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元スレ客「ボクがよく行くパン屋さんは、少し変わっている」
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客(どういうことだ? マゾなのか、この親子は!?)
店主「んじゃ、まず娘さんから──」
店主「むんっ!」シュッ
ドズゥッ……!
娘「ううっ……!」
娘「治ったわ! あんなに苦しかった胃もたれがすっかり治ったわ!」パァァ…
客(えぇ~~~~~!? 店主さんって、こんなこともできるのか!)
店主「次はお父さん」
店主「どりゃっ!」シュッ
ドズゥッ……!
父「がはっ……!」
父「いやぁ~、すっかり重度の胃潰瘍が治ったよ!」パァァ…
客(す、すごいな!)
店主「んじゃ、まず娘さんから──」
店主「むんっ!」シュッ
ドズゥッ……!
娘「ううっ……!」
娘「治ったわ! あんなに苦しかった胃もたれがすっかり治ったわ!」パァァ…
客(えぇ~~~~~!? 店主さんって、こんなこともできるのか!)
店主「次はお父さん」
店主「どりゃっ!」シュッ
ドズゥッ……!
父「がはっ……!」
父「いやぁ~、すっかり重度の胃潰瘍が治ったよ!」パァァ…
客(す、すごいな!)
客「いやぁ~、さっきのすごかったですね!」
店主「ん、そうかい?」
客「どんな病気でも治せるんですか?」
店主「お腹に関連する病気ならな!」
客「あ、あの……じゃあボクにもやってくれませんか?」
店主「う~ん、やめといた方がいいと思うぞ?」
客「お願いします! 1000円払いますから!」パサッ…
店主「そこまでいわれちゃ断る理由もないな」
店主「とうっ!」シュッ
ドズゥッ……!
客「おぐぅっ!」
店主「ん、そうかい?」
客「どんな病気でも治せるんですか?」
店主「お腹に関連する病気ならな!」
客「あ、あの……じゃあボクにもやってくれませんか?」
店主「う~ん、やめといた方がいいと思うぞ?」
客「お願いします! 1000円払いますから!」パサッ…
店主「そこまでいわれちゃ断る理由もないな」
店主「とうっ!」シュッ
ドズゥッ……!
客「おぐぅっ!」
客「い、痛いっ……!」
客「痛いんですけど!?」ゲホゲホッ
店主「あ~……やっぱりな」
店主「健康な人が俺の腹パン喰らったら、ただ痛いだけなんだよ」
客「な、なるほど……」
客(1000円払って、ただ痛い目にあうだけとは……いたた……)
─ 第六話 おわり ─
客「痛いんですけど!?」ゲホゲホッ
店主「あ~……やっぱりな」
店主「健康な人が俺の腹パン喰らったら、ただ痛いだけなんだよ」
客「な、なるほど……」
客(1000円払って、ただ痛い目にあうだけとは……いたた……)
─ 第六話 おわり ─
第七話『短パン』
─ パン屋 ─
客(今日はどのパンにしようかな……)カチカチ…
客(たまにはフランスパンにするか!)
客(ちょっと歯に悪そうな、カリッカリッに固いのがボクの好みなんだよな~)
客「──ん?」
客「店主さん、このフランスパンだけ……他のに比べてずいぶん短いですね」
店主「ああ、それは短パンさ」
─ 第七話 おわり ─
─ パン屋 ─
客(今日はどのパンにしようかな……)カチカチ…
客(たまにはフランスパンにするか!)
客(ちょっと歯に悪そうな、カリッカリッに固いのがボクの好みなんだよな~)
客「──ん?」
客「店主さん、このフランスパンだけ……他のに比べてずいぶん短いですね」
店主「ああ、それは短パンさ」
─ 第七話 おわり ─
第八話『順風満パン』
─ パン屋 ─
客(ハァ~……最近ツイてないな)
客(こんな日は、あまぁ~いクリームパンでも……)カチカチ…
ガラッ……!
オタク「あ、あのっ……!」
客(うおっ!?)
店主「いらっしゃい!」
オタク「順風満帆になれるパンを売ってほしいんだ!」
─ パン屋 ─
客(ハァ~……最近ツイてないな)
客(こんな日は、あまぁ~いクリームパンでも……)カチカチ…
ガラッ……!
オタク「あ、あのっ……!」
客(うおっ!?)
店主「いらっしゃい!」
オタク「順風満帆になれるパンを売ってほしいんだ!」
店主「フフフ、いいだろう!」
店主「名づけて順風満パン、これを食えば順風満帆だ!」
オタク「ありがとう!」
オタク「さっそく家に帰って、食べさせてもらうよ!」
客(順風満パン……そういうのもあるのか!)
客(ホントに色んなパンがあるんだな、この店って)
店主「名づけて順風満パン、これを食えば順風満帆だ!」
オタク「ありがとう!」
オタク「さっそく家に帰って、食べさせてもらうよ!」
客(順風満パン……そういうのもあるのか!)
客(ホントに色んなパンがあるんだな、この店って)
─ オタクの自宅 ─
オタク(ウフフ……順風満パンを食べたぞ!)モグモグ…
オタク(これでボクは望み通り、ネットゲームの世界で王者になれるはず!)
オタク(──ん?)
オタク(あれ!? なんかパソコンの調子がおかしいぞ!?)
オタク(これじゃネットができない!)
オタク(ちょっと待ってくれ!)
オタク(これのどこが順風満帆なんだァ~~~~~!?)
オタク(ウフフ……順風満パンを食べたぞ!)モグモグ…
オタク(これでボクは望み通り、ネットゲームの世界で王者になれるはず!)
オタク(──ん?)
オタク(あれ!? なんかパソコンの調子がおかしいぞ!?)
オタク(これじゃネットができない!)
オタク(ちょっと待ってくれ!)
オタク(これのどこが順風満帆なんだァ~~~~~!?)
─ パン屋 ─
オタク「ひどいじゃないか!」
オタク「あれからというもの、パソコンの腕が認められて」
オタク「大手企業で働かなきゃならなくなったし!」
オタク「二次元しか興味ないのに三次元の彼女ができちゃったし!」
オタク「ネトゲのお金にしか興味がないのに、現実のお金ばかり増えるし!」
オタク「最近は忙しくて満足にゲームもやれてないよ!」
オタク「元に戻してくれぇ~」シクシク…
店主「悪いな、一度食っちまったら無理なんだ」
オタク「そんなぁ~……」シクシク…
客(なにが幸せか不幸だなんて、分からないもんだなぁ)
客(やっぱり、自分の力で順風満帆になるのが一番だってことか)
─ 第八話 おわり ─
オタク「ひどいじゃないか!」
オタク「あれからというもの、パソコンの腕が認められて」
オタク「大手企業で働かなきゃならなくなったし!」
オタク「二次元しか興味ないのに三次元の彼女ができちゃったし!」
オタク「ネトゲのお金にしか興味がないのに、現実のお金ばかり増えるし!」
オタク「最近は忙しくて満足にゲームもやれてないよ!」
オタク「元に戻してくれぇ~」シクシク…
店主「悪いな、一度食っちまったら無理なんだ」
オタク「そんなぁ~……」シクシク…
客(なにが幸せか不幸だなんて、分からないもんだなぁ)
客(やっぱり、自分の力で順風満帆になるのが一番だってことか)
─ 第八話 おわり ─
第九話『ジーパン』
─ パン屋 ─
客(最近はオシャレなパンや菓子が増えたよな~)
客(このカヌレってやつ、買ってみるか)カチカチ…
ガラッ……!
若者「ちわっす! オッサン、ジーパンくれよ! ワイルドなボロボロなヤツ!」
店主「いいぞ! ただし、今はジーンズって呼ぶんだぞ!」
若者「え、マジ!?」
客(今はデニムって呼ぶらしいけどな……。ボクも詳しくはないけど)
─ パン屋 ─
客(最近はオシャレなパンや菓子が増えたよな~)
客(このカヌレってやつ、買ってみるか)カチカチ…
ガラッ……!
若者「ちわっす! オッサン、ジーパンくれよ! ワイルドなボロボロなヤツ!」
店主「いいぞ! ただし、今はジーンズって呼ぶんだぞ!」
若者「え、マジ!?」
客(今はデニムって呼ぶらしいけどな……。ボクも詳しくはないけど)
─ 若者の自宅 ─
若者「なんでぇ! ちっともボロボロじゃねえじゃん!」
若者「まぁいいや。だったら自分でボロボロに──」スッ…
バキィッ!
若者「ぶべっ!? ──な、なにしやがる!?」
ジーパン「愚か者がっ!」ヒラヒラ…
ジーパン「ワシは人間にダメージを与えるのが仕事じゃ」
ジーパン「ワシをダメージジーンズにしたくば……ワシに勝つことじゃな、小僧ッ!」
若者「…………!」
若者「おもしれぇっ、絶対勝ってやるッ!」シュッ
ジーパン「ほう、なかなか見所がありそうな若造じゃ!」ブオンッ
ドゴォッ! バキィッ! ガッ! ゴガッ! バシィッ!
若者「なんでぇ! ちっともボロボロじゃねえじゃん!」
若者「まぁいいや。だったら自分でボロボロに──」スッ…
バキィッ!
若者「ぶべっ!? ──な、なにしやがる!?」
ジーパン「愚か者がっ!」ヒラヒラ…
ジーパン「ワシは人間にダメージを与えるのが仕事じゃ」
ジーパン「ワシをダメージジーンズにしたくば……ワシに勝つことじゃな、小僧ッ!」
若者「…………!」
若者「おもしれぇっ、絶対勝ってやるッ!」シュッ
ジーパン「ほう、なかなか見所がありそうな若造じゃ!」ブオンッ
ドゴォッ! バキィッ! ガッ! ゴガッ! バシィッ!
同時刻──
─ トレーニングジム ─
マッチョ「!」ピクッ
女子高生「!」ピクッ
マッチョ「お前も感じたか!?」
女子高生「ええ、感じたわ……」
女子高生「近い将来……私たちの新たな好敵手が生まれるという予兆を……!」
マッチョ「フハハ、実に楽しみだな!」
─ 第九話 おわり ─
─ トレーニングジム ─
マッチョ「!」ピクッ
女子高生「!」ピクッ
マッチョ「お前も感じたか!?」
女子高生「ええ、感じたわ……」
女子高生「近い将来……私たちの新たな好敵手が生まれるという予兆を……!」
マッチョ「フハハ、実に楽しみだな!」
─ 第九話 おわり ─
第十話『ルパン』
─ パン屋 ─
客(この店には色んなパンがあるように──)
客(この店って色んな客が来るから、店主さんも大変だろうなぁ)カチカチ…
客「店主さん」
店主「ん、なんだい?」
客「この店には色んなお客が来ますけど……一番大変だったのはどんなお客ですか?」
店主「う~ん、一番大変なのはまちがいなくあの件だろうな」
店主「ただし……俺が大変ってわけじゃないんだけどな!」
客「へ?」
─ パン屋 ─
客(この店には色んなパンがあるように──)
客(この店って色んな客が来るから、店主さんも大変だろうなぁ)カチカチ…
客「店主さん」
店主「ん、なんだい?」
客「この店には色んなお客が来ますけど……一番大変だったのはどんなお客ですか?」
店主「う~ん、一番大変なのはまちがいなくあの件だろうな」
店主「ただし……俺が大変ってわけじゃないんだけどな!」
客「へ?」
~ 回想 ~
店主「いらっしゃい!」
少女「おじちゃん、怪盗ルパンください」
店主「ルパン? オッケーだ! ルパン、こっちに来てくれ!」
ルパン「吾輩になにか用かね、可愛いお嬢さん?」ザッ…
少女「え~とね、え~とね……」
少女「日本中の、貸したまま持っていかれちゃったゲームやマンガ、を」
少女「全部、盗み返して持ち主に返してあげて欲しいの!」
ルパン「!」
少女「ムリ?」
ルパン「吾輩に盗めぬものなどない!」
ルパン「よかろう……やってみせよう!」
少女「ありがとう!」
店主「いらっしゃい!」
少女「おじちゃん、怪盗ルパンください」
店主「ルパン? オッケーだ! ルパン、こっちに来てくれ!」
ルパン「吾輩になにか用かね、可愛いお嬢さん?」ザッ…
少女「え~とね、え~とね……」
少女「日本中の、貸したまま持っていかれちゃったゲームやマンガ、を」
少女「全部、盗み返して持ち主に返してあげて欲しいの!」
ルパン「!」
少女「ムリ?」
ルパン「吾輩に盗めぬものなどない!」
ルパン「よかろう……やってみせよう!」
少女「ありがとう!」
週間漫画雑誌で5Pくらいで連載してほしい
>>1漫画にしてよ
>>1漫画にしてよ
~ 現在 ~
店主「…………」
客「…………」
店主「あれから数年になるが──」
店主「ルパンは今も、借りパクされたゲームや漫画を盗み返して持ち主に返すために」
店主「日本中を飛び回ってるはずだ……」
客「たしかに、一番大変ですね……」
客(ルパンすら苦労するほど、借りパクされてるゲームや漫画は多いってことか……)
─ 第十話 おわり ─
店主「…………」
客「…………」
店主「あれから数年になるが──」
店主「ルパンは今も、借りパクされたゲームや漫画を盗み返して持ち主に返すために」
店主「日本中を飛び回ってるはずだ……」
客「たしかに、一番大変ですね……」
客(ルパンすら苦労するほど、借りパクされてるゲームや漫画は多いってことか……)
─ 第十話 おわり ─
>>1ってゴキブリゴルゴ31の人?
第十一話『乾パン』
─ パン屋 ─
客(地震や台風……災害って怖いよな)カチカチ…
客(もし大災害に見舞われたら、こうしてパンを選ぶこともできなくなるんだろうな)
ガラッ……!
女「こんにちは」
店主「いらっしゃい!」
女「乾パンをくださいな。非常食として備蓄しとこうと思って」
店主「毎度あり! なら、とっておきの乾パンを紹介するよ!」
─ パン屋 ─
客(地震や台風……災害って怖いよな)カチカチ…
客(もし大災害に見舞われたら、こうしてパンを選ぶこともできなくなるんだろうな)
ガラッ……!
女「こんにちは」
店主「いらっしゃい!」
女「乾パンをくださいな。非常食として備蓄しとこうと思って」
店主「毎度あり! なら、とっておきの乾パンを紹介するよ!」
─ 女の自宅 ─
女「へぇ、けっこうおいしそうな乾パンね」
乾パン「よう!」
女「へ!?」
乾パン「ふむふむ」キョロキョロ…
乾パン「アンタの部屋、地震対策がなってねぇな……」
女「な、なんで乾パンがしゃべるのよ!?」
乾パン「オレは被災した時だけじゃなく、防災にも役立つ非常食なんだ!」
乾パン「ビシビシ鍛えてやっから、覚悟しろい!」
女「そ、そんなぁ……」
女「へぇ、けっこうおいしそうな乾パンね」
乾パン「よう!」
女「へ!?」
乾パン「ふむふむ」キョロキョロ…
乾パン「アンタの部屋、地震対策がなってねぇな……」
女「な、なんで乾パンがしゃべるのよ!?」
乾パン「オレは被災した時だけじゃなく、防災にも役立つ非常食なんだ!」
乾パン「ビシビシ鍛えてやっから、覚悟しろい!」
女「そ、そんなぁ……」
数時間後──
女「家具は固定したし、家具の上に割れやすいものを置かないようにしたし」
女「食器棚には皿が飛び出してこないよう止め具をつけたし」
女「タンスも重いものを下に収納して倒れにくくしたわ」
女「これで大丈夫かしら……?」
乾パン「おう、ちったぁマシになったな!」
乾パン「んじゃ、オレは眠りにつかせてもらうぜい!」
乾パン「なにかあったら、オレを食ってくれよな!」
女(ふう、やっと静かになった……)
女(でも、対策したことで少し気が楽になったわね……)
女(これでいい男に出会えれば完璧だわ、なぁ~んてね)
女「家具は固定したし、家具の上に割れやすいものを置かないようにしたし」
女「食器棚には皿が飛び出してこないよう止め具をつけたし」
女「タンスも重いものを下に収納して倒れにくくしたわ」
女「これで大丈夫かしら……?」
乾パン「おう、ちったぁマシになったな!」
乾パン「んじゃ、オレは眠りにつかせてもらうぜい!」
乾パン「なにかあったら、オレを食ってくれよな!」
女(ふう、やっと静かになった……)
女(でも、対策したことで少し気が楽になったわね……)
女(これでいい男に出会えれば完璧だわ、なぁ~んてね)
─ 会社 ─
イケメン「やぁ、女さん」
女「あら、イケメンさん」
イケメン「最近の君は、なんだか自信に満ちあふれてて、魅力的だね」
女「あらそう?」
女(これも地震対策をしたおかげかしら……)
イケメン「あのさ……」
イケメン「よかったら今度の休日、一緒にデートでもどうだい?」
女「え!?」
女(イケメンさんが私を誘ってくれるだなんて……ビックリだわ)
女「ええ、喜んで!」
イケメン「やぁ、女さん」
女「あら、イケメンさん」
イケメン「最近の君は、なんだか自信に満ちあふれてて、魅力的だね」
女「あらそう?」
女(これも地震対策をしたおかげかしら……)
イケメン「あのさ……」
イケメン「よかったら今度の休日、一緒にデートでもどうだい?」
女「え!?」
女(イケメンさんが私を誘ってくれるだなんて……ビックリだわ)
女「ええ、喜んで!」
─ 女の自宅 ─
女「フンフ~ン」
乾パン「そんなにめかしこんで、どうしたい?」
女「今日は、イケメンさんとデートなの!」
乾パン「…………」
乾パン「オイ、そいつと付き合うのはやめときな」
女「なんで?」
乾パン「オレの勘だ」
女「なにいってんの? バッカじゃないの!?」
女「アンタは災害のための存在であって、私のデートには関係ないでしょ!」
女「引っ込んでてよ!」
乾パン「…………」
女「フンフ~ン」
乾パン「そんなにめかしこんで、どうしたい?」
女「今日は、イケメンさんとデートなの!」
乾パン「…………」
乾パン「オイ、そいつと付き合うのはやめときな」
女「なんで?」
乾パン「オレの勘だ」
女「なにいってんの? バッカじゃないの!?」
女「アンタは災害のための存在であって、私のデートには関係ないでしょ!」
女「引っ込んでてよ!」
乾パン「…………」
─ 街 ─
イケメン「次はあの店に寄ってみようか」スタスタ…
女「そうね!」スタスタ…
女(イケメンさんって、顔はいいけどあまり浮いた話を聞かないわよね)
女(それに、微妙にこわばった顔をしているし……)
女(せっかくのデートなのに、私とも微妙に距離を置いている……)
女(乾パンの勘を信じるわけじゃないけど、なにかあるのかもしれないわね)
イケメン「ん、どうしたんだい?」
女「い、いえ、何でもないわ!」
イケメン「次はあの店に寄ってみようか」スタスタ…
女「そうね!」スタスタ…
女(イケメンさんって、顔はいいけどあまり浮いた話を聞かないわよね)
女(それに、微妙にこわばった顔をしているし……)
女(せっかくのデートなのに、私とも微妙に距離を置いている……)
女(乾パンの勘を信じるわけじゃないけど、なにかあるのかもしれないわね)
イケメン「ん、どうしたんだい?」
女「い、いえ、何でもないわ!」
─ 夜道 ─
イケメン「今日は楽しかったね」
女「ホントね。映画も面白かったし、お食事もおいしかったし……」
イケメン「…………」
イケメン「ところでボクには、秘密があるんだ」
イケメン「こんなところで悪いけど、打ち明けていいかな?」
女「かまわないけど……」
女(なにかしら……こんな誰もいないところで……?)
イケメン「実は──」
イケメン「今日は楽しかったね」
女「ホントね。映画も面白かったし、お食事もおいしかったし……」
イケメン「…………」
イケメン「ところでボクには、秘密があるんだ」
イケメン「こんなところで悪いけど、打ち明けていいかな?」
女「かまわないけど……」
女(なにかしら……こんな誰もいないところで……?)
イケメン「実は──」
イケメン「ボ、ボク、実は……」
イケメン「少しでも気が緩むと、貧乏ゆすりが出てきて」カタカタカタカタ…
女「へ!?」
イケメン「しかも、静電気がすごくって」パチパチ…
イケメン「多少化粧してるけど、ちょっとしたことで顔が真っ赤になって」カァァ…
イケメン「香水でごまかしてるけど、加齢臭みたいな体臭がするんだ!」ムワァ…
イケメン「こんなボクでよかったら……付き合って下さい!」バッ
女「あらまぁ……」
女(まさに、地震、雷、火事、親父だわ)
女(どうりで、顔がいいわりにあまりモテなかったわけね)
イケメン(やっぱり……ダメか……! ダメに決まってるよな……!)
女「──そうだわ!」
女「あなたにピッタリな人……いえ、ピッタリなパンを紹介してあげるわ!」
イケメン「え?」
イケメン「少しでも気が緩むと、貧乏ゆすりが出てきて」カタカタカタカタ…
女「へ!?」
イケメン「しかも、静電気がすごくって」パチパチ…
イケメン「多少化粧してるけど、ちょっとしたことで顔が真っ赤になって」カァァ…
イケメン「香水でごまかしてるけど、加齢臭みたいな体臭がするんだ!」ムワァ…
イケメン「こんなボクでよかったら……付き合って下さい!」バッ
女「あらまぁ……」
女(まさに、地震、雷、火事、親父だわ)
女(どうりで、顔がいいわりにあまりモテなかったわけね)
イケメン(やっぱり……ダメか……! ダメに決まってるよな……!)
女「──そうだわ!」
女「あなたにピッタリな人……いえ、ピッタリなパンを紹介してあげるわ!」
イケメン「え?」
─ 女の自宅 ─
乾パン「おめえがイケメンか!? オレの主人が世話になったな!」
イケメン「は、はい」
イケメン(乾パンがしゃべった!?)
乾パン「ふむふむ」ジロジロ…
乾パン「地震、雷、火事、親父!」
乾パン「負の体質の四重苦……これもまた災害にはちがいねえ!」
乾パン「だが見たところ、どれもオレが指導すれば改善できる体質ばかりだ!」
乾パン「ビシビシ鍛えてやっから、覚悟しろよ!」
イケメン「はいっ!」
女「頑張って!」
乾パン(オレの嫌な予感は、コイツのミニ災害みたいな体質に反応してたんだな)
乾パン(やれやれ、とんだ取り越し苦労だったってわけかい)
乾パン「おめえがイケメンか!? オレの主人が世話になったな!」
イケメン「は、はい」
イケメン(乾パンがしゃべった!?)
乾パン「ふむふむ」ジロジロ…
乾パン「地震、雷、火事、親父!」
乾パン「負の体質の四重苦……これもまた災害にはちがいねえ!」
乾パン「だが見たところ、どれもオレが指導すれば改善できる体質ばかりだ!」
乾パン「ビシビシ鍛えてやっから、覚悟しろよ!」
イケメン「はいっ!」
女「頑張って!」
乾パン(オレの嫌な予感は、コイツのミニ災害みたいな体質に反応してたんだな)
乾パン(やれやれ、とんだ取り越し苦労だったってわけかい)
─ 街 ─
イケメン「驚いたよ!」
イケメン「たった一ヶ月足らずで」
イケメン「貧乏ゆすりも静電気もあがり症も体臭も、すっかり改善されたよ!」
イケメン「君とあの乾パン師匠のおかげだよ! 本当にありがとう!」
女「すごいでしょ! なんたって──」
─ 女の自宅 ─
乾パン「このオレは、災害の時のための非常食だからな!」
─ 第十一話 おわり ─
イケメン「驚いたよ!」
イケメン「たった一ヶ月足らずで」
イケメン「貧乏ゆすりも静電気もあがり症も体臭も、すっかり改善されたよ!」
イケメン「君とあの乾パン師匠のおかげだよ! 本当にありがとう!」
女「すごいでしょ! なんたって──」
─ 女の自宅 ─
乾パン「このオレは、災害の時のための非常食だからな!」
─ 第十一話 おわり ─
>>56
短ペンかよっ
短ペンかよっ
最終話『パン』
─ パン屋 ─
ガラッ……!
客「こんにちは」
店主「やぁ、いらっしゃい!」
店主「いつも来てくれて、ありがとう!」
客「ハハハ。ここのパンは美味しいので、つい来てしまいますよ」
客(今は他にお客さんはいないみたいだな)
客(それにしても、このパン屋さんは本当に変わってる)
客(店主さんも……売っているパンも……やってくるお客も)
客(なにも変わってない──つまり平凡なのはボクぐらいのもんだろうな)
客(たまには面白い注文をしてみたいけど、やっぱりボクは普通のままでいいや)
─ パン屋 ─
ガラッ……!
客「こんにちは」
店主「やぁ、いらっしゃい!」
店主「いつも来てくれて、ありがとう!」
客「ハハハ。ここのパンは美味しいので、つい来てしまいますよ」
客(今は他にお客さんはいないみたいだな)
客(それにしても、このパン屋さんは本当に変わってる)
客(店主さんも……売っているパンも……やってくるお客も)
客(なにも変わってない──つまり平凡なのはボクぐらいのもんだろうな)
客(たまには面白い注文をしてみたいけど、やっぱりボクは普通のままでいいや)
>>93
すごいな、上手くまとまった
すごいな、上手くまとまった
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