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    元スレ恒一「お見舞いに来たよ、小椋さん」

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    52 :

    373 :水先案名無い人:2005/10/18(火) 19:21:46 ID:ZlAdgwNM0
    僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。
    彼女の家庭にはお父さんがいなかった。
    お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。
    違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。
    彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。
    本ばかり読んで親しい友人のいなかった僕と彼女はお互いの家に遊びに行くほど仲良くなった。
    そのうち彼女は愚痴を言うようになった。
    母親がすぐ殴ること。
    同じクラスの女子が意地悪をすること。
    すきな男の子ができたけどその子はほかの女子にも人気があること。
    最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。
     
    ある日を境に彼女は学校に来なくなった。
    好きだった男子の取り巻きたちにいじめられていたのが理由だ。
    彼女は僕に会うたびに自分をいじめた女子が憎いといった。
    そのいじめを見てみぬ振りしていたクラスの皆も憎いといった。
    そして現実味のない復讐やクラスメイトの悪口を延々と話し続けた。
    僕はただ黙って相槌を打っていた。

    中学に入ってから彼女の素行が荒れ始めた。
    夜遅くまで帰ってこないようになり、これ見よがしにタバコをすい始めた。
    家庭環境も悪化し、深夜にいきなり親子喧嘩が始まったりもした。
    一度は警察が彼女を迎えにやってきた。この頃から近所と折り合いが悪くなり、
    中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが彼女の家に行われた。
    一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。
    僕も母に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。

    53 = 52 :

    374 :水先案名無い人:2005/10/18(火) 19:22:16 ID:ZlAdgwNM0
    僕が高校を出たとき、彼女は部屋に引きこもるようになった。
    僕も彼女の姿を見ることがめっきり減った。
    めっきりふけこんだ彼女のお母さんに話を聞くと
    昼は絶対に出てこない。
    ご飯は部屋の前においていく。
    深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる。
    そんな生活を送っているようだ。
    僕は久しぶりに彼女に会いにいった。

    彼女は僕に会うのを拒絶した。
    扉越しに帰れと怒鳴った。 何を話しても黙っていた。
    一度なんかはドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。
    ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。
    絞った雑巾のようだった。
    僕は毎日彼女に会いに行った。
    親とけんかした。
    やっとできた友達と疎遠になった。
    それでも毎日彼女の部屋まで会いに行った。

    そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。
    悪い仲間と付き合っていたこと
    万引きが癖になって警察に捕まったこと
    恋人ができたと思ったら避妊に失敗して子供ができたとたんに逃げられたこと
    助けてほしくて相談した母親に半狂乱になって殴られたこと
    子供をおろしたこと
    死のうと思ったこと
    手首を切ったこと
    昔と同じ様に彼女が一方的にしゃべり続け、僕は相槌を打つ。
    意見を求められたときはなるべく無難な意見を言う。

    54 = 52 :

    375 :水先案名無い人:2005/10/18(火) 19:22:52 ID:ZlAdgwNM0
    そのうち彼女は部屋を出た。アルバイトも始めた。
    だんだん性格も明るくなり始めた。彼女のお母さんから泣きながらお礼を言われた。
    ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。
    下が植え込みだったこととたいした高さじゃなかったために一命は取り留めたが
    脊髄が傷ついたために今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。
    ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。
    親や僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから飛び降りたんだそうだ。
    泣いている彼女を慰めた。寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。
    慰めながら彼女にプロポーズした。結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。
    彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら「本気?私でいいの?本当にいいの?」
    と何度も聞き返した。訊かれる度にうなづき返した。
    君のことがずっと好きだった。
    顔をゆがめてクラスメイトの悪口を言っていたときも
    悪い友達と付き合って荒れていたときも
    一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも
    君が泣きながらお母さんが自分を殴ることを告白したときも
    引きこもって別人のようにやせたときも
    小学生の頃に君が好きな男子の名前をその取り巻きたちに教えたときも
    君の家のポストに入れる猫を刻んでいたときも
    足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も
    ずっと君が好きだ。
    これで完璧に君は僕だけの「彼女」だ。

    僕たち今度結婚します。

    55 :

    みてるよ

    56 = 1 :

    恒一「ふぅ…小椋さんが元気になってくれて良かったな」

    恒一「ちょっと元気になりすぎたような気もするけど…」

    恒一「………」

    恒一「…ベッドの横にあったの、綾野さんの写真だったな…」

    恒一「小椋さん…」

    恒一「おっとここか、通り過ぎるトコだった」

    恒一「はぁ……」

    恒一「…うう、胃が痛い…心が罪悪感でいっぱいだ…」キリキリ


    503号室 綾野 彩様


    57 :

    えっ

    58 = 1 :

    恒一「……」

    恒一「すぅ~」

    恒一「はぁ~~…」

    恒一「……ッ」バチバチンッ

    恒一「よしっ、気合入れて行k


      『ふあああぁ~~~』


    恒一「!?」

    恒一「綾野さん!?」ガチャッ

    60 = 1 :

    恒一「どうしたの綾野さん!?あや…」


    綾野「ああぁ~こういっちゃん、こういっちゃん見てコレ凄いの~」クチュクチュ

    恒一「うっわ゛あああああああああ!!」シビビビビ

    綾野「おまたいじると超きもちーよぉ~♪すごいよ~あ~~」

    恒一「わ゛あああああああああああ!!」ドタドタガチャッ バタン



    恒一「はぁはぁはぁはぁはぁ…」※部屋の外

      『あれーこういっちゃん?こういっちゃ…あ、あっあっあっ、ああ~なんか来るよ、ああ~』

      『あっ!あああっ!ああ~………わは、いっぱいでた♪』

    恒一「はぁ…はぁ……」

    恒一「はああ~~~~~…」ガクリ

    恒一「ダメだ…これじゃ小椋さんに会わせるなんて、とてもじゃないけど無理だ…うう」

    62 = 1 :

    恒一「あ、あの…綾野さん?も、もう入っていいかな?」

      『いーよー』

    恒一「ほっ…綾野さん、お見舞いに来たよ…」カチャ

    綾野「おーこういっちゃん、いらっしゃーい」フキフキ

    恒一「ぶはっ!!あ、綾野さんパンツはいて!パンツ!」クルッ

    綾野「ふぇーい」ハキハキ

    恒一「パジャマもね」

    綾野「ふいふい」モゾモゾ

    恒一「もういいかい?」

    綾野「もーいーよ♪アハハッ フフッ」

    63 = 1 :

    恒一「はぁ…来て早々何なんだこの疲労感は…」

    綾野「こういっちゃんお土産~お土産~♪」

    恒一「はいはい、今日はりんごだよ。今剥いてあげるからね」

    綾野「ウサギさんりんご!」

    恒一「はいはい」ショリショリ

    綾野「うーさぎうさぎ♪うさうさぎ♪」パヤパヤ

    恒一「はいはい」ショリショリ

    綾野「うさぎさんりんごっていいよね~うさぎさんいい、りんごいい、いいといいで10倍だぞ10倍!」

    恒一「はいはい」ショリショリ

    恒一「はい、できたよ」

    綾野「ワーイ!!」

    恒一「ふふ…」

    65 = 1 :

    綾野「わっはー♪かわいいね~食べるのが勿体無いね~でもたべる!なぜならおいしいから!」ムシャムシャ

    恒一「まだ剥くからどんどん食べてね」

    綾野「うん!こういっちゃん大好き!あははっ♪」

    恒一「そ、そう…ありがと…」

    恒一「ところで綾野さん……何か思い出した?」

    綾野「全然!」ムシャムシャ

    恒一「仲の良かった子のこととか、何か無いかな?」

    綾野「まったく!」ムシャムシャ

    恒一「…そう」

    67 = 1 :

    綾野「はぐはぐ…あっ!そうだ!」ブッハー

    恒一「うわっと…綾野さん、ちゃんと飲み込んでから叫ぼうね」

    綾野「あたし、こういっちゃんなかなか来てくれないから、来たら文句言おうと思ってたんだっけ!」

    綾野「んん、でもお土産持ってきてくれたしこういっちゃんが来てくれたから許す!よかったねこういっちゃん♪」

    恒一「うん、ごめんね。色々忙しくて…」

    綾野「じゃあしゃーなしだね!許す!」

    恒一「ありがと」

    綾野「よし日記に書こう!70月43日うどん曜日!こういっちゃん!りんご!うさぎ!げきとつ!おわり!」ぐりぐり

    恒一「…綾野さん、日記つけてるんだね。ちょっと見せてくれないかな?」

    綾野「いーよー、ほい」

    恒一「ありがと…毎日つけてるの?」パラパラ

    綾野「うん、毎日書いてるよ。3日くらいまえも久しぶりに書いた」モグモグ

    恒一「そっか…ええと…う、字がデカイ…」

    68 = 1 :

    2月も日犬曜日 ぎゅうにゅうはすごいや。白いや。ごはんにかけたらマズかった。おわり。

    65月※※(判読不可)ひまだ。ひまだから数字かぞえてた。6899の次ってなんだっけ。おわり

    1月2日34曜日 男の子が来た。なんかあたしの手をにぎって泣いてた。あほだ。こういっちゃんとよぶことにした。

    5月6日78曜日 こういっちゃん、いろんな人と話してた。遊んでほしかったのに。こういっちゃんまたきてね。おわり

    9月10日11曜日 あと、かんごふさんがあたしのことをアヤちゃんて呼びはじめた。アヤノかアヤかはっきりしろ。今度こそおわり。


    恒一「…この3ページぶち抜きの日記は…僕が始めて来た日か…」

    恒一「………」

    恒一(あの日の衝撃は一生忘れられそうに無いよ)

    70 = 1 :

    恒一(エレベーター探してる時にたまたま見かけた身元不明で記憶喪失の重傷患者が、まさか綾野さんだったなんて…)

    恒一(車が潰れた上に爆発炎上して、何人乗ってたかも判らない状態だったから…てっきり亡くなったのかと思ってたよ)

    恒一(警察の人が言うには落下中に奇跡的に車から投げ出されて、その後森の中を何日も彷徨って、力尽きた所を偶然保護されたらしいけど…)

    恒一(発見されたのが夜見山の外で、事故現場から離れていたから身元が解らなかったんだな…でも、そのお陰で一時的に災厄からは逃れられた)

    恒一(それでもまた夜見山総合病院に搬送されて、一時はかなり危険な状態だったけど、ある日を境に回復に向かっていったんだってね)

    恒一(あの、合宿の日から…災厄が止まった、あの日から)

    恒一(今はもう怪我自体は心配する状態じゃないって聞いて安心してたんだけど…)チラ


    綾野「はっ!食べられちゃったうさぎの仲間が仕返しにきたらどうしようっ!」ビクーン

    綾野「……よし、そいつもたべよう」ウヘヘ


    恒一「………」

    恒一「……ただ一箇所…肝心なところがなぁ…」ハァ

    72 = 1 :

    恒一「日記から綾野さんの記憶を取り戻す手がかりが得られないかなぁ…」ペラペラ


    が月に日よ曜日 手のほうたいが取れた。ので、じゃんけんして遊んだ。みぎつええ。おわり

    日付無記名 いいおてんき。あしのぎぷすをかえた。ぎぷすくさい!くさい!おわり

    0月0日8曜日 あめはキライ。じめじめしとしと。さむいし。もうねよっと。おわり

    日付無記入 ケガしたところをいじると、いたいけど、なんかやめられない。おわり

    日付無記名 アニメ見たであります。おもしろかったであります。おわりであります。

    日付無記入 女の子がきた。家来になればオカシくれるって。ねえさん一生ついてきます。わんわん。おわり


    恒一「…………」

    恒一「………んん?」

    73 = 1 :

    日付無記入 ねえさんのがんたいはぢごくのケモノをふうじていて、取ると世界がおわるらしい。さすがねえさん。おわり

    日付無記入 ねえさんのあたまから飛び出てるかみの毛は、えいえんのヒロインのあかしらしい。ねえさんにはかなわねーや。おわり


    恒一「…見崎だよね、これ…見崎もお見舞いに来てくれてたのか…」

    恒一「色々引っかかる点もあるけど、まあよしとしとこう」


    日付無記入 こういっちゃんきた!ウヒョー※※※(以下判読不能)


    恒一「……ふふ、日記の呈を成してないや。でも喜んでくれてるみたいでよかった」


    日付無記入 こういっちゃんこないかなー。こういっちゃんきた!うそです。あーあ。おわり

    日付無記入 こういっちゃんこないな。あいたいな。こういっちゃんいつでもきてね。まってるよ。おわり


    恒一「はぁ…ごめんよ綾野さん…来たいのは山々なんだけど、おじいちゃんが本格的にボケてきちゃって色々大変なんだ…」

    75 = 1 :

    恒一「手掛かり…手掛かりは…」パラパラ


    日付無記入 お昼のプリンをねえさんにとられた。かわりにオカシでできたキノコもらった。プリン3こぶんの価値があるって。とくした気分。おわり


    恒一「…ひどい…きのこにそんな価値があるワケ無いだろ…せめてたけのこを…ていうか怪我人からオヤツ巻き上げるなよ…」


    日付未記入 ねえさんはあたまがいい。ねえさんはびじん。ていっぱい言ったらきのこくれるねえさんまじステキ。おわり


    恒一「見崎…虚しくならないのか…?」


    日付無記入 ねえさんはよくナデナデしてくれる。こういっちゃんもナデナデしてくんないかな。ナデナデシテー。おわり


    恒一「…でも結構頻繁に来てるんだな…綾野さん身寄りがいなくなっちゃったから、見崎なりに気遣ってるのかも。今度お礼言っとこう」

    恒一「……」ナデナデ

    綾野「おっおっ?わは、わーい♪」ニコニコ

    恒一「ええと、次は…」ペラ

    綾野「わーんもっとー」

    78 = 1 :


    日付無記入 おまたをいじるときもちいいってねえさんが教えてくれた。こんどヒマなときやってみよう。おわり

    日付無記入 これはすごい。おわり


    恒一「…前言撤回…見崎のヤツ…何を考えてるんだ…」ペラ


    日付無記入 女の子だってせいよくはある。それがわからないのはどうていだってねえさんが言ってた。よくわかんないや。おわり


    恒一「悪かったね…てか見崎のやつ、僕が日記を読むのを見越してたんじゃないよな…?」

    恒一「もういいや、見崎関連の日記は。見透かされているようで不安になる。それより綾野さんの記憶だ」

    恒一「せめて何か…ヒントになる項でもないかなぁ…」

    79 :

    きのこ美味しいだろ!

    80 :

    鳴ちゃん…

    81 = 1 :

    恒一「これは…違うか…これは…くっ…見崎の奴…」ペラペラ

    綾野「むー」

    恒一「んん~…」ペラ…ペラ

    綾野「こういっちゃん、まだ~?」

    恒一「ごめん綾野さん、もう少し待ってて」ペラ

    綾野「もー、こういっちゃん、いっつも待たせてばっかりだね」

    恒一「う…ご、ごめん」

    綾野「毎日待ってるのに、なかなか来てくれないしさ」プクー

    恒一「ごめんよ綾野さん、もうちょっとだけ…そしたら何かして遊ぼう」

    綾野「はぁ…待ってる間テレビでも見よっと。アニメやってないかな~」

    恒一「うん、ごめんね…」ペラ

    82 = 1 :

    綾野「お、やってるやってる。なんのアニメだろ」

    恒一「……うーん…」ペラリ

    恒一「……おや?」


      テレビでくるまがどかーん。あたまいたくなた。こわくてさみしい。こういっちゃんにあいたい。おわり


    恒一「………」

    恒一「ええと…確か綾野さんの簡易看護日誌があったはず…」ガサガサ

    恒一「あった、これだ。ええっと…」

      
      10月26日 午後8時 頭痛と強い恐怖感を訴え、一時的に心神喪失状態に陥って病室から這って脱走。嘔吐、失禁有り。原因は不明。

             注釈 見舞いの少年(榊原恒一氏)の名を連呼。念のため以後見回りの回数を3から5に増やす対応


    恒一「これは…日記には日付が書いてないけど、この日記との符合は…?」

    84 = 1 :

    恒一「ねえ、綾野さん」

    綾野「………」

    恒一「綾野さん?」

    恒一(…熱心にアニメを見てる。何のアニメだろう…)

    恒一(…なんか…陰鬱な雰囲気だな…深刻な顔した学生が千切れたカセットテープを囲んで…おや、急に場面が変わった)

    恒一(雨の中、山沿いの道を車が走ってる……乗ってるのは親子かな…)

    綾野「う…」

    恒一「綾野さん?」

    綾野「う…あ…ダメ…」

    恒一「どうしたの?綾野さん顔が真っ青だよ…?」

    85 = 1 :

    綾野「やだ…怖いよ、死にたくない…死にたくないよ…」ブルブル

    恒一「どうしたの綾野さん!?大丈夫だよ!もう現象は止まったんだよ!」

    綾野「ひっ……ひいぃぃぃ……!」ガタガタガタガタ

    テレビ『キョキョキョッ  ドガシャッ  』

    綾野「――ッ!!」ギクンッ

    綾野「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

    恒一「綾野さん!?」

    87 = 1 :

    綾野「アアアアアアアアアアッ!怖い!怖い怖いぃい!こういっちゃん!ああっ!わアアアアアアアアアアアッ!!」

    恒一「綾野さん落ち着いて!今ナースコールしたよ!すぐ先生が来てくれるから…」ガシ

    綾野「こういっちゃんどこぉ!?ひいいっ!死ぬ、死んじゃう!こういっちゃんどこぉ!?どこなの!?わああああっ」ブンブン

    恒一「!? 綾野さん僕はここだよ!おちついて、ね、傷が開いちゃうから暴れないで…!」ググググ

    恒一(凄い力だ…!車が崖から落下する場面で触発したのか?くそっ、僕が予測して止めるべきだった…!)

    88 = 34 :

    89 = 1 :

    綾野「こういっちゃんどこ!?助けて!いやああ死んじゃう!死んじゃうよおおっ!」

    恒一「僕はここだよ綾野さん!だから落ち着いて…うわっ」ドタッ

    綾野「怖い…痛いぃ…!怖い痛い怖い痛い怖いよこういっちゃん、助けてよぉ…こういっちゃん、どこおぉ!?」

    恒一「いててて…ま、待って綾野さん!まだ足の傷が…立っちゃダメだ!」

    綾野「こういっちゃあぁ~~~~!」トテトテ…

    恒一「待って!待って綾野さん!病室に戻って!」ググ…ムクリ

    恒一「綾野さん!!」ダッ

    90 = 1 :

    あやのんの運命やいかに

    ご飯食べてきます

    そろそろ猿もきそう

    91 :

    保守して気楽に待つ

    93 :

    94 = 16 :

    95 = 93 :

    97 = 93 :

    98 = 1 :

    看護婦さん「フンフフンフフン♪」ガラガラガラ

    看護婦さん「今日の由美ちゃん、なんかいつもより元気だったからお姉さん安心しちゃった~」ガラガラ

    看護婦さん「きっとあのオミマイ少年のお陰かな~?手鏡欲しがったり散髪の予約入れたり…」ガラガラガラ

    看護婦さん「いやぁ~青春してるわね~♪ンフフ~♪」ガラガラガラ

    看護婦さん「こういういい日はアレね~、普段はクッソ重たい、医療器具満載のカートも軽く感じちゃうわ~」ガチャガチャ

    看護婦さん「お~ここだここだ。ふい~疲れたぁ♪やっほ~メガネ少年、元気してるカナ~?」ガチャ




      「ああああぁん!こういっちゃ、こういっちゃあ~~ん!」

      「どこだよおぉう、うえっ、うええ~~…」トテトテトテ

      「あっ!綾野さん危ないっ!!」


          ドガシャァッ!!


    看護婦さん「ひえっ!?な、何!?って今の音…まさか、誰かがカートに!?」

    99 = 42 :

    おかえり

    100 = 1 :

    カランカラン…

    恒一「………う…」

    恒一「あ…綾野さん…怪我は無い?」ナデ…

    綾野「ううっ、うっ、ヒック、ヒック、うえっ、えっぐ…」ギュウ…


    看護婦さん「きゃあああああ!!だ、大丈夫ですかぁ!?大変…お怪我は…!?」

    恒一「大丈夫です…ただ、少し足の傷が開いちゃってるみたいで…綾野さん、他に痛いとこないかい?」

    看護婦さん「そ、そうじゃなくて…キミは大丈夫なの!?カートに背中から突っ込んだんでしょ!?この子を庇ったのね?」

    恒一「ごめんなさい、カートひっくり返しちゃって…僕は大丈夫です…たぶん…あいたた…」

    看護婦さん「あ、こ、こうしちゃいられないわ!すぐに先生を呼んでくるからね!」タッタッタ

    恒一「あ、お気遣い無く…」


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