元スレ幼馴染「え……す、好きな人ができた?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 94 :
友「兄さん、ごめんね、急に呼び出しちゃって」
友兄「……何の用だ、化け物?」
友「これを預かっておいてほしい」
友兄「スマホ? 誰のだ、これ」
友「男が行方不明になったと問題になったとき、繁華街にいるって誤認されたら都合がいいんだ」
友兄「…………」
友「男の親にメールを送って、極力引き伸ばしておいて。潰すタイミング、間違えないでくれよ」
友兄「……お前、何がしたいんだよ」
友「…………人間っぽいこと?」
103 :
巧妙なヒロイン詐欺
106 = 94 :
幼馴染『ずっと三人、一緒にいられたらいいね!』
友『どうだろうね』
友『男ちゃんがボクを見る目と幼馴染ちゃんを見る目、同じなんだ』
幼馴染『それが?』
友『でも幼馴染ちゃんがボクを見る目と、男ちゃんを見る目って違うよね』
幼馴染『…………』
友『いつか、噛み合わなくなる日が来ちゃうんじゃないかな』
幼馴染『…………』
幼馴染『友ちゃんは?』
友『ボク? ボクは……』
友『……ボクは、字の書かれた白い紙だから』
幼馴染『……?』
110 = 94 :
男『ずっと三人でいられたらいいな』
友『……それを、キミも言っちゃうのか』
男『も?』
友『せいぜい一緒にいられるのはふたりまでだよ。それが人間ってもんさ』
男『ふたりって……』
友『いつかね、ボクたちに噛み合わなくなる日が訪れる』
友『その時、ボクはキミに大事な質問をぶつける』
友『キミの答えがボクの期待通りであることを願っているよ』
男『よくわかんねぇな。どんな答えを期待してるんだよ』
友『ヒントをあげるよ。人生の正解って奴は、与えられた枠の外にあるものなんだ』
友『ボクの理想が……正解ってわけではないんだけどね』
114 = 91 :
書くのおせーよ
115 = 94 :
友「じゃあ、お願いしますね……と」ピッ
友「準備……終わっちゃったか。ボクとしてはこっからは自由行動で行きたいところだけど……」
友「女ちゃんを野放しにしておくわけにはいかないからね……」
友「あの娘は普通じゃない。勘が鋭すぎる。きっと男ちゃんまで辿り着いてしまう……」
友「相打ちにしてでも、ここで止めておかなきゃね……。ケータイ捨てた上に部まで潰しちゃったし、放っておいたら何か報復してくるだろう」
友「金髪ちゃんさえ使えればなあ……押したらあいつでもいけるはずだったのに、どこを間違えたんだろうボクは」
122 = 1 :
男「う……うう、ここは……」
幼馴染「あ、気がついた……? ここは、友ちゃんの家の地下室だよ」
男「え、どうして幼馴染が……」
幼馴染「友ちゃんに、男を見張っておけって……」
男「どういうことだよそれ」
幼馴染「お、男は……しばらく外に出しちゃいけないって友ちゃんが……」
男「意味が分かんねぇよ。スマホ……も抜かれてやがる」
125 = 1 :
幼馴染「でも、これは、必要なことなの……本当に……上手く説明はできないけど」
男「上手く説明できないんじゃなくて、単にできないんじゃあないのか?」
男「……女さんの彼氏のデマをでっちあげたときみたいに」
幼馴染「あっあれは本当だったんだよ! そのせいで、友ちゃんがどんな覚悟で……」
幼馴染「今回もっ! 男を閉じ込めているのだって、こうするしかなかったから……!」
男「い、意味がわかんねえよ……。友、じゃあ友と話をさせろ! 携帯電話でもいい!」
幼馴染「わ、わかったよ」プルルルル
『ただ今、電話に出ることができません……。ぴーっと鳴りましたら……』
幼馴染「そういえば、忙しくなるって言ってたなあ……」
男「…………」
128 = 1 :
男「とにかく、ここから出せ! 上の階でもいいだろ!」
幼馴染「絶対に出すなって……」
男「じゃあこの、壁とくっ付けている手錠を外せ! 檻があるからいらないだろ!」
幼馴染「わ、わかったよ」テッテッ
ガチャ
幼馴染「じゃあ、これが手錠の鍵……」ポイッ
男(よしっいける!)ガッ
幼馴染「わっ! そ、そんなに手錠長かったっけ?」ドサッ
男「わざと壁寄りに立って、お前に手錠の長さを見せないようにしていたんだ」
男「ここまでだな。俺は外に出させてもらうぞ」
幼馴染「うぅ……」
131 = 1 :
男「手錠を外してっと……」ガチャッ
幼馴染「…………」スッ
男「お前、何持ってんだよ」
幼馴染「ここ、友ちゃんの折檻室なんだって。だからかな……鞭があったの」
男「やっやめろ!」
バチンッ
男「うぐぁっ!」
幼馴染「男が……男が悪いんだよ……。私も友ちゃんも男を助けたいだけなのに、逃げようなんてするから……」
バチンッ
バチンッ
男「…………」
幼馴染「意識……なくなったみたい」
幼馴染「手錠、付け直さなきゃ」
132 :
拉致監禁で、女を訴えよう
133 = 1 :
男「う……うぅ……」
幼馴染「よ、よかった。ぜんぜん起きなかったから、死んじゃったのかと……」
男「ひっ! も、もうやめてくれ!」
幼馴染「そんなに怖がらなくたっていいのに……」
幼馴染「もう、逃げちゃあ嫌だよ?」
男「わかった! わかったから、鞭はやめてくれ!」ガタガタ
幼馴染(男が私の言うこと、素直に聞いてくれる……)
幼馴染(なんだか久し振りだなぁ……えへへ)
134 :
なんと
135 = 103 :
いけない
136 = 1 :
幼馴染「ごはんだよ……。その、男が好きだってずっと前に言っていた気がするから、カレー作ってみたの」
男「あ、ああ」
幼馴染「手錠付けたままだったら食べにくいから、食べさせてあげるね?」
幼馴染「ふーっふーっ!」
幼馴染「えへへ……なんだか照れるなあ……口、開けて?」
男(この距離なら、今度こそ幼馴染の奴を抑えて逃げられるんじゃあ……)
男(今なら、鞭も手に持っていない。厳しいけどこのまま幼馴染にかぶさって、鳩尾を殴って手錠の鍵を奪えば……)
137 = 1 :
男「…………」ガクガク
男(足が動かねえ……覚えてるんだ、さっきの痛みを、身体が)
幼馴染「どうしたの?」
男「な、なんでもない」
男「ただ……その、今、食欲がわかないんだ」
幼馴染「そ、そうなんだ……せっかく作ったのに」
男「わ、悪い……」
幼馴染「鞭で打っちゃおっかな……」
男「ひぃっ!」
幼馴染「なぁーんでじょうだ……」
男「食べるっ! やっぱり食べる!」
幼馴染「食べてくれるの!」パアッ
138 :
>>1にはガッカリだ
139 :
男「御馳走様でした……」
幼馴染「おそまつさまでしたっ!」
幼馴染「ふふっ! なんか私たち、こうしてると、夫婦みたいだね」
男「…………」
幼馴染「ごっ! ごめんね、変なこと言っちゃって! そういう意味じゃあなくて……」
男「ひぃっ! いや、そうだな! 夫婦みたいだ!」
幼馴染「……えへへへへ、なんだか……嬉し涙が……」
男(あれ? 幼馴染、可愛くないか?)
140 = 139 :
友「ストックホルム症候群……」
友「1973年8月に発生した、ストックホルムでの銀行強盗人質立てこもり事件において、被害者の特殊な心理状態を分析、考察したことによって明らかになったことより、この名称がつけられている」
友「要するに極度の緊張状態に置かれた被害者が、生き残ろうとして本能的に加害者に対して好意を抱くというもの」
友「向こうはきっと、上手く行っているだろう」
友「……さて、そろそろ約束の時間かな。女ちゃん、来てくれるといいんだけどね……」
友「夜遅いから、女ちゃんみたいな優等生は学校の屋上になんてこれないかな」
142 :
だが、時とともに憎悪に変わる
143 = 139 :
友『ここで決めなよ。幼馴染ちゃんの幸せな高校生活を願うか……』
友『幼馴染ちゃんの中の、格好いい君の幻影を守るか、ふたつにひとつさ』
友「男……君の答えは、僕の理想じゃあなかった」
友「正解ってものがあるとすれば、いつだって枠外にあるものだからさ」
友「だって……それは、キミがボクの口八丁なんかに流されず、心から決めたものじゃあないといけないんだからさ」
友「ボクが提示なんか、するわけないじゃあないか」
友「ボクは……キミに、幼馴染ちゃんを選んで欲しかったんだ」
友「中途半端な距離を続けろってことじゃあない。彼女と恋人になって欲しかったんだ」
144 = 139 :
友「恋人として見れないと思っても、それでももう少し真剣に彼女とのことを考えてほしかったんだ」
友「一度……デートしてみる、だとかさ」
友「でも、キミは迷わなかったねえ」
友「選択肢の中に答えがあると、信じて疑わなかった」
友「まあ、ボクの望んだものが真実の答えだってことはないけどさあ……」
友「……ああ、女ちゃんが校門のところにいるや。これはすぐこっちに来そうだね、良かった」
145 :
もう誰も見てないよ
146 = 139 :
女「二度も偽ラブレターっていうのは、ちょっと芸がないんじゃあないの?」
女「今回は、あからさまに騙す気がないみたいだったけど」
友「…………」
女「あんたでしょう? 部室に煙草を入れたのも、匿名で変な密告したのも、私のケイタイをトイレに捨てたのも……」
女「ひょっとして、男君と連絡取れないのもあんたが……」
友「…………」
女「ちょっと、返事くらいしたらどうなの?」
友「…………」
女「……?」タッタッタッ
147 :
俺はみてるぞ
148 :
ここまで読んだらオチが気になる
149 :
エルフの女騎士出てくるかと思ったわ
150 = 139 :
女「な、なんであんた、包丁が刺さってるの?」
友「……」ニヤッ
ダッ
女「こ、来ないでよっ!」ドンッ
友「ぐっ……う……」ドタッ
友「へ、へへへ……血がついたね」
女「い……いやぁぁぁぁぁあああ!!」ダッ
友「ふふっ、ふふふふっ」
みんなの評価 : ☆
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