元スレヘビ「ゆで卵うんめぇ~~~~~!!!」カエル「いい酒だ……」ナメクジ「塩は最高だね!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 75 :
ヘビ「……いったいなにがどうなってやがる!」シャーッ
カエル「ここの手つかずの自然に目をつけた人間が」
カエル「人里では見ないような虫や動物を手当たり次第に捕まえているようだな」
ヘビ「くそっ、絶対助け出してやる!」
ナメクジ「だけど、人間がどこにいるかすら分からないよ……」
カエル「もしも、もう人里に引き返したとすると、追いつくのは絶望的だな……」
ヘビ「ちっ!」
102 = 75 :
その頃――
トカゲ「はぁ、はぁ、はぁ」カサカサカサ
「おっ、トカゲだ! 踏み潰してやれ!」
ドカッ! ドカッ! ドカッ!
グシャッ!
トカゲ「ぐっ!?」ブチッ
トカゲ(なんとか……逃げ切らなきゃ!)カサカサカサカサカサ
「あーあ、逃がしちまった」
103 = 75 :
カサカサカサ…
トカゲ「あっ、三すくみ……!」
ヘビ「トカゲ!? お前、尻尾切れてんじゃねえか! まさか――」
トカゲ「ああ、人間に襲われた……! どうにか逃げ切ってきたがな……」
ナメクジ「よかった……」
カエル「尻尾は大丈夫なのか?」
トカゲ「体力は使うけど、再生できるからな」
104 = 75 :
ナメクジ「襲ってきたのはどんな奴だったの?」
トカゲ「いかにもワルって感じの人間だったよ……。逃げるので精一杯だった……」
ヘビ「心配すんな……人間は俺らがブッ倒してやる!」
ナメクジ「それに、みんなを助け出さないとね!」
カエル「ならば、なんとしても人間の居場所を特定せねば」
カエル「トカゲから話を聞いて、人間がどこにいるか推理するしかあるまい」
トカゲ「いや、それなら大丈夫だ」
ヘビ「え?」
トカゲ「ケケケ……あっちにある俺の尻尾のところに行けば……」
105 = 91 :
こういうの読んでるとどんな生き物でも殺せなくなってくるよな
106 = 75 :
ビチビチッ ビチビチッ
ナメクジ「切れた尻尾が方向を指し示してる……!」
カエル「あの方角に人間は去って行ったということだな」
ヘビ「トカゲ……ナイス“尻尾切り”だぜ。絶対に無駄にはしねえ!」
ヘビ「よぉ~し、さらわれた連中を助けに行くぞ!」
ナメクジ「うん!」
カエル「うむ」
107 :
こんな才能を、vipで終わらせるのは勿体無い
108 :
燃える展開だわ
109 :
これライブで書いてるんだったら凄まじい才能だよね
110 = 75 :
……
……
子分「いやぁ~、さっきは惜しかった!」
子分「トカゲをペシャンコに踏み潰そうと思ったのに、逃げられちまった!」
子分「しっかし、いっぱい捕まえることができましたねえ!」
大男「おうよ。ボスによれば、こいつらを売りさばけばだいぶ金になるそうだ」
子分「ド田舎でムシケラどもを捕まえるだけで金になるなんて、いい商売っすね!」
ボス「……今、俺たちのような連中は暴対法の強化などで危機に瀕している」
ボス「色んな金儲けの方法を考えていかなきゃならねえ」
ボス「学者だのマニアだのペットショップだの、珍しい生物を欲しがってる奴はいくらでもいる」
ボス「時にはこんな虫取りの真似ごとみてえなこともしなくちゃな」
111 :
久々にSSスレ見たがすげえ面白い
112 = 75 :
ボス「これからの暴力団は人ではなく、自然相手に暴力を振るう時代だ」
ボス「しばらくはここを拠点に、荒稼ぎしていくぞ」
子分「ムシケラどもを取り尽くしたらどうするんで?」
ボス「そしたら……この土地を強引にブン取って、また商売を始めればいい」
子分「さすがボス、もう先の先のことまで考えてらっしゃる!」
大男「この人はこうやって組でものし上がってきたからなぁ!」
父ガエル「ワシとしたことが、あんな連中に捕まるとは……不覚ッ!」ゲコッ
妹ガエル(お兄様……)
エスカルゴ「……オスクール(助けて)!」
カメ「このままどこかに売られてしまうのか……。またウサギとかけっこしたかった……」
キジ「鳴いてしまったがために、捕まってしまった哀れなキジでございますッ!」
113 :
ナメクジは塩で溶けてるんやなくて浸透圧で水分取られて縮んでるんやけどな
114 = 75 :
ガサゴソ…
「ヘビーに悪い連中だぜ!」
「お前たち……このまま帰る、というわけにはいかんぞ」
「虫や動物をナメるなよ!」
子分「わっ!?」
大男「なんだ!?」
ボス「…………」
子分「今の声……どっからだ!? どこだ!?」
大男「まさか、同業者か!?」
115 = 75 :
子分「――どこの組のもんだァ!?」
ガサッ…
ヘビ「俺たちか? 俺たちはな……」
ヘビ&カエル&ナメクジ「三すくみだよ!!!」
116 = 75 :
子分「ヘビと、カエルと、ナメクジ……? こいつら、口をききやがるのか!」
大男「たった三匹でオレたちに挑もうってかァ!?」
子分「どうします、ボス!?」
ボス「金にはなりそうだが、あの三匹、生かしておくとろくなことがなさそうだ」
ボス「……踏み潰してやれ」
子分「へい!」
子分「なぁ~にが三すくみだ、ビビらせやがってぇ!」ダッ
ヘビ「……来やがったぞ!」
カエル「手はず通りに」
ナメクジ「うん!」
117 = 108 :
しえん
118 = 75 :
ヘビ「俺が足に巻きつく!」グルグルッ
子分「うおっ!?」ガクンッ
カエル「私が顔に飛びつく」ピョーンッ
子分「わぶっ!」
ナメクジ「……トドメだ!」ヌメヌメッ
ナメクジ「サマーソルトキック!!!」
ドゴォッ!
子分「ぶげぁぁっ!?」
ドサッ…
119 = 75 :
大男「ほぉ~、ナメた真似してくれるじゃねえか」パキポキ…
ヘビ(うおっ、でけえ!)
大男「いっとくが、オレはさっきみたいなチンケな攻撃じゃやられねえぜぇ!?」
大男「まとめて蹴散らしてやる!」ブオンッ
ズガァンッ!
ヘビ「うげっ!」
カエル「ぐっ!」
ナメクジ「うわぁぁぁっ!」
120 :
名作を見つけてしまった
121 :
スレタイ見た時はもっとリョナっぽい展開を予想していたが、くっそ平和で感動的じゃねえか
122 = 75 :
ヘビ「あのデカブツ……ヘビーな攻撃だぜ」
カエル「まともに戦ったら、こちらの攻撃は届かんな」
ナメクジ「だったらさ……」ゴニョゴニョ…
大男「オレはケンカじゃ負けたことがねぇんだ!」
大男「このでかい石で、まとめて潰してやるよォ!」グオッ
フワッ…
大男「え!?」
大男(三匹が空を飛んだ……!?)
123 = 75 :
ヘビ「高度は十分、と」ブンブンブンブンブン
ナメクジ「うん!」ネチャッ
カエル「ヤツの頭めがけて落ちるぞ」プクーッ
ヘビ「この攻撃は……ちょいとヘビーだぜ!」
ヒュルルルルルル…
大男「ゲッ、落ちてきた! ――う、うわわぁっ!」
――ドスンッ!!!
124 = 108 :
新技使いこなしてやがる
125 = 75 :
ヘビ「さぁ、残るはてめえだけだな!」シャーッ
ボス「なるほど、三すくみらしからぬ……いや、三すくみだけあって大したチームワークだ」
ボス「ムシケラを少々侮ってたようだ」
ボス「だが、さすがにこれには敵うまい?」チャッ
ナメクジ「な、なにあれ?」
カエル「拳銃だ! 弾丸を発射する人間の武器で、あれを受けたらひとたまりもないぞ!」
カエル「さっきみたいに飛んでも、撃ち落とされてしまうだろう……」
ヘビ「だったら、俺がトグロ巻いてウロコではじき返してやらぁ!」グルグルッ
ボス「無駄だ……弾丸を弾けるわけがない」
カエル「――ならば!」
ナメクジ「――だったら!」
126 = 75 :
パァンッ!
ヌルッ
シュゥゥゥゥゥ…
ボス「――な!?」
ヘビ「こ、こわっ……なんつう武器だよ……」ギトヌメ…
カエル「だが、ヘビの体に私の油とナメクジの粘液を塗りたくったおかげで」
カエル「銃弾はうまくウロコを滑っていったようだな」
ナメクジ「これなら何発撃たれてもへっちゃらだね!」
ヘビ「いやいやいや、今の絶対ただのラッキーだって! もう一発来たらヤバイ!」
ボス「ちっ、今度こそ撃ち殺してやる!」
127 = 75 :
カエル「ゲロゲロゲロクワクワクワァ~♪」
カエル「ゲコッ、ゲコッ、クワッ、クワッ~♪」
ボス「なにいきなり歌い出してやがる! しかも、結構いい声じゃねえか!」
ヘビ「シャーッ!」グワッ
ボス「クソヘビがァ!」
パァンッ!
ボス「……やったか!」
ヘビ「今当たったのは、脱皮した俺の皮だよぉ~ん」ニョロニョロ
ボス「……ちぃ!」スチャッ
ナメクジ「塩まいてやる!」パサッ
ボス「ぐわっ!? ぺっ、ぺっ、ぺっ! しょっぺえ!」
ボス「この……ムシケラどもがぁッ!」
128 = 75 :
カエル(二匹とも……時間を稼いでくれ!)
カエル「ゲロッ、ゲロッ、ゲロッ~♪ クワッ、クワッ、クワッ~♪」
ヘビ「シャーッ!」バッ
ボス「おっとォ!」バキッ
ヘビ「ぐわっ!」ドサッ
ナメクジ「もういっぺん塩!」パサッ
ボス「もう喰らわねぇよ!」サッ
……
ヘビ「くぅ……ここまでかよ」ハァハァ…
ナメクジ「塩投げ切っちゃったよ……」ハァハァ…
ボス「手こずらせやがって……三匹まとめてあの世に送ってやるよ!」
129 = 75 :
カエル「……いや、間に合ったようだ。ヘビ、ナメクジ、よくやってくれた」
ボス「は?」
ヘビ「へへへ……」
ナメクジ「アハハ……」
カエル「聞こえないか、この音が」
ドドドドド…
ボス「なにこれ? なんの音だ?」
カエル「お前たちが我々にやったことが……そっくり“返る”音だ」
130 = 75 :
ヘビ「カエルはな……ずっと『ここに悪党がいるぞ』『みんな集まれ』って歌ってたんだよ!」
ナメクジ「もちろん、人間には分からないようカエル語でね!」
ボス「……へ」
カエル「さぁ、この一帯の動物や虫たちの怒りを思い知るがいい!」
ドドドドドドドドドド…
ガサガサガサガサガサ…
ボス「うおっ!?」
ボス「ちょ、ちょっと待って……」
ボス「やめろ! やめてくれ!」
ボス「うわあああああああああああああっ……!!!」
ああぁぁぁぁぁ……!
131 = 75 :
……
ヘビ「やったな! いやぁ~、ヘビーな戦いだったぜ!」
ナメクジ「うん! ボクらみたいな小さな生き物をナメてかかるからだよ!」
カエル「あれだけの目にあったのだ……もうあの人間たちの野心が蘇ることもあるまい」
ワイワイ… ガヤガヤ…
カメ「君たちのおかげで、またかけっこが出来そうだ……」
ドジョウ「坊ちゃんのもとに戻れるなんて夢のようだ……どうもありがとう!」
メダカ先生「このことはぜひ子供達に話したいと思います!」
キジ「たとえ撃たれても、君たち三匹は決して屈しなかったね!」
132 = 75 :
エスカルゴ「メルシー!」
ナメクジ「あ……エスカルゴ」
エスカルゴ「このたびハ、本当にありがとうございましタ!」
エスカルゴ「よかったラ、今度フランスに遊びに来ませんカ?」
ナメクジ「うん、機会があったらぜひ……一度パリに行ってみたかったし……」
ヘビ「ナメクジの奴、さっそく国際交流してやがる!」
カエル「これで少しはカタコンを克服できればいいがな」
133 :
パリ編はよ
134 = 75 :
父ガエル「……息子よ」ゲコッ
カエル「父上! ご無事だったんですね!」ゲロッ
父ガエル「うむ、よくあの悪しき人間達を追い払ってくれた」
カエル「今回のことで……私はやはり井戸を離れるべきではないと思いました」
カエル「近いうちに帰りたいと――」
父ガエル「いや、帰るな! 帰ってくるな!」ゲコッ
カエル「え?」
父ガエル「お前とあのヘビとナメクジの戦いぶり……見事だった」
父ガエル「カエルが空を飛ぶところなど、はじめて見させてもらったぞ。ハッハッハ!」
カエル「父上……」
135 = 75 :
父ガエル「ワシはまだまだ生きるつもりだし、お前などよりよほど頼れる娘もおる」
父ガエル「お前は井戸のことなど気にせず、もっと羽ばたいてみせろ!」
妹ガエル「そうですよ、お兄様!」
妹ガエル「お兄様は、もっともっと世界の広さを知るべきです!」ケロッ
カエル「二匹とも……ありがとう」
ヘビ「カエルの奴も、急いで帰る必要はなくなったみてえだな」
ナメクジ「三すくみはひとまず安泰だね!」
………………
…………
……
136 = 75 :
……
<三匹の巣穴>
ヘビ「ふん、お前らとは意見が合わねえな!」シャーッ
カエル「私の意見を採用しないお前たちが悪い」ゲロッ
ナメクジ「素直にボクのいうこと聞けばいいのにさ!」ヌメヌメ
トカゲ「ケケケ、お前たち相変わらず仲悪いな。声が外まで響いてるぜ」
トカゲ「せっかくここら一帯の英雄になれたってのに、ちっとも進歩がねえ!」
トカゲ「で、なんで喧嘩してるんだ?」
ヘビ「たまにはみんな一緒のもん食おうって決めたんだけど、全然まとまらねえんだよ!」
カエル「困ったものだ……」
ナメクジ「だーかーらー、塩にしようっていってるのに!」
ギャーギャーッ! ワーワーッ!
トカゲ(アホらし……)カサカサ
137 = 75 :
ヘビ「……ま、いいか。無理に合わせなくても」
カエル「ああ、それぞれ好きなものを飲み食いしよう」
ナメクジ「だってボクたち三すくみだもんね!」
バクンッ グビッ ペロペロ…
ヘビ「ゆで卵うんめぇ~~~~~!!!」
カエル「いい酒だ……」
ナメクジ「塩は最高だね!」
~おわり~
138 = 75 :
完結となります
ありがとうございました!
139 :
いちおつ
ほのぼのした
140 = 133 :
乙
3匹ともいいキャラしてたわ
141 = 111 :
乙
こんな良SSに出会えるとは
142 :
絵本でも作ってくれ
143 :
良かった、ありがとう
みんなの評価 : ☆
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