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元スレ勇者「結婚して子どもできてマイホームまで購入したんですよ!?」
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魔法使い「仕事は歩合制だから成果が出ないと薄給そのものだしさ」
魔法使い「営業に就いた当初は、冗談抜きでその日の食事にすら困ってからね」
勇者「はぁ」
魔法使い「もうどうしてもヤバイってときはカラダ売ったりしてね」
勇者「は?」
魔法使い「杖を振るしか能のなかったあたしも、気づきゃ腰の振りかたも覚えちゃった。ははは」
勇者「……」
魔法使い「笑ってよ」
勇者「あ、あはは……」
魔法使い「なに笑ってんの? 人の不幸が楽しいわけ?」
勇者「いえ、そのようなことは……」
魔法使い「営業に就いた当初は、冗談抜きでその日の食事にすら困ってからね」
勇者「はぁ」
魔法使い「もうどうしてもヤバイってときはカラダ売ったりしてね」
勇者「は?」
魔法使い「杖を振るしか能のなかったあたしも、気づきゃ腰の振りかたも覚えちゃった。ははは」
勇者「……」
魔法使い「笑ってよ」
勇者「あ、あはは……」
魔法使い「なに笑ってんの? 人の不幸が楽しいわけ?」
勇者「いえ、そのようなことは……」
勇者「……なんていうか、苦労してんだな」
魔法使い「おかげさまでね」
魔法使い「どっかの誰かがあたしをフッたりしなきゃ、またちがう生活を送ってたかもねえ」
勇者「うっ……」
魔法使い「ほんと、まさか苦楽を分かちあった仲間じゃなくて、そこらへんの町娘とゴールインするなんてね」
魔法使い「終わった話だしべつにどうでもいいけど」
勇者「……」
魔法使い「まあそういうわけだから。人様にかまってる余裕はあたしにはないの」
魔法使い「そもそもあたし、国から魔法の使用が禁止されてるから」
魔法使い「ついていったところで役に立てないけど」
勇者(なんだろう。急に俺は恵まれてるんじゃないかという気がしてきた)
魔法使い「おかげさまでね」
魔法使い「どっかの誰かがあたしをフッたりしなきゃ、またちがう生活を送ってたかもねえ」
勇者「うっ……」
魔法使い「ほんと、まさか苦楽を分かちあった仲間じゃなくて、そこらへんの町娘とゴールインするなんてね」
魔法使い「終わった話だしべつにどうでもいいけど」
勇者「……」
魔法使い「まあそういうわけだから。人様にかまってる余裕はあたしにはないの」
魔法使い「そもそもあたし、国から魔法の使用が禁止されてるから」
魔法使い「ついていったところで役に立てないけど」
勇者(なんだろう。急に俺は恵まれてるんじゃないかという気がしてきた)
町のはずれで シュヴィドゥヴァー
さりげなく 夢にまで見たマイホーム 青い空
エプロン姿のおねだりワイフ
日なたぼっこはバルコニー
Hey it's a beautiful day
突然 忍び寄る 怪しい係長
悪魔のプレゼント 無理矢理
3年2ヶ月の過酷な一人旅
これを思い出した
さりげなく 夢にまで見たマイホーム 青い空
エプロン姿のおねだりワイフ
日なたぼっこはバルコニー
Hey it's a beautiful day
突然 忍び寄る 怪しい係長
悪魔のプレゼント 無理矢理
3年2ヶ月の過酷な一人旅
これを思い出した
勇者「じゃあ……俺はそろそろ帰るわ。この喫茶店代は俺が払っておくよ」
魔法使い「ふーん、ありがと。
……あ、来た来た」
妻「あ、魔法使いさーん」
勇者(え!? な、なんで妻が!?)
魔法使い「なんでワイフが来てるんだ、って顔に書いてあるね」
魔法使い「呼んだの、あたしが。これでもアンタのワイフとあたし、まあまあ仲良いから」
勇者(し、知らなかった。ていうかどうすれば……)
魔法使い「隣の席にでもいれば?」
勇者「……いや、帰るよ。べつにここでやることもないし」
魔法使い「いいじゃない。自分の妻の本音を聴くチャンス世?」
勇者(……妻の本音、だと?)
魔法使い「ふーん、ありがと。
……あ、来た来た」
妻「あ、魔法使いさーん」
勇者(え!? な、なんで妻が!?)
魔法使い「なんでワイフが来てるんだ、って顔に書いてあるね」
魔法使い「呼んだの、あたしが。これでもアンタのワイフとあたし、まあまあ仲良いから」
勇者(し、知らなかった。ていうかどうすれば……)
魔法使い「隣の席にでもいれば?」
勇者「……いや、帰るよ。べつにここでやることもないし」
魔法使い「いいじゃない。自分の妻の本音を聴くチャンス世?」
勇者(……妻の本音、だと?)
……
…………
勇者(結局、妻にバレないように隣の席に移動してしまった)
勇者(ていうか魔法使いはなにを考えてるんだ?)
魔法使い「そうそう。確認したところね、一人はアテがあるわよ」
妻「ほんとうですか?」
魔法使い「うん。しかもいいオトコだから」
妻「魔法使いさんがそこまで言うなら、きっと素晴らしい人なんですよね」
勇者(な、なんの話をしてるんだ?)
勇者(いいオトコ? ま、まさか……浮気!?)
勇者(う、うそだろ? いや、だけど、しかし……!)
勇者(これから俺が旅に出るってときにオトコの話題だと!? それって……)
…………
勇者(結局、妻にバレないように隣の席に移動してしまった)
勇者(ていうか魔法使いはなにを考えてるんだ?)
魔法使い「そうそう。確認したところね、一人はアテがあるわよ」
妻「ほんとうですか?」
魔法使い「うん。しかもいいオトコだから」
妻「魔法使いさんがそこまで言うなら、きっと素晴らしい人なんですよね」
勇者(な、なんの話をしてるんだ?)
勇者(いいオトコ? ま、まさか……浮気!?)
勇者(う、うそだろ? いや、だけど、しかし……!)
勇者(これから俺が旅に出るってときにオトコの話題だと!? それって……)
勇者(というかなにを俺は動揺してんだ?)
勇者(最近はアイツの裸とか見ても性欲すら湧かなくなってきたのに!)
勇者(まるでこれでは……!)
魔法使い「それで、旦那さんとはうまくやってる?」
妻「……正直、最近はすこし会話も減ってますね」
魔法使い「あらら、それはまたなんで?」
妻「なんというか……特に最近はいっしょにいると無性に腹たつときがあって」
勇者(ヤバイ。俺はもしかして早くこの場から去ったほうがいいのでは?)
勇者(最近はアイツの裸とか見ても性欲すら湧かなくなってきたのに!)
勇者(まるでこれでは……!)
魔法使い「それで、旦那さんとはうまくやってる?」
妻「……正直、最近はすこし会話も減ってますね」
魔法使い「あらら、それはまたなんで?」
妻「なんというか……特に最近はいっしょにいると無性に腹たつときがあって」
勇者(ヤバイ。俺はもしかして早くこの場から去ったほうがいいのでは?)
魔法使い「あなたと彼って性格的には全く真逆だものね」
妻「ええ。私はどっちかっていうと、何事もきっちりしてないと気がすまないんですけど」
妻「主人は基本的になんでもなあなあなので」
魔法使い「知ってる。基本いいかげんなのよね、彼って」
妻「何回も同じように注意するんですけど、なかなか覚えてくれませんし」
妻「お風呂に入ったあとはきちんと足の裏を拭けって言っても中途半端にしか拭きませんし」
魔法使い「注意されてることが4歳児と変わんないわね」
妻「息子は言えばきちんとやるから、主人は息子以下です」
勇者「……」
妻「ええ。私はどっちかっていうと、何事もきっちりしてないと気がすまないんですけど」
妻「主人は基本的になんでもなあなあなので」
魔法使い「知ってる。基本いいかげんなのよね、彼って」
妻「何回も同じように注意するんですけど、なかなか覚えてくれませんし」
妻「お風呂に入ったあとはきちんと足の裏を拭けって言っても中途半端にしか拭きませんし」
魔法使い「注意されてることが4歳児と変わんないわね」
妻「息子は言えばきちんとやるから、主人は息子以下です」
勇者「……」
魔法使い「世の中には、亭主元気で留守がいいなんて言葉があるけど、アレって真理ね」
妻「ええ。そうですね」
妻「主人がいなければ、そのぶん食事の準備や洗濯もラクになりますし」
魔法使い「まあでも最近は彼、ほとんど働いてないんでしょ?」
妻「ええ。毎日時間つぶすのに苦労している状態です」
魔法使い「そういえば最近を家を買ったって聞いたんだけど?」
妻「ええ。まだ引越しの作業は完全に終わってないんですけどね」
魔法使い「暇で困ってるなら引越し作業をやっちゃえばいいのに」
妻「そういう部分にも頭が回らないのがまたイラっとしちゃうんですよね、私」
魔法使い「正直すごいわかる」
勇者「……帰ろうかな」
妻「ええ。そうですね」
妻「主人がいなければ、そのぶん食事の準備や洗濯もラクになりますし」
魔法使い「まあでも最近は彼、ほとんど働いてないんでしょ?」
妻「ええ。毎日時間つぶすのに苦労している状態です」
魔法使い「そういえば最近を家を買ったって聞いたんだけど?」
妻「ええ。まだ引越しの作業は完全に終わってないんですけどね」
魔法使い「暇で困ってるなら引越し作業をやっちゃえばいいのに」
妻「そういう部分にも頭が回らないのがまたイラっとしちゃうんですよね、私」
魔法使い「正直すごいわかる」
勇者「……帰ろうかな」
勇者(なんだろう。自分でもビックリするぐらい傷ついてるわ)
勇者(しかも不倫までされてたりしたら……)
勇者(あー、もういいや)
勇者(俺はいないほうがいいんだ)
勇者(さっさと適当なツレを探して旅に出よう、そうしよう)
妻「でも……今こうやって私が生活できてるのって彼のおかげなんですよね」
勇者「……!」
魔法使い「まあ彼が魔王をたおしたからこそ、今の平和があるからね」
妻「あっ、いえ。もちろんそういう意味もあるんですけど」
魔法使い「ん?」
妻「彼が私を選んでくれたから、今こうやって満ち足りた生活をしてるんですよね、って意味です」
勇者(しかも不倫までされてたりしたら……)
勇者(あー、もういいや)
勇者(俺はいないほうがいいんだ)
勇者(さっさと適当なツレを探して旅に出よう、そうしよう)
妻「でも……今こうやって私が生活できてるのって彼のおかげなんですよね」
勇者「……!」
魔法使い「まあ彼が魔王をたおしたからこそ、今の平和があるからね」
妻「あっ、いえ。もちろんそういう意味もあるんですけど」
魔法使い「ん?」
妻「彼が私を選んでくれたから、今こうやって満ち足りた生活をしてるんですよね、って意味です」
>>53
寒い
寒い
妻「これは夫自慢になるんですけど、彼ってば、当時は本当にモテモテだったんです」
魔法使い「うん、知ってる。知ってるよ」
妻「そんな彼が私を選んでくれたってことが当時はとっても嬉しくて……今でも嬉しいんですけど」
妻「……まあ彼がどうして私を選んでくれたのかって、結局今になっても聞けてないんですけどね」
魔法使い「基本的に口下手だものね、彼」
妻「えっと、なにが言いたいのかっていうと、まあ彼のおかげで今の生活があって」
妻「息子も生まれて、こうやって平和に暮らしていけるんです」
妻「……って、毎日いつかは感謝の気持ちを口にして伝えたいなって思ってるんですけどなかなか言えなくて」
魔法使い「しかもそう思う一方でムカつくところはムカつくしね」
妻「ふふっ、そうなんですよね」
勇者「……」
魔法使い「……だってさ、勇者」
魔法使い「うん、知ってる。知ってるよ」
妻「そんな彼が私を選んでくれたってことが当時はとっても嬉しくて……今でも嬉しいんですけど」
妻「……まあ彼がどうして私を選んでくれたのかって、結局今になっても聞けてないんですけどね」
魔法使い「基本的に口下手だものね、彼」
妻「えっと、なにが言いたいのかっていうと、まあ彼のおかげで今の生活があって」
妻「息子も生まれて、こうやって平和に暮らしていけるんです」
妻「……って、毎日いつかは感謝の気持ちを口にして伝えたいなって思ってるんですけどなかなか言えなくて」
魔法使い「しかもそう思う一方でムカつくところはムカつくしね」
妻「ふふっ、そうなんですよね」
勇者「……」
魔法使い「……だってさ、勇者」
妻「……え?」
魔法使い「隠れなくていいじゃない、ほら」
勇者「……なんで俺を呼ぶかな? このまま黙って帰るつもりだったのに」
妻「と、というかどうしてあなたが……?」
勇者「それは……」
魔法使い「実はあなたがここに来る直前まで勇者と話してたの」
魔法使い「魔王退治の旅についてね」
妻「……それで私がここに来たから、勇者は……」
魔法使い「そーいうこと。どうしてもあなたの本音が聞きたかったのよ、ねー?」
勇者「……」
魔法使い「隠れなくていいじゃない、ほら」
勇者「……なんで俺を呼ぶかな? このまま黙って帰るつもりだったのに」
妻「と、というかどうしてあなたが……?」
勇者「それは……」
魔法使い「実はあなたがここに来る直前まで勇者と話してたの」
魔法使い「魔王退治の旅についてね」
妻「……それで私がここに来たから、勇者は……」
魔法使い「そーいうこと。どうしてもあなたの本音が聞きたかったのよ、ねー?」
勇者「……」
勇者「あー……あのさ。やっぱりムカつく?」
妻「……なにが?」
勇者「いや、だから、俺のだらしなさに腹が立ってんのかなぁって……」
妻「あなたも聞いてたとおりです」
妻「子どもみたいに毎回同じことを言われて、なかなか直らなくて本当にムカつく」
勇者「むっ……き、キミこそ浮気しようとしていたくせに……!」
妻「はい?」
勇者「俺は聞いてたぞ。いいオトコがどーのこーのって!」
妻「……」
魔法使い「……ふっ、ふふふ」
勇者「魔法使い、なにがおかしいんだよ?」
妻「……なにが?」
勇者「いや、だから、俺のだらしなさに腹が立ってんのかなぁって……」
妻「あなたも聞いてたとおりです」
妻「子どもみたいに毎回同じことを言われて、なかなか直らなくて本当にムカつく」
勇者「むっ……き、キミこそ浮気しようとしていたくせに……!」
妻「はい?」
勇者「俺は聞いてたぞ。いいオトコがどーのこーのって!」
妻「……」
魔法使い「……ふっ、ふふふ」
勇者「魔法使い、なにがおかしいんだよ?」
魔法使い「そのいいオトコ、誰のためのいいオトコだと思う?」
勇者「……どういうこと?」
魔法使い「そのいいオトコっていうのは、アンタの旅に同行してくれる弓使いのことよ」
勇者「……え?」
魔法使い「アンタよりも先に、アンタの旅に同行できる人間はいないかって、あたしに相談してたのよ」
勇者「……そ、そうだったの?」
妻「信じられない。私が不倫すると思ってたの?」
勇者「……い、いや、それは……」
妻「……」
勇者「……すまん。疑ってしまいました」
勇者「……どういうこと?」
魔法使い「そのいいオトコっていうのは、アンタの旅に同行してくれる弓使いのことよ」
勇者「……え?」
魔法使い「アンタよりも先に、アンタの旅に同行できる人間はいないかって、あたしに相談してたのよ」
勇者「……そ、そうだったの?」
妻「信じられない。私が不倫すると思ってたの?」
勇者「……い、いや、それは……」
妻「……」
勇者「……すまん。疑ってしまいました」
妻「恩着せがましい言い方をさせてもらうけど」
妻「あなたのことだから、人集めにも時間かかるだろうしと思ってやったのに……あきれた」
勇者「……ごめん」
妻「もうっ。どうしてそう鈍いのかな」
魔法使い「まっ、でもすこし考えたり冷静になれば気づけそうだけどね」
妻「そうですよね、魔法使いさん」
魔法使い「でも、それだけ慌てちゃったってことは彼女が好きだからじゃない?」
勇者「そ、それは……」
魔法使い「だってそうでしょ?」
魔法使い「どーでもいい相手だったらなにも感じないし、慌てたりすることもないものね」
妻「あなたのことだから、人集めにも時間かかるだろうしと思ってやったのに……あきれた」
勇者「……ごめん」
妻「もうっ。どうしてそう鈍いのかな」
魔法使い「まっ、でもすこし考えたり冷静になれば気づけそうだけどね」
妻「そうですよね、魔法使いさん」
魔法使い「でも、それだけ慌てちゃったってことは彼女が好きだからじゃない?」
勇者「そ、それは……」
魔法使い「だってそうでしょ?」
魔法使い「どーでもいい相手だったらなにも感じないし、慌てたりすることもないものね」
妻「……そう、なの?」
勇者「……キミはイヤってほど知ってるだろうけど、俺は鈍くてしかも口下手だ」
妻「うん。知ってる」
勇者「だから、その、うまく言える自信はないんだけどさ」
妻「……うん」
勇者「あー……キミはたぶん俺にとって酸素のような存在なんだと思う」
魔法使い「……」
妻「……あっそ」
勇者「普段は当たり前のように吸ってなにも思わないものだけど、海に潜って失ってはじめて気づくような……」
勇者「そんな感じのものなんだと思う」
妻「……ごめん。悪いけどそれ以上は恥ずかしくて聞いてられない」
勇者「なんで!? どうして!?」
勇者「……キミはイヤってほど知ってるだろうけど、俺は鈍くてしかも口下手だ」
妻「うん。知ってる」
勇者「だから、その、うまく言える自信はないんだけどさ」
妻「……うん」
勇者「あー……キミはたぶん俺にとって酸素のような存在なんだと思う」
魔法使い「……」
妻「……あっそ」
勇者「普段は当たり前のように吸ってなにも思わないものだけど、海に潜って失ってはじめて気づくような……」
勇者「そんな感じのものなんだと思う」
妻「……ごめん。悪いけどそれ以上は恥ずかしくて聞いてられない」
勇者「なんで!? どうして!?」
魔法使い「正直あたしもこれ以上続けられると、そうとう辛いからよかったわ」
勇者「そんなにひどいこと言ってたかな……」
妻「まあ、あなたの言いたいことはなんとなくわかったから」
勇者「ほ、ほんとうに?」
妻「本当に」
勇者「……そうか。キミがそういうなら、まあ……」
魔法使い「まあこれにて一件落着ってとこかな?」
勇者(んー、いや。まだ気になることがあるんだよなあ)
勇者「そんなにひどいこと言ってたかな……」
妻「まあ、あなたの言いたいことはなんとなくわかったから」
勇者「ほ、ほんとうに?」
妻「本当に」
勇者「……そうか。キミがそういうなら、まあ……」
魔法使い「まあこれにて一件落着ってとこかな?」
勇者(んー、いや。まだ気になることがあるんだよなあ)
……
…………
魔法使い「で? 奥さんに帰ってもらって、わざわざあたしと2人っきりになったわけは?」
勇者「……ありがとうって言っておきたかった」
魔法使い「……それだけ?」
勇者「一番の目的は礼だ」
勇者「お前のおかげで大切ななにかをすこし思い出せた気がする」
魔法使い「ほかにもあるんでしょ?」
魔法使い「あたしに言いたいこと、もしくは聞いておきたいことが」
勇者「うん。……なんでわざわざ俺と妻の仲をとりもってくれたのかなって」
魔法使い「あるオトコから頼まれたの」
魔法使い「勇者、アンタのことが心配だってね」
…………
魔法使い「で? 奥さんに帰ってもらって、わざわざあたしと2人っきりになったわけは?」
勇者「……ありがとうって言っておきたかった」
魔法使い「……それだけ?」
勇者「一番の目的は礼だ」
勇者「お前のおかげで大切ななにかをすこし思い出せた気がする」
魔法使い「ほかにもあるんでしょ?」
魔法使い「あたしに言いたいこと、もしくは聞いておきたいことが」
勇者「うん。……なんでわざわざ俺と妻の仲をとりもってくれたのかなって」
魔法使い「あるオトコから頼まれたの」
魔法使い「勇者、アンタのことが心配だってね」
勇者「あのオトコって、もしかして戦士のことか?」
魔法使い「へえ。やるじゃん。アンタにしちゃ鋭いね」
勇者「俺、あいつの前で『妻は俺のことなんかどうでもいいんじゃねーの』ってぼやいてたからさ」
勇者「……戦士はそれを気にしてお前に相談したってことか」
魔法使い「そういうこと」
魔法使い「まっ、アイツもなんだかんだ仲間思いだしね」
勇者「しかし普段は営業で飛び回ってる魔法使いが、たまたまこの街にいてよかった、本当に」
魔法使い「……っと、そういえばあたし勇者に嘘ついてた」
勇者「うそ?」
魔法使い「うん。実はさ……」
魔法使い「へえ。やるじゃん。アンタにしちゃ鋭いね」
勇者「俺、あいつの前で『妻は俺のことなんかどうでもいいんじゃねーの』ってぼやいてたからさ」
勇者「……戦士はそれを気にしてお前に相談したってことか」
魔法使い「そういうこと」
魔法使い「まっ、アイツもなんだかんだ仲間思いだしね」
勇者「しかし普段は営業で飛び回ってる魔法使いが、たまたまこの街にいてよかった、本当に」
魔法使い「……っと、そういえばあたし勇者に嘘ついてた」
勇者「うそ?」
魔法使い「うん。実はさ……」
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