ってことで帰ってきたのさ」
美鈴「ん。足りないものを示すこと、でしょ?」
旅掛「ピンポーン。では、今この場所にそもそも足りてないものは何だかわかる?」
美鈴「父親、ってことなのかしら?」
旅掛「それも正解!ってことで帰ってきたのさ」
婚約相手がいないのに来てるのかこいつらwwwwww
で、肝心の上条さんは何処へ?五和とでも婚約したの?
で、肝心の上条さんは何処へ?五和とでも婚約したの?
今日初めて旅掛がどんなのか見たんだがあんなワイルドな感じとはおもわなんだ
アウレオルスみたいな紳士な感じを勝手に想像してた
アウレオルスみたいな紳士な感じを勝手に想像してた
土御門「さてと、旅掛さんを届けたとこで、俺の用事を済ますとするかにゃ」
一方通行「なンだよオマエ、親父さンを届けにきたンじゃねェのか?」
土御門「それは用事のための準備みたいだもんだにゃー」
土御門「それでは……」
土御門「御坂さん、妹の舞夏をよろしくお願いします!」
美鈴「……え?…………あ、ああ!!わかった!そういうことか!」
旅掛「まぁそういうことって訳だな」
一方通行「どォいうコトなンだよ」
一方通行「なンだよオマエ、親父さンを届けにきたンじゃねェのか?」
土御門「それは用事のための準備みたいだもんだにゃー」
土御門「それでは……」
土御門「御坂さん、妹の舞夏をよろしくお願いします!」
美鈴「……え?…………あ、ああ!!わかった!そういうことか!」
旅掛「まぁそういうことって訳だな」
一方通行「どォいうコトなンだよ」
一方通行「結標まで着やがったのかよ……」
海原「グループ、全員集合ですか」ハァ、ヤレヤレ
結標「私はただの暇つぶしよ、貴方達と違って」
一方通行「暇なら学校行ったらどォなンだ?『ダブり』の結標さンよォ!!」
結標「な!!その名前で呼ぶなァァああああああああああああ!!」
ドンガラガシャーン
旅掛「さて、そちらの話は終わったかな?」
海原「グループ、全員集合ですか」ハァ、ヤレヤレ
結標「私はただの暇つぶしよ、貴方達と違って」
一方通行「暇なら学校行ったらどォなンだ?『ダブり』の結標さンよォ!!」
結標「な!!その名前で呼ぶなァァああああああああああああ!!」
ドンガラガシャーン
旅掛「さて、そちらの話は終わったかな?」
旅掛「婚約云々はとりあえず脇に置いてもらって、君達にお願いしたいことがあるんだが」
一方通行「一番の目的脇に置かれるのは困るんだが……。とりあえず聞こォか」
旅掛「なに、大したことじゃない、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだよ」
ゴニョゴニョ
旅掛「というわけなんだが、どうだい?」
一方通行「あァ、俺はいいぜ」
海原「自分の目的にも一致しますし」
土御門「参加、で特に言うことはないんだにゃー」
結標「え?私もやるの?」
一方通行「一番の目的脇に置かれるのは困るんだが……。とりあえず聞こォか」
旅掛「なに、大したことじゃない、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだよ」
ゴニョゴニョ
旅掛「というわけなんだが、どうだい?」
一方通行「あァ、俺はいいぜ」
海原「自分の目的にも一致しますし」
土御門「参加、で特に言うことはないんだにゃー」
結標「え?私もやるの?」
一方通行「空気読めよ……」
結標「そんなこと言ったって、私にメリットが特に無いもの」
旅掛「そうだ、やりたくない者に無理強いはよくねぇな」
旅掛「とはいえ仕事柄、足りないものは示したくなっちまうんだよなぁ」チラッ
旅掛「おい美鈴、お前俺に言っておくことないか?」
美鈴「ど、どうしてわかったの!?実は、、、」
美鈴「子供が出来たの、お腹に。今ちょうど6ヶ月位なんだけど……」
グループ「「「「え!!」」」」
結標「そんなこと言ったって、私にメリットが特に無いもの」
旅掛「そうだ、やりたくない者に無理強いはよくねぇな」
旅掛「とはいえ仕事柄、足りないものは示したくなっちまうんだよなぁ」チラッ
旅掛「おい美鈴、お前俺に言っておくことないか?」
美鈴「ど、どうしてわかったの!?実は、、、」
美鈴「子供が出来たの、お腹に。今ちょうど6ヶ月位なんだけど……」
グループ「「「「え!!」」」」
旅掛「ってことは性別ももう判ったりするのか?」
美鈴「え、ええ。男の子みたいだけど……」
旅掛「なぁ、光源氏って知ってるか?」
結標「!!!!」
土御門「おい、結標……」
結標「……ええ、わかったわ」
結標「本意ではないけれど、やってやろうじゃない」
こうして御坂グループは、世界を変える第一歩を踏み出したのだった。
完
美鈴「え、ええ。男の子みたいだけど……」
旅掛「なぁ、光源氏って知ってるか?」
結標「!!!!」
土御門「おい、結標……」
結標「……ええ、わかったわ」
結標「本意ではないけれど、やってやろうじゃない」
こうして御坂グループは、世界を変える第一歩を踏み出したのだった。
完
これから先のことなんて、きっと誰にもわからない。
今までだってそうだった。
思ってもいなかったことが起こり、願ったことは叶わない。
「出ろ。上からのお呼びだ」
おとなしく従う気にはなれなかったが、かといって抵抗する力もなく、しかたなく立ち上がる。
「わざわざ私のような前科者を引っ張り出して、統括理事会め、今度は何を始める気なんだ?」
流されるばかりの状況に、愚痴を言ってみたところで何も変わらないのはわかっていたが、そ
れでも少しは吐き出さなければやっていられない。吐き出すことで多少なりともコンディショ
ンが良くなるのなら、それはすぐに吐き出してしまった方がいい。
彼女には、絶対にやらねばならないことがあるのだから。
「そんなことは俺に聞くととじゃねぇな。出迎えに来たあのおっさんにでも聞けばいい」
「出迎え?」
そう聞き返し、刑務官の視線の先に目をやると、そこには白衣を着た小太りの男が立っていた。
「木山春生君だね?」
「貴方は……」
そう尋ね返した木山の質問には答えず、カエルに似たその男は用件だけを話した。
「ついさっき、ちょっと難しい患者さんが入って来ることになってね?君に手伝ってもらいた
いんだが、いいね?」
突然そんなことを頼まれても困る。第一、木山は医学が専門な訳ではない。仕事柄、そういっ
た人たちと触れ合うことは確かに多かったし、専門である大脳生理学ならそういったことも手
伝えることもあるだろうが、本職は研究者なのだ。
「言っておくけど、君に拒否権はないからね?」
という男の一言で、自分の今おかれている状況を思い出す。
一時的に釈放されたのは、なにかを自分にやらせるためだ。その『何か』が、男の言う、患者を
助けるということなのだろう。
「……、わかりました、協力しましょう。で、その患者というのは?」
「今言ったとおり、これからボクの病院に入ってくる予定なんだがね?ある種の薬を服用し続
けたのが原因らしいんだ」
「その『ある種の薬』というのは?」
「能力体結晶、依然君が研究に使ったことのある薬だね?」
続きは明日以降です。上記も書き直すかも。投下1レスだけて……
今までだってそうだった。
思ってもいなかったことが起こり、願ったことは叶わない。
「出ろ。上からのお呼びだ」
おとなしく従う気にはなれなかったが、かといって抵抗する力もなく、しかたなく立ち上がる。
「わざわざ私のような前科者を引っ張り出して、統括理事会め、今度は何を始める気なんだ?」
流されるばかりの状況に、愚痴を言ってみたところで何も変わらないのはわかっていたが、そ
れでも少しは吐き出さなければやっていられない。吐き出すことで多少なりともコンディショ
ンが良くなるのなら、それはすぐに吐き出してしまった方がいい。
彼女には、絶対にやらねばならないことがあるのだから。
「そんなことは俺に聞くととじゃねぇな。出迎えに来たあのおっさんにでも聞けばいい」
「出迎え?」
そう聞き返し、刑務官の視線の先に目をやると、そこには白衣を着た小太りの男が立っていた。
「木山春生君だね?」
「貴方は……」
そう尋ね返した木山の質問には答えず、カエルに似たその男は用件だけを話した。
「ついさっき、ちょっと難しい患者さんが入って来ることになってね?君に手伝ってもらいた
いんだが、いいね?」
突然そんなことを頼まれても困る。第一、木山は医学が専門な訳ではない。仕事柄、そういっ
た人たちと触れ合うことは確かに多かったし、専門である大脳生理学ならそういったことも手
伝えることもあるだろうが、本職は研究者なのだ。
「言っておくけど、君に拒否権はないからね?」
という男の一言で、自分の今おかれている状況を思い出す。
一時的に釈放されたのは、なにかを自分にやらせるためだ。その『何か』が、男の言う、患者を
助けるということなのだろう。
「……、わかりました、協力しましょう。で、その患者というのは?」
「今言ったとおり、これからボクの病院に入ってくる予定なんだがね?ある種の薬を服用し続
けたのが原因らしいんだ」
「その『ある種の薬』というのは?」
「能力体結晶、依然君が研究に使ったことのある薬だね?」
続きは明日以降です。上記も書き直すかも。投下1レスだけて……
「資料は読んであるね? じゃあ初対面の挨拶といこうか?」
「はい」と答え部屋に入ると、ベッドの上には派手なピンクのジャージを着て、一人で
窓の外をボォーっと眺めている少女がいた。いつもは一緒だという女の子はトイレにでも
行ったのか、丁度席をはずしているようだった。
「こんにちは、初めまして。今日から君を担当することになった、木山春生だ」
なんともなしに、とりあえずそんな当たり障りの無いことから話しかけてみる。
一対一だからか、来る前ほど考え込んだりはせずに、自然に話しかけれた、と思う。
声をかけられて振り向いた少女は、初めて会った木山の顔を不審そう、というよりは
不思議そうな顔で見ると、
「初めまして?」
と挨拶とも疑問とも取れるような返事をした。
直接面識をもつのはこれが初めてのはずだ。木山が以前関わっていた子供達は少女よりも
もっと年少の子たちで、今なら中学生くらいだ。研究所ですれ違っていた可能性もあるが、
それでも『面識がある』というほどではないだろう。
不思議そうな顔で見ると、
「初めまして?」
と挨拶とも疑問とも取れるような返事をした。
直接面識をもつのはこれが初めてのはずだ。木山が以前関わっていた子供達は少女よりも
もっと年少の子たちで、今なら中学生くらいだ。研究所ですれ違っていた可能性もあるが、
それでも『面識がある』というほどではないだろう。
「なんとなくだけど」言葉を選んでいるのだろうか、たどたどしく彼女が答える。
「せんせいからは、いろんな人の、におい、がする。……気がする」
「なぜそう感じるんだい?」
「私の、能力」
「……だとしたら、それは残り香のようなものだな。直に消えるだろう」
「せんせいからは、いろんな人の、におい、がする。……気がする」
「なぜそう感じるんだい?」
「私の、能力」
「……だとしたら、それは残り香のようなものだな。直に消えるだろう」
(匂い、というより思念のようなものだろうか?そんなものがまだ私の中に残っていたとはな)
今までの事を思い出し、それから彼女のことを見た。
この子を調べれば、あの子たちを救う手がかりを見つけられるかもしれない。希望のかけらが
目の前にまで来ている。しかしそれは同時に、この少女をモルモットにすることと同義ではないか?
あの子達と同じもので傷付けられた少女を。僅かに顔が歪むのがわかる。
そんな逡巡を知ってか知らずか、答えを聞いてもキョトンとしたままの少女は、しばらく木山の
顔をじっと見ていたが、ふっと木山の手を握って、
「大丈夫だよ」
そう言って微笑んだ。
今までの事を思い出し、それから彼女のことを見た。
この子を調べれば、あの子たちを救う手がかりを見つけられるかもしれない。希望のかけらが
目の前にまで来ている。しかしそれは同時に、この少女をモルモットにすることと同義ではないか?
あの子達と同じもので傷付けられた少女を。僅かに顔が歪むのがわかる。
そんな逡巡を知ってか知らずか、答えを聞いてもキョトンとしたままの少女は、しばらく木山の
顔をじっと見ていたが、ふっと木山の手を握って、
「大丈夫だよ」
そう言って微笑んだ。
「出ろ」
まったく、世の中は思ったとおりに動かないように出来ているらしい。
とある事件の主犯者だった木山春生は、そんなことを考えため息をつきながらも
立ち上がって牢を出た。
望んで入った場所ではなかったが、特にやることも無く、紙と鉛筆と頭さえあれば
ひたすら自らの研究に専念できるこの場所が、木山は案外気に入っていた。
雑務も入らないので、思っていた以上に研究ははかどっていた。
にもかかわらず、
(ここを今出ろ、というのは釈放といった意味ではないだろう。わざわざ私のような
前科者を引っ張り出すなんて、統括理事会かどこか上層部がまた何か新しい実験でも
始めるのだろうか?それも、表ではできないような……)
AIM拡散力場制御実験。
統括理事会の肝入りで行われたこの実験で、木山は大切な人たちを傷付けてしまっていた。
(ここを今出ろ、というのは釈放といった意味ではないだろう。わざわざ私のような
前科者を引っ張り出すなんて、統括理事会かどこか上層部がまた何か新しい実験でも
始めるのだろうか?それも、表ではできないような……)
AIM拡散力場制御実験。
統括理事会の肝入りで行われたこの実験で、木山は大切な人たちを傷付けてしまっていた。
(チャンス、と見たほうがいいのか?統括理事会の指示に従うだけではダメだが、
かといって無理に断ることも無いだろう。わざわざ向こうから作ってくれたコネクションだ。
上手く交渉してこっちが優位に進められる位にうまく立ち回ればいいさ)
それすらも出来ないようでは、きっとあの子達を救うことなど夢のまた夢だ。
加えて、仮に協力することになっても、その実験の被験者だけは絶対に傷付けないようにと
誓いながら、木山はだんだんと照明が減って暗くなる廊下を進んでいく。
かといって無理に断ることも無いだろう。わざわざ向こうから作ってくれたコネクションだ。
上手く交渉してこっちが優位に進められる位にうまく立ち回ればいいさ)
それすらも出来ないようでは、きっとあの子達を救うことなど夢のまた夢だ。
加えて、仮に協力することになっても、その実験の被験者だけは絶対に傷付けないようにと
誓いながら、木山はだんだんと照明が減って暗くなる廊下を進んでいく。
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