元スレ神「美少女JKの自転車のサドルに転生させてやろう」男「ありがとうございます!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
51 = 19 :
サドルバイブTUEEE!
52 = 1 :
休みの日、中年は自転車を走らせる。
シャーッ
中年「今日みたいな天気は絶好の自転車日和だね」
サドル「ああ、サドルの俺も気持ちいいや」
中年「たまにはいつも行かない方へ行ってみようか」
サドル「そりゃいいな!」
53 = 1 :
キコキコ…
中年「ふぅ、ふぅ……」
サドル「大丈夫か? ここら辺は坂が多くて、バイクや競技用の自転車じゃないとキツイだろ」
中年「しかし、これもいい経験になるさ」
中年「ん?」
ギャハハハ… ハハハ…
サドル「ほら見ろ、あの店。バイク乗りの溜まり場になってる」
中年「それもどうやらちょっと悪そうな連中だねえ」
54 = 1 :
DQN「あ? なに見てんだ、おっさん!」
中年「!」ビクッ
サドル「!」ギクッ
中年「い、行こう!」
サドル「早く! 早く漕いで!」
キコキコキコキコキコ…
サドル「暴走族……ってわけでもないだろうがチンピラの集まりだな」
中年「触らぬ神に祟りなしだね」
55 = 1 :
中年「ただいまー」
サドル「今日はちょっとハラハラしたよ」
JK「あ、お父さんお帰り!」
中年「どうだ? このヘルメット」
JK「いいじゃんいいじゃん、競輪選手みたい!」
中年「ありがとう」
サドル(マジこの子可愛いよなぁ、妹とは大違いだ)
56 = 1 :
JK「私はもう新しい自転車買っちゃったけど……」
JK「たまにはそっちにまた乗ってみたいなーなんて」
中年「!」
中年「ダメだぞ、ダメダメ! この自転車に乗ることは許さん!」
JK「相当気に入っちゃったんだね」
サドル「おっさぁん……」
中年「フッ、そう簡単に娘の尻は渡さんぞ!」
サドル「くそう……いつか味わってやるからな!」
サドル(だけど、おっさんとつるんでるのも悪くないと思うようになってしまった)
57 = 1 :
ある日――
中年「フフフ、コンビニでチキンを買ってしまったよ」モグモグ
サドル「おっさん、買い食いしたらせっかく痩せたのにリバウンドしちゃうぞ」
中年「固いこというなって。ところでサドルは食欲ってないのか?」
サドル「全くないな。ていうかあっても食う方法ないし」
中年「私もサドルになれば、太る太らないを気にせず済むのにな」
サドル「間抜けな死に方すればなれるかもしれないぞ」
キコキコ…
中年「ただいまー」
妻「あなた……」
中年「どうした?」
58 = 1 :
妻「あの子が……まだ帰ってきてないの」
中年「えっ! 今日は予備校じゃないのか?」
妻「今日は予備校の日じゃないわ」
中年「電話はかけたのか?」
妻「繋がらないの」
中年「だとしたら、友達と遊んでるとか……」
妻「心当たりはあたったけど、いないっていうの」
妻「あの子、遅くなる時はいつもちゃんと連絡するし、心配で……」
59 = 19 :
おっさんとサドルに友情が…
60 = 1 :
中年「分かった、ちょっと二人で捜索してくるよ」
妻「二人?」
中年「い、いや、一人の間違いだった。母さんは……念のため警察に連絡してくれ」
妻「分かったわ」
中年「何事もなければいいんだが……」
中年「話は聞いてたかね?」
サドル「おう。とりあえず、あの子の高校周辺を走り回ってみるか」
娘の捜索を開始する。
61 = 1 :
キコキコキコ…
中年「うーん……やはりどこを捜してもいない……」
中年「まさか、事故にでもあったんじゃ……」
サドル「あんなしっかりした子なんだ。俺みたいなことにはそうそうならないって!」
中年「君がいてくれて心強いよ」
サドル「だけど、手掛かりがないのはな……」
中年「例えば、あそこの乗り捨てられた自転車……」
中年「何かを目撃したりしてないだろうか……発想がメルヘンすぎるか」
サドル「!」ハッ
62 = 1 :
サドル「おっさん、ナぁイス!」
中年「え?」
サドル「ちょっと……聞いてみる。あのサドルに」
中年「そんなことできるのかね?」
サドル「一度サドルの声を聞いたことがあるんだ。もしかしたら、やれるかも!」
サドル(そこのサドル……サドル……)
サドル(女の子……見てないか!? ほんのちょっとこのおっさんの面影がある可愛い女子高生を……!)
『…………』
63 = 1 :
『オンナノコ……カラマレタ……』
サドル「!」
『オレタチトコイ……オドサレテ……』
『コトワッタケド……ツレテカレテ……』
サドル「…………!」
サドル「ありがとぉぉぉぉぉ!!!」
中年「ど、どうしたんだね!?」
サドル「おっさん! もしかしたら、あの子はさらわれたのかもしれない!」
中年「なんだって!?」
64 = 1 :
中年「どんな奴だ!?」
サドル「どんな奴だった!?」
『バイクノッテル……ワルソウ……』
サドル「バイク乗ってる、悪そう……」
中年「…………」
中年「ひょっとして……彼らでは?」
サドル「行ってみる価値はありそうだな!」
サドル「ありがとよ!」
『ヤクニタテテ……ウレシイ……』
65 = 1 :
―溜まり場―
数台のバイク。数人の非行少年。そして――
JK「お願い……帰して……」
DQN「つれないこというなよ。夜は長いんだ」
不良「今夜はたっぷり楽しもうぜ~?」
金髪「もうちょい夜が更けたらマジで人通りなくなるから……そしたら“お楽しみ”だな」
ヒヒヒ… ハハハ…
JK「そんな……」
66 = 1 :
必死に自転車を走らせる。
シャーッ
中年「はぁ、はぁ、はぁ……」
サドル「おっさん、あいつらまた溜まってるぜ!」
中年「ひぃ、ひぃ、ひぃ……」
サドル「頑張れ!」
中年「ああ、分かってる。コレステロールパワーを見せてやる!」
サドル「その意気だぁ!」
67 :
見てるぞ
68 = 1 :
キキッ
中年「ちょっと待ったぁ!」
DQN「あ?」
JK「お、お父さん……!」
中年「娘を……放しなさい!」
DQN「お父さん……? マジか、オヤジ来ちゃったよ」
金髪「よく居所が分かったな。親の愛ってヤツかぁ?」
中年「なんでもいい。娘を返したまえ!」
69 = 1 :
DQN「うるせえなぁ、すっこんでろ!」
バキィッ!
中年「ぎゃっ!」
金髪「ぎゃっ、だってよ。ダッセェ~」
ハハハハ… ヒャハハハ…
サドル「おっさん!」
JK「お父さぁん!」
70 :
私怨
71 = 2 :
がんばれ
72 = 1 :
中年「う、うぐっ……!」
サドル「おっさん!」
中年「!」
サドル「俺を使え!」
中年「使うって……?」
サドル「サドルは……取り外せるだろ?」
中年「そうか!」
サドルを自転車から外す。
DQN「おいおい、んなもんでどうしようってんだ?」
ヒャハハハ…
73 = 7 :
俺さん…
74 = 1 :
サドル「俺を投げろ!」
中年「分かった!」
ブンッ!
ギュルルルルルルルッ!
投げつけられたサドルは――
バキッ! ドカッ! ガッ!
「ぐあっ!」 「いでぇっ!」 「ぐえっ!」
ブーメランのように敵を打ちのめす。
DQN「なんだとォ!?」
75 = 1 :
中年「私はただのおっさんではない……」
DQN「え……!?」
中年「正義の味方“サドルマスター”だ!」
DQN「サドルマスター……!」
中年「もいっちょ!」ブンッ
ギュルルルルルルッ!
DQN「うわぁっ!」
サドル「世の中色んなマスターがあるけど、かなりしょぼい部類だと思うぞ」
中年「なぁに、どんな分野でもマスターってのはすごいものさ」
76 = 1 :
中年「逃げるぞ!」
JK「うん!」
キコキコキコキコキコ…
二人乗りで逃げる。
中年「ひぃ、ひぃ、ひぃ」
サドル「頑張れおっさん!」
DQN「ク、クソが……! チャリで逃げれると思うなよォ!」
77 = 7 :
かっけえ
78 = 1 :
逃げる自転車、追うバイク。
中年「ひい、ひい、ひい!」
キコキコキコ…
DQN「待ちやがれぇぇぇぇぇ!」
ブオオオオオッ!
中年「ダ、ダメだ、追いつかれる!」
サドル「おっさん俺を投げろ! あのバイクこけさしてやる!」
中年「とても走りながらじゃ……!」
DQN「もう追いつくぞぉぉぉぉぉ! 蹴り倒してやる!」
ブオオオオオッ!
79 :
これオリジナル?面白い
>>28
それでも美少女JSのパンティになりたい
80 = 9 :
久々にスレ見たら凄い事になってた
81 = 1 :
ウーウー… ウーウー…
DQN「……え?」
中年「パ、パトカー!」
パトカー「そこの二人乗りの自転車と、ノーヘルのバイク、止まりなさい!」
DQN「や、やばっ……!」
中年「どうしてパトカーが……?」
サドル「きっと奥さんの通報で、パトカーが見回りに出てくれたんだ!」
中年「助かったぁ……!」
…………
……
82 = 1 :
非行集団は警察に捕まり、自転車二人乗りについてはお咎め無しとなった。
JK「さっきのお父さん……かっこよかったよ」
中年「いやいや」デレッ
JK「それとさっきのサドル、まるで生き物みたいだったね」
中年「え、いや、まあね」
JK「サドルもありがとう! ……なーんて」
サドル「いやいや」デレッ
中年「鼻の下伸びてるぞ」
サドル「俺に鼻はないっての」
中年「いーや、絶対伸びてる」
サドル「うん、きっと伸びてる」
83 = 1 :
……
……
事件から二週間後、中年は遠出をしていた。
キコキコキコ…
中年「ふんふ~ん」
中年「これだけ長時間漕いでるのに、全く苦じゃないよ。私も成長したもんだ」
サドル「…………」
中年「どうした?」
サドル「あ、いや、懐かしいなって思って……」
中年「懐かしい? もしかして、この辺りは――」
サドル「ああ、俺、この辺りに住んでたんだ……」
中年「! そうだったのか……」
84 :
JKがサドル一緒に寝る展開まだ?
85 = 1 :
事故現場には花が置かれていた。
中年「…………」
サドル「手を合わせてくれてありがとよ、おっさん」
中年「当然のことさ」
サドル「こういうの見ると、改めて俺は死んじゃったんだなって感じるよ」
中年「……なぁ」
サドル「え?」
中年「君の家族のところに……行ってみないか」
サドル「!」
86 = 9 :
?!
88 = 1 :
キコキコキコ…
中年「あの家かね?」
サドル「うん……あそこに住んでた。俺と両親と妹の四人暮らしで」
中年「…………」
サドル「一目見たらなんだかスッキリしたし帰ろ――」
中年「よし、寄ってみよう!」
サドル「ハァ? 寄ってみるって、おっさん俺の家族と接点ないだろ!」
中年「理由なんかどうにでもなるさ」
89 = 1 :
―男の実家―
サドル「母さんだ……!」
中年「行こう」
サドル「まだ心の準備が……」
中年「あの、すみません」
母「……はい? どちら様ですか?」
中年「初めまして。私、息子さんと交流をしていた者で……」
中年「このたび亡くなられたと聞いて、線香を上げさせてもらえないかと……」
母「まあ……中へどうぞ」
サドル(母さん……やつれたなぁ)
中年(もちろん、サドルも持って行かないとな)
90 = 1 :
妹「どなた?」
母「お兄ちゃんと縁がある人だって」
妹「兄さんと……」
中年「どうも、初めまして」
中年「おいおい、君の妹、なかなか可愛いじゃないか」ボソッ
サドル「どこがだよ。ただのガリ勉女だよ」
中年「たしかに君と違って真面目そうだ」
サドル「ほっといてくれ」
91 = 1 :
父「息子は……事故で亡くなりました。自転車で転倒して……」
父「近くにいた男性がすぐ救急車を呼んでくれたんですが……残念ながら」
母「…………」
中年「そうでしたか……」
サドル(俺が間違えて見とれたあの人、救急車呼んでくれたんだな。なぜかちょっと嬉しい)
父「ところで、息子とはどのような?」
中年「私が自転車を故障させて困っていたら、息子さんがたまたま通りがかって……」
中年「このサドルをくれたんです。その時、ちょっとした知り合いのような感じになって……」
全くのデタラメだったが、疑われることはなかった。
92 = 84 :
サドル盗まれたんだろうな
93 = 1 :
父「息子は学生で、交友関係もよく知らなかったのですが……」
父「そんな人助けをしていたと知って、嬉しいです」
中年「息子さんは本当にいい青年でした。私のようなおっさんとも気さくに話してくれて」
中年「どこに出しても恥ずかしくない、立派な若者だったと思います」
サドル「褒めすぎだって、おっさん!」
中年「早くに亡くなったのが本当に惜しい……そう断言できます」
父「そうおっしゃって頂けると、私たちも救われます」
母「だけど……だけど生きてて欲しかった……。生きて……」
父「母さん……」
サドル「…………!」
サドル「バカな死に方しちゃって……ごめんよぉ……!」
サドル「うっ、ううっ、うっ……!」
94 = 1 :
中年「――あの」
父「はい?」
中年「実は先日、私の夢の中に……息子さんが現れたんです」
父「え……?」
中年「息子さんは、私の口を通じてご家族にお伝えしたいことがあるというのです」
中年「何をバカなことをと思うかもしれません。ですが聞いて頂けないでしょうか?」
サドル「お、おっさん!」
中年「いいから。伝えたいことがあるなら……」
サドル「……分かったよ」
96 = 9 :
なんか悲しい気もするが、死に方考えると笑ってしまう
97 = 1 :
中年「父さん母さん、バカな死に方しちゃってゴメン」
中年「だけど今は楽しく暮らしてる。毎日が楽しいよ」
中年「だから心配しないで……元気出して。そういってました」
父「そう……ですか」
母「ありがとう……ございます」
中年「それと妹さんにも」
妹「え?」
中年「勉強もいいけど、たまにはパーッと遊べよ」
中年「だけど、お前は俺よりしっかりしてるから安心できる。……と」
妹「なんだか、本当に兄さんみたい……」
家族は一切否定せず、このメッセージを受け取った。
98 = 1 :
帰り際――
中年「…………」
中年「あ、あのっ!」
父「なんでしょう」
中年「実は……実はこのサドルにはあなた方の――」
サドル「おっさん!」
中年「!」
サドル「それは……やめてくれ」
サドル「三人とももう、俺の死を乗り越えてる。それに俺はもう死んだ人間だ」
サドル「ここで正体バラしちゃうのは、なんていうか、いびつな事だと思うから……」
中年「分かった……そうしよう」
100 = 1 :
父「サドルが何か?」
中年「えぇと、最後にこのサドルに……触ってもらえませんか?」
父「え?」
中年「お願いします」
父「分かりました」
母「息子が人助けした証のサドルですもんね」
妹「兄さん……」
家族の手の温もりを感じ――
サドル(おっさん……ありがとう)
みんなの評価 : ○
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