元スレ照「は?お見合い?」菫「そうだ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 = 27 :
宥「あの…」
菫「ん?」
宥「はっきりさせておきたいことがあるんです」
宥父「宥、その話は今はやめなさい」
宥「でも、私が今日のお見合いに出席した一番の理由だから」
玄「お姉ちゃん…」
菫「なんでしょうか?」
宥「私が弘世さんのお家へ嫁いだ場合、私の実家への支援は約束されているのでしょうか?」
菫「…私にはなんとも」
宥父「すいません弘世さん」
菫父「はははっ、なんともはっきりおっしゃる娘さんだ」
菫母「お父様のお気に召したのも納得ね」
宥「…」
52 = 27 :
宥「あの、それで…」
菫父「約束しよう、跡取りの伴侶の実家を潰すような真似はしない」
照「(跡取り、伴侶、実家…遠い世界の言葉だよ…)」
照「(菫がどんどん離れていく感じがする…松実さんも私と同い年なのにすごくしっかりしているし…)」
宥「ありがとうございます、本当に、ありがとうございます」フカブカ
菫父「じゃあ、そろそろ私たちは出るから」
菫「はい」
菫母「じゃあ、宮永さんもこちらへ」
菫「いや!照は、その、ここにいてくれ」
照「でも、」
菫「いいから」
照「…うん」
宥「クロちゃんも、ここにいて」
玄「うん、お姉ちゃん」
53 = 27 :
菫「外の二人もどこかへやってください」
菫母「そう?護衛と思いなさい」
菫「結構ですので、それに松実さんも照も怖がっています」
菫母「はいはい、あなたの方が恐ろしいけどね」クスクス
菫「…なにか?」
菫母「いえなにも。それじゃ」
菫「ふぅ…あぁ、もう」
照「は、はぁ…やっと普通に呼吸できるかも」
玄「…正直同感です」
宥「…私も」
菫「すいません、堅苦しいのはやめろと言っているんですが」
照「そういう問題でもないような…」
56 = 27 :
宥「あ、宮永さんどうしてこちらへ?」
照「えあぁ…」
菫「どうにも緊張してしまったので、付き添いを頼みましたすいません」
宥「いえそんな」
菫「…ところで、松実館というのはそんなに逼迫しているのですか?」
宥「はい、正直なところ…母が亡くなってからは右肩下がりで…」
菫「そうですか…私はすぐにでも支援をと言いたいですが」
菫「しかしやはり結婚が決まらなくては現実的には厳しいですね」
照「…それでいいんですか?」
宥「え?」
照「実家を守るために嫁ぐなんて…それってなんか」
菫「照、黙れ。誰だってそんなものは嫌なんだ、でも仕方のないこともある」
菫「物事はそう簡単じゃない。松実さんがそれを望むなら、私は受け入れる」
照「…ごめん」
57 = 27 :
宥「最初は、お見合いなんて迷惑な話って思っていました」
宥「けれど、金銭的な支援のお話も頂いて…父はすぐにノリ気になって…」
宥「私も正直なことを言います」
菫「あぁ、その方が嬉しい」
宥「おいしい話だと思いました、結婚で支援を受けられるなら、と」
菫「まあ、当然の感想ですね」
照「(なんか、なんか変だよ…わかるけど、わかるけど変だよ!)」
照「(これでいいの?…いいのかなぁ…)」
玄「これでいいの?お姉ちゃん」
照「(ドラローさん!)」
58 :
そら支援よ
59 = 27 :
玄「いいのかなぁ、なんだかなぁ」
宥「クロちゃん…」
菫「君のお姉さんは実家を守るためにここまでしている」
玄「…はい、わかってます」
菫「それはお姉さんにしか出来ないことだからだ。
菫「じゃあ、実家を守るために君に出来ることは?」
玄「私に出来ること…?」
60 = 37 :
実家のため(建前)
61 = 27 :
菫「別に支援をしてくれる人を探す?それとも、何かいい案がある?」
玄「……」
菫「君が姉思いなのは十分すぎるほど伝わってくるし、私も心苦しい」
菫「だが、ただ単純にお姉ちゃんが可哀想だからとか言う理由で、」
菫「それでいいのか?と言うのはお姉さん自身を否定することになる」
玄「でも、…でも!こんなのって!」
菫「落ち着いて」
照「菫は落ち着きすぎでしょ。いつもと違う」
菫「私はいつも落ち着いている」
照「違う、違うよ」
宥「いいんです、私は覚悟を決めてここに来ています」
宥「だから、いいんです…」
照「松実さん…」
玄「お姉ちゃん…」
62 :
気になって眠れない
63 = 27 :
宥「奈良を離れるのも、妹を置いていくのも抵抗があります」
宥「でも、それで実家の旅館が、母が愛した旅館を守られるなら」
宥「私は、この結婚受け入れます…弘世さんがそれでいいと言うなら」
照「……(言いたいことがあるはずなのに何も言えない)」
菫「私は、松実さんがいいなら受け入れます」
宥「ありがとうございます」ニコッ
菫「い、いやぁ//」
照「(…菫。私はこれでいいの?松実さんが、菫が、じゃない。)」
照「(私はいいの?…納得できるの?)」
菫「うちの家はまあ、少し特殊ですが、すぐに慣れると思います」
宥「正直怖いですけど…大丈夫でしょうか」
菫「…何かあれば、私があなたを守ります」
宥「ふふ、弘世さんはかっこいいですね」
菫「「そんな//…どうも」
64 = 42 :
どう見ても菫さんは宥姉に惚れてるんだよなぁ…
65 :
細かいがきっちりした話し方で話してるなら
すいませんよりすみませんの方がいい
66 :
幸せそうじゃん
67 = 58 :
宥姉の結婚出来るなら満更でもなくなるのは当たり前である
68 :
結婚までの過程が荒すぎる(小並感)
69 :
仕方ないと見せかけて菫さん普通に惚れてた
可愛い
70 = 27 :
菫「それで、松実さんは」
宥「宥でいいです、クロちゃんも松実なので」
菫「あ、じゃあ…宥さんはうちの祖父を覚えていらっしゃるんですか?」
宥「いえ、実はあまり…だから本当に驚いたんです」
菫「そうでしたか…」
宥「けれど渡りに船とはまさにこのことですね」
菫「…政略結婚とか、お金のためだとか、きっといろいろ言われると思いますが」
菫「結婚する以上は、私はあなたを大切にします、安心してください」
照「(ドラローさんもずっと黙ったままだし、なんか仲良くなってるし…)」
照「(もう帰りたい…)」
宥「はい、…少し、ほっとしました」
菫「それはよかった…ですが、実は私も」
菫「…照、隣にいてくれてありがとう」
照「へ?」
菫「なんだその間抜けな声は」
71 :
あれ、これ結婚しちゃうんじゃね…?
72 = 58 :
宥菫と見せかけ照菫
と見せかけてやっぱり宥菫に落ち着いたら噴く
そういう意味ではどっちに転ぶか分からない
73 = 36 :
見逃せない
74 = 37 :
これから恋愛感情のない宥姉のハートを必死にSSする菫さんが見れると思うと胸熱
75 = 24 :
この後の展開気になる
76 = 27 :
照「いや、私何もしてないし…」
菫「隣にいてくるだけでいいって言っただろ」
照「でも」
菫「助かったよ、お前が隣にいるだけで、それだけでリラックスできた」
照「…(喜んでいいのかわからないよ…菫…私は、私はっ)」
菫「ありがとな、照」
照「うん…(どうする?これでいい?これで終わりなの?私はこれでいいの?)」
宥「クロちゃんもだよ?ありがとう」ギュウ
玄「お姉ちゃぁん」グスッ
宥「クロちゃん暖かいよ」
玄「私は暖かくないっ」
宥「玄ちゃん、ありがとう」
玄「お姉ちゃん、グス、お姉ちゃん」
77 :
照より宥のほうが愛人似合うよね
78 = 37 :
>>77
愛人も未亡人も熟せる霞さんじゅうななさい最強
79 = 58 :
宥姉は「妻」とか「母」が似合うから
個人的には照のが愛人っぽい
80 = 71 :
果たしてここからてるてるが逆転する目はあるのか
81 = 27 :
帰り道
照「…車で帰らなくてよかったの?」
菫「いいんだ、お前と歩いて帰りたかったから」
照「そのためにわざわざ着替えるって…」
菫「あんなもの来て街中を歩いてたらおかしいだろ」
照「おかしくはないけど目立つよね」
菫「だろ」
照「でも驚いたなぁ、菫の家がああいう家だとは…」
菫「隠しておきたかったがな、仕方ないな」
照「まあそれはわかるけどさ」
菫「あの中で育つとそうもおかしいと思わないんだが、世間の目は冷たいからな」
照「…正直怖いしね」
菫「そうしないと舐められるからな、生きる術だよ」
82 :
チャンスタイムです
83 = 37 :
てるてるはチャンス×な気がする
84 = 27 :
菫「あと言っていなかったことがもう一つ」
照「なに?」
菫「私は高校3年間だけ麻雀に打ち込むことを許されているんだ」
照「え?」
菫「よくうちの組、えっと、その、父の部下たちと打っていたんだが」
菫「それだけに飽き足らず競技麻雀に挑戦したくなったんだよ」
菫「それで、白糸台に入ったんだ」
照「そうか、それで中学の実績が一切なかったんだね」
菫「まあな、でもそれももうすぐ終わる…卒業したら父の補佐に収まる予定だ」
照「…遠くに行っちゃうね」
菫「話したくなかった反面、今いろいろ話せてよかったと思っているよ」
照「そっか」
菫「お前は大切な友達だから、…卒業しても、付き合いを続けたい」
菫「…照が、そんな仕事をしている私を嫌でなければだが…」
85 = 27 :
照「(大切な、友達か…そう、友達、だよね、私たち)」
照「嫌なわけない、菫は菫。家とか仕事とか、関係ない」
菫「ふふ、ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ」
照「…ねえ、菫、ホントに結婚するの?」
菫「なんだよ唐突に」
照「なんだか、夢なんじゃないかって」
菫「夢じゃないよ、私はあの子と結婚する。事実だ」
照「菫は怒るかもしれないけど聞いてもいい?」
菫「なんだ?」
照「…好きじゃない人と結婚って、ホントにそれでいいの?」
照「いろんな事情は今日話を聞いていてわかったつもりだけど、でも、」
照「でもやっぱり、これが一番正しい結末なんだって思えない」
菫「…そうか」
86 = 71 :
たまにはこんな重い展開もいいじゃん(いいじゃん)
87 :
これで照菫になったらただでさえ複雑な家庭がもっと酷い事に
88 = 58 :
照菫宥好き
89 :
全力で欝エンドでもいいのよ
むしろそうあれかし
90 = 27 :
菫「うーん……」
照「菫?」
菫「私はな、あの子を救いたい。お金で何とかなることならしてあげたい」
菫「それは恋愛感情ではないのかもしれない」
菫「けれどそれが必ずしも不幸な結婚になるとは思わない」
照「……」
菫「照に納得してもらえないのは仕方がないと思う、うちの家は一般家庭とは違うから」
菫「けれど、照もいつかわかってくれると信じているよ」
照「…ずるい」
菫「え?」
照「そんなことを言われたら…納得しなきゃいけないじゃん」
91 = 69 :
かっこいいな菫さん
92 = 27 :
菫「…それはすまない」
照「…もういい、わかった」
菫「ありがとう」
照「うん、でも、もう一つだけ言わなきゃいけないことがあるんだ」
菫「ん?」
照「…きっと、今言わない後悔するから」
照「ていうか、今しか言える気がしないから、言うね」
菫「な、なんだよ」
照「(勇気出せ、私頑張れ…)」
照「菫を引き止めたいとか、結婚をやめて欲しいとかそういうことじゃないからね」
照「そんな気は一切、いやちょっとだけあるけど、でもあんまり関係ないの」
照「ただ、私が後悔しないように言いたいだけだからそう思ってよね」
菫「わかった、言って」
93 :
宥菫も好きなんだけどなんだろう
このSSはテルーを応援してしまう
94 = 24 :
宥姉と幸せになってほしいがテルーも幸せになってほしい
95 = 27 :
照「…うん」
照「菫、私はね、菫が好きだよ」
菫「…照」
照「お見合いって聞いて面白くなかった、もやもやしてたんだ」
照「今日来たのも、そんな気持ちがよくわからなくてイライラしてたから」
照「…お見合いなんかなくなっちゃえばいいって思った」
照「だからほんとにそれでいいの?って聞きたかったの」
照「でも菫は、この結婚が必ずしも不幸じゃないって言うからさ、」
照「ならもう私は、気持ちをはっきり伝えてふってもらいたいって思った」
照「好きだよ、菫。きっと、ずっと好きだった。今日のことがなければ」
照「自覚しなかったかもしれない、…いつも私を支えてくれてありがとう、大好き」
時が止まったかと思った。
すぐそばの車道では車やバイクが行き交っているのに、
なのに、私と菫の間の時間だけが止まっているかのように感じた。
二人とも固まったまま、言葉も交わさず、ただその場から動けなかった。
96 = 71 :
胸が痛くなってきた
97 = 89 :
???「その言葉が聞きたかった」
98 = 27 :
恒子「インターハイ3連覇中の白糸台高校!今年は苦しみながらも決勝まで駒を進めてきました!」
健夜「今年の白糸台は宮永さんが抜けて少々小粒になりましたが、」
健夜「その穴を少しでも埋めるべく、と転校生の選手が非常に頑張っていますね」
恒子「さて、決勝戦先鋒戦!その転校生、……こと、
白糸台高校3年、ドラゴンロードの松実玄選手の登場だぁぁぁぁ!!」
照「ドラゴンロードってかっこいいよね」
菫「シャープシューターの方がかっこいいだろ」
宥「どっちもかっこいいですよ」
菫「ていうかお前は解説者なんだからもっといい席にでもいけよ」
照「やだ、菫と宥さんと一緒に見たいんだもん」
宥「照ちゃんは妹みたい」
照「お姉ちゃーん」
菫「さりげなく宥に触るなバカ」
99 = 69 :
おおお
100 = 89 :
3年組の絡みもいいですねぇ
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