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    元スレ魔女「あなたも独りなの?」少年「…………」

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    1 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:03:00.561 ID:6gh8yCJJ0.net (+120,+30,-61)
    【森の奥】
    少年「お前が緋色の魔女か?」

    「そうよ。あなたは?」

    少年「お前を殺しにきたッ」カチャ

    「ふぅん。……でも、まだまだね。」スッ

    少年「なっ……ク……ソ……」バタン 
    2 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:03:27.886 ID:8nMtjZY20.net (+332,+16,+0)
    ほう
    3 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:03:41.737 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-57)
    (気を失っちゃった…… こんな棒切れで私を倒そうなんて……」

    (人間のくせにボロ雑巾みたいな格好ね……)

    (どれ、ここに置いて帰るとしましょ――なにこの傷……)

    (こんな小さい子になんでこんな傷が……)

    (仕方ないわね……)
    4 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:04:39.035 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-45)


    【魔女の家】
    少年「……!? ここは……?」

    「気づいた? 私の家よ」

    少年「なっ!? 今すぐ殺してや――ウッ……」

    「痛むの? なにその傷? 私はあなたに傷がつくようなことはしてないはずなんだけど……」
    5 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:05:25.325 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-69)
    少年「黙れ! 殺して――」ピキッ

    少年(なんだこれは?……身体が動かない……)

    「金縛りの術よ。大人しくしてなさい」

    少年「くっ……」

    「それでなんなの?、その傷は?」

    少年「…………」
    6 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:06:07.702 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-65)
    「まあいいわ。傷が治るまでは大人しくしててよ」ガチャ

    少年「……どこに行くんだ?」

    「薬草を採りに行くの。私、回復魔法は使えないから」バタン

    少年「……!」 

    少年(…………)
    7 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:06:40.882 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-54)


    【森】

    「ええと…… これと、これと、これか。まったく、人間の薬なんて普段は作らないからよくわからないわね」

    (それにしてもあの傷。魔獣の牙や爪につけられたような傷じゃなかった)

    (だとしたら……)

    「だから嫌なのよ。人間は」
    8 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:07:21.549 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-83)


    【魔女の家】

    「大人しくしてたかしら?」バタン

    少年「……! 金縛りの術をかけたのはお前だろ」

    「あら、解くのをすっかり忘れてた。それは悪い事をしたねぇ」ニヤッ

    少年「わざとだろ」

    「ふふっ……」グツグツ
    9 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:07:29.147 ID:ZA0denV90.net (+22,+29,-6)
    なに?Twitterのタグに触発されたの?
    10 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:07:56.930 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-54)
    少年「何してるんだ?」

    「薬草を煮てるのよ。回復魔法は使えなくても、薬なら作れるから」

    「これを布にひたしてっと。できたよ。ほら、塗りなさい」

    少年「…………」
    11 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:08:26.516 ID:EC7plz0N0.net (-3,+11,+2)
    つまんね
    12 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:08:59.238 ID:MPzHoLzK0.net (+19,+29,-1)
    続けてよいぞ、特に許す
    13 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:09:07.752 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-52)
    「あら、自分で塗れないの?」ニヤニヤ

    少年「だから金縛――」

    「仕方ない。私が塗ってあげるわ」

    少年「なっ…… 辞めろ!」

    「ふふっ」カチャ

    少年「くっ……」
    14 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:09:50.969 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-45)
    「……それにしても本当にひどい傷だねぇ。誰がこんな……」

    少年「…………」

    少年「……目」

    「目?」

    少年「俺の目。真っ赤だろ。だからみんなが人間じゃないって……」
    15 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:10:11.029 ID:YIf27QZ10.net (-21,-23,+1)
    >>9
    タグ詳細
    17 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:10:49.210 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-119)
    「その傷、村の人間たちにやられたの……?」

    少年「ああ。鬼の子だって。バケモノだって。俺、母さんも父さんもいないんだ。生まれた時からずっと独りで……」

    (忌み子…… これだから人間は……)

    少年「森の奥に悪い魔女が住んでるってみんな言ってて…… だから……だから、そいつを殺して、俺も人間だって村のやつらに認めさせようと……」

    「それで、ここまで来たと……」

    少年「そうだ。だから絶対にお前を……」
    18 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:10:57.188 ID:hBHM00Y40.net (+6,+15,+1)
    >>16
    やめい
    19 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:11:22.611 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-70)
    (独りねぇ……)

    「なるほどね」ナデナデ

    少年「なっ…… 辞めろ!」

    「とにかく傷が治るまでは大人しくしてなさい。私を殺したかったからまずはその傷を治さないと駄目よ」

    少年「くっ……」
    20 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:11:42.662 ID:3oQ/msoe0.net (+17,+29,-13)
    >>15
    魔女集会で会いましょう
    21 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:11:55.449 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-61)


    【翌朝 魔女の家】

    「ほら、起きなさい。ねぼすけ」カ-ン

    少年「……! な、何すんだ!」

    「大人しくしてなさいとは言ったけど、ここにいる以上少しは働いてもらわないと。ほら、早く起きて」

    少年「や、辞め――」
    22 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:12:02.322 ID:59qpHn7p0.net (+0,+14,+0)
    クルタ族!?
    23 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:12:52.026 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-70)
    「はい、まずは朝ごはんよ。食べなさい」

    少年「なっ…… 誰が魔女の作った飯なんか食べるか!」

    「もう…… 駄目よ、わがまま言っちゃ」

    少年「くらえっ」ヒュン

    「あら、フォークは投げるものじゃないのよ、お行儀悪い。それにこんなもので私を殺せるわけないでしょ」

    少年「クソ……」
    24 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:14:01.623 ID:6gh8yCJJ0.net (+93,+30,-51)
    (まったく……)

    「あー、私、食料がなくなったら死んじゃうかもなー。全部食べ尽くされちゃったらどうしましょ……」

    少年「……!」

    少年「俺が食ってやる!」ガツガツ

    「ふふ……」

    (馬鹿な子…… 可愛いわね)
    25 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:14:27.541 ID:1H0IHXhq0.net (+24,+29,-2)
    実年齢が高くても見た目が若ければ
    26 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:15:28.890 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-64)


    【昼】

    「ほら、行くわよ」

    少年「お前の言うことなんか聞か―― うわっ、なんだこれ!」

    「マリオネットの術よ」フフフ

    少年「クソ! 辞めろ、離せ!」

    「ほら、早くしなさい」
    27 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:16:27.097 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-109)


    【森の奥】

    少年「なんだよ、これ!」

    「薬の材料よ。この森には魔獣に襲われる動物がたくさんいるからね。その子たちのための薬。ほら、早くあなたも探してきて」

    少年「なんで俺がそんなこと!」

    「私には不死の呪いがかかってるけど、もしあなたに魔法の知識がついたら、それも解かれちゃうかも……」

    少年「クソ…… 探してくる!」

    「ふふ……」
    28 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:17:22.012 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-48)
    少年(絶対隙を見て殺してやる)

    「あったー?」

    少年「おらぁぁぁ」ガチャン

    「あらあら、傷が治るまでは大人しくしなさいって言ってるのに……」パチン

    少年「クソ、離せ!」
    29 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:18:19.917 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-34)


    【夕方 魔女の家】

    「じゃあお風呂入りましょ」

    少年「……!」

    「ほら、早く脱いで」

    少年「一人でできる!」

    「駄目よ、怪我してるんだから」
    30 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:18:55.722 ID:/qz15Tyz0.net (+17,+29,-3)
    なんやこの糞
    気持ち悪い…
    31 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:19:32.811 ID:VG+7tnuxd.net (-7,+7,+1)
    続けろ
    32 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:19:48.732 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-73)
    少年「くそ、辞めろ、辞めろって!」

    「言うこと聞かないと魔法かけるわよ?」キラ-ン

    少年「うわぁぁ」

    「あなた魔法が効きやすいみたいね。ほら早く入って」
    33 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:20:36.168 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-28)
    「染みる?」ゴシゴシ

    少年「別に!」ウッ 

    「強がっちゃって。ほんと可愛いわね」

    少年「黙れ!」

    (それにしても本当にひどい傷……)
    35 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:21:31.450 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-23)


    【夜】

    少年「…………」スヤスヤ
     
    「寝てるときは大人しいのよね……」

    「緋色の目…… 独り…… 私と一緒か……」
    36 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:22:37.692 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-32)


    【数日後】

    少年「くらえっ」

    「はいはい。すっかり元気ね」

    少年「クソ! 絶対倒す!」

    「そう。楽しみ」

    少年「くっ……」
    38 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:23:43.575 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-55)
    「じゃあ出かけましょうか」

    少年「またか?」

    「今日は街に行くのよ」

    少年「街?」

    「ええ。山を二つ越えた先にあるのよ。結構遠いけど魔法を使えばすぐよ。街で買いたいものがあるの。それに街ならあなたのことを知っている人もいないわ」
    39 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:24:56.285 ID:6gh8yCJJ0.net (+90,+30,-31)
    少年「……なあ?」

    「何?」

    少年「お前、悪い事しないのか?」

    「なにそれ?」クスッ
    40 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:25:45.605 ID:6gh8yCJJ0.net (+95,+30,-45)
    少年「だってお前悪い魔女だって、村のやつらが…… それなのに悪い事なにもしないから……」

    「そんなの村の人間達が勝手に言ってるだけでしょ。私には関係ないわ」

    少年「……!」

    「ほらそんなことより、早く行きましょ」

    少年「……ああ」
    41 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:26:32.803 ID:6gh8yCJJ0.net (+92,+30,-33)


    【数日後】

    女>2「邪魔するぞ」

    少年「なっ、誰だ! お前」

    女>2「ほぉ…… これが件の小童か」

    「あら、いらっしゃい。久しぶりね」
    42 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:27:33.681 ID:6gh8yCJJ0.net (+94,+30,-40)
    女>2「フン。お前が人間の童を召抱えたと聞いてな、見にきたんだが……」

    少年「お前も悪い魔女なのか。まとめて殺してやる!」

    女>2「随分な暴れ馬のようだな」

    「うふふ~ 可愛いでしょ」
    43 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:28:28.887 ID:6gh8yCJJ0.net (+97,+30,-37)
    女>2「人間を召抱えるなど……お前まさかあの事を忘れたんじゃないだろうな?」

    「…………」

    「まあいいじゃない。それよりちょうどご飯の時間なの。あなたも食べていってちょうだい」

    女>2「ああ……」
    44 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:29:15.035 ID:K0ktp1b00.net (+8,+23,+1)
    好き
    45 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:29:23.204 ID:6gh8yCJJ0.net (+105,+30,-52)


    【夜】

    女>2「じゃあお暇させてもらおう」

    「あら、もう帰るの? 君、悪いんだけどお見送りしてあげて」

    少年「……!」

    女>2「いらん、儂を誰だと思って……」

    少年「……わかった」

    女>2「なっ……」

    「いいから、ほら。またね」
    46 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:31:14.038 ID:6gh8yCJJ0.net (+102,+29,-24)


    【道】

    女>2「童、どういうつもりだ? 素直について来るとは」

    少年「聞きたいことがあるんだ」

    女>2「ほぉ」
    47 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:33:06.438 ID:6gh8yCJJ0.net (+111,+30,-144)
    少年「どうして悪いことしないんだ?」

    女>2「ハッ。なんだそれは?」

    少年「魔女は悪い事をする奴らってみんな言ってたのに、それなのにアイツもアンタも何もしない。何故だ?」

    女>2「くだらんな。そんなのは人間どもが勝手に言っているだけだ。中にはそういう魔女もいるかもしれんが、少なくとも儂たちは人間に危害を加えたことなど一度もない」

    少年「……!」

    女>2「童。お前村のやつらに迫害されてたそうだな。儂たちもそうさ。少し違うだけで人間たちはなにもしてない儂たちを魔女と呼び、攻撃するんだ」
    48 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:34:52.677 ID:6gh8yCJJ0.net (+115,+30,-102)
    女>2「なあ、お前は獅子と山羊どちらが強いと思う?」」

    少年「はぁ? そんなの獅子に決まって……」

    女>2「違うんだよ。本当に強いのは獅子じゃない。本当に怖いのは特別な力を持ったものじゃないんだ。本当怖いのはいつだって数だけ多くて声の大きい、力を持たない奴らだ」

    少年「……どういう事だよ?」

    女>2「言葉の通りさ。特別な力なんてなんの意味もない。特別な力を持った少数は、なんの力も持たない多数によって迫害されて殺されるんだ。力がないから殺されるんじゃない。数が少ないから殺されるんだ」
    49 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:36:09.829 ID:6gh8yCJJ0.net (+119,+30,-93)
    女>2「魔女も同じさ。どれだけ特別な力を持とうと数の前には無力だ。人間は力を持った私たちを恐れ、そして攻撃した」

    女>2「だから儂たちは隠れて、できるだけ人間と関わらないように生きた。儂たちが、魔女が生きていくにはそれしかなかった」

    女>2「それなのにアイツは人間を信じる事を辞められなかったんだ」

    少年「アイツって……?」

    女>2「ああ。お前のよく知る魔女さ」
    50 : 以下、?ちゃんね - 2018/02/13(火) 21:37:40.240 ID:6gh8yCJJ0.net (+121,+30,-108)
    女>2「アイツは優しい。だが儂たち魔女が生きるのにそれは仇となる。どれだけ酷い目にあっても、どれだけ儂らが止めても、それでもアイツは人間を信じることを辞めなかった。魔女と人間が分かり合えると本気で信じていたんだ」

    女>2「昔アイツには人間の友がいた。他の誰に裏切られても、そいつだけは裏切らないと信じていたんだ」

    女>2「だが所詮そんなものはまやかしだ。そいつは自分の立場が危うくなると、すぐにアイツを贄に差し出したよ。結局魔女と人間が分かり合えるわけがなかったってことだ」
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