元スレ小鳥「一度死んだプロデューサーさん」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
ガチャリ
P「あの……」
小鳥「はい。何の御用件でしょうk……え?」
3 = 1 :
律子「やっぱり、にわかには信じられません」
P「まあそうだよな」
律子「だけど目の前にいるんですよね」
律子「信じざるをえませんね…」
美希「信じる、信じないはどうだっていいの! 律子はリアリストが過ぎると思うの」
律子「そんな言葉どこで覚えてきたのよ、あとさんをつけなさいこのデコ助娘」
伊織「」ビクッ
美希「ミキはデコ助娘じゃないの! どっちかというとでこちゃんがデコ助娘だと思うな、デコだけに」
伊織「でこでこうるさいわよ! それに律子はどちらかと言うとロマンチストよ」
律子「な、何言ってるの伊織!!」
伊織「だって事実でしょ?」
貴音「ろまんちすと……浪漫、血棲…兎? 面妖な」ブルブル
響「夢想家って意味だぞ。ぴよ子みたいなのだな」
貴音「なるほど、響は利口なのですね」
響「えへへ、自分完璧だからな!」
5 = 1 :
小鳥「だけど本当に憶えてないですか?」
P「はい…、千早とローソンに行ったところまでは、かろうじて分かりますがそれ以降が」
小鳥「私もいまひとつ信じられませんよ…」
P「律子や音無さんたちの気持ちも分かります。同じ立場なら俺だって信じないと思いますから。だって気味が悪いじゃないですか」
小鳥「死んだ人がひょっこり戻ってくる、確かにありえないことですね、ホントにプロデューサーさんですか? 何かが化けてるとかじゃ、ないですよね?」
貴音「あなた様は幽霊なのですか!?」
P「違うよ貴音。ちゃんと記憶もあるし、確かに俺だよ。ほら、足もあるだろ?」
貴音「本当でしょうね? 嘘じゃありませんか?」プルプル
P「本当だよ本当」
響「…………」
響「わっ!!!」バッ
貴音「ひぃっ!? な、な、な何奴!!!」ブルブル
響「じ、自分だけど」
貴音「………響、響!! 何をするのですか!!!」
響「うわっ、ご、ごめん! 貴音、まさかそんな驚くなんて思わなかったぞ……ごめんなさい」
6 = 1 :
貴音「次はありませんよ?」
響「はい…」
小鳥「…ま、まあ、どうみてもプロデューサーさんですし、本人に違いないですよね」
P「恐らくはそうでしょうね」
美希「だいたい律子はミキに対して厳しすぎだって思うな。この前だっておにぎりの具に悩んでいるミキをシニカルに見つめてたの。エフィシエンシーの悪い愚か者を見つめる視線だったの!」
律子「だからどこで覚えてきたのよそんな言葉、それに」
美希「ごめんなの律子……さん、ミキ凸助にはなりたくないの」
伊織「なんかむかつくわね…」
7 = 1 :
貴音「しにかる…えふぃしえんしー…?」
響「冷笑的、能率、だな。それが何の意味かは良く分からないけど。…自分国語以外は結構いけるんだぞ?」
貴音「ええ、響は完璧ですから」
響「う、うん。自分以外に言われるとちょっと恥ずかしいよ……」
貴音「完璧な響はまことに完璧ですよ」
響「貴音……さっきのまだ怒ってるのか?」
貴音「怒っていませんよ?」
P「一年越しという実感はないですけど、いつもどおりじゃないですか」
小鳥「え、ええそうですね…」
P「音無さんや社長の危惧したことにはなりそうにないですね。杞憂ですよきっと」
小鳥「でも…」
P「さて、と」スクッ
響「プロデューサーがまたどこかに行こうとしてるぞ、貴音」
貴音「はい、一体どこに行くのでしょう? 今度は戻ってきてくれればよいのですが」
P「え?」
8 = 1 :
伊織「……」
美希「……」
律子「プロデューサー、どこに行くんですか?」
P「い、いやちょっとそこのローソンまで、な。すぐ戻ってくるよ」
律子「私が行きましょうか? 顔見知りに会うとまずいですし」
P「まあ大丈夫だろう。すぐそこだしな」
律子「…分かりました」
P「お、おう」ガチャ
ポフ
千早「痛ッ」
P(あ、柔らかい……)
P「あ、ああすまん、…ん、千早か」
千早「いえ、こちらこそすみません、……え?」
千早「え…あ……ああ、あの……プロデューサー?」
小鳥(やば、皆に伝えるの忘れてた)
9 :
やわらか……?
10 = 1 :
千早「あれ……なん…で……?」
P「はは、なんでか分からんけど生き返ったみたいなんだ」
千早「夢? 夢ですかこれは?」
P「夢、かもしれないなあ。俺もよく分からん」
千早「そうですか。まあ、なんでもいいですけれど」
P「そっか」
千早「ところで」
P「ん?」
千早「どこかに用事でも?」
P「ああ、ちょっとそこのコンビニまでな」
千早「私もご一緒していいですか?」
P「いいぞ」
千早「ありがとうございます」
小鳥(皆にはメールだけでも送っておこう)
11 :
やわ…?
12 = 1 :
P「気付いたらここの横断歩道の上にいたんだよ」
千早「……」
P「ボーっと突っ立っててな。財布は血まみれ、携帯はぐしゃぐしゃ、だけど怪我は全くない。不思議なもんだ」
千早「……」
P「どうした、千早?」
千早「何も覚えていませんか?」
P「なんか曖昧でなあ、確か直前に千早とローソンに寄ってたんだよな。丁度今みたいに俺が横断歩道の上に立って、少し後ろで俯く千早を見ていた」
千早「……少し目まいがしたんです、疲れていたのかもしれません」
P「そうだったのか」
千早「プロデューサーは横断歩道を少し渡った中ほどのところで気付いたようで、心配そうに私を見ていました」
千早「だから、何ともないことを伝えようと口を開けました」
千早「…………」ブルブル
P「ん?」
千早「……うぅ…すみません、すみません…私が……しっかりしていれば……うぁ…あ…ああ…優………私が……
…プロデューサー……を……」ガタガタ
13 :
つら
14 :
アレかと思った
病んだ千早が自分の物にしたのかと思ったw
15 = 1 :
P「なっ、大丈夫か千早!?」
千早「……もう大丈夫です」
P「だけど今」
千早「プロデューサー、私はなんともないです。早く事務所に戻りましょう。みんなが待っていますよ。プロデューサーが今度こそ帰りつくことを、待っていますよ?」
P「そ、そうだな。戻ろうか」
――
千早「飲酒運転でした。恐らくプロデューサーがいることにさえ気づかなかった」
P「はは、実感がまるで湧かないよ」
千早「私のせいでは決してないとみんなは言ってくれました、あれは不幸な事故だったと」
千早「プロデューサーは私を怨みますか? だって健康管理を怠った私のせいで死んだようなものなんですから」
P「千早は悪くない。あれは俺の不注意だった。それに健康管理ったって自分のアイドルの体調も把握できていなかった俺に落ち度がある。そうだろ?
怨む必要なんてさらさらないよ」
千早「もし死んだままだったら? それが普通なんですよね。人生を私は台無しにしたんですよ? なんで私は怨まれないんですか?」
P「あれは俺の不注意と、飲酒運転した馬鹿のせいだ。それに今は生きてるぞ」
千早「はい、確かに生きてますね、ふふっ♪」ダキッ
P「おわっ!? どうしたんだ?」
17 = 1 :
千早「やっぱりプロデューサーと一緒だと安心します」
千早「この感覚をしばらく忘れていました」
千早「もういなくなりませんよね?」
P「そのつもりだよ」
千早「ふふっ、分かりました。…プロデューサー、私は小心者なんです」
P「意外だな」
千早「ですから、余り不安がらせないでくださいね?」
P「分かってるよ」
P(千早は弟も交通事故で亡くしたんだったな。トラウマを刺激してしまったのだろうか)
P(不甲斐ない、なんと言えばいいのか分からない。今は時間が傷をいやすのを待とう)
ガチャ
P「あー、あったかい。外すごい寒かったですよ」
小鳥「おかえりなさい、千早ちゃん、プロデューサーさん。あ、響ちゃんと貴音ちゃん、それに美希ちゃんはレッスンに行きましたよ」
千早「私も行ってきます。プロデューサー」
P「おう」
18 :
支援は紳士のつとめ
19 = 1 :
P「俺は、やっぱり営業とかについていっちゃいけないですかね?」
小鳥「ええ、まだ…。大騒ぎになるかもしれませんから顔見知りに会うのは避けてもらいたいです。悪い噂は避けたいですしね」
小鳥「社長が、あまり騒ぎにならないように記者の人たちなどへのツテとかコネでどうにかしようとしてくださっています。近日中には…恐らく大丈夫でしょう」
P「ドッキリってことじゃ駄目ですか?」
小鳥「無理でしょうね。事故が起こってすぐ、あの子たちにそれぞれ休んでもらいました。それも、これまでの功績による信頼に加えて、周りの方の理解が得られたおかげですよ。
そのおかげで、あの子たちもひとまずの区切りをつけられましたから。あれをドッキリと言ってしまったなら顰蹙を買ってしまいますよ」
P「そうですか、…難しいですね」
小鳥「あと、しばらくは事務所で寝泊まりしてほしいのですが……」
P「はい。…ありがとうございます。迷惑をおかけしてすいません」
小鳥「ふふ、大丈夫ですよ。しばらくは私と事務仕事を頑張ってくださいね。あとは、送り迎えくらいでしょうか」
P「はい」
小鳥「違反とかは絶対にしないでくださいね」
P「もちろんですよ、交通規則は大事だと身に沁みて分かりましたから」
小鳥「……」
P「あれ?」
20 = 1 :
伊織「笑えない冗談ね」
P「おお伊織、いたのか」
伊織「律子はあずさを迎えに行ったわよ」
P「律子…迷惑をかけたなあ」
伊織「ホント迷惑をかけすぎよ、あんたは」
伊織「まあ、社長がまた誰かにピーンとくるまでは、私たちもレッスン多めでやってるんだけどね。
プロデューサーが律子一人だけじゃきついだろうし」
P「近いうちに俺もプロデューサーに復帰できるよ」
伊織「復帰したら今までの分も含めて頑張りなさいよ?」
P「ああ! 全力を尽くすよ」
伊織「………」
P「どうした? 急に黙って」
伊織「あんたはもっと長生きするかと思ってたわ」
P「まあ、何が起こるか分からんしな。だけど今はこうやって生きてるじゃないか。奇妙なもんだよな」
伊織「大変だったのよ、あんたがいなくなってしばらくは」
P「そうか…すまん」
21 = 1 :
伊織「美希や千早を筆頭に、雪歩ややよい……それに春香。ホントに大変だったわ」
伊織「千早は大丈夫だった?」
P「大丈夫って、何がだ?」
伊織「絶対に行こうとしなかったのよ、あそこの横断歩道のところに」
伊織「どうだった?」
P「少し動揺していたみたいだった」
伊織「事故の日はね、両手を血まみれにして錯乱しきっていたわ」
伊織「ずっと『プロデューサー』と『優』って繰り返して」
伊織「しばらくは休ませていたのよ。それでも春香を始めとしてみんなで会いに行ったりしてたわ」
伊織「まったく、たくさん千早と話しなさいよ。ただでさえあんたは」
P「分かってる」
伊織「そう、ならいいわ」
律子「ただいま戻りました。は~疲れた。やっと見つけてきましたよ」
22 :
プロデューサーは2度死ぬ
23 = 1 :
あずさ「おはようございます~」
亜美「おっはよう! あ、兄ちゃん久しぶり!」
P「久しぶりだなあ」
亜美「うん……!」
亜美「またたくさんいじったげるからね!」
P「おう! かかってこい」
あずさ「おかえりなさい、プロデューサーさん」
P「はい、ただいま戻りました」
あずさ「ふふふ、ネクタイが曲がっていますよ」
P「あはは、すいません」
伊織「ふんっ!」ゲシ
P「痛い! 何するんだ伊織」
伊織「気に食わなかっただけよ」
律子「それじゃあ竜宮小町の営業行ってきますね」
小鳥「はい。いってらっしゃい」
24 = 1 :
伊織「ふぅ」
亜美「おやおや~? いおりんずいぶん嬉しそうですな→」
伊織「な、何よ」
あずさ「プロデューサーさんと久々に会えて嬉しいのよね~?」
伊織「そんなことないわよ!」
律子「まあ頑張りなさい」
伊織「なんなのよ…もう」
律子「まったく、プロデューサーはほっとくとどこに行くか分からないわ、まるであずささんですよ」
あずさ「そんなことないですよ~律子さん。私はちゃんと事務所に帰ってくるじゃないですか…」
律子「あはは、そうですね。でも、なんか不安なんですよね」
あずさ「プロデューサーさんがですか?」
律子「はい」
伊織「まあ、しばらくは好きにさせといていいんじゃないの」
亜美「そだね」
亜美「それにしてもいおりん、ずいぶん兄ちゃんにそっけなかったじゃんよ」
25 = 1 :
律子「一度もプロデューサーって呼んであげなかったわね」
伊織「ふん、まだ事務仕事しかできないじゃないの。しばらくは『あんた』で十分よ!」
伊織「それに…、なんでそれを律子が知っているのかしら?」
律子「プロデューサーがまた何かに巻き込まれたらいやでしょ? だからよ」
伊織「……ふん」
亜美「りっちゃんそれじゃあストーカーっぽいよ?」
律子「害はないわ」
――
P「あ”~今日ってホントに寒いですねぇ。外に出たくなりませんよ」
小鳥「ふふ、そうですね」
P「そういや、今日は真や雪歩にやよい、真美、それに春香はどうしたんですか?」
小鳥「今日はお休みですよ、人出が足りないので、少し休みが多くなりました」
小鳥「それでも事務所の利益は潤沢ですよ、これもプロデューサーさんが一年間頑張ってくれたおかげです!」
26 = 1 :
P「あはは、皆の頑張りのおかげですよ。後の一年はどうでしたか?」
小鳥「お仕事は結構減らしましたね。それでも、みんな流石有名アイドルって感じで、しっかりと頑張ってくれてましたよ」
P「そうですか! いやあ、俺も嬉しいですよ」
小鳥「……最初に私と社長が言ったこと、ちゃんと頭にとどめておいてくださいね」
P「はい、さっきの一連で、少し違和感を覚えました」
小鳥「ま、何もないとは思いたいです。あの子たち、みんな根は良い子ですから」
P「そうですね」
27 = 1 :
小鳥「ところで、仕事が終わったら飲みに行きませんか?」
P「おごってもらえるのなら。財布の中少ないし血だらけなんですよ、すいません。後で返しますから」
小鳥「任せてください! 独身の蓄えをなめないでくださいよ……うぅ」
P「そのうち良い人が見つかりますって」
小鳥「無責任なことを言わないで下さいよ、もう」
P「ははは、すいません」
小鳥「………」
P「…すいません」
小鳥「謝らないでください、気にしていませんから」
P「はい……」
小鳥「もうすぐ貴音ちゃんに響ちゃん、それに美希ちゃんが帰ってきますね」
P「そうですね、千早は少し遅くなりますかね?」
小鳥「恐らくは。千早ちゃんは歌に熱心ですからね。この一年は一段と、でしたよ」
P「一年経った千早の歌、是非聞いてみたいですよ」
小鳥「きっと驚きますよ」
28 = 1 :
美希「今戻ったの! ハニーただいま!」ダキッ
P「お、おう、勢いが良いな」
貴音「ただいま戻りました」
響「……」
P「三人ともお疲れ様」
P「響? どうした?」
響「え? いや何でもないぞ、ボーッとしてただけさー」
P「そうか」
貴音「ではわたくしはお先に失礼します」
響「あ、自分も」
P「お疲れ様」
貴音「ええ、また明日お会いしましょう」
響「それじゃな! また明日」
29 :
なんとも言えぬ不穏
30 :
誰かの夢だったりな…
31 = 1 :
美希「ねぇハニー?」
P「どうした?」
美希「あはっ☆ 二度目はなかったね、悔しい?」
P「はは、そうだな。好きで轢かれてるわけじゃないんだがなあ」
美希「ミキのときはあんなにケロッとしてたのに」
P「まあ打ちどころが良かったんだろうな」
美希「じゃあ、二度目は打ち所が悪かったの?」
P「そうだろうな」
美希「痛く、なかった?」
P「あっというまだったからな」
美希「実を言うとね、ミキ、あんまり憶えてないの。ハニーが病院運ばれて、それからのこと」
P「そうか、無理に思い出さなくても良いんじゃないか?」
美希「そうだね、ハニーはこうして生きてるの」ギュッ
P「……そうだな」
美希「もう離すつもりはないの」ギュウッ
32 = 1 :
P「はは…、勘弁してくれ」
美希「あ、そうだ。ミキもう十六だよ?」
P「お、おう」
美希「期待してるからね!」
美希「じゃあねハニー! 小鳥も、また明日」
P「お疲れ様」
P「どうしよう……」
小鳥「大変ですねぇ」
P「あはは…」
――
千早「それでは失礼します」
P「おう、気をつけて帰れよ」
千早「ふふっ、プロデューサーこそ気を付けてくださいね」
バタン
小鳥「それでは、ちゃっちゃと仕事終わらせて飲みに行きましょうか」
33 = 13 :
もうすでに雰囲気が悲しいな
34 = 1 :
小鳥「うへへ、プロデューサーさぁん。おんぶしてくださいよ~」
P「しっかりしてください、音無さん」
小鳥「あ”~、なんかプロデューサーさんがいっぱいいますよぉ? 一人もらっていいですかあ?」
P「音無さん大丈夫ですか?」
小鳥「私は大丈夫ですよ! 何言ってるんですかぁ?」
小鳥「でもなんだか足に力が…、景色がぐるぐる回ってますねぇ~、うぉぇ」
P「まったく、ほら早く立ってください。帰りますよ」
小鳥「おぶってくださいよぉ~、あ! まさか…ここに私を一人置いていくつもりですね!?」
小鳥「私乱暴されちゃいますよぉ~、スマート本みたいなことになっちゃいますよお~」
小鳥「それとも……、私にそんな魅力はないから安心しろってことですか!?」
小鳥「ほぼ三十路の独身なんて需要ねぇよってことですか!? ひどい! この薄情者!!」
P「ほら、おんぶしますから」
小鳥「それでいいんですよ! うへへぇ……うぉぇぇえ」
P「吐かないでくださいね」
小鳥「何言ってるんですか、私はまだまだ大丈夫ですよ!」
35 = 1 :
P「そうですね…、道案内頼みますよ」
貴音「すまーと、薄いという意味ですね」
響「そうだぞ! 良く知ってたな貴音」
貴音「以前響に教えてもらいましたから」
響「そっか、自分教えるのも完璧だからな!」
貴音「まことに、響は完璧ですよ」
響「そうだな! えへへ」
P「二人とも……こんな時間にどうした?」
貴音「らあめんを少々」
響「貴音の付き添い、少し食べ過ぎたよ…」
響「それにしても偶然だな!」
貴音「まこと、奇妙な縁でございますね」
37 = 1 :
P「そうだな。俺は小鳥さんを家まで運ぶから、お前らはちゃんと家に帰れよ、今日は寒いから風邪ひくぞ」
貴音「ご心配ありがとうございます」
響「プロデューサーも送り狼になっちゃだめだぞ!」
小鳥「それこそスマート本のごとき展開ですね! 大丈夫よ響ちゃん、私とくんずほぐれつしちゃってもプロデューサーさんは責任取ってくれるらしいから!」
ドンガラガッシャーン
P「ん?」(なんだ今の音…)
響「え、そうなのか……? ねぇ、冗談だよね?」
貴音「……痴れ者」
P「い、いや、酔っ払いの妄言だよ、気にしないでくれ」
貴音「安心いたしました」
響「そ、そっか、少しびっくりしたぞ。で、送ってからはどうするつもりなんだ?」
P「そのまま帰るよ」
貴音「気をつけてくださいね」
響「そうだぞ!」
P「あ、ああ、分かってるよ。それじゃな」
38 :
なんだこれ?普通もっとみんなベタベタするだろ
39 = 1 :
小鳥「あ~もう家ですかぁ?」
P「そうですよ、鍵貸してください」
ガチャ
P「じゃあ温かくして寝てください、俺帰りますね」
ガシ
小鳥「待ってくださいよぉプロデューサーさあん」
P「はあ、どうしたんです……うぉあ!?」バタン
小鳥「あったかいですね~」ギュウウ
P「ちょ、どこにこんな力が余ってたんですか」
小鳥「あったかいなあ~、生きている人の温もりです!」
小鳥「プロデューサーさんは今生きてるんですね、ホントに生きていられるんですね」ギュウウウ
P「……音無さん?」
小鳥「死んだ人というのは冷たいんですよお?」
小鳥「本当に冷たくて、動かない」
40 = 36 :
たしかに不自然に淡白だな
41 :
本人は既にゾンビで面影が無いほど原型をなくしているのではないか…という悲しい想像
42 = 11 :
また離れてしまうのが怖いからじゃないか?
43 = 1 :
小鳥「あの日ですね、警察の人から連絡が来たんですよ」
小鳥「765プロのプロデューサーがはねられて、近くにいるアイドルが恐慌状態に陥っているって」
小鳥「急いで私と社長はそこに向かいました」
小鳥「駆けつけると手を真っ赤にした千早ちゃんが錯乱していて」
小鳥「彼女の足元は血だまり」
小鳥「私と社長は急いで千早ちゃんを保護しました」
小鳥「迂闊でした、興味本位か不安な気配を感じたのか、春香ちゃんもついてきてしまっていて」
小鳥「立ち止まってただ呆然と…、なので春香ちゃんも一緒に事務所に連れて帰りました」
小鳥「それから慌ただしくてですね、悲しむ暇もありませんでしたよ。いまいち実感も湧きませんし」
小鳥「私と社長でお通夜に訪問させて頂いたときにですね、私プロデューサーさんに触れさせてもらう機会を頂いたんですよ!」
小鳥「人の体とはとても思えませんでした。何かもっと無機質なものを触っているかのような、冷たくて硬い、感触でした」
44 :
小鳥さんの吐瀉物に塗れたい
45 = 1 :
小鳥「そしたらですね、ふと思ったんです」
小鳥「あ~もうプロデューサーさんと飲みに行って何ともない愚痴を言い合ったり、私の妄想を聞いてもらったりするのはお終いなんだなって」
小鳥「そしたら私、なんだか涙が止ま…らなく……なっちゃいまして、…傍から見てきっと不思議な光景でしたよね」
小鳥「故人の同僚でしかない人がお通夜で号泣しているんですから」
P「音無さん……」
小鳥「それから季節も一巡して、一人欠けたもののそれ以外はいつも通りの765プロに戻りつつあったんです」
小鳥「そしたら、プロデューサーさんがひょっこりと事務所を訪ねてきたんですよ!」
小鳥「驚きました、本当にさっきまで実感が湧かなかったんですから!」
小鳥「だけどさっき抱きついてみてですね、あったかいなあって思ったんですよ」
小鳥「温かい……なあって、生きているんだなあって」ギュウッ
小鳥「本当に……生きて…いらしたんです……ね、う……うぅ」グスッ
P「はい……」
小鳥「うぅ……うぇ……うぅぉえ”ぇええぇ」
P「!?」
47 = 1 :
小鳥「う”ぇ~頭痛いぃ、昨日はすいませんプロデューサーさん」
P「はは…大丈夫ですよ。俺こそすいません。結局あのまま眠ってしまって」
小鳥「二人揃って遅刻ですもんね…」
ガチャ
P「おはよう律子、すまん」
小鳥「すいません律子さん……」
律子「はあ……いい大人が二人揃って遅刻ですか…、まあいいですよ。次からは気を付けてくださいね」
P「はい……」
律子「ところでプロデューサー殿♪」
P「な、なんだ」
律子「ゆうべはおたのしみでしたね」
48 = 14 :
なんか物悲しいけど一抹の狂気を孕んでそうな雰囲気がなんとも…
49 :
アイドル勢つめてーなおい
50 = 1 :
P「え?」
律子「響と貴音、それに春香が言っていましたよ、昨日小鳥さんと飲みに行ったらしいじゃないですか。まったく、次の日は仕事なんだからそこらへん考えてくださいね?」
律子「それに……私もお酒が飲める年齢なんですよ?」
P「はは、そうだったな。今度あずささんたちも誘って行くか?」
律子「はい! 行きましょうね、約束ですよ?」
P「おう」
小鳥「春香ちゃん……会いましたっけ?」
P「き、きっと遠目に見たとかじゃないですか」
小鳥「そ、そうですね」
みんなの評価 : ★★★
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