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    元スレ洋榎「宮永 照の便所飯を阻止する」

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    101 = 60 :

    <体育館>

    教師A「では最後に、麻雀部の宮永さんから国民麻雀大会に向けた抱負を語っていただきます。宮永さんお願いします」

    「はい」スクッ

    教師B「授業まで時間が無いから短めで頼む」ヒソヒソ

    「分かりました」テクテク

    「……………」

    シーーーーーン...

    「私たち白糸台高校麻雀部は、国民麻雀大会に向け―――」

    ――――

    「―――戦うつもりです」

    全校生徒「…………」オオオ..

    (うん。みんな真剣に話を聞いてくれている。これなら……)

    102 :

    なんてハイリスクな……

    103 :

    怖い

    104 = 60 :

    「……以上!お菓子大好きパクパク食べたら私自身がベーキングパウ永 照ですっ!!」ビシッ!(決めポーズ)

    全校生徒「……………………………………………………………………………………………………」

    「……………………………………………………………………………………………………………」

    教師たち「……………………………………………………………………………………………………」

    全校生徒「……………………………………………………………………………………………………」

    「……………………………………………………………………………………………………………」

    教師たち「……………………………………………………………………………………………………」

    キーン コーン カーン コーン..

    全校生徒「……………………………………………………………………………………………………」

    「……………………………………………………………………………………………………………」

    教師たち「……………………………………………………………………………………………………」

    全校生徒「……………………………………………………………………………………………………」

    「……………………………………………………………………………………………………………」

    教師たち「……………………………………………………………………………………………………」

    キーン コーン カーン コーン..

    105 :

    温かい気持ちになったと思ったらこれだよ!

    106 = 60 :

    <姫松高校 教室>

    ♪~

    洋榎「っ!照からや!」ピッ

    『意外と悪くないね』

    洋榎「おお!前向きな感じのタイトルやな!ええ事あったんか~!?」ピッ

    『洋榎が言うほどトイレで食べるご飯もまずくはないよ』

    洋榎「おおい!それを避けるためにやっとんねん!!不幸を先取りすな!」

    洋榎「何があったんや?」ピピピ..

    『全体集会でギャグをやったら体育館が完全に無音になったよ。一瞬神様がミュート押したのかと思った』

    洋榎「メルヘンチックで可愛い表現やな……そうか……スベってもうたか……」

    洋榎(なんて声掛けたったらええか……)

    107 = 60 :

    洋榎「……あ、恭子」

    恭子「はい?なんです?」

    洋榎「その……例えば友達がギャグやってスベってもうた時、恭子やったらなんて声掛ける?」

    恭子「……そんなん、主将が一番良く分かってるんやないですか?」

    洋榎「なんでうちがスベり王やねん。誰がクール&クールや!ほっともっとじゃ!」

    恭子「…………」

    洋榎「………今のは恭子が悪いで?」

    恭子「いやいや、主将発主将行きやったでしょ。ブラックジャックや」

    洋榎「誰が1話完結やねん!………ブラックジャックは分かりにくないか?」

    恭子「ええ……ニュアンスだけやし、私もしもた!って思ったんですけど……」

    洋榎「こういうの繋がると気持ちええよなー」

    恭子「ですね~」

    108 = 60 :

    洋榎「…………」

    恭子「…………」

    洋榎「って、ちゃうわ。スベった時のフォローや!」

    恭子「うーん……ギャグの種類によって向き不向きがあると思うんで、そこをフォローする感じですかね?」

    洋榎「なるほど………そやな。参考になったわ、ありがとう」

    恭子「いえ」

    洋榎「えーと……ドンマイや。誰にでも失敗はある。それをどう次に活かすかが大事や」

    洋榎「ただ、自分のキャラクターに合うギャグが出来るまではギャグ自体を封印しておいた方がええで……と」ピッピッ

    109 = 65 :

    てるてるかわいそう。

    110 = 72 :

    続き気になるけどもう寝る
    完成させるんだぞ

    111 = 60 :

    <白糸台高校 女子トイレ>

    「封印……やっぱりそうだよね……」ハァ

    「…………みんなビックリしてたな……」パク..モグモグ

    ??「照先輩?」

    「!?」ピク!

    ??「私です。亦野です」

    「あ……誠子?」

    誠子「はい。照先輩がトイレに逃げ込むのを見たって聞いて……」

    「………」パク..

    誠子「その……さっきの事で落ち込むのは分かりますけど……」

    「………」

    誠子「私は、あのギャグ結構好きですから」

    「!」ピクン

    112 :

    -59400ちゃんえぇ娘だな……

    113 = 60 :

    誠子「ベーキングパウダーはお菓子をパクパク食べた人で出来てるんだって考えると無駄使いしないようにしようと思えましたし」

    「誠子……」

    誠子「それにみんなが無反応だったのも、今までの照先輩のイメージと違いすぎたからビックリしてただけだと思います」

    「…………」

    誠子「だから……そんなところに閉じこもるのはやめましょうよ。ね?」

    「…………」

    カチャ ギィ...

    「………ありがとう……誠子」

    誠子「照せんぱ………な、何を食べてるんです?」

    「カレー弁当……」

    誠子「よりにもよって………もう、高校生1万人の頂点が何してるんですか…」

    「……自暴自棄が高じてつい……」

    誠子「さ、行きましょう?」

    「うん」ゴチソウサマデシタ

    114 = 85 :

    カレーwww

    115 = 60 :

    <廊下>

    「…………」ビクビク オドオド

    誠子「そんなに脅えないでも平気ですよ」

    「でも………体育館を真空状態にした張本人だから……」

    誠子「……それなんですけど、あれは照先輩の疲れがピークに達したんだという事になってます」

    「え?」

    誠子「練習や大会……あとは取材とかによって溜まりに溜まった疲労が爆発した結果の行動なんだろう、と」

    「………」

    誠子「ですので照先輩を心配する声が大半です。少なくとも照先輩に悪い感情を向ける人はいませんよ」

    「ほ、本当?」

    誠子「はい」

    「良かった……」ホッ

    116 = 60 :

    誠子「…………あの」

    「?」

    誠子「今日の事があったからって……やめないですよね?」

    「やめる?」

    誠子「……冗談を言ったりする事をです」

    「あ……」

    誠子「せっかく照先輩とたくさん話せるようになったんで、前みたいに静かな照先輩になるのは寂しいかなー、なんて思ったりしまして」

    「誠子……」

    誠子「もちろん前の照先輩も嫌じゃないですけど……」

    「……大丈夫。今日のは間違いなくトラウマになるけど、前の私には戻らない」

    誠子「良かった………やっぱりあれはトラウマですか?」

    117 :

    またのん可愛い

    118 = 60 :

    「当然だよ……トイレに入ってすぐ白髪になってないかを確認したもん」

    誠子「そこまでですか……」

    「ストレスフリーに腰かけた感じ?座っちゃうとある意味一番遠いからね。視界から消えちゃう」

    誠子「なるほど……」

    「……そんなトラウマ体験をしたけど……これからも明るい私でいくよ」

    誠子「照先輩……」ホッ

    「迎えに来てくれてありがとね」

    誠子「あ、いえ……」

    (……洋榎の言う通り、今日の事は次回に活かせばいい。失敗は誰にでもあるんだし)

    誠子「……ちなみに、ストレスで白髪が増える事はあっても一瞬で白髪になるっていうのはフィクションですよ」

    「失敗セカンドシーズン……」ハァァ..

    誠子「か、勘違いは誰にでもありますからっ!」

    119 :

    黒歴史思い出した……支援

    120 = 60 :

    1週間後―――

    <白糸台高校 麻雀部部室>

    「…………」

    (悪夢の全体集会から1週間……心配され続ける日々からようやく抜け出した)

    (最初の内は騙しているみたいで申し訳ない気持ちでいっぱいだったけど、話し掛けてくれた子と軽い雑談をしているうちに仲良くなったり…)

    (私の雰囲気が柔らかくなったのか、地獄の全体集会とは関係なく声を掛けられる事も増えた)

    (結果的に大勢の人と会話をした事で経験も多く積めたし、死の全体集会がもたらしたのは絶望だけではなかったのかもしれない)

    「みんな聞いてくれ。来週行われる練習試合の相手が決まった」

    「!」

    121 = 60 :

    「知っていると思うが念のためにもう一度言っておく。今回の練習試合は国民麻雀大会に出場する部員のみが参加だ。それ以外の部員は通常通りの部活動になる」

    「試合の相手は岩手の宮守女子。先方のご厚意で宿舎を貸していただける事になった。参加者は前日までに泊まりの荷物を用意しておくように」

    部員たち「はい!」

    「…………宮守女子……か」

    (これは……おそらく私をレベルアップさせる狙いも含まれてるんだろうな)

    (姉帯さんが相手だとリーチは封じられたも同然。その状態でどれだけ連続和了が出来るか……)

    「……………」

    (コクマに向けた調整も必要だし、姉帯さんと打ったらどうなるか楽しみ……だけどそれ以上に………)

    (白糸台以外の子と仲良くなれるチャンス!ワクワクしてきた……)オォ..

    (プライベートな会話なんて全然無かった相手と2日間でどれだけ仲良くなれるか……勝負だ!)

    123 = 103 :

    豊音ちゃん!

    124 = 60 :

    1週間後―――

    <宮守女子高校 麻雀部部室>

    「こんにちは」

    豊音「わわ、本物の宮永 照さんだよー!」アワワ

    「オーラあるね……」

    胡桃「うん」

    白望「んー?でもなんか雰囲気が……」??

    豊音「あ、あのあのっ!さ、サイン貰ってもいいですかー!?」

    「サイン?いいですよ」

    豊音「わぁあ!やったー!色紙持ってきますね!」ワーイ

    「………っ」ササッ!

    豊音「え?」

    125 = 60 :

    「………ディレードスチール……するな!」サササッ!

    豊音「?」ポカーン

    胡桃「それサイン違い!」ビシッ!

    豊音「えっ」

    「…………」

    豊音「サイン?サイン………ああ!野球のサインの事なんだー!?」

    白望「豊音……粒立てちゃ…」

    豊音「あはははははは!!」

    「え……」

    豊音「サインくださいって言ったら野球のサインって……あははは!」

    「わわ」

    (すごいウケてる……)ゾクゾク

    126 = 60 :

    豊音「ちょーーーーーーおもしろいよー!!お腹痛いよーー!!ひぃひぃ……」

    エイスリン「ドシタノ?」

    「なんていうか……」

    エイスリン「トヨネ?」

    豊音「あははは………あ!エイスリンさん!」

    エイスリン「ナンデワラッテル?」

    豊音「んとね、宮永さんにサインお願いしたら、野球のサイン出してくれたんだよー!」

    エイスリン「ヤキウ!アハハハハハハ!ヤキーウ!!アハハハハ!!」

    豊音「ちょーおもしろいよー!!あはははははは!!!」

    127 = 60 :

    「おぉ……」

    (外国の方にまで……なんてグローバル……嬉しい……)ゾクゾクゾク

    トシ「それではそろそろ試合を始めたいと思います」

    「!」ハッ

    白望「ダル……けど白糸台と戦えるチャンス……」

    胡桃「勝つ!」タタタ

    「ほら2人とも、始まるよー」

    豊音「ひぃーっ……ひぃーっ……でぃれーど……ぷぷ」

    エイスリン「ヤキウ!ヤヤヤキウ!アハハハハ!」

    128 = 119 :

    照!

    129 = 60 :

    対局終了―――

    「………よし」

    白望「やっぱ強い……」

    胡桃「うん…」

    豊音「うー……止められなかったよー」

    エイスリン「ダメデシタ……」

    「結局1回も止められなかったなー……残念」

    「でも臼沢さんの能力にはかなり戸惑ったよ」

    「え!?あ、そ、そう?」

    「うん。正直ギリギリだった局もあったから」

    「…………」

    「……どうしたの?」

    「あ、ううん………ただちょっとビックリしちゃって」

    「ビックリ?」

    130 = 60 :

    「インハイで見た時の宮永さんって……なんていうか………近寄りがたい雰囲気だったから」

    「ああ……」

    「話してみると全然そんな事ないのに。私の勝手なイメージだったね。ごめんなさい」

    「……ううん。確かに前の私は……そういう雰囲気出してたと思う」

    「宮永さん……」

    「ちょっと見てて」

    「え?」

    「……………」フン! ホン サエ アレバ イイ..

    「?」

    「今のがビフォー照」

    「は?」

    131 = 60 :

    「次いくよ?」

    「……うん」

    「…………♪」ミンナ ト ナカヨク ナリターイ..

    「……………」

    「アフター照…」

    「……………」

    「ね?」

    「あ、うん……なんとなく分かる気がする……かな?」

    「それなら良かった」

    胡桃「今の宮永さんは元気!シロと大違い!」

    白望「ええー……そんな事無いよ~……」ダラー

    胡桃「だらけながら言っても説得力無い!」

    132 = 60 :

    白望「はぁあ……」

    「ね。すごいだらけ方だもん。口からエクトプラズムが出てる感じ?」

    「そのエクトプラズムもだらけてそう」

    「あはは、それ言えてる」

    豊音「宮永さーん!お疲れ様でしたー!」タタタ

    「っ」サッ!

    豊音「!」

    「……飲み物……お前のグローブに…こぼした……ごめん」サササッ!ササッ!

    豊音「あはははは!!こぼしちゃダメだよー!」

    胡桃「ベンチに戻ってきてからでいいじゃん。走塁に影響出るよ」フフ

    白望「……さっきも思ったけど、豊音がこんなに笑うの珍しい」

    「ほんとほんと。ギャップってやつなのかな?」

    「……甘い方の飲み物……こぼした……」ササッ!サササッ!

    豊音「あははは!お腹痛いよー!」

    133 = 60 :

    白望「ん?………ぷっ!」

    「お」

    白望「ぷぷ……くっ………はは………あははははっ!!」

    胡桃「シロ……?」

    「シロが声出して笑うなんて……豊音以上に珍しいよ」

    「そうなの?」

    「うん」

    (なんと……それはすごく嬉しい事だ……)ゾクゾク

    白望「はぁ……はぁ……」

    胡桃「何がそんなにツボにハマったの?」

    白望「……だって宮永さんがサイン出してふざけた時、足元に置いてあったペットボトルを気付かないまま蹴って…」

    「ん?」

    白望「倒れたペットボトルの中身が宮永さんのバッグに思いっきりこぼれたから……」

    「ええっ!!?」

    134 = 60 :

    白望「それに気付かずにずっとサイン出して……ぷっ……くく……こっちから『こぼれてる』ってサイン出したいぐらい……くく…」

    「本当だ……全部こぼれてる……470mlくらい残ってたのに…」

    胡桃「ぷっ!もっと飲んでおきなよっ」

    「ああ……せっかく持ってきた美味しんぼが濡れて……」

    「っ!お、お美味しんぼ持ってきてたの?」

    「うん……岩手絡みの巻は全部……はぁぁ…」ズーン

    エイスリン「ミヤナガサーン!!」タタタッ!

    「あ……」

    「……………」サッ!

    136 = 117 :

    しえん

    137 = 60 :

    「美味しんぼ……全部………濡れて……悲しい」ササッ!ササササッ!

    エイスリン「アハハハハ!ヤキウ!アハハハ!!」

    「……さっきの思い出だけで笑ってるね」ズーン

    「ぷっ!くく……ダメ……笑っちゃ……」

    白望「く……クッキングパパの95巻ならあるけど……くくっ……いる?」

    胡桃「表紙が忍者のやつ!?あはは!」

    「………もう……ふふっ……あははは……」

    エイスリン「アハハハハ!ヤキウ!!」

    豊音「ひぃ……ひぃー……お腹痛い…」

    138 = 60 :

    翌日―――

    <姫松高校 麻雀部部室>

    洋榎「…………」ドヨーン..

    「……主将、元気ないですねぇ」

    由子「きっと何かあったのよー」

    恭子「せやなぁ。絹ちゃん、心当たりある?」

    絹恵「具体的な理由は分からないですけど、メール見てからあの調子なんで……おそらく…」

    恭子「あー……宮永さんやろなぁ……」

    絹恵「はい……」

    恭子「返信が無いとかケンカしたとか……その辺りかなぁ?」

    絹恵「どうなんでしょうね……」

    恭子「んー……考えても埒があかん。直接聞くわ」

    139 = 60 :

    絹恵「お願いします……お姉ちゃん、朝からあの調子で……ご飯の時も食欲無いわー言うて…」

    恭子「全然食べてへんの?」

    絹恵「いえ、ちゃんと食べてました。口だけやったみたいで…」

    恭子「……ほなら言わんとこな?ちっちゃいマイナスやから」

    絹恵「でも……やっぱりご飯美味いわーって食べるお姉ちゃん可愛かった…」

    恭子「分かった分かった……ほな行ってくる」テクテク

    絹恵「お願いします」

    由子「頼んだのよー」

    140 = 60 :

    洋榎「………はぁ……」

    恭子「……主将」

    洋榎「へ?ああ……恭子か。どないしたん?」

    恭子「こっちのセリフです。ため息ついてばっかりやないですか」

    洋榎「あー……せやなー……ため息聞かされる方も気が滅入るわなー。ほならニャーってため息つくわ…………にゃー………」

    恭子「………宮永 照と何かあったんですか?」

    洋榎「にゃ……っ!」ビク

    恭子「……やっぱり」

    洋榎「…………」

    恭子「…………」

    洋榎「その……な?」

    恭子「はい」

    洋榎「………このメール見てみ」ピッ

    141 = 60 :

    恭子「え?……『最近、ボケて人を笑わせるのが楽しくなってきた。だからツッコミも練習しつつ、ボケを頑張っていきたいなって思うんだけど、どうかな?』」

    恭子「……これが落ち込む原因ですか?別にええ事やと思いますけど」

    洋榎「あれ?あっ、間違うた。ボケをやりたいっちゅうのは全然構へんねん。問題はこっちのメールや……ほれ」ピッ

    恭子「?ああ……写メですか……これは……宮守女子の面々と宮永さんが写ってますね」

    洋榎「そや」

    恭子「みんなえらい楽しそうな顔して………宮永さんもこんな表情するんですねぇ」

    洋榎「それや」

    恭子「え?」

    洋榎「照、めっちゃ楽しそうやん……知らん間に宮守どもとも仲良なっとる……」

    恭子「どもって……仲良なったって別にええやないですか」

    洋榎「……それはええけど……本文見てみぃ」

    恭子「?」

    『宮守女子のみんなは優しかった。バッグを乾かすのを手伝ってくれたし、私をみんなの部屋に泊めてくれた。同学年の子とお泊りなんて久しぶりで嬉しかったよ』

    洋榎「目ん玉飛び出るやろ?」

    恭子「は?いや別に……」

    143 = 60 :

    洋榎「なんでや!お泊りしとんねん!」

    恭子「したってええやないですか……そんなんで飛び出してたら目ん玉いくつあっても足りませんよ」

    洋榎「飛び出す言うても戻ってくる飛び出し方や。ちぎれるほど飛ばへんから2個で足りる」

    恭子「そのこだわりはどうでもいいですわ。で、お泊りした事に落ち込んでるんですか?」

    洋榎「それは………その……」

    恭子「?」フゥ

    洋榎「めっちゃ……嫌やねん」

    恭子「はい?」

    洋榎「他の子と仲良すぎんの!嫌やねん!!」

    恭子「あぁ……」

    洋榎「そら友達が増えるのは照にとってめでたいのは分かる!分かんねんけど……うぅー……」

    恭子「…………」

    洋榎「…………」

    恭子「…………」

    洋榎「あかん………ちょっと気分転換に外行ってくる」

    144 = 60 :

    恭子「え?あ、分かりました…」

    洋榎「………にゃー…」トボトボ..

    ガチャ バタン..

    恭子「…………」

    絹恵「どうでした?」

    恭子「んー、ヤキモチやな」

    「ヤキモチ?」

    由子「珍しいのよー」

    絹恵「それってやっぱり宮永さんに……」

    恭子「せやな」

    絹恵「……どうすればいいんでしょうか?お姉ちゃんが落ち込んでるの見たないです…」

    恭子「安心しいな。近いうちに解決するはずやで」

    絹恵「え?」

    恭子「来週、練習試合があるの知ってるやろ?」

    絹恵「はい…」

    145 = 60 :

    恭子「その相手……白糸台のチーム虎姫含む3チームやねん」

    絹恵「おお……」

    「ほなら……その時に……」

    恭子「宮永さんも来る」

    「わぁ!ならそこで宮永さんと会うて話をしたら解決ですね!?」

    恭子「………漫ちゃん。ヤキモチを甘く見たらあかんで?」

    「…どういう事です?」

    恭子「世の中にはな、ヤキモチがどんどんエスカレートして、相手に……これをしてまう人もおるんやで?」キュキュキュ..

    漫のおでこ『呪』

    「わっ!もうー!末原せんぱぁい……」

    恭子「ま、主将に限ってそんな事はありえへんけどな」

    絹恵「はい。お姉ちゃんは誰かを恨んだりしません!すぐ忘れますから!」グッ

    由子「いい子なのよー」

    「ほならなんでこれ書いたんですかっ!めっちゃ呪われてる気分なんですけど!!」

    147 = 119 :

    ヤキモチ洋榎ちゃんかわいい

    148 = 60 :

    1週間後―――

    <姫松高校 廊下>

    洋榎「…………」ソワソワ..

    「あれ?主将……部室に行かないんですか?もう白糸台の人たち集まってますよ?試合まで時間ありますし、お喋り出来ますけど」

    洋榎「あ、うん……まぁ、もうしばらく経ったら行くわ」

    「?……私は先に行きますね」

    洋榎「おう」

    洋榎「…………」

    洋榎「…………」

    洋榎(照……全然出て来えへんな……うちが部室におらんのに気付いて探しに来る思ったんやけど……)

    洋榎(……メールも毎日しとる。昨日も今日会って話すのが楽しみや言うてた。せやのに……)

    洋榎「…………」

    洋榎「照れとんねやろな。うんうん」

    洋榎「しゃあないなー。うちから会いに行くかぁ!」テクテク..

    149 = 60 :

    <麻雀部部室>

    洋榎「…………」ガチャ

    ワイワイガヤガヤ

    洋榎(照は………おった!恭子と話しとる!)テクテク..

    洋榎「…………」ピタ..

    洋榎(……やっぱり照から話し掛けてくるの待ってよ。ここに立ってたらそのうち気付くやろし)フフ

    「宝塚とかは知ってるよ」

    洋榎(……相変わらず可愛いなー……いや、明るなったからか、前よりも…)

    恭子「やっぱ有名やもんなー。でもあれは兵庫県やで」

    「そうなんだ?末原さんは行った事ある?」

    恭子「親戚に宝塚好きがおってな。何回か観に行ったわ」

    「やっぱり道端に羽とか落ちてるの?」

    恭子「落ちてへん落ちてへん。あんなド派手な舞台衣装のまま歩いてたら目立ってしゃあないやん」

    「そう……じゃあ宝塚歌劇団の人も普段着は普通なのかな」

    恭子「そらそうやろ。急にオスカル来たらおばちゃん腰抜かすもん」

    150 = 60 :

    「肩ビラビラでキラキラだもんね……あ、ねえ、末原さんは普段どんな服着るの?」

    恭子「え?私?そやなぁ……」

    洋榎(……恭子と話した事はほとんど無いはずやのに自然に会話しとる……成長したなぁ……)

    恭子「動きやすい服が多いかな?あとは、五分袖とか七分袖のシャツが好きやわ」

    「そうなんだ?じゃあ末原さんも格闘技するの?」

    恭子「は?なんで?」

    「だって五分袖って日常的にトンファー使う人用でしょ?」

    恭子「なんでやねん。それがホンマならトンファーってめっちゃポピュラーやんか。それこそトンファー日本選手権大会とか出来るくらい」

    洋榎(おお……ちゃんとボケを挟んどる……)

    「大会名に武道具の名前付けるのおかしくない?それってひざサポーター選手権大会、みたいな意味だよ?」

    恭子「そんなんニュアンスやんか。せやけどトンファーは武器やしやる事は見当つくわ。ほなひざサポーター選手権て何すんねん」

    「……誰が一番ひざサポーターそっくりの器を焼けるか競う…」

    恭子「焼き物かい……アホな事言いな。ひざサポーターから伸縮性奪ったらあかん」


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