元スレ小椋「榊原くん、今月のお友達料払ってよ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
恒一「はい、2万円……」
小椋「確かに受け取ったわ」
恒一「これで今月も……」
小椋「分かってる。でも皆の前では話しかけないで」
恒一「……うん」
2 :
はやくしろカス
3 = 1 :
小椋「ところで次の日曜日、暇?」
恒一「え? 暇だけど……」
小椋「だよね。一緒に出かける友達もいなさそうだし」
恒一「酷い言われようだ……」
小椋「まあいっか。じゃあ日曜日、ちょっと付き合ってくれない?」
恒一「……買い物か何か?」
小椋「なんでもいいじゃない。勘繰るなら追加料金貰うから。断っても貰うけど」
恒一「えぇぇ……わ、分かったよ。行けばいいんだろ、行けばさ」
5 = 1 :
――――
――
恒一「……と、毎月お金を払ってこき使われるという、奴隷のような日々を送ってるんだけど……」
鳴「ひどい」
勅使河原「ああ、小椋のヤツ人間じゃねぇ! そんな女だとは思わなかったぜ……」
望月「月に2万も……お金はどうやって用意してるの?」
恒一「バイトでなんとかね。学校じゃ禁止されてるけどさ」
望月「ダメだよ、そんなの……そのバイト代もそんなに多くないんでしょ?」
恒一「まあ……4万くらいかな」
勅使河原「半分も持ってかれてるじゃねーか!」
恒一「あ、でも最初の月は『入会特典で無料』みたいな感じでタダにしてもらって……」
勅使河原「『もらって』じゃないだろ! なにしっかり飼い慣らされてんだよ!」
6 :
きたい
7 :
勅使河原「サカキ……友達料なんて無くても、今は俺達って友達がいるだろ? もう払うことないんだぜ」
鳴「そうね」
恒一「……でも、実はそう簡単な話じゃなくて」
勅使河原「あん?」
恒一「今日3人に相談に乗ってもらってるのはさ。実は、ここからが本題なんだけど」
恒一「僕が小椋さんを好きになってしまった場合は、どうすればいいんだろう」
勅使河原「えっ」
望月「えっ」
鳴「」
8 :
これを求めてた
9 = 7 :
鳴「うそ……」
恒一「いや、本当なんだ」
勅使河原「……サカキ。お前、大量に金を貢がされた上に、好きになったって……」
望月「ドM?」
恒一「……そうかもしれない。好きな人との関係を壊したくなくて、やめたいなんて言えない……」
鳴「うそ、うそだ……」フラフラ
勅使河原「おい、見崎の精神状態がやべえ。屋上から飛び降りそうだぞ」
望月「そんなことより、どうして小椋さんを好きになったの?」
恒一「……どうしてだろう」
10 = 7 :
恒一「……結構最初から、かも」
望月「最初、っていうと」
恒一「転校してきたばかりの頃だよ。あの頃は、どうしても周りの空気に馴染めなくてさ」
勅使河原「まあ……そこは、俺達にも責任があるかもな……」
恒一「そこで小椋さんに『お友達料を払えば友達になってあげる』って言われて」
望月「なるほど。人の弱みにつけ込むのがうまいね、小椋さん」
鳴「その手があったか」
恒一「何度か話したり、一緒に出かけたりするうちに、気がついたら好きになってた」
望月「そっか……」
11 = 7 :
勅使河原「でもよ。それも小椋の策略じゃねぇか?」
恒一「え?」
勅使河原「きっとそうやって小椋から離れられなくして、これからも貢がせるつもりなんだよ!」
望月「……残念だけど、その可能性は否定できないね」
恒一「でも……」
望月「言いたいことは分かるよ。好きになった弱みもあるだろうし」
12 :
鳴ちゃんはいつも行動するのが遅すぎるのよ…
13 = 7 :
勅使河原「そうだ! サカキが小椋を嫌いになればいいんじゃねーか!?」
望月「それができないから榊原くんは困ってるんだよ……」
恒一「…………」
望月「……とりあえず、どの程度酷くこき使われてるのか知りたいよね」
鳴「うん」コクコク
恒一「どの程度、って」
望月「さっきの話の続きしてみてよ。日曜日に出かけた話」
恒一「ああ……あれの続きっていうと……」
14 :
早くしろ糞虫野郎
15 = 7 :
――
――――
小椋「……遅い」
恒一「ごめん……」
小椋「日が照り付けるこの暑い中、30分も女を待たせるなんて最低だと思わないの?」
恒一「そ、そうなんだけど。待ち合わせの30分前に来たら、まさか倍も早く来てるとは……」
小椋「……ふぅん、言い訳するんだ」
恒一「お、遅れました! ごめんなさい!」
小椋「はぁ……」
16 = 7 :
小椋「次から気を付けてよね。はい」サッ
恒一「……え? な、なにこれ」
小椋「缶ジュース。東京は缶ジュースも売ってないド田舎なの?」
恒一「いや、そういうことじゃ……あ、ありがとう。汗だくだから助かるよ」
小椋「そう。飲むならさっさと飲んでね、時間もったいないから」
17 :
おぐおぐきゃわわ
18 = 7 :
恒一「……どこに行くのかと思ったら、デパートか」
小椋「買いたい物があるの」
恒一「へぇ、なに買うの?」
小椋「言う必要ある?」
恒一「嫌なら言わなくていいよ」
小椋「…………下着」
恒一「えっ」
小椋「ランジェリーよ。ブラとパンツ」
恒一「……ご、ごめん」
小椋「榊原くんって、女に恥ずかしい言葉を言わせないと満足できない人?」
恒一「ごめんって……」
19 :
何て最低な女なんだ!
20 :
これは惚れるわ
21 = 7 :
小椋「これどう?」
恒一「い、いいんじゃない?」フイッ
小椋「こっちは?」
恒一「似合ってると思うよ」フイッ
小椋「どこ見て言ってるの。ちゃんと見てよ」
恒一「無理、無理だって!」
小椋「これを着けてる私を想像して、どう思うかを言えばいいだけでしょ」
恒一「まず想像するのがハードル高いんだよ……」
小椋「ちょっと、それどういう意味? このブラは私の貧相な胸じゃみっともないってこと?」
恒一「そ、そんなこと思ってないって!」
小椋「……言っておくけど、これはさっきの罰。ちゃんと見て判断するまで許さない」
恒一「ええぇ……」
22 :
ええな
23 = 7 :
恒一「お、終わった……ついに災厄を乗り越えた……」
小椋「バカなこと言ってないで早く行くわよ」
恒一「…………」
小椋「もう午後だし、どこかでお昼にしたいわね」
恒一「そうだね。お腹も減ったし」
小椋「別に私は減ってないけど、一応お腹に何か入れて」
恒一「ファミレスでいい?」
小椋「……うん」
24 :
気づけよ……
25 = 7 :
ファミレス――
小椋「榊原くん、奥に座って」
恒一「うん……うん?」
小椋「よっと」 ポフッ
恒一「小椋さん……ここ、テーブル席だよ」
小椋「見れば分かるけど」
恒一「……なんで横に座るの? 普通、対面じゃない?」
小椋「そう?」
恒一「しかも、腕が当たるくらいくっつく必要ある?」
小椋「でもこの方が一緒にメニュー選んだり、待ち時間に写メの見せ合いっことかできるじゃない」
恒一「ああ……そうか、それもそうだね」
小椋「でしょ。いいから早くメニュー取ってよ」
恒一「はいはい」
26 :
パンツ融解した
27 = 7 :
食事中。。
小椋「榊原くんのハンバーグ、おいしそうね」モグモグ
恒一「うん、おいしい」モグモグ
小椋「私のキャベツと交換しない?」
恒一「ハンバーグ定食のハンバーグと、エビフライ定食のキャベツを交換……厳しいなぁ」
小椋「全部欲しいなんて言ってないじゃない。一口だけでいいから」
恒一「ああ、そういうこと……はい、あーん」サッ
小椋「あーん」パクッ
恒一「どう?」
小椋「おいしい」モグモグ
恒一「良かった。もう一口いる?」サッ
小椋「あーん」パクッ
28 :
鳴ちゃんペロペロ
30 = 20 :
もうやめて鳴ちゃん死んじゃう
31 = 7 :
小椋「はい、エビフライ」サッ
恒一「……いいの?」
小椋「さすがにキャベツと交換させるほど鬼じゃないし。はい、あーん」
恒一「あーん……」
パクッ
恒一「!? 熱っっつぅぅぅぅぅ!?」
小椋「あははっ、ばーか」
恒一「み、水水水!!」ゴクゴク...
小椋「口を付けたらやたら熱かったから、ちょっと冷ましてから食べようと思って」
恒一「はぁ、はぁ……」
小椋「あははっ! おいしかった?」
恒一「味なんか分からなかったよ……」
32 = 26 :
おぐおぐ可愛いよおぐおぐ
33 = 7 :
30分後――
恒一「なんだかんだでお腹は膨れたね。でも、小椋さんにお金払ってもらっちゃって……」
小椋「いいの。夕食代も私が出すから」
恒一「いや、それは悪いって!」
小椋「どうせ、私のお金じゃないし」
恒一「え?」
小椋「……なんでもない。午後は映画に行こう」
恒一「映画って……この間も行かなかった?」
小椋「あれはアクション物だったけど、今日は恋愛物なの」
恒一「恋愛物かぁ。あまり観たことないかも」
小椋「途中で寝たら殴るからね」
恒一「寝ないって……」
34 :
メイちゃんは私がもらって行きますね
35 = 7 :
上映後――
小椋「ヒック、グスッ……」
恒一「だ、大丈夫? はい、ハンカチ」
小椋「グズ……」ゴシゴシ
恒一「……でも、確かにいい映画だったよ。僕もウルッと来ちゃった」
小椋「でしょう……グス」
恒一「意外と涙もろいんだね」
小椋「おっ、大きなお世話よ……」
36 = 24 :
>>1
お前のせいで寝れない
責任とれ
37 :
よしわかった
勅使河原は俺がもらう
38 :
おぐりんの一人称はあたしだろうがあああああああああああ
39 = 7 :
小椋「それより、ハンカチ……」
恒一「ああ、グシャグシャになっちゃったね。洗えばいいから気にしないで」
小椋「…………イヤ」
恒一「え?」
小椋「榊原くんに借りを作ったままっていうのがイヤ」
恒一「ええ!?」
小椋「……あ、そうだ。そのハンカチもダッサいし、私が新しいハンカチ買ってあげるわ」
恒一「い、いいよ! そんなの悪いって!」
小椋「あっそう。友達やめてもいいんだけど?」
恒一「そ……それは卑怯だろ……」
小椋「うーるーさーい。ほら、行くわよっ」
40 = 7 :
――――
――
恒一「って感じかな。あとは公園で散歩とかして、レストランで夕食食べて帰ってきたよ」
勅使河原「………………」
望月「………………」
鳴「死にたい」
恒一「え?」
勅使河原「……それって、あれだろ。デートだろ」
恒一「そんなわけないだろ。小椋さんは多分、僕のことを金ヅルくらいにしか……」
望月「いや……僕も勅使河原に同意するよ」
恒一「えぇ!?」
望月「どう考えても小椋さんは……というか、何で榊原くんがそれに気付かないのか不思議だよ」
41 :
おぐおぐかわいい
42 :
月10万でおぐおぐの恋人になりたい
43 = 7 :
望月「昼食代、夕食代、映画の料金、買い物代。あとはジュース代に、交通費も入るかな」
勅使河原「……いきなり何の話だ?」
望月「なんかさ。小椋さんが払ったお金って、合計したら2万円くらいになりそうじゃない?」
恒一「……どういうこと?」
望月「ああもう。だからね……小椋さんは君から貰った2万円を、そのまま君とのデート代に使ってるんだよ」
恒一「えっ……」
鳴「どうしてこんなことに……」
44 = 42 :
鳴ちゃん…
45 = 7 :
望月「榊原くん。バイトの給料額、小椋さんに言ったことある?」
恒一「あ、ある。というか、4万って言ったら『じゃあ半分の2万ね』って言われたんだ」
勅使河原「……あ、そういうことかよ」
望月「うん」
恒一「??」
望月「夫婦に例えると、旦那の稼ぎの半分は嫁の分で、そのお金を好きなことに使ってるだけだね……」
勅使河原「だよな。嫁にとって好きなことってのは、旦那とのデート……あれ、なんかすげーいい女に思えてきた」
望月「方法に問題があるから凄く良いってわけでもないけどね……」
46 :
ここをキャンプ地とする
48 = 7 :
恒一「小椋さんはいい女に決まってるだろ!」バンッ
勅使河原「わ、わかったわかった!」
鳴「そうだ。榊原くんを殺して私も死のう」
勅使河原「うわぁぁぁ、早まるな見崎!」
望月「これでデートが月1回で、毎回同じような流れだったら確定だよ。彼女も楽しんでるんだ」
恒一「デートかは分からないけど、一緒に出かけるのは月1回で、だいたい毎回映画や買い物かな」
望月「あ、そう……もう付き合えばいいのに……」
49 = 28 :
不器用なええ女や
50 = 7 :
恒一「……でも、だからって小椋さんが僕のことを好きなんて……」
望月「じゃあ、確かめてみる?」
恒一「えっ……」
勅使河原「確かめるって……そんな方法あんのかよ?」
望月「うん。恒一くんが『ある言葉』を小椋さんに言って、彼女が必死になったら確実だよ」
恒一「ある言葉って?」
鳴「『お前を殺す』」
勅使河原「荒んでるな、見崎……」
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