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元スレ末原「姫松高校入学したったwwwwww」
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真瀬「今日、練習試合にくる白糸台って聞いたことない学校なのよー」
部員A「東京からわざわ大阪遠征来てるんやってさ」
主将「なんか今年から麻雀部が新設された学校らしいわ。奨学生の待遇が段違いらしい」
愛宕「そういえばうちのとこにもスカウト来たかも」
部員B「臨海女子の日本版みたいな感じ? 東京モンはこれやからなぁ~」
主将「一年しかおらんけど、麻雀部めっちゃ力入れとるらしいで」
真瀬「金満巨カスがウキウキでワロタのよー!」ゴゴゴ
白糸台コーチ「わざわざウチみたいな無名校との試合を承諾していただいて恐縮です。今日は胸を借りるつもりで臨ませてください」モミテ
監督「わざわざ来とるんはそっちやん」
白糸台コーチ「いやはや、まったくもって…………必ず満足させてご覧に入れますので」
白糸台コーチ「……宮永、お相手しなさい」
宮永「……はい」
監督(…………こいつ!?)ピキーン
監督「愛宕、末原ァ!」
末原「ま、また私でええんですか!?」
愛宕「メガ原ちゃん、ようやく胸を貸せる大きさの相手やなっ」
末原「私らとたいして変わらへんやん……」
宮永(……胸のことを言った?)
宮永「…………ゆるさない」ゴゴゴゴゴゴ
主将(……こ、これは!?)ゾクゾクッ
弘世「おいっ、照……!」ヒソヒソ
弘世「今回の遠征は鏡での情報収集が目的なんだ。あんまり目立つことはするなよ……!」
宮永「菫みたいな大福おもちに、この気持ちはわからない」
弘世「あー、もう! ならせめて剣までにしておけよ。勾玉まで見せるんじゃないぞ!」
宮永「――――」コク
監督「特盛クラスの化物やったな」
末原「」カタカタ
監督「凡人相手じゃどうにもならんレベルか」
末原「せっかくの起用に応えられんで自分が情けないです……」
監督「ま、凡人は凡人なりにいろいろ試行錯誤してがんばっとったやんか。そのへんは褒めたってもええんちゃう?」
末原「いえ! 今思い返しても、もうちょっとやりようがあった気がします!」
監督「……諦めへんのか。埋めようのない差を感じたけど」
末原「どんな相手でも絶対はないんが麻雀です!」
末原「いつか……いつか届くことを信じます」
監督「ほな今度から負け確定の捨て駒として対魔物用にオーダーしてぶつけるで?」
末原「の、望むところです……!」
末原「どんな相手でも麻雀は楽しいですからっ」
監督「………………フッ」ニヤリ
部員A「監督ついにデレた!?」ヒソヒソ
部員B「末原イケメンやなぁ……ボロ負けして慄えとるくせに」ボソッ
部員C「逆にそこがよかったりして」
真瀬「すごい相手だったのよー」
主将「間違いなくトップクラスの怪物やな。あんたらと同世代やで……」
真瀬「インターミドルでは見かけなかったのよー」
愛宕「んーー……まだ全力やなかった感じやけど」
愛宕「とんだ伏兵登場ってとこやな」
弘世「さすがに愛宕夫婦の血を引くだけはあるな。勝ちきれなかったか」
宮永「…………まだ底が見えてない」
弘世「鏡でも見抜けない本物か…………楽しみが増えたということにしておこう」
監督「末原ァ! そこは薄くてもリーチかけていけ!」
末原「はい!」
監督「末原ァ! 理論だけに頼るな! 常に状況を肌で感じて分析するんや!」
末原「はい!」
部員A「最近の監督は末原につきっきりやなぁ」
部員B「まっさらで吸収早いと教える方もおもしろいんちゃう?」
主将(末原――――監督のキャリアの最後にあんたがおってくれてよかった)
主将(あの日、あんたに会うてなかったら…………ネト麻部にも感謝や)
愛宕「アレやな。ここを鴨川ジムとすると、うちが鷹村でメガ原ちゃんが一歩ってところやな」
真瀬「じゃあ私は宮田くんやねー」
愛宕「あんたはマンモス西やろ」
真瀬「作品が違ってるのよー!」キーッ
監督「あんた、アニメとか見る方か?」
末原「へ……? えーと、話題になったやつは結構見てます」
監督「今年はどんなアニメが人気やったんや」
末原「えーと、めっちゃブームになったんは『じゅうおん!」ですかね」
末原「一番売れてるんは『漬物語』って聞いたことがあります」
監督「……今の時代、アニメはごっついらしいなあ。年間200本は作られとるそうや」
末原「ごっついですね」
監督「例えばやで、末原。例えばその200本全部のアニメキャラで人気投票をやったとする」
末原「?……はい」
監督「1本10人ぐらいおるとして、候補2000人ぐらいの人気投票やな」
末原「すごい規模ですね」
監督「で、結果はなんと1位から10位まで全部『じゅうおん!』のキャラで独占や」
監督「こうなったらどう思う?」
末原「『じゅうおん!』すごいですね、て感じでしょうか」
監督「ほなこれ、10年連続『じゅうおん!』がトップ10独占したらどないや?」
末原「うーん、他が不甲斐なさすぎというか、盛り上がりに欠けるかもしれないですね」
監督「じゃあ『じゅうおん!』が手加減して票数減らすようにするか?」
監督「それともエントリー辞退して出場せんかったら、トーナメントはまた盛り上がるか?」
末原「余計に盛り下がると思います……」
監督「どないしたらトーナメントはおもしろくなるんや」
末原「……『じゅうおん!』には人気をキープしてもらって、他が拮抗できるようにがんばるしかないですね」
監督「…………」
監督「云わば小鍛治健夜は『じゅうおん!』なんや」
監督「強すぎてライバルがおらん。他の追随を許さんってやつやな」
監督「確かにあいつは壊し屋や。アタシの教え子もほとんど引退に追い込まれるほど圧倒的やった」
末原「…………監督」
監督「でもな、それはあくまで真剣勝負の結果や」
監督「プロ麻雀はショーやない」
監督「競技として命を削り合った上での結末や」
監督「燃え尽きるまで戦ったあの子らを誇りに思っとるよ」
監督「壊し屋となじられても手加減せえへん小鍛治にも感謝の気持ちでいっぱいや」
監督「でもな…………願わくば、負けてもええから卓に座り続ける図太い魂を持った選手に育てたかった」
監督「どんな壁にぶつかっても麻雀を楽しめる、愛し続ける選手に育てたかったわ……」
末原(これが……善野監督の……)
監督「破壊神と誹謗を受ける小鍛治やけど、あいつは絶対に悪ない!」
監督「周りががんばらんとあかんのや! 『じゅうおん!』に拮抗できるようがんばらんとあかんのや!」
監督「むしろこれは日本麻雀界が成長するチャンスやねん」
監督「小鍛治を退屈させんぐらい周りがレベルアップする」
監督「麻雀界全体が発展するチャンスなんや……」
監督「それやのに、間に合わんかった」
監督「とうとう日本麻雀界は小鍛治を表舞台から引き摺り降ろしてしもた」
監督「去年会うた時、地面に額がつくぐらいの謝罪といっしょに、ぽつりと漏らしよったわ」
監督「もう、壊したくないってな……」
末原(話のスケールが大きすぎてついていけんけど、こんな悲しそうな監督見るん初めてやな)
監督「なあ末原、麻雀の深みってどんなところにある」
末原「……どんなに強くても負ける時は負ける。どんなに弱くても勝つ時は勝つ」
末原「四角い宇宙に無限の可能性が詰まってるところです」
監督「誰でも知ってる麻雀の楽しさ、小鍛治はまだ味わったことがないねん」
監督「勝つばっかりで負けたことがあらへん怪物やからな、あいつは」
末原「つまり監督は小鍛治プロに勝てる素材を見つけたいってことですか?」
監督「あっはっは。そこまでは望んでへんよ。それは人間の役目とちゃう」
監督「アタシが目指してるんは、壊し屋と打ち続けることのできるゾンビみたいな選手やな」
末原「ゾンビですか……」
監督「末原、あんたはアタシの最期の教え子や」
末原「え!?」
監督「今年を最期にアタシは降りる。身体の方がもう限界きとるしな」
末原「監督っ!?」
監督「最後にアンタみたいな子と巡りあえてよかった。神様に感謝やで」
末原「ちょ、ちょ、ちょっと監督!?」
監督「ええか末原。凡人でも天才に立ち向かえるんが麻雀や」
監督「どんな相手とぶつかっても考えることをやめるな」
監督「どんな化物に蹂躙されようとメゲたらあかん」
監督「それが凡人に出来る最大の武器や」
監督「別にプロになれとは言うてへん。別の道でも、どこでも麻雀は打てるんや」
監督「どんな場所でもええ。あんたが納得する卓で麻雀を楽しめ」
監督「麻雀を愛し続けろ」
監督「……これが、アタシの最後の教えや」
末原「監督っっっっ!!!!」
時は過ぎ、また春がやって来て…………監督は療養生活に入った。
手続き上の問題とやらで書類の上ではまだ姫松の監督やけど、あれから一回も顔を見せてない。
このことをきっかけにいろんなことが変わった。
私自身、そして周りも。
後輩ができて、いっしょになんかヘンな人も増えた。
末原「は……!? 基礎訓練禁止?」
赤阪「そうやで~。聞くところによるとめっちゃスパルタやったみたいやん」
赤阪「そんなん今どき流行らへんで~。残ったんはあんたら3人だけって問題多すぎやわ~」
末原「でも……私は善野監督から……!」
赤阪「あのな~末原ちゃん。方針とか理念ってもんは体現した人が口に出して初めて成立するねんで~」
赤阪「スパルタすることが善野さんの目的とはちゃうやろ? 違う方法で末原ちゃん自身が体現したらええやないの~」
末原「そんな……わけわかんないんですけど!」
赤阪「と~に~か~く~、スパルタだけは絶対に禁止~!」
赤阪「去年かて揉み消すん大変やってんから、これは絶対やで~」
末原「うぅ……」
※赤阪郁乃のイメージボイスはまきいづみ
愛宕「代行、なんて?」
末原「新入部員へのスパルタは一切禁止って……」
愛宕「あははは。まあしゃあないんちゃうかー」
末原「去年問題なったとき揉み消したって、あの人いったい何者なん?」
真瀬「善野監督と結構深い仲らしいのよー」
愛宕「おかんに心当たりないか聞いてみてんけど、どうもあの代行、麻雀協会会長の孫娘らしいで……」
末原「マジで……?」
愛宕「腕も相当立つみたいや」
真瀬「わー、ヒロポン以上の大物なのよー」
末原「さすが名門。とんでもないコネを持っとるんやなぁ」
真瀬「そんな姫松の新人指導役に抜擢される八っちゃんも大物なのよー」
末原「そんなんちゃうって。私はただ善野監督の教えを守っとるだけやから……」
愛宕「それにしてもあの代行、いつまで姫松におるつもりなんやろな」
真瀬「そのまま正式な監督になっちゃいそうなのよー」
末原「やめてー。なんかあの人、目が笑ってなくて怖いときあるねん」
真瀬「私の見立てやと、八っちゃんはかなり気に入られてるみたいよー」
末原「勘弁してぇな……」
愛宕「恭子も言うようになったなぁ」
真瀬「最近、貫禄が凄いのよー」
愛宕「眼鏡もやめてメガ原ちゃんって呼べんようなってしもたし」
真瀬「吊り下げてる後ろ髪の意味を知りたいのよー」
恭子「……もう、イチイチうるさいで」
>真瀬「吊り下げてる後ろ髪の意味を知りたいのよー」
わろた。
眠気覚めた。
わろた。
眠気覚めた。
愛宕「しっかしまあ、あの眼鏡がダテメガネやったとはな……」ククッ
恭子「洋榎、うるさい言うてるやろ……」
洋榎「『だって、目になんか入ったら怖いんやもんっ』とか」
洋榎「どこの箱入りお嬢様やねんって話やで!」バンバン
真瀬「今の八っちゃんからは考えられないのよー」ププ
恭子「言いたいことはそれだけ……?」ピクピク
洋榎「……げ」
スタタタッ
恭子「こらぁぁ! 洋榎、由子、待たんかーーーい!!!」
由子「逃げるが勝ちよー」
洋榎「ダッシュ勝負でうちらに勝てると思う…………うわ、結構早っ!!」
監督、部長、ネト麻部に行ってしもたみんな……
私は今、姫松麻雀部でがんばってます
充実した日々を送っています
歩き出した道はまだまだ始まりに過ぎんけど
とてつもなく長く険しい道のりになるんやろうけど
みんなの想いを胸に、私は歩き続けようと思います
どんな困難が訪れてもめげないこと
どんな逆境に立たされようと麻雀を楽しむこと
忘れんように、心に刻み込んで歩んで行きます
恭子「コラーーー、1年! ボケーっとしとらんと走り込み100週や!」
一年「「は、はい!」」
洋榎「100週は言いすぎやろ」
由子「すっかり鬼監督なのよー」
赤阪「も~~~~、末原ちゃん! スパルタは禁止って言うたやろ~~~」
恭子「げぇっ、代行!?」
~ 姫松物語 ~
Zenno's last sun
カンッ!
おつかれー。
フルメタルのところでどうなるかと思ったけど
これまたよかったよ。
内面がよく考え抜かれてると感心してます。
フルメタルのところでどうなるかと思ったけど
これまたよかったよ。
内面がよく考え抜かれてると感心してます。
長々とお付き合い、ありがとうございました
支援&保守してくださった方々マジ感謝!
つまりなにが言いたいかというと
最後まで諦めず(メゲかけたけど)最善を尽くし(咲さんカンドラが乗らないデータとか)
末原先輩は2回戦を勝ち上がるに相応しい努力を怠らなかったってことで……!
最後までバイバイさるさんでこっちはメゲたけど
支援&保守してくださった方々マジ感謝!
つまりなにが言いたいかというと
最後まで諦めず(メゲかけたけど)最善を尽くし(咲さんカンドラが乗らないデータとか)
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