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元スレモバP「ここが風都か……いい風だな……」
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光「それに、前からここは気になってたんだ!」
P「それって……この間いってた仮面ライナーってやつのことか?」
光「ライナーじゃなくてライダー! 仮面ライダー! この街には二色の半分こ怪人……正義の味方がいるんだぞ!」
P「正義の味方か……会えるといいな」
光「うん! サインもらいたいなぁ」
P「さて、とりあえずおじさんおばさんに挨拶しなくちゃ」
光「プロデューサーは暮らすとこは決まってるの?」
P「あぁ、ちひろさんがこっちにとってくれたみたいだから……先輩たちみたいになれるようがんばらなきゃな!」
光「そっか、よかった。うん……凛さんたちみたいになったらきっとヒーローの仕事も来るよね!」
P「それって……この間いってた仮面ライナーってやつのことか?」
光「ライナーじゃなくてライダー! 仮面ライダー! この街には二色の半分こ怪人……正義の味方がいるんだぞ!」
P「正義の味方か……会えるといいな」
光「うん! サインもらいたいなぁ」
P「さて、とりあえずおじさんおばさんに挨拶しなくちゃ」
光「プロデューサーは暮らすとこは決まってるの?」
P「あぁ、ちひろさんがこっちにとってくれたみたいだから……先輩たちみたいになれるようがんばらなきゃな!」
光「そっか、よかった。うん……凛さんたちみたいになったらきっとヒーローの仕事も来るよね!」
※※※※
俺の名は左翔太郎。この街を守る仮面ライダー。
ハードボイルドな俺はいつものようにコーヒーを淹れると新聞を開く。
翔太郎「……風都タワーか」
どうやら、前の事件で壊された風都タワーの再建は順調らしい。
照井が退院してくるまでには完成するだろう……街のシンボルでもあるしこれはいいニュースだ。
最近はいいニュースもなかったしな、とため息をつく。
……園崎若菜の失踪などもあったし、結局消息はつかめないまま。
まったく、これじゃあ相棒に顔向けできないな。
そう思いつつもう一口コーヒーをすすった。
俺の名は左翔太郎。この街を守る仮面ライダー。
ハードボイルドな俺はいつものようにコーヒーを淹れると新聞を開く。
翔太郎「……風都タワーか」
どうやら、前の事件で壊された風都タワーの再建は順調らしい。
照井が退院してくるまでには完成するだろう……街のシンボルでもあるしこれはいいニュースだ。
最近はいいニュースもなかったしな、とため息をつく。
……園崎若菜の失踪などもあったし、結局消息はつかめないまま。
まったく、これじゃあ相棒に顔向けできないな。
そう思いつつもう一口コーヒーをすすった。
相棒。俺の半分、相乗りしていた悪魔。
あいつが消えてから、仮面ライダーの出番はない。
実際、ここひと月ほどは平和な依頼がほとんどだ。
猫を探してくれ、人を探してくれ、浮気調査……ハードボイルドとは程遠い。
亜樹子「翔太郎くん、また黄昏てるの?」
翔太郎「ん? あぁ……なに、こういう時間もまた男には必要なんだよ」
亜樹子が心配そうに見つめてくるので問題ないと手を振ってやる。
……相棒、安心しろ。俺は――
亜樹子「もうお昼なんだから調査にいってこーいっ!」
翔太郎「いってぇっ!?」
あいつが消えてから、仮面ライダーの出番はない。
実際、ここひと月ほどは平和な依頼がほとんどだ。
猫を探してくれ、人を探してくれ、浮気調査……ハードボイルドとは程遠い。
亜樹子「翔太郎くん、また黄昏てるの?」
翔太郎「ん? あぁ……なに、こういう時間もまた男には必要なんだよ」
亜樹子が心配そうに見つめてくるので問題ないと手を振ってやる。
……相棒、安心しろ。俺は――
亜樹子「もうお昼なんだから調査にいってこーいっ!」
翔太郎「いってぇっ!?」
翔太郎「おい亜樹子ォ! なにしやがんだ!」
亜樹子「翔太郎くん、君は依頼をなんだと思ってるのかな?」
翔太郎「……別にサボってるわけじゃねぇ。ただまぁ、少し思うところがあってだな」
亜樹子「そうやって昨日も一昨日も事務所にいただけでしょ! 事務所の中に迷い猫は来ないの!」
翔太郎「う……」
亜樹子「ほらっ、外にでてガンガン調査してこいっ! ファイトーっ!」
翔太郎「あーもうわかったっての! いってくる!」
亜樹子「あっ、帽子!」
翔太郎「……ああ。じゃあな」
亜樹子「よしっ、いってらっしゃい!」
ガチャッ バタン
亜樹子「……やっぱり暗いなぁ。ひきこもってばっかじゃダメだけど……うーん……」
亜樹子「翔太郎くん、君は依頼をなんだと思ってるのかな?」
翔太郎「……別にサボってるわけじゃねぇ。ただまぁ、少し思うところがあってだな」
亜樹子「そうやって昨日も一昨日も事務所にいただけでしょ! 事務所の中に迷い猫は来ないの!」
翔太郎「う……」
亜樹子「ほらっ、外にでてガンガン調査してこいっ! ファイトーっ!」
翔太郎「あーもうわかったっての! いってくる!」
亜樹子「あっ、帽子!」
翔太郎「……ああ。じゃあな」
亜樹子「よしっ、いってらっしゃい!」
ガチャッ バタン
亜樹子「……やっぱり暗いなぁ。ひきこもってばっかじゃダメだけど……うーん……」
――――
P「うん……いい人なんだな、おじさん」
光「あぁ! 昔はよくヒーローごっこに付き合ってもらったんだ!」
P「ヒーローね……それじゃあ、それに向けてさっそく収録だ! 大丈夫か?」
光「もちろん! いくぜっ!」
P「よし、いい気合いだ!」
光「確かラジオだったよな! どんなこと話そうかな」
P「最初だしきちんと自己紹介ができればそれが一番だなぁ……」
光「じゃあ好きなヒーローについてとか」
P「光のことを知ってもらうのが先だろう、おいおい……」
光「うーん、そこはまぁ……仕方ないな」
P「うん……いい人なんだな、おじさん」
光「あぁ! 昔はよくヒーローごっこに付き合ってもらったんだ!」
P「ヒーローね……それじゃあ、それに向けてさっそく収録だ! 大丈夫か?」
光「もちろん! いくぜっ!」
P「よし、いい気合いだ!」
光「確かラジオだったよな! どんなこと話そうかな」
P「最初だしきちんと自己紹介ができればそれが一番だなぁ……」
光「じゃあ好きなヒーローについてとか」
P「光のことを知ってもらうのが先だろう、おいおい……」
光「うーん、そこはまぁ……仕方ないな」
P「じゃあ、自己紹介から……」
光「南条光、14歳! ヒーローみならいだぜ!」ビシッ
P「……あんまり大きく動くとたぶんディレクターさんに苦い顔されるだろうなぁ」
光「な、なんだって!?」
P「衣擦れの音って意外と大きいしなぁ……そこは気を付けて、あとは……」
光「うーん、ヒーローも楽じゃないな……」
P「ははは、特訓しなきゃだな?」
光「ああ!」
光「南条光、14歳! ヒーローみならいだぜ!」ビシッ
P「……あんまり大きく動くとたぶんディレクターさんに苦い顔されるだろうなぁ」
光「な、なんだって!?」
P「衣擦れの音って意外と大きいしなぁ……そこは気を付けて、あとは……」
光「うーん、ヒーローも楽じゃないな……」
P「ははは、特訓しなきゃだな?」
光「ああ!」
―――――
―――
光「こちら、FM WIND WAVEから。新番組の司会の南条光です!」
光「えっと……この番組は街の中での小さないいこと、かっこいいこと。ヒーローを探して応援します!」
光「……あっ、番組タイトルは『リトルヒーロー!』みんな、身近にいる、あるヒーローについてドシドシメールしてくれよな!」
光「アタシもヒーローが好きだし、全力で応援するぜっ!」
光「それじゃあ最初のおたよりから。近所の公園で、何も言わずにゴミ拾いをしているおじいさんがいました……」
光「……身近だけど、大切なことだよな。目立たないかもしれない、でも街を大切にできるってすごいことだと思う!」
光「世界のために自分を変えるんじゃなく、自分が変われば世界が変わる……ってことだね」
光「みんなもポイ捨てはやめような! アタシもゴミはちゃんと分別して捨てるから!」
光「そうそう、ゴミ捨てといえば少し話がそれるんだけど――」
――
――――
―――
光「こちら、FM WIND WAVEから。新番組の司会の南条光です!」
光「えっと……この番組は街の中での小さないいこと、かっこいいこと。ヒーローを探して応援します!」
光「……あっ、番組タイトルは『リトルヒーロー!』みんな、身近にいる、あるヒーローについてドシドシメールしてくれよな!」
光「アタシもヒーローが好きだし、全力で応援するぜっ!」
光「それじゃあ最初のおたよりから。近所の公園で、何も言わずにゴミ拾いをしているおじいさんがいました……」
光「……身近だけど、大切なことだよな。目立たないかもしれない、でも街を大切にできるってすごいことだと思う!」
光「世界のために自分を変えるんじゃなく、自分が変われば世界が変わる……ってことだね」
光「みんなもポイ捨てはやめような! アタシもゴミはちゃんと分別して捨てるから!」
光「そうそう、ゴミ捨てといえば少し話がそれるんだけど――」
――
――――
光「以上、WIND WAVEより。南条光がお送りしました!」
光「エンディングを流しながらお別れだ……また聞いてくれよな!」
P「よし、お疲れ様。光!」
光「あぁ、どうだったかな?」
D「うんうん、いい感じだったね……光ちゃん、小さいのにえらいねぇ」
光「ち、ちいさ……小さくないぞ! アタシ、中学二年生だし!」
D「あぁ、ごめんごめん……プロデューサーさんも、お疲れ様でした。今回は投稿が少な目でしたけど反響が大きくなれば読むのも一苦労になっちゃいますよ」
P「えぇ、ありがとうございます……望むところです。なぁ光?」
光「あぁ! なんだかアタシにピッタリだしがんばるぜ!」
D「えぇ、応援してますよ……ではまた」
P「はい、ありがとうございました!」
光「エンディングを流しながらお別れだ……また聞いてくれよな!」
P「よし、お疲れ様。光!」
光「あぁ、どうだったかな?」
D「うんうん、いい感じだったね……光ちゃん、小さいのにえらいねぇ」
光「ち、ちいさ……小さくないぞ! アタシ、中学二年生だし!」
D「あぁ、ごめんごめん……プロデューサーさんも、お疲れ様でした。今回は投稿が少な目でしたけど反響が大きくなれば読むのも一苦労になっちゃいますよ」
P「えぇ、ありがとうございます……望むところです。なぁ光?」
光「あぁ! なんだかアタシにピッタリだしがんばるぜ!」
D「えぇ、応援してますよ……ではまた」
P「はい、ありがとうございました!」
光「レギュラーかぁ、初めてだな!」
P「あぁ。事務所に打診が来たらしくてさ……企画を聞いたときに絶対に他のプロデューサーに渡さないって決めたんだ」
光「プロデューサー……」
P「ネームバリューはないかもしれない。でも光が一番むいてる! そう思ったらから先輩も押しのけちゃったよ」
光「ありがとう。アタシがんばるから!」
P「うん……まぁ、引っ越しすることになるとは思ってなかったんだけどさ……」
光「割と長期の予定だし、アタシも学校にいかなきゃだからね……プロデューサーはドジだなぁ」
P「……すまん」
光「いや、気にしなくていいさ! ありがとう、プロデューサー!」
P「おう、ありがとう。光……」
P「あぁ。事務所に打診が来たらしくてさ……企画を聞いたときに絶対に他のプロデューサーに渡さないって決めたんだ」
光「プロデューサー……」
P「ネームバリューはないかもしれない。でも光が一番むいてる! そう思ったらから先輩も押しのけちゃったよ」
光「ありがとう。アタシがんばるから!」
P「うん……まぁ、引っ越しすることになるとは思ってなかったんだけどさ……」
光「割と長期の予定だし、アタシも学校にいかなきゃだからね……プロデューサーはドジだなぁ」
P「……すまん」
光「いや、気にしなくていいさ! ありがとう、プロデューサー!」
P「おう、ありがとう。光……」
※※※※
翔太郎「さて……どうすっかなぁ」
翔太郎「………」
翔太郎「……そういや、あんまり外に出てなかったっけなぁ」
翔太郎「とりあえず情報収集か……」
グゥゥゥ…
翔太郎「………やれやれ。腹が減っては戦はできぬってか?」
翔太郎「ハードボイルドな男でも腹は減るし、鳴るもんだ」
翔太郎「とりあえず風麺でもいくか」
翔太郎「さて……どうすっかなぁ」
翔太郎「………」
翔太郎「……そういや、あんまり外に出てなかったっけなぁ」
翔太郎「とりあえず情報収集か……」
グゥゥゥ…
翔太郎「………やれやれ。腹が減っては戦はできぬってか?」
翔太郎「ハードボイルドな男でも腹は減るし、鳴るもんだ」
翔太郎「とりあえず風麺でもいくか」
翔太郎「マスター、いつもの」
マスター「あいよっ」
行きつけの店があるというのはいいことだ。
自分にとって帰る場所、行くべき場所……そんな、故郷のような場所を求めてしまう。
男は旅に出るものだが、安心する場所も欲しい。そんな矛盾を抱いているのもまた、男という生き物のサガなんだろう。
いつもの巨大なナルトがのったラーメンが目の前に運ばれる。
いいにおいだ。自分自身の空腹を改めて強く感じた。
翔太郎「いただきます」
礼儀は忘れない。それもまた、ハードボイルドというものだ。
……たぶん。
マスター「あいよっ」
行きつけの店があるというのはいいことだ。
自分にとって帰る場所、行くべき場所……そんな、故郷のような場所を求めてしまう。
男は旅に出るものだが、安心する場所も欲しい。そんな矛盾を抱いているのもまた、男という生き物のサガなんだろう。
いつもの巨大なナルトがのったラーメンが目の前に運ばれる。
いいにおいだ。自分自身の空腹を改めて強く感じた。
翔太郎「いただきます」
礼儀は忘れない。それもまた、ハードボイルドというものだ。
……たぶん。
――――
光「プロデューサー、お腹減った……」
P「あー、確かに……何か食べてくか?」
光「いいのかな?」
P「少し中途半端な時間だしな……成長期だし、おなかを減らしたままじゃあ体にも悪いだろう」
光「そ、そっか。じゃあどこが……あれ?」
P「ん? ……屋台……?」
光「ラーメンだって! あれ食べたい!」
P「よし、いいぞ……っと、先客だ」
光「……あの恰好は……」
P「どうした、光?」
光「プロデューサー、お腹減った……」
P「あー、確かに……何か食べてくか?」
光「いいのかな?」
P「少し中途半端な時間だしな……成長期だし、おなかを減らしたままじゃあ体にも悪いだろう」
光「そ、そっか。じゃあどこが……あれ?」
P「ん? ……屋台……?」
光「ラーメンだって! あれ食べたい!」
P「よし、いいぞ……っと、先客だ」
光「……あの恰好は……」
P「どうした、光?」
ラーメンのスープをすすると、昔ながらのダシの聞いた味の中にスゥとさわやかな香りが広がる。
風麺。この街に来てこれを食わないなんて損をしてると言える味だ。
ゆっくり食べていては伸びてしまうからそれなりにかっこむ形にはなってはいるが、不思議と穏やかな気分にさせてくれるのもこの麺の魅力だろう。
翔太郎「……ん?」
ふと視線を感じて振り返るとそこには子供が立っていた。
年齢はだいたい小学校高学年ぐらいだろうか……腹でも減っているのかと思っていると、その子供が口を開く。
光「な、なぁ! お兄さんってひょっとして探偵なのかっ!?」
翔太郎「……」
ちゅるん。すすりかけだった麺を口の中へ吸い込む。
なるほど、どうやらこの子供は俺のあまりのハードボイルドな雰囲気に声をかけずにはいられなかったってことらしい。
やれやれ、ハードボイルドも罪なもんだ……もう少し、大人になってから声をかけるんだな、お嬢ちゃん。
風麺。この街に来てこれを食わないなんて損をしてると言える味だ。
ゆっくり食べていては伸びてしまうからそれなりにかっこむ形にはなってはいるが、不思議と穏やかな気分にさせてくれるのもこの麺の魅力だろう。
翔太郎「……ん?」
ふと視線を感じて振り返るとそこには子供が立っていた。
年齢はだいたい小学校高学年ぐらいだろうか……腹でも減っているのかと思っていると、その子供が口を開く。
光「な、なぁ! お兄さんってひょっとして探偵なのかっ!?」
翔太郎「……」
ちゅるん。すすりかけだった麺を口の中へ吸い込む。
なるほど、どうやらこの子供は俺のあまりのハードボイルドな雰囲気に声をかけずにはいられなかったってことらしい。
やれやれ、ハードボイルドも罪なもんだ……もう少し、大人になってから声をかけるんだな、お嬢ちゃん。
翔太郎「……あー」
P「こらっ、光! お前なに言ってるんだ!?」
答えようとしたところ、今度は保護者らしき男がその子供の頭を軽くはたいた。
……タイミングを逃したが、ハードボイルドはゆるがない。
光「ち、ちがうんだ! だってほら、こんなにビシっとしてたらきっと探偵なんだ! 犯罪捜査とかして、悪の組織を壊滅させたりする!」
P「あ、憧れるのはいいけど急に声をかけたりするのはだな……すみません、変なことを言って……」
翔太郎「いや、かまわねぇ」
努めて冷静にふるまう。
あながち間違ってもいないし、な。
どうやらこの少女と男は観光客か何かのようだ。
それで風麺に目を付けるとはなかなかいいセンスをしている。
P「こらっ、光! お前なに言ってるんだ!?」
答えようとしたところ、今度は保護者らしき男がその子供の頭を軽くはたいた。
……タイミングを逃したが、ハードボイルドはゆるがない。
光「ち、ちがうんだ! だってほら、こんなにビシっとしてたらきっと探偵なんだ! 犯罪捜査とかして、悪の組織を壊滅させたりする!」
P「あ、憧れるのはいいけど急に声をかけたりするのはだな……すみません、変なことを言って……」
翔太郎「いや、かまわねぇ」
努めて冷静にふるまう。
あながち間違ってもいないし、な。
どうやらこの少女と男は観光客か何かのようだ。
それで風麺に目を付けるとはなかなかいいセンスをしている。
翔太郎「俺は左翔太郎……探偵だ。よくわかったな、お嬢ちゃん」
光「ほらっ、やっぱり! あぁ、だってかっこいいし! 帽子とかシブいよなー」
P「は、はは……すみません、お騒がせしちゃって……」
翔太郎「いや……あんたたちも食うんだろ? いいぜ」
P「あ、どうも」
光「探偵のお兄さんのオススメは?」
翔太郎「ん? ……まぁ、風麺といえば風都ラーメンだな。こいつを食わずに風都は語れねぇ」
光「じゃあそれください!」
マスター「あいよー」
光「ほらっ、やっぱり! あぁ、だってかっこいいし! 帽子とかシブいよなー」
P「は、はは……すみません、お騒がせしちゃって……」
翔太郎「いや……あんたたちも食うんだろ? いいぜ」
P「あ、どうも」
光「探偵のお兄さんのオススメは?」
翔太郎「ん? ……まぁ、風麺といえば風都ラーメンだな。こいつを食わずに風都は語れねぇ」
光「じゃあそれください!」
マスター「あいよー」
>>18
逆にモバマスやってて平成ライダーを知らない奴の方が少数じゃね?
逆にモバマスやってて平成ライダーを知らない奴の方が少数じゃね?
P「光、お前なぁ……」
光「ごめんなさい! でも、ほら……探偵だったらさ、この街にはやっぱり詳しいの?」
翔太郎「それは当然だな。この街は俺の庭……違うな。この街は俺にとっての大切な場所だ」
光「わぁ……かっこいいなぁ……」
P「あの……探偵って……」
翔太郎「困ったことがあれば頼りな。ほら、名刺だ」
P「あ、どうも……それじゃあこちらも、なんですが」
翔太郎「あぁ……ん? プロデューサー?」
P「はい。俺、この子のプロデューサーなんです」
光「アイドル、南条光だぜ!」ビシッ
翔太郎「はぁー……アイドル、ねぇ」
光「ごめんなさい! でも、ほら……探偵だったらさ、この街にはやっぱり詳しいの?」
翔太郎「それは当然だな。この街は俺の庭……違うな。この街は俺にとっての大切な場所だ」
光「わぁ……かっこいいなぁ……」
P「あの……探偵って……」
翔太郎「困ったことがあれば頼りな。ほら、名刺だ」
P「あ、どうも……それじゃあこちらも、なんですが」
翔太郎「あぁ……ん? プロデューサー?」
P「はい。俺、この子のプロデューサーなんです」
光「アイドル、南条光だぜ!」ビシッ
翔太郎「はぁー……アイドル、ねぇ」
光「今度、こっちでレギュラーの放送がもらえたんだ!」
翔太郎「そうか……頑張りな、お嬢ちゃん。応援しとくぜ」
光「ああ! ……あっ、そうだ!」
翔太郎「なんだ? 依頼だったら事務所のほうでじっくり聞くけどよ」
光「違うんだ、聞きたいんだけど……」
翔太郎「……この街についてか?」
光「観光名所とか、美味しいものとか! これからいるわけだしな!」
翔太郎「フッ……仕方ねぇ。いいぜ? きっちり覚えるんだぞ」
光「うん!」
P「あぁ、もう……いいんですか?」
翔太郎「あぁ。この街を愛してくれる人が増えるのは俺にとっても嬉しいことだしな」
翔太郎「そうか……頑張りな、お嬢ちゃん。応援しとくぜ」
光「ああ! ……あっ、そうだ!」
翔太郎「なんだ? 依頼だったら事務所のほうでじっくり聞くけどよ」
光「違うんだ、聞きたいんだけど……」
翔太郎「……この街についてか?」
光「観光名所とか、美味しいものとか! これからいるわけだしな!」
翔太郎「フッ……仕方ねぇ。いいぜ? きっちり覚えるんだぞ」
光「うん!」
P「あぁ、もう……いいんですか?」
翔太郎「あぁ。この街を愛してくれる人が増えるのは俺にとっても嬉しいことだしな」
――――
――
翔太郎「――ま、こんな感じか」
光「すごいなぁ! 流石探偵だ!」
翔太郎「褒めても何もでねぇよ……」
P「いろいろありがとうございます。困ったことがあったら頼らせてもらいますね」
翔太郎「あぁ、いいぜ。この街で……泣いてる人は見たくねぇからな」
光「か、かっこいい……そうだ、最後にひとつだけいいかな?」
翔太郎「ん? あぁ、なんだ?」
光「お兄さんは、仮面ライダーって知ってる?」
翔太郎「―――っ」
――
翔太郎「――ま、こんな感じか」
光「すごいなぁ! 流石探偵だ!」
翔太郎「褒めても何もでねぇよ……」
P「いろいろありがとうございます。困ったことがあったら頼らせてもらいますね」
翔太郎「あぁ、いいぜ。この街で……泣いてる人は見たくねぇからな」
光「か、かっこいい……そうだ、最後にひとつだけいいかな?」
翔太郎「ん? あぁ、なんだ?」
光「お兄さんは、仮面ライダーって知ってる?」
翔太郎「―――っ」
光「お兄さん……?」
翔太郎「あ、あぁ……そうだな。いろいろあったが、この街を守った……英雄、みたいなもんだ」
光「や、やっぱりいるんだ!」
翔太郎「……この街のほとんどの人が知ってると思うぜ」
光「そっか! じゃあさ、そのライダーについてもいろいろ――」
翔太郎「おっと! ……いっけねぇ、そろそろ依頼のタイムリミットが近づいてやがる」
光「えっ?」
翔太郎「悪いなお嬢ちゃん。今回のおしゃべりはここまでだ……あばよ」
光「あ、うん……またね!」
翔太郎「おう」
翔太郎「あ、あぁ……そうだな。いろいろあったが、この街を守った……英雄、みたいなもんだ」
光「や、やっぱりいるんだ!」
翔太郎「……この街のほとんどの人が知ってると思うぜ」
光「そっか! じゃあさ、そのライダーについてもいろいろ――」
翔太郎「おっと! ……いっけねぇ、そろそろ依頼のタイムリミットが近づいてやがる」
光「えっ?」
翔太郎「悪いなお嬢ちゃん。今回のおしゃべりはここまでだ……あばよ」
光「あ、うん……またね!」
翔太郎「おう」
P「ありがとうございました、あの……」
翔太郎「いや、かまわねぇ。久々に息抜きになったし……機会があったらラジオも聴かせてもらう」
P「……はい。よろしくおねがいします」
翔太郎「あぁ、依頼があるならいつでも来てくれ。じゃあな」
P「……」
光「ほら! 仮面ライダーは本当にいるんだよ、プロデューサー!」
P「ん? あぁ……すごいな」
光「もう、しっかりしてくれ! なんだかぼーっとしてないか?」
P「すまんすまん、あのラーメンがうまかったなぁって思ってさ」
翔太郎「いや、かまわねぇ。久々に息抜きになったし……機会があったらラジオも聴かせてもらう」
P「……はい。よろしくおねがいします」
翔太郎「あぁ、依頼があるならいつでも来てくれ。じゃあな」
P「……」
光「ほら! 仮面ライダーは本当にいるんだよ、プロデューサー!」
P「ん? あぁ……すごいな」
光「もう、しっかりしてくれ! なんだかぼーっとしてないか?」
P「すまんすまん、あのラーメンがうまかったなぁって思ってさ」
光「食いしん坊だなぁ、まったく! でも確かにすごかったけど……でっかいナルトがのってたし、変わってたね!」
P「そうそう。グルメロケみたいな仕事も来るかもしれないし語彙を増やすのも考えないといけないかもしれないしな?」
光「ご、ごい……?」
P「こう、味についていろいろ語ったりできると強かったりするんだよ。光向けではないかもしれないかな」
光「うーん、でもかな子さんは『おいしい!』って言ってるだけですっごくおいしそうなんだよなぁ」
P「あれもある種の才能だな……さ、おじさんが心配するし帰ろう」
光「よっし、じゃあ晩御飯だな!」
P「ま、まだ食べられるのか?」
光「成長期だぜ、プロデューサー!」ビシッ
P(なんだか……仮面ライダーについての話になったら急に態度が変わった気がしたが……)
P(気のせいだよなぁ。きっと話を合わせるのに疲れたんだろう、うん)
P「そうそう。グルメロケみたいな仕事も来るかもしれないし語彙を増やすのも考えないといけないかもしれないしな?」
光「ご、ごい……?」
P「こう、味についていろいろ語ったりできると強かったりするんだよ。光向けではないかもしれないかな」
光「うーん、でもかな子さんは『おいしい!』って言ってるだけですっごくおいしそうなんだよなぁ」
P「あれもある種の才能だな……さ、おじさんが心配するし帰ろう」
光「よっし、じゃあ晩御飯だな!」
P「ま、まだ食べられるのか?」
光「成長期だぜ、プロデューサー!」ビシッ
P(なんだか……仮面ライダーについての話になったら急に態度が変わった気がしたが……)
P(気のせいだよなぁ。きっと話を合わせるのに疲れたんだろう、うん)
――――
――
光「南条光の、リトルヒーロー! 2回目だぜ!」
光「前回の放送、結構反響があったみたいで嬉しいな!」
光「えっと、前回の放送のあとに街を歩いてたんだ。そしたら探偵の人に会えた!」
光「かっこいいよなぁ、ヒーローっぽいし、すごいと思う! それで、この街についてもいろいろ教えてもらったぜ!」
光「この1週間でいろいろあったんだけど、その経験もその人に名所を教えてもらえたおかげだと思う!」
光「だからあのお兄さんにアタシからの応援と、お礼! ありがとうっ!」
光「……へへへ、それじゃあおたよりを読ませてもらうぜ!」
――
――――
――
光「南条光の、リトルヒーロー! 2回目だぜ!」
光「前回の放送、結構反響があったみたいで嬉しいな!」
光「えっと、前回の放送のあとに街を歩いてたんだ。そしたら探偵の人に会えた!」
光「かっこいいよなぁ、ヒーローっぽいし、すごいと思う! それで、この街についてもいろいろ教えてもらったぜ!」
光「この1週間でいろいろあったんだけど、その経験もその人に名所を教えてもらえたおかげだと思う!」
光「だからあのお兄さんにアタシからの応援と、お礼! ありがとうっ!」
光「……へへへ、それじゃあおたよりを読ませてもらうぜ!」
――
――――
光「というわけで、今回の放送はここまで!」
光「身近ないいこと、悪いこと。それを考えるって大事だよな!」
光「アタシもできる範囲でいいこと、していきたいな! それじゃあまた来週!」
P「お疲れ様、光!」
光「うん、ありがとう!」
P「次はテレビのほうで、撮影だ。大丈夫か?」
光「平気へいき、へっちゃらだぜ!」
P「ゲストだけど、地元密着型の番組だし結構いい地盤になりそうかな」
光「地元かぁ……この街、本当にいいところだよなぁ」
P「風が強いから、花粉症だと気を付けないといけないけどな」
光「身近ないいこと、悪いこと。それを考えるって大事だよな!」
光「アタシもできる範囲でいいこと、していきたいな! それじゃあまた来週!」
P「お疲れ様、光!」
光「うん、ありがとう!」
P「次はテレビのほうで、撮影だ。大丈夫か?」
光「平気へいき、へっちゃらだぜ!」
P「ゲストだけど、地元密着型の番組だし結構いい地盤になりそうかな」
光「地元かぁ……この街、本当にいいところだよなぁ」
P「風が強いから、花粉症だと気を付けないといけないけどな」
光「大丈夫?」
P「うん、季節は外れてるし平気だ」
光「そっか……気を付けてよね。いろいろ大変だろうしさ」
P「あぁ。ありがとう……さ、いこう」
光「おうっ!」
P「うん、季節は外れてるし平気だ」
光「そっか……気を付けてよね。いろいろ大変だろうしさ」
P「あぁ。ありがとう……さ、いこう」
光「おうっ!」
※※※※
ラジオから流れる音声は、ついこの前知り合った少女のものだった。
どうやら……アイドルっていうのは本当だったらしい。
コーヒーをすすりつつそんなことを考える。
どうも人生の苦味や渋みがそのまま出てしまっているような、雑味……いや、深味だ。深みのある味わいだ。
……照井が淹れたコーヒーのほうがうまかったのは否めない。
だがいい。このほうが、雑味すらも味として受け止めてしまえるほうが男らしさを感じる。
翔太郎「ふぅ……依頼も片付いたしな……」
溜まっていた依頼はある程度片付き、今はしばしの休息を楽しんでいるというわけだ。
まったく、亜樹子もひと使いが荒い……もし誰かと結婚なんかした日には相手を尻にひいてのしいかみたいにしちまいそうだ。
ラジオから流れる音声は、ついこの前知り合った少女のものだった。
どうやら……アイドルっていうのは本当だったらしい。
コーヒーをすすりつつそんなことを考える。
どうも人生の苦味や渋みがそのまま出てしまっているような、雑味……いや、深味だ。深みのある味わいだ。
……照井が淹れたコーヒーのほうがうまかったのは否めない。
だがいい。このほうが、雑味すらも味として受け止めてしまえるほうが男らしさを感じる。
翔太郎「ふぅ……依頼も片付いたしな……」
溜まっていた依頼はある程度片付き、今はしばしの休息を楽しんでいるというわけだ。
まったく、亜樹子もひと使いが荒い……もし誰かと結婚なんかした日には相手を尻にひいてのしいかみたいにしちまいそうだ。
翔太郎「………」
ふと、本棚に収めてあった本を手に取る。
一見他の本と同じように見えて、持ってみるとずっしりと明らかに紙ではない重みのあるそれを開くと中からは相棒からの最後の贈り物が出てきた。
ロストドライバー。ダブルドライバーから左側の欠けた、1人用のベルト。
ミュージアムを倒し、財団Xがガイアメモリから手を引いたらしい今、ドーパント犯罪はほとんど起きていない。
喜ばしいことだ。この街で泣く人が少なくて済む……ある意味、探偵の仕事がないっていうのは平和のあかしだ。
だが……それでも、このベルトで変身するときに相棒に呼びかけてしまう自分がいるのも事実だ。
……どうもハードボイルド、とはいかない。
こんなんだから、笑われちまうんだろうな……
誰に聞こえるわけでもないが、深いため息をついてしまう。
ふと、本棚に収めてあった本を手に取る。
一見他の本と同じように見えて、持ってみるとずっしりと明らかに紙ではない重みのあるそれを開くと中からは相棒からの最後の贈り物が出てきた。
ロストドライバー。ダブルドライバーから左側の欠けた、1人用のベルト。
ミュージアムを倒し、財団Xがガイアメモリから手を引いたらしい今、ドーパント犯罪はほとんど起きていない。
喜ばしいことだ。この街で泣く人が少なくて済む……ある意味、探偵の仕事がないっていうのは平和のあかしだ。
だが……それでも、このベルトで変身するときに相棒に呼びかけてしまう自分がいるのも事実だ。
……どうもハードボイルド、とはいかない。
こんなんだから、笑われちまうんだろうな……
誰に聞こえるわけでもないが、深いため息をついてしまう。
フィリップがいない時期の話とか珍しいな。W好きだから完走させてくれよ。
翔太郎「やれやれ、こういう時はちょっと風を浴びるとする……か、なっと」
大きく伸びをすると鍵を持ち、ハードボイルダーに向かう。
こんな時は街に慰めてもらう。センチな気分も、風を浴びながら街を回るだけでよくなっていくからだ。
……なぁ、フィリップ。
風の中に、アイツがいるような気すらしてくる……やれやれ、どうやら本当に参ってるらしいな。
エンジンをかけると、アクセルをふかす。
どうせだ、照井の見舞いでも行ってやるのも悪くない。
車いすでもでかけられたのが不思議なぐらいの大やけどを負っていたし、事実今は入院中だ。
翔太郎「さて……いくか」
大きく伸びをすると鍵を持ち、ハードボイルダーに向かう。
こんな時は街に慰めてもらう。センチな気分も、風を浴びながら街を回るだけでよくなっていくからだ。
……なぁ、フィリップ。
風の中に、アイツがいるような気すらしてくる……やれやれ、どうやら本当に参ってるらしいな。
エンジンをかけると、アクセルをふかす。
どうせだ、照井の見舞いでも行ってやるのも悪くない。
車いすでもでかけられたのが不思議なぐらいの大やけどを負っていたし、事実今は入院中だ。
翔太郎「さて……いくか」
翔太郎「よぉ、てる……い」
照井「………」
亜樹子「あっ、翔太郎くん」
翔太郎「……なにやってんだ亜樹子」
亜樹子「お世話だけど?」
翔太郎「そ、そうか……」
照井「……所長」
亜樹子「なーに竜くん? あーんする?」
照井「いや、いい……大丈夫か?」
翔太郎「見舞いに来てるのは俺だぜ? お前こそ大丈夫かよ」
照井「俺は心配いらない。入院しないと所長がうるさいんでな」
照井「………」
亜樹子「あっ、翔太郎くん」
翔太郎「……なにやってんだ亜樹子」
亜樹子「お世話だけど?」
翔太郎「そ、そうか……」
照井「……所長」
亜樹子「なーに竜くん? あーんする?」
照井「いや、いい……大丈夫か?」
翔太郎「見舞いに来てるのは俺だぜ? お前こそ大丈夫かよ」
照井「俺は心配いらない。入院しないと所長がうるさいんでな」
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