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元スレ大男「ガハハ、抱きしめてやるぜぇ!!!」妻「ダメ……壊れちゃう」
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ある日――
― 町の広場 ―
町長の呼びかけで、住民が集められる。
町長「諸君、仕事や祭りの準備で忙しい中、集まってもらってありがとう」
町長「私も町長として、年に一度の祭りを心から楽しみにしている」
町長「しかしながら、近年は国内で盗賊や山賊による被害が相次いでおり……」
町長「町や村が壊滅的な被害を受ける事例も増えている」
町長「こういった状況を鑑み、我が町でもこのたび国立の警備隊を雇うことになった」
町長「それでは挨拶をどうぞ」
警備隊長「はい」
― 町の広場 ―
町長の呼びかけで、住民が集められる。
町長「諸君、仕事や祭りの準備で忙しい中、集まってもらってありがとう」
町長「私も町長として、年に一度の祭りを心から楽しみにしている」
町長「しかしながら、近年は国内で盗賊や山賊による被害が相次いでおり……」
町長「町や村が壊滅的な被害を受ける事例も増えている」
町長「こういった状況を鑑み、我が町でもこのたび国立の警備隊を雇うことになった」
町長「それでは挨拶をどうぞ」
警備隊長「はい」
制服を着た警備隊員がずらりと並ぶ。
警備隊長「皆さん、はじめまして」
警備隊長「このたびは王国から派遣されるという形で、この町の警備を任されることとなりました」
警備隊長「こちらは副隊長です。物静かですが、頼れるのでどうぞよろしく」
副隊長「…………」ズンッ
妻「あの副隊長さん、あなたぐらい大きいわね」
大男「おいおい……まさか乗り換える気じゃ」
妻「バカなこと言わないで」
警備隊長「皆さん、はじめまして」
警備隊長「このたびは王国から派遣されるという形で、この町の警備を任されることとなりました」
警備隊長「こちらは副隊長です。物静かですが、頼れるのでどうぞよろしく」
副隊長「…………」ズンッ
妻「あの副隊長さん、あなたぐらい大きいわね」
大男「おいおい……まさか乗り換える気じゃ」
妻「バカなこと言わないで」
警備隊長「町で行われる祭り、我々も楽しみにしております」
警備隊長「皆様が安心して祭りを楽しめるよう、町の安全をしっかり守っていきたいと思ってますので」
警備隊長「どうぞよろしくお願いします」
パチパチパチパチパチ…
町長「警備隊の皆さんには、空き施設を利用して作った詰所に駐屯してもらうこととなる」
ワイワイ… ガヤガヤ…
「へぇ~、こりゃ頼もしいぜ!」 「町長もなかなかやるじゃん」 「制服がかっこいい!」
すると――
「ちょーっと、待った!!!」
警備隊長「皆様が安心して祭りを楽しめるよう、町の安全をしっかり守っていきたいと思ってますので」
警備隊長「どうぞよろしくお願いします」
パチパチパチパチパチ…
町長「警備隊の皆さんには、空き施設を利用して作った詰所に駐屯してもらうこととなる」
ワイワイ… ガヤガヤ…
「へぇ~、こりゃ頼もしいぜ!」 「町長もなかなかやるじゃん」 「制服がかっこいい!」
すると――
「ちょーっと、待った!!!」
町長「お前は……チンピラ!?」
警備隊長「君は?」
チンピラ「俺はよォ……よそ者っつうのが大嫌いなんだよ」
子分「ア、アニキ……」
チンピラ「この町はてめえらなんかいなくても、十分守れるぜぇ!」
チンピラ「てめえらみたいな頼りない連中はお断りだ! とっとと帰りやがれぇ!」
警備隊長「頼りない? ……なら試してみるといい」
チンピラ「おもしれえ……鼻血ブーにしてやらぁ!」
ブオンッ!
渾身の拳はあっさりかわされる。
チンピラ「あらっ?」
警備隊長「君は?」
チンピラ「俺はよォ……よそ者っつうのが大嫌いなんだよ」
子分「ア、アニキ……」
チンピラ「この町はてめえらなんかいなくても、十分守れるぜぇ!」
チンピラ「てめえらみたいな頼りない連中はお断りだ! とっとと帰りやがれぇ!」
警備隊長「頼りない? ……なら試してみるといい」
チンピラ「おもしれえ……鼻血ブーにしてやらぁ!」
ブオンッ!
渾身の拳はあっさりかわされる。
チンピラ「あらっ?」
ガシッ!
チンピラ「ぐっ……!」ドザッ
腕を取られ、押さえ込まれる。
警備隊長「私の腕は分かってもらえたかな?」
チンピラ「……とてもよく」
子分「アニキィ……」
ザワザワ…
妻「……できるわね、彼」
大男「ああ、こりゃ頼もしい奴らが来てくれたってもんだ!」
チンピラ「ぐっ……!」ドザッ
腕を取られ、押さえ込まれる。
警備隊長「私の腕は分かってもらえたかな?」
チンピラ「……とてもよく」
子分「アニキィ……」
ザワザワ…
妻「……できるわね、彼」
大男「ああ、こりゃ頼もしい奴らが来てくれたってもんだ!」
― 森 ―
大男「今日もはりきって働くか! ダンスのお立ち台には丸太がたくさん必要だしな!」
木こり「うん!」
順調に木を切っていき――
メキメキ… ズシン…
大男「よぉし、こんなとこにしとくか!」
木こり「…………」
大男「ん? どうした?」
大男「今日もはりきって働くか! ダンスのお立ち台には丸太がたくさん必要だしな!」
木こり「うん!」
順調に木を切っていき――
メキメキ… ズシン…
大男「よぉし、こんなとこにしとくか!」
木こり「…………」
大男「ん? どうした?」
木こり「あ、いや……なーんか違和感を覚えてさ」
木こり「なんだろ……この感覚」
大男「どういう感覚だ?」
木こり「分からないけど……なにか妙な気分なんだ……。いつもとは違う森にいるような……」
大男「この森で異変が起こってるってことか?」
木こり「うーん……」
木こり「きっと気のせいだろう! 木こりなだけに! アッハッハ!」
大男「ならいいんだけどよ」
木こり「なんだろ……この感覚」
大男「どういう感覚だ?」
木こり「分からないけど……なにか妙な気分なんだ……。いつもとは違う森にいるような……」
大男「この森で異変が起こってるってことか?」
木こり「うーん……」
木こり「きっと気のせいだろう! 木こりなだけに! アッハッハ!」
大男「ならいいんだけどよ」
― 町 ―
妻「あら商人さん、こんにちは」
商人「こんにちは!」
妻「肩はどう?」
商人「おかげさまで、肩が軽くて軽くて。両肩だけ、雲の上にあるような感覚ですよ!」グルグル
妻「想像すると怖いものがあるわね」
商人「今度の祭りでは、商人一同でド派手なマーケットを開きますから、期待してて下さい!」
妻「ええ、いっぱいお買い物するわ」
妻「あら商人さん、こんにちは」
商人「こんにちは!」
妻「肩はどう?」
商人「おかげさまで、肩が軽くて軽くて。両肩だけ、雲の上にあるような感覚ですよ!」グルグル
妻「想像すると怖いものがあるわね」
商人「今度の祭りでは、商人一同でド派手なマーケットを開きますから、期待してて下さい!」
妻「ええ、いっぱいお買い物するわ」
警備隊も町内を巡回している。
隊員A「荷物を家まで運んであげようか?」
老婆「ありがとうねえ……」
隊員B「この町で、裏道みたいなのはあるかな? 悪者が逃げ込みそうな……」
子供「んーとねー」
妻(彼らもよくやってくれてるわね)
隊員A「荷物を家まで運んであげようか?」
老婆「ありがとうねえ……」
隊員B「この町で、裏道みたいなのはあるかな? 悪者が逃げ込みそうな……」
子供「んーとねー」
妻(彼らもよくやってくれてるわね)
……
……
ヒュゥゥゥゥ…
町に一人の剣士が現れた。
黒剣士「…………」ザッザッ…
町民A「な、なんだあいつ……?」
町民B「全身黒ずくめで……不気味な野郎だぜ」
……
ヒュゥゥゥゥ…
町に一人の剣士が現れた。
黒剣士「…………」ザッザッ…
町民A「な、なんだあいつ……?」
町民B「全身黒ずくめで……不気味な野郎だぜ」
― 酒場 ―
看板娘「い、いらっしゃいませ」
黒剣士「…………」
子分「うわっ……ヤバそうなのが来たっすね。こういうの久々っす!」
チンピラ「黒ずくめの剣士……あいつは……!」
子分「知ってるんすか?」
チンピラ「よその町の情報通から、聞いたことがある」
チンピラ「ヤツは昔、通称≪死神部隊≫っつう国王直属の汚れ仕事ばかり請け負う部隊を率いてたらしい」
子分「汚れ仕事って? ドブ掃除っすか?」
チンピラ「ちげえよ! 暗殺だとか、破壊工作だとか、そういうやつだよ」
子分「ひえ~、おっそろしい!」
看板娘「い、いらっしゃいませ」
黒剣士「…………」
子分「うわっ……ヤバそうなのが来たっすね。こういうの久々っす!」
チンピラ「黒ずくめの剣士……あいつは……!」
子分「知ってるんすか?」
チンピラ「よその町の情報通から、聞いたことがある」
チンピラ「ヤツは昔、通称≪死神部隊≫っつう国王直属の汚れ仕事ばかり請け負う部隊を率いてたらしい」
子分「汚れ仕事って? ドブ掃除っすか?」
チンピラ「ちげえよ! 暗殺だとか、破壊工作だとか、そういうやつだよ」
子分「ひえ~、おっそろしい!」
チンピラ「だが、これからの世に血なまぐさい連中は不要だってんで、その部隊は解体された」
チンピラ「ようするに、お払い箱にされたわけだ。ところがだ」
子分「ところが?」
チンピラ「あの黒い剣士は、血の臭いや人殺しのスリルを忘れられず……今も各地をさまよってやがるんだ」
チンピラ「奴が来るところには、必ず災いが起こるっていうぜ」
子分「マジっすか……! だとしたら、この町もヤベェじゃないすか!」
チンピラ「ああ……ヤツはなんか企んでるはずだ」
看板娘「ご、ご注文は?」
黒剣士「…………」
黒剣士「……ミルク」
看板娘「へ? あ……ミルクですか?」
黒剣士「ああ……頼む」
チンピラ「ようするに、お払い箱にされたわけだ。ところがだ」
子分「ところが?」
チンピラ「あの黒い剣士は、血の臭いや人殺しのスリルを忘れられず……今も各地をさまよってやがるんだ」
チンピラ「奴が来るところには、必ず災いが起こるっていうぜ」
子分「マジっすか……! だとしたら、この町もヤベェじゃないすか!」
チンピラ「ああ……ヤツはなんか企んでるはずだ」
看板娘「ご、ご注文は?」
黒剣士「…………」
黒剣士「……ミルク」
看板娘「へ? あ……ミルクですか?」
黒剣士「ああ……頼む」
チンピラ「おいおいお~い! 酒場でふざけた注文してんじゃねえよ!」ガタッ
子分「ちょっ、アニキ! ヤバイっすよ!」
黒剣士「……ん」
チンピラ「あんたのことは知ってるぜ。昔ヤバイ仕事してたってな」
チンピラ「だけどミルク頼むなんざ、どうやら噂に尾ヒレがついた、とんだお魚野郎だったようだな!」
チンピラ「お魚さんだから、酒場は酒飲む場所ってことも知らねえのか?」
黒剣士「…………」
チンピラ「酒の飲み方知らねえんなら、俺がムリヤリ流し込んでやろうか、あ?」ガシッ
乱暴に胸ぐらを掴む。
子分「ちょっ、アニキ! ヤバイっすよ!」
黒剣士「……ん」
チンピラ「あんたのことは知ってるぜ。昔ヤバイ仕事してたってな」
チンピラ「だけどミルク頼むなんざ、どうやら噂に尾ヒレがついた、とんだお魚野郎だったようだな!」
チンピラ「お魚さんだから、酒場は酒飲む場所ってことも知らねえのか?」
黒剣士「…………」
チンピラ「酒の飲み方知らねえんなら、俺がムリヤリ流し込んでやろうか、あ?」ガシッ
乱暴に胸ぐらを掴む。
チャキッ…
チンピラ「え」
喉元に、切っ先が突きつけられる。
黒剣士「喉に穴開けて、そこから酒を流し込んでやろうか?」
チンピラ「…………」ゾクッ…
チンピラ「す、すみませんでした……」
すごすご引き下がるチンピラ。
チンピラ「ありゃあ、俺らの手に負える奴じゃねえ……」
子分「アニキィ……これで三連敗っすよ」
チンピラ「うるせえ!」
チンピラ「え」
喉元に、切っ先が突きつけられる。
黒剣士「喉に穴開けて、そこから酒を流し込んでやろうか?」
チンピラ「…………」ゾクッ…
チンピラ「す、すみませんでした……」
すごすご引き下がるチンピラ。
チンピラ「ありゃあ、俺らの手に負える奴じゃねえ……」
子分「アニキィ……これで三連敗っすよ」
チンピラ「うるせえ!」
酒場の外では――
ドヨドヨ… ヒソヒソ…
町民「あ、大男さん!」
大男「みんな集まってどうした? なんかあったのか?」
町民「今、酒場に不気味な剣士が来てて……みんな怖がってんだよ」
大男「不気味な剣士……?」
妻「気になるわね」
町民「あっ、出てきたぞ!」
ドヨドヨ…
黒剣士「…………」ザッ
ドヨドヨ… ヒソヒソ…
町民「あ、大男さん!」
大男「みんな集まってどうした? なんかあったのか?」
町民「今、酒場に不気味な剣士が来てて……みんな怖がってんだよ」
大男「不気味な剣士……?」
妻「気になるわね」
町民「あっ、出てきたぞ!」
ドヨドヨ…
黒剣士「…………」ザッ
黒剣士「……ん」
大男「…………!」
妻「…………ッ」
黒剣士「はじめまして」
大男「お、おう」
黒剣士「お前たちも武器を持ってるようだな。お前は斧か」
大男「ああ……これでも木こりなんでな」
黒剣士「酒場でケンカを売られて、少々気が立ってるんだ。相手してもらおうか」チャキッ
大男「……来やがれッ!」
黒剣士の一閃に、斧で応戦する。
キィンッ!
大男「…………!」
妻「…………ッ」
黒剣士「はじめまして」
大男「お、おう」
黒剣士「お前たちも武器を持ってるようだな。お前は斧か」
大男「ああ……これでも木こりなんでな」
黒剣士「酒場でケンカを売られて、少々気が立ってるんだ。相手してもらおうか」チャキッ
大男「……来やがれッ!」
黒剣士の一閃に、斧で応戦する。
キィンッ!
大男「だりゃっ!」ブオンッ
ガキンッ!
黒剣士「…………ッ!」ブワッ
斧を受け止めた黒剣士が、体ごと飛ばされる。
黒剣士「パワーは凄まじい……だが」ダッ
ギンッ! キンッ! ――ギィン!
大男「うおおっ……!(はええ!)」
黒剣士「力でぶつからず、こうやって技と速さで攻め立てれば――」
ガキンッ!
黒剣士「…………ッ!」ブワッ
斧を受け止めた黒剣士が、体ごと飛ばされる。
黒剣士「パワーは凄まじい……だが」ダッ
ギンッ! キンッ! ――ギィン!
大男「うおおっ……!(はええ!)」
黒剣士「力でぶつからず、こうやって技と速さで攻め立てれば――」
――ピタッ!
大男の顔面に刃が寸止めされる。
黒剣士「……こうなる」
大男「うぐ……!」
ドヨドヨ…
「マジかよ!」 「大男さんが!」 「メチャクチャ強え……!」
妻「…………」
大男の顔面に刃が寸止めされる。
黒剣士「……こうなる」
大男「うぐ……!」
ドヨドヨ…
「マジかよ!」 「大男さんが!」 「メチャクチャ強え……!」
妻「…………」
妻「次は……私ね」
黒剣士「来い」
ヒュババババッ
両手から針を投げつけるが――
黒剣士(針は……二十本か)
ビュオッ!
一振りで斬り払われる。
妻「…………ッ」
黒剣士「来い」
ヒュババババッ
両手から針を投げつけるが――
黒剣士(針は……二十本か)
ビュオッ!
一振りで斬り払われる。
妻「…………ッ」
妻「まだよ」
ヒュバババババッ
ビュオッ!
黒剣士「針の狙いは正確無比……だが、パワーがない」
黒剣士「これではいくら投げても、私の急所に刺さることはないな」
妻「くっ……」
子分「アニキ見て下せえ! デコボコ夫婦ですら子供扱いっすよ!」
チンピラ「じゃあ、俺が負けるのもしょうがないってことだよね」
子分「情けなすぎるっすよ、アニキィ!」
ヒュバババババッ
ビュオッ!
黒剣士「針の狙いは正確無比……だが、パワーがない」
黒剣士「これではいくら投げても、私の急所に刺さることはないな」
妻「くっ……」
子分「アニキ見て下せえ! デコボコ夫婦ですら子供扱いっすよ!」
チンピラ「じゃあ、俺が負けるのもしょうがないってことだよね」
子分「情けなすぎるっすよ、アニキィ!」
ピピーッ! タタタッ…
隊員A「コラーッ、なにをやっている!」
隊員B「やめないかーっ!」
巡回していた警備隊が駆けつける。
ザワザワ…
警備隊長「この騒ぎはいったい?」
大男「あ、いや……騒ぎってほどのもんじゃないけどよ……」
妻「ごめんなさい」
警備隊長「そちらの剣士さん、よろしければお話を聞きたいのですが」
黒剣士「…………」
隊員A「コラーッ、なにをやっている!」
隊員B「やめないかーっ!」
巡回していた警備隊が駆けつける。
ザワザワ…
警備隊長「この騒ぎはいったい?」
大男「あ、いや……騒ぎってほどのもんじゃないけどよ……」
妻「ごめんなさい」
警備隊長「そちらの剣士さん、よろしければお話を聞きたいのですが」
黒剣士「…………」
黒剣士「この町に宿はあるか?」
町民「あ、あっちに……」
黒剣士「そうか」ザッザッザッ
立ち去っていく黒剣士。
警備隊長「あ、待ちたまえ! ……まったく」
ザワザワ… ドヨドヨ…
妻「大丈夫?」
大男「ああ、ケガはねえさ」
大男「それにしても……嵐が来る予感がしてきたな」
妻「うん、この町で何か起こるかもしれない」
町民「あ、あっちに……」
黒剣士「そうか」ザッザッザッ
立ち去っていく黒剣士。
警備隊長「あ、待ちたまえ! ……まったく」
ザワザワ… ドヨドヨ…
妻「大丈夫?」
大男「ああ、ケガはねえさ」
大男「それにしても……嵐が来る予感がしてきたな」
妻「うん、この町で何か起こるかもしれない」
数日後――
― 広場 ―
ワイワイ… ガヤガヤ…
大男「おぉ~、だいぶ出来上がってきたな!」
大工「ああ、あんたらがいい材木用意してくれてるおかげだよ」
大男「へへへ、いいお立ち台を作ってくれよ! 俺が思い切り踊っても壊れねえくらいのな!」
大工「任せときなって!」
トンテンカン…
祭りの主役となる、お立ち台が出来上がっていく。
― 広場 ―
ワイワイ… ガヤガヤ…
大男「おぉ~、だいぶ出来上がってきたな!」
大工「ああ、あんたらがいい材木用意してくれてるおかげだよ」
大男「へへへ、いいお立ち台を作ってくれよ! 俺が思い切り踊っても壊れねえくらいのな!」
大工「任せときなって!」
トンテンカン…
祭りの主役となる、お立ち台が出来上がっていく。
― 診療所 ―
妻「肩と腰がだいぶ悪いわね」
中年「やっぱり……いつまでも若くないなぁ」
妻「…………」
プスッ プスッ プスッ
中年「き、きくぅぅぅ~! きくぅぅぅぅぅぅぅん! たまらぁぁぁぁぁん!」
妻(私としたことが……ちょっと強く刺してしまったわ)
妻(動揺してる……)
妻「肩と腰がだいぶ悪いわね」
中年「やっぱり……いつまでも若くないなぁ」
妻「…………」
プスッ プスッ プスッ
中年「き、きくぅぅぅ~! きくぅぅぅぅぅぅぅん! たまらぁぁぁぁぁん!」
妻(私としたことが……ちょっと強く刺してしまったわ)
妻(動揺してる……)
……
― 家 ―
大男「今日あたり……来るんじゃねえか?」
妻「うん、そんな予感がする」
コンコン…
ノックの音。
妻「……来たわ」
大男「俺が開けるぜ」
― 家 ―
大男「今日あたり……来るんじゃねえか?」
妻「うん、そんな予感がする」
コンコン…
ノックの音。
妻「……来たわ」
大男「俺が開けるぜ」
ドアを開くと――
黒剣士「…………」
大男「やっぱり……」
妻「来ると思ってたわ」
大男「お久しぶりです……隊長」
妻「上がって下さい」
黒剣士「失礼する」
黒剣士「…………」
大男「やっぱり……」
妻「来ると思ってたわ」
大男「お久しぶりです……隊長」
妻「上がって下さい」
黒剣士「失礼する」
妻「お飲み物は?」
黒剣士「ミルク」
大男「相変わらず、酒は飲まないんすね」
黒剣士「アルコールは思考力・判断力・身体能力を低下させ、致命的な事態を招きかねないのでな」
大男「ガハハ、隊長らしい答えだ!」
大男「――にしても、≪死神部隊≫が解散してから、何年経ったか……」
黒剣士「その呼び方は好きじゃないが……陛下の『自由にしてくれ』というお達しを受け、我らは解散」
黒剣士「メンバーは皆それぞれ、今では普通人として生きている」
黒剣士「部隊があった頃は、部下たちにおよそ人間らしい生活をさせることはできなかったが」
黒剣士「お前たちのように、平和に暮らしてる姿を見ると、私も嬉しいよ」
黒剣士「ミルク」
大男「相変わらず、酒は飲まないんすね」
黒剣士「アルコールは思考力・判断力・身体能力を低下させ、致命的な事態を招きかねないのでな」
大男「ガハハ、隊長らしい答えだ!」
大男「――にしても、≪死神部隊≫が解散してから、何年経ったか……」
黒剣士「その呼び方は好きじゃないが……陛下の『自由にしてくれ』というお達しを受け、我らは解散」
黒剣士「メンバーは皆それぞれ、今では普通人として生きている」
黒剣士「部隊があった頃は、部下たちにおよそ人間らしい生活をさせることはできなかったが」
黒剣士「お前たちのように、平和に暮らしてる姿を見ると、私も嬉しいよ」
妻「ミルクです」
黒剣士「ありがとう」ゴクッ
大男「酒は飲まずいっつもミルクでしたよね」
黒剣士「うむ……王国の研究でもミルクは栄養面で優れており、特に骨を丈夫にする成分が豊富だと分かってきた」
黒剣士「クリーミィな飲み心地は精神に癒やしを与え、リラックスさせる効能を持ち、さらに……」
大男「あ、もう語らなくていいです!」
黒剣士「そうか、残念だ」
妻「隊長はミルクを語ると、すぐ早口になるわね」
黒剣士「ありがとう」ゴクッ
大男「酒は飲まずいっつもミルクでしたよね」
黒剣士「うむ……王国の研究でもミルクは栄養面で優れており、特に骨を丈夫にする成分が豊富だと分かってきた」
黒剣士「クリーミィな飲み心地は精神に癒やしを与え、リラックスさせる効能を持ち、さらに……」
大男「あ、もう語らなくていいです!」
黒剣士「そうか、残念だ」
妻「隊長はミルクを語ると、すぐ早口になるわね」
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