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    元スレ照「は?お見合い?」菫「そうだ」

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    51 = 27 :

    「あの…」

    「ん?」

    「はっきりさせておきたいことがあるんです」

    「宥、その話は今はやめなさい」

    「でも、私が今日のお見合いに出席した一番の理由だから」

    「お姉ちゃん…」

    「なんでしょうか?」

    「私が弘世さんのお家へ嫁いだ場合、私の実家への支援は約束されているのでしょうか?」

    「…私にはなんとも」

    「すいません弘世さん」

    菫父「はははっ、なんともはっきりおっしゃる娘さんだ」

    菫母「お父様のお気に召したのも納得ね」

    「…」

    52 = 27 :

    「あの、それで…」

    菫父「約束しよう、跡取りの伴侶の実家を潰すような真似はしない」

    「(跡取り、伴侶、実家…遠い世界の言葉だよ…)」

    「(菫がどんどん離れていく感じがする…松実さんも私と同い年なのにすごくしっかりしているし…)」

    「ありがとうございます、本当に、ありがとうございます」フカブカ

    菫父「じゃあ、そろそろ私たちは出るから」

    「はい」

    菫母「じゃあ、宮永さんもこちらへ」

    「いや!照は、その、ここにいてくれ」

    「でも、」

    「いいから」

    「…うん」

    「クロちゃんも、ここにいて」

    「うん、お姉ちゃん」

    53 = 27 :

    「外の二人もどこかへやってください」

    菫母「そう?護衛と思いなさい」

    「結構ですので、それに松実さんも照も怖がっています」

    菫母「はいはい、あなたの方が恐ろしいけどね」クスクス

    「…なにか?」

    菫母「いえなにも。それじゃ」


    「ふぅ…あぁ、もう」

    「は、はぁ…やっと普通に呼吸できるかも」

    「…正直同感です」

    「…私も」

    「すいません、堅苦しいのはやめろと言っているんですが」

    「そういう問題でもないような…」

    56 = 27 :

    「あ、宮永さんどうしてこちらへ?」

    「えあぁ…」

    「どうにも緊張してしまったので、付き添いを頼みましたすいません」

    「いえそんな」

    「…ところで、松実館というのはそんなに逼迫しているのですか?」

    「はい、正直なところ…母が亡くなってからは右肩下がりで…」

    「そうですか…私はすぐにでも支援をと言いたいですが」

    「しかしやはり結婚が決まらなくては現実的には厳しいですね」

    「…それでいいんですか?」

    「え?」

    「実家を守るために嫁ぐなんて…それってなんか」

    「照、黙れ。誰だってそんなものは嫌なんだ、でも仕方のないこともある」

    「物事はそう簡単じゃない。松実さんがそれを望むなら、私は受け入れる」

    「…ごめん」

    57 = 27 :

    「最初は、お見合いなんて迷惑な話って思っていました」

    「けれど、金銭的な支援のお話も頂いて…父はすぐにノリ気になって…」

    「私も正直なことを言います」

    「あぁ、その方が嬉しい」

    「おいしい話だと思いました、結婚で支援を受けられるなら、と」

    「まあ、当然の感想ですね」

    「(なんか、なんか変だよ…わかるけど、わかるけど変だよ!)」

    「(これでいいの?…いいのかなぁ…)」

    「これでいいの?お姉ちゃん」

    「(ドラローさん!)」

    58 :

    そら支援よ

    59 = 27 :

    「いいのかなぁ、なんだかなぁ」

    「クロちゃん…」

    「君のお姉さんは実家を守るためにここまでしている」

    「…はい、わかってます」

    「それはお姉さんにしか出来ないことだからだ。

    「じゃあ、実家を守るために君に出来ることは?」

    「私に出来ること…?」

    60 = 37 :

    実家のため(建前)

    61 = 27 :

    「別に支援をしてくれる人を探す?それとも、何かいい案がある?」

    「……」

    「君が姉思いなのは十分すぎるほど伝わってくるし、私も心苦しい」

    「だが、ただ単純にお姉ちゃんが可哀想だからとか言う理由で、」

    「それでいいのか?と言うのはお姉さん自身を否定することになる」

    「でも、…でも!こんなのって!」

    「落ち着いて」

    「菫は落ち着きすぎでしょ。いつもと違う」

    「私はいつも落ち着いている」

    「違う、違うよ」

    「いいんです、私は覚悟を決めてここに来ています」

    「だから、いいんです…」

    「松実さん…」

    「お姉ちゃん…」

    62 :

    気になって眠れない

    63 = 27 :

    「奈良を離れるのも、妹を置いていくのも抵抗があります」

    「でも、それで実家の旅館が、母が愛した旅館を守られるなら」

    「私は、この結婚受け入れます…弘世さんがそれでいいと言うなら」

    「……(言いたいことがあるはずなのに何も言えない)」

    「私は、松実さんがいいなら受け入れます」

    「ありがとうございます」ニコッ

    「い、いやぁ//」

    「(…菫。私はこれでいいの?松実さんが、菫が、じゃない。)」

    「(私はいいの?…納得できるの?)」

    「うちの家はまあ、少し特殊ですが、すぐに慣れると思います」

    「正直怖いですけど…大丈夫でしょうか」

    「…何かあれば、私があなたを守ります」

    「ふふ、弘世さんはかっこいいですね」

    「「そんな//…どうも」

    64 = 42 :

    どう見ても菫さんは宥姉に惚れてるんだよなぁ…

    65 :

    細かいがきっちりした話し方で話してるなら
    すいませんよりすみませんの方がいい

    66 :

    幸せそうじゃん

    67 = 58 :

    宥姉の結婚出来るなら満更でもなくなるのは当たり前である

    68 :

    結婚までの過程が荒すぎる(小並感)

    69 :

    仕方ないと見せかけて菫さん普通に惚れてた
    可愛い

    70 = 27 :

    「それで、松実さんは」

    「宥でいいです、クロちゃんも松実なので」

    「あ、じゃあ…宥さんはうちの祖父を覚えていらっしゃるんですか?」

    「いえ、実はあまり…だから本当に驚いたんです」

    「そうでしたか…」

    「けれど渡りに船とはまさにこのことですね」

    「…政略結婚とか、お金のためだとか、きっといろいろ言われると思いますが」

    「結婚する以上は、私はあなたを大切にします、安心してください」

    「(ドラローさんもずっと黙ったままだし、なんか仲良くなってるし…)」

    「(もう帰りたい…)」

    「はい、…少し、ほっとしました」

    「それはよかった…ですが、実は私も」

    「…照、隣にいてくれてありがとう」

    「へ?」

    「なんだその間抜けな声は」

    71 :

    あれ、これ結婚しちゃうんじゃね…?

    72 = 58 :

    宥菫と見せかけ照菫
    と見せかけてやっぱり宥菫に落ち着いたら噴く
    そういう意味ではどっちに転ぶか分からない

    73 = 36 :

    見逃せない

    74 = 37 :

    これから恋愛感情のない宥姉のハートを必死にSSする菫さんが見れると思うと胸熱

    75 = 24 :

    この後の展開気になる

    76 = 27 :

    「いや、私何もしてないし…」

    「隣にいてくるだけでいいって言っただろ」

    「でも」

    「助かったよ、お前が隣にいるだけで、それだけでリラックスできた」

    「…(喜んでいいのかわからないよ…菫…私は、私はっ)」

    「ありがとな、照」

    「うん…(どうする?これでいい?これで終わりなの?私はこれでいいの?)」

    「クロちゃんもだよ?ありがとう」ギュウ

    「お姉ちゃぁん」グスッ

    「クロちゃん暖かいよ」

    「私は暖かくないっ」

    「玄ちゃん、ありがとう」

    「お姉ちゃん、グス、お姉ちゃん」

    77 :

    照より宥のほうが愛人似合うよね

    78 = 37 :

    >>77
    愛人も未亡人も熟せる霞さんじゅうななさい最強

    79 = 58 :

    「妻」とか「母」が似合うから
    個人的には照のが愛人っぽい

    80 = 71 :

    果たしてここからてるてるが逆転する目はあるのか

    81 = 27 :

    帰り道

    「…車で帰らなくてよかったの?」

    「いいんだ、お前と歩いて帰りたかったから」

    「そのためにわざわざ着替えるって…」

    「あんなもの来て街中を歩いてたらおかしいだろ」

    「おかしくはないけど目立つよね」

    「だろ」

    「でも驚いたなぁ、菫の家がああいう家だとは…」

    「隠しておきたかったがな、仕方ないな」

    「まあそれはわかるけどさ」

    「あの中で育つとそうもおかしいと思わないんだが、世間の目は冷たいからな」

    「…正直怖いしね」

    「そうしないと舐められるからな、生きる術だよ」

    82 :

    チャンスタイムです

    83 = 37 :

    てるてるはチャンス×な気がする

    84 = 27 :

    「あと言っていなかったことがもう一つ」

    「なに?」

    「私は高校3年間だけ麻雀に打ち込むことを許されているんだ」

    「え?」

    「よくうちの組、えっと、その、父の部下たちと打っていたんだが」

    「それだけに飽き足らず競技麻雀に挑戦したくなったんだよ」

    「それで、白糸台に入ったんだ」

    「そうか、それで中学の実績が一切なかったんだね」

    「まあな、でもそれももうすぐ終わる…卒業したら父の補佐に収まる予定だ」

    「…遠くに行っちゃうね」

    「話したくなかった反面、今いろいろ話せてよかったと思っているよ」

    「そっか」

    「お前は大切な友達だから、…卒業しても、付き合いを続けたい」

    「…照が、そんな仕事をしている私を嫌でなければだが…」

    85 = 27 :

    「(大切な、友達か…そう、友達、だよね、私たち)」

    「嫌なわけない、菫は菫。家とか仕事とか、関係ない」

    「ふふ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」

    「…ねえ、菫、ホントに結婚するの?」

    「なんだよ唐突に」

    「なんだか、夢なんじゃないかって」

    「夢じゃないよ、私はあの子と結婚する。事実だ」

    「菫は怒るかもしれないけど聞いてもいい?」

    「なんだ?」

    「…好きじゃない人と結婚って、ホントにそれでいいの?」

    「いろんな事情は今日話を聞いていてわかったつもりだけど、でも、」

    「でもやっぱり、これが一番正しい結末なんだって思えない」

    「…そうか」

    86 = 71 :

    たまにはこんな重い展開もいいじゃん(いいじゃん)

    87 :

    これで照菫になったらただでさえ複雑な家庭がもっと酷い事に

    88 = 58 :

    照菫宥好き

    89 :

    全力で欝エンドでもいいのよ

    むしろそうあれかし

    90 = 27 :

    「うーん……」

    「菫?」

    「私はな、あの子を救いたい。お金で何とかなることならしてあげたい」

    「それは恋愛感情ではないのかもしれない」

    「けれどそれが必ずしも不幸な結婚になるとは思わない」

    「……」

    「照に納得してもらえないのは仕方がないと思う、うちの家は一般家庭とは違うから」

    「けれど、照もいつかわかってくれると信じているよ」

    「…ずるい」

    「え?」

    「そんなことを言われたら…納得しなきゃいけないじゃん」

    91 = 69 :

    かっこいいな菫さん

    92 = 27 :

    「…それはすまない」

    「…もういい、わかった」

    「ありがとう」

    「うん、でも、もう一つだけ言わなきゃいけないことがあるんだ」

    「ん?」

    「…きっと、今言わない後悔するから」

    「ていうか、今しか言える気がしないから、言うね」

    「な、なんだよ」

    「(勇気出せ、私頑張れ…)」

    「菫を引き止めたいとか、結婚をやめて欲しいとかそういうことじゃないからね」

    「そんな気は一切、いやちょっとだけあるけど、でもあんまり関係ないの」

    「ただ、私が後悔しないように言いたいだけだからそう思ってよね」

    「わかった、言って」

    93 :

    宥菫も好きなんだけどなんだろう
    このSSはテルーを応援してしまう

    94 = 24 :

    宥姉と幸せになってほしいがテルーも幸せになってほしい

    95 = 27 :

    「…うん」

    「菫、私はね、菫が好きだよ」

    「…照」

    「お見合いって聞いて面白くなかった、もやもやしてたんだ」

    「今日来たのも、そんな気持ちがよくわからなくてイライラしてたから」

    「…お見合いなんかなくなっちゃえばいいって思った」

    「だからほんとにそれでいいの?って聞きたかったの」

    「でも菫は、この結婚が必ずしも不幸じゃないって言うからさ、」

    「ならもう私は、気持ちをはっきり伝えてふってもらいたいって思った」

    「好きだよ、菫。きっと、ずっと好きだった。今日のことがなければ」

    「自覚しなかったかもしれない、…いつも私を支えてくれてありがとう、大好き」


    時が止まったかと思った。
    すぐそばの車道では車やバイクが行き交っているのに、
    なのに、私と菫の間の時間だけが止まっているかのように感じた。
    二人とも固まったまま、言葉も交わさず、ただその場から動けなかった。

    96 = 71 :

    胸が痛くなってきた

    97 = 89 :

    ???「その言葉が聞きたかった」

    98 = 27 :

    恒子「インターハイ3連覇中の白糸台高校!今年は苦しみながらも決勝まで駒を進めてきました!」

    健夜「今年の白糸台は宮永さんが抜けて少々小粒になりましたが、」

    健夜「その穴を少しでも埋めるべく、と転校生の選手が非常に頑張っていますね」

    恒子「さて、決勝戦先鋒戦!その転校生、……こと、



    白糸台高校3年、ドラゴンロードの松実玄選手の登場だぁぁぁぁ!!」




    「ドラゴンロードってかっこいいよね」

    「シャープシューターの方がかっこいいだろ」

    「どっちもかっこいいですよ」

    「ていうかお前は解説者なんだからもっといい席にでもいけよ」

    「やだ、菫と宥さんと一緒に見たいんだもん」

    「照ちゃんは妹みたい」

    「お姉ちゃーん」

    「さりげなく宥に触るなバカ」

    99 = 69 :

    おおお

    100 = 89 :

    3年組の絡みもいいですねぇ


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