元スレ律子「竜宮小町の結成から、もう10年も経ったのか……」

みんなの評価 : ☆
1 :
律子「約束の時間か……」
時計を見て、約束の時間が迫っているのを知ると、
出かける、と部下に言い残し、一人指定された場所に向かった。
ガチャ
律子「失礼します……」
指定した場所に入ると、そこに一人の男性が座っていた。
男「やっと来たか……」
律子「待たせてしまい、申し訳ありません……」
男「まぁ、そう固くならんでくれ。せっかくの楽しい時間が台無しじゃないか」
律子「はい……」
男「じゃあ、今日も楽しませてもらうよ」
律子「……」
2 = 1 :
・
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・
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・
・
シュポ
律子「ふぅ……」
天井を仰ぎ見ながら、ベットの上でタバコをふかす。
さっきまで事を及んでいた男は、既にこの場から立ち去っている。
3 = 1 :
仕事合間の一服。これが私の数少ない楽しみの一つだ。
タバコは体に毒だというが、ストレス発散にこれほど良い物はない。
口から吐き出される煙と一緒に、
体に溜まっていたモノがすべて出ていっているような感じがする。
喫煙中の爽快感は、飲酒時のほろ酔い気分同様に、
私の気を落ち着かせてくれる数少ない時間だ。
だが、酒や煙草で気を落ち着かせたところで、記憶は忘れることは出来ない。
出来れば今の男との、いや今までの10年の記憶も、
煙に乗せて忘れ去れることが出来ればいいのだが……
4 = 1 :
******
10年前、私はアイドルを諦め、前から手伝っていたプロデューサー業に転身した。
憧れていたアイドルを諦めることは容易ではなかったが、
なによりも18になってもパッとしない自分に将来があるか不安だった。
だから、心機一転プロデューサーとして、
まだ夢を追いかける彼女たちをサポートする道に進んだ。
5 = 1 :
しかし、この時、765プロは窮地に立たされていた。
もともと、社長は経営上手ではなかった。
アイドルに対しては自由放任主義を取って、アイドルがノビノビと出来る環境を作っていた。
だが、それゆえに財務環境が常に放漫状態となり、経営状態は火の車となっていた。
個を重要視しては、経営が成り立たなくなる。
これは、アイドル時代に見てきた光景で学んだことだ。
だから、プロデューサーになり、経営に関わるようになってからは、
全体を重要視し、そして事務所に対して献身的になるようになった。
6 = 1 :
765プロの社運をかけて、竜宮小町を結成したものの、最初は鳴かず飛ばずの有様だった。
もともと弱小プロダクションである765プロにセールス力があるはずもなく、
売り込みをしても無視されるのが関の山。営業するだけ無駄にも思えた。
……そんな毎日が数ヶ月続いたある日、
あるテレビ局の音楽番組のディレクターに売り込みをかけていた。
いつもの通り、軽くあしらわれるか無視されるかと思っていたが、この日は違った。
セールスに対応してくれたばかりではなく、局の一室でじっくり話を聞いてくれることになった。
7 = 1 :
この時は、日頃のセールスの成果かと思い、
何の疑いを持つことなく、ディレクターの言われるまま後をついっていった。
私がディレクターに連れてこられた場所は、仮眠室のような部屋だった。
男「悪いね、こんな部屋しか準備できなくて」
律子「いえいえ、話を聞いていただけるのであれば、どこでも構いませんよ」
男「では、君の話を聞こうか」
律子「はい!」
今までろくな対応をされてこなかった、また千載一遇の好機と捉えていたことから、
この時は自分の持てる全てを使って売りこんだ。
8 = 1 :
男「……なるほど。すると君はまだ10代というのか。
それにしては、随分仕事に慣れている印象を受けるが。」
律子「アイドル時代にも、プロデューサーのような仕事をしていましたから、ある程度はできます!」
男「ははは。それは大変なアイドル時代だったんだな。……10代の元アイドルか」
律子「あの~それで、どのようなものでしょうか……」
男「ふむ……。
……やっぱり駄目だな。」
律子「しかし……」
男「実績も何もない新人のアイドルユニットをテレビに出させられるか。
メジャーな事務所ならともかくとして、
765プロみたいなマイナーな事務所に割けるだけの尺は余ってないよ。」
律子「そんな……」
9 = 1 :
男「だが、私も鬼ではない。そこまで頼まれたら便宜を計ってやらんでもない。
ただ……」
律子「ただ?」
男「君も、女性だろう?」
律子「……」
男「どんなことをすれば男が言うことを聞いてくれるのか……」
律子「……」
男「良くわかっているはずだと思うが?」
律子「……」
11 = 1 :
男「よく考えて欲しい」
律子「……」
男「君は、仕事を得て事務所の経営を安定させることが出来る。」
律子「……」
男「そして、この私はその対価として君からの接待を受ける」
律子「……」
男「悪い話じゃないだろう?」
律子「……」
男「お互い、WIN-WINな関係になろうじゃないか!」ガッ
律子「や、やめてくだい! これ以上すると、警察に届出ますよ!?」
男「それはどうかな? 君が、みすみすこの好機を逃すとおもうか?」
律子「……」
12 :
盛り上がってまいりました
13 = 1 :
男「それに、警察沙汰になれば一番困るのはそっちだろう?
今、売り出そうとているという最中だというのに、
ゴタゴタを起こして、敬遠されるのは嫌だろう?
どのみち仕事が回ってこなければ、君の事務所は潰れ、
アイドルは路頭に迷うことになる。
それは、是が非でも避けたいよね?」
律子「くっ……」
男「おとなしく、現実を受け止めるんだな!」バッ
律子「やめ――」
男「君みたいなキャリア・ウーマン、それも美しい女性が、
屈辱に満ちた表情を浮かべながら征服される姿を見るのが、とても好きなんだよ!」
14 = 1 :
・
・
・
・
・
・
このあと、私が男に何をされたのかは記憶にない。
ただ言えることは、記憶が戻った時、私は衣服が乱れた状態で、
ベッドの上で仰向けで寝ていたということだけだ。
男「ああ、今起きたのか。」
律子「……」キッ
男「そそるねぇ、素晴らしい表情だよ。
まぁ、素晴らしいのは顔だけじゃなく、身体も、そして声もだったけど。」
律子「……」
15 :
見てるぞ
16 = 1 :
男「君の嬌声はとても艶やかて、そしてとても淫靡的だったよ。
身体もこの上ないというのに、声も一品とはね。
君はやっぱり、アイドル業やっているよりも“接待”するほうが向いているよ」ハッハッハッハ
律子「くっ……」
男「ああ、そうそう。君の話だったがね、やっぱりオファーさせてもらうことにしたよ。」
律子「……」
男「勿論、君が引き受けるかどうかだが。
どうかね?」
律子「……それで」
男「んん?」
17 :
涼ちんちんぺろぺろ
18 = 1 :
律子「それで、あなたを接待すれば支援は望めるんですか……」
男「ああ、そうだよ。君が、一切を誰にも話すことなく、
これからも接待してくれるのなら、そうさせてもらうよ」
律子「……ありがとうございます」
男「ただ、君には勘違いしてもらいたくない。」
律子「……」
男「この二者間の関係は、決して一方的なものではない」
律子「……」
男「お互いの利害関係の一致に基づく、正当で公平なものだ。そして、これは公正な契約だ。」
律子「……」
男「そこのところ、よく忘れないでほしい」
19 = 1 :
男の元を離れ、家に戻ると、その夜、私は声が枯れるまで泣き叫んだ。
だが、半ば無理やりだったとはいえ抵抗らしい抵抗もせず、
相手のされるがまま好き放題されるのを許し、
あまつさえ男に媚びて、見返りを求めてしまったのは私の誤ちだった。
20 :
たまらんですなぁ
22 = 1 :
仕事のためとはいえ、自分を犠牲にしてまでも事務所を守るべきなのか……
私は、悩みに悩んだ。
しばらく苦悩するうち、不意に脳裏に765プロの光景が横切った。
辛いレッスンに涙し、仕事でクタクタになりながらも、笑い合い、励まし合っている光景……
そんな楽しい日常を壊したくはない。
生殺与奪の権利を手にしてしまった以上、私に選択肢は無かった。
23 :
書き溜めはなし?
24 = 1 :
アミューズメントミュージックへの出演以降、竜宮小町は躍進し、
他のアイドルたちも表舞台に立つことが多くなった。
もともと、彼女たちには素質があった。
だからこそ少ないチャンスを生かし、自らの活躍の場を広げていけたのだろうと思う。
だが、その裏で私が何人もの人間に接待をしていたのは言うまでもない。
芸能プロダクションの元会長、
レコード会社の重役、
広告会社の部長、
有力な雑誌記者……
数え始めたらきりがない。
25 = 1 :
>>23
プロット的なものしかない。
出来る限り、5分以内でレス出来るよう努める。
26 :
俺も十年後のアイマスss書いたけどうまくいかなかったな
しえ
27 = 1 :
この身を削る思いでやった営業の結果、765プロは窮地を脱することが出来た。
活躍の場が田舎の夏祭りから、ラジオへ、そしてテレビへと移り変わっていった。
それと共に、認知度も上昇していった。
アイドル達は、一歩一歩トップアイドルへの道を歩み始めていった。
だが、それと同時に765プロは崩壊への道も歩み始めていた。
28 = 1 :
竜宮小町の結成と時を同じくしたころ、765プロに新しいプロデューサーが加わった。
大学卒業したばかりの彼は、凛々しくとても頼りになりそうな男性だった。
とても人柄がよく、アイドルの相談にも快く応じてくれていた。
最初はミスも多くあり、ダブルブッキングや仕事のミスマッチ、等々、
失敗を重ねてばかりだったが、彼の直向きな姿がアイドルたちの目にも映り、
今まで以上に頑張るようになった。
特に、あの自堕落でサボりがちな美希を改心させた時は、驚くほかなかった。
事務所が一体となって頂点を目指す……
私が追い求めていた理想の事務所像がそこにはあった。
29 = 1 :
ある時、プロデューサーがアイドルたちの進路相談に応じているのを目撃した。
18という進路を決める大事な時期。アイドルたちは真剣にプロデューサーに相談していた。
もちろん、プロデューサーもアイドルたちの事を思って真剣に相談に応じていた。
だが、そのアイドルを思うがあまりの彼の行動に、私は苛立ちを覚え始めていた。
社長が体調を崩し、休む日が少しずつ出てきたころ、
ついに私の彼への苛立ちが爆発してしまった。
30 :
しえん
31 = 23 :
前回の律子視点か?
32 = 1 :
******
律子「プロデューサー殿、ちょっといいですか?」
P「なんだ、律子」
律子「プロデューサー殿は、とてもあの子たちのことを思ってくれていると思うんです。
そのことはとっても良いことなんです。」
P「当然じゃないか。プロデューサーだから、どんな些細なことでも相談に乗って、
少しでも彼女たちの不安を取り除くのが仕事のようなもんじゃないか。」
律子「それはそうなのですが……
プロデューサー殿は765プロのプロデューサーであられますよね?」
P「まぁ、給料を頂いている以上はそうなるわな。」
律子「であるなら、もう少し事務所的なことも考えて頂きたいというかですね……」
P「???」
33 = 1 :
律子「その……凄く申し上げにくい事なんですが、
彼女たちの進路について少しだけ、ほんとに少しだけ考え直してくれないかなぁ、と」
P「大学に行ったら悪いのか?
都内に近い場所なら通いながらでも、活動できると思うんだが」
律子「いえいえ、大学行くのは結構なんです。ですが、その……ですね……
通信制の大学があるのは御存じ……ですよね?」
P「ああ、勿論知っているが?」
律子「出来れば、そちらの方を勧めていただけないかなぁ、と……」
P「なんで、通信なんだ?
ちゃんと行ける学力があって、本人たちが行きたいと言っているんだから、
本人の意思を優先させてあげるべきなんじゃないか?
しかも、国立の女子大だぞ? 雪穂にとっては願ったり叶ったりの話じゃないか。
それを何で、通信なんかに進路変更させる必要があるんだ?」
34 = 1 :
律子「……。プロデューサー殿は、これから彼女たちをどうしていこうと思いますか?」
P「どうって……そりゃあ、トップアイドルに決まっているじゃないか」
律子「じゃあ、なんで授業で予定が潰れるような大学を勧めるんですか!
これから、どんどん予定が増えて、忙しくなっていく中で、
なんで、わざわざ普通の大学に行かせるんですか!!」
P「律子、そう怒るな。冷静になってみろ。」
律子「私は何時も冷静です!
大体、何で事務所が大きく跳躍しようという時に、彼女たちを優先するかなぁ……」
35 = 1 :
P「!!!
律子、その言葉は聞き捨てならないぞ!」
律子「一般論を申し上げたまでです。」
P「大体、さっきから事務所、事務所って、そんなに事務所を優先するべきなのか?
実際に活動している彼女たちの意思は黙殺されるものなのか?」
律子「……。すみません、言いすぎました……」
P「……」
律子「ただ、プロデューサー殿もよくよく考えていて下さい。」
事務所にとって彼女たちの意向だけを優先させることが本当に良いのか、
事務所に携わる一員として……」
36 :
この間のスレの裏の話か
欝いなぁ
だが支援
37 = 1 :
******
プロデューサーの言い分も良く分かる。
アイドルたちのパフォーマンスを最大限に伸ばす一番の方法は、何よりも自由にやらせること。
アイドル時代、高木社長が実践し、
私もその下で育ってきたのだから、分からないはずがなかった。
しかし、そんなことをやってばかりいては、再び危機に陥ってしまう。
だから、彼の言い分を受け入れるわけにはいかなかった。
この日を境に、事務所の経営方針を巡ってプロデューサーと対立するようになった。
38 = 1 :
アイドル達が一人、また一人と成長していく。
同時に765プロも成長していた。
オリジナルメンバー以外のアイドルも所属するようになり、
また彼以外のプロデューサーも加わった。
テレビへの出演も、かつていないほどになり、
765プロのアイドルがテレビで見かけない日は無くなった。
もうそこには、昔日の面影は無くなっていた。
だが、765プロの活躍とは裏腹に、プロデューサーとの対立は深刻化していった。
39 = 1 :
******
律子「プロデューサー。もっと事務所の経営についても考えてください。
彼女達の好きなようにやらせたいのはわかりますけど、それでは経営が成り立ちません。」
P「律子の言うこともわかる。
だがな、経営第一にしてアイドルの人生までも変えていいものなのか?
人の人生まで介入して良いものなのか?」
律子「それは、十分わかっています。
私もかつてアイドルでしたから、できれば自由にさせてあげたい。
けれども、今は転換期なんです。
次世代育成もままらない中、個人の自由を優先させたら、事務所が潰れます。
そして、今羽ばたこうとしているアイドルまでも潰そうとする気なんですか?」
P「潰そうなんて誰が思うか。
けれども、次世代のアイドルのために今の彼女たちを犠牲にしていいのかと言っているんだ!」
40 = 1 :
律子「いいですか。私達の事務所の立場を考えてください。
老舗でもない、コネもカネもない弱小プロダクションがここまでのし上がれたんですよ。
彼ら既存の事務所から考えれば、765プロ程鬱陶しいものはないです。
今、落ちてしまえば、もう二度と浮上することないよう工作を仕掛けてくるに違いありません。
そうなったら、次世代を担おうとしているアイドルたちはどうするんですか?」
P「そんな事務所力学的な御託は並べなくていい!」
律子「事実を言っているだけです!
プロデューサーは業界の闇を知らないから綺麗事だけ言えるんです。」
P「なら聞くが、事務所のためならアイドルに枕営業でもしろと言うのか!」
律子「なんで、そんな極論に至るんですか!」
P「だってそうだろう? 事務所のためなら、自己犠牲をいとわないって言ってるんだからな!」
41 = 1 :
******
枕営業だ?
なんで、そんな言葉を軽々しく言えるのか。
人がどんな思いで接待しているのをしらないから、軽々と言ってのけるのだろう。
好きでも何でもない相手に、自分の身体を好き放題に蹂躙され、
心まで征服される、そんな場面に遭遇したことがあるのか。
何処にも逃げようがない、あの絶望感を味わったことがあるのか。
42 = 36 :
>アイドルに枕営業でもしろと言うのか
りっちゃんが裏で何やってるか考えるときっついなぁこれ
43 :
泣きながら自分のやってきたことをぶちまけて、Pを黙らせて傷付けてやりたいという衝動に駆られているはず
44 = 1 :
綺麗事しか言わないプロデューサーを蔑むようになった。
所詮、プロデューサーも社長側の人間。
事務所の経営のことなど、大して深く考えてもいないのだろう。
人が裏で何をやっているかも知らないで、よくそこまでぬけぬけと言う。
“私が、この私がここまで765プロを大きくさせてきたんだ。”
そんなエゴイスティックな考えが、私の中で次第に肥大化していった。
45 = 36 :
前のスレでも思ったけど、このP駄目すぎだよね
46 = 1 :
765プロは着実に頂点へと登っていった。
各TV局の音楽賞を総なめすると、年の瀬の歌合戦に歌手、また応援団として出場し、
年明けの5大ドームツアーも大成功のうちに収めるなど、名実共にトップアイドルとなった。
ドーム最終公演である、東京ドームのラストで歌った「i」はファンにとっても、
そして765プロの全員にとっても深く突き刺さるものになった。
47 = 1 :
トップになってからというもの、プロデューサーとの関係は一旦は改善した。
プロデューサーと言いあうことも少なくなり、事務所の雰囲気も良いものへとなっていた。
だが、私の独り善がりな考えは、765プロがトップに立っても変わらなかった。
むしろ、私をより高慢にさせたのかもしれない。
崩壊への道は確実に進んでいた。
48 = 1 :
765プロの崩壊が決定的になった年は、
アイドル達の環境が大きく変わっていった年であった。
卒業に、進学、渡米留学。
プロデューサーの事務所を顧みない、独断専行的な行動に歯止めが効かなくなってきた。
だが、そんな些細なことはどうでもよかった。
最大の問題は、あずささんの婚約だった。
50 = 36 :
りっちゃんには幸せになって欲しいな
みんなの評価 : ☆
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