元スレP「アイドルマスター殺人事件」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
俺がドアを開けると、「彼女」は窓を開けてそこに腰掛けていた
P「やっぱり、お前が犯人だったのか」
※アイマスキャラによるミステリSSですが、作品を知らなくても解けるようになっています
途中で犯人やトリックを読み切られてしまっても、そ知らぬ顔で投稿していきます
矛盾や無理のある展開、論理の穴等がありましたら容赦なく指摘してください
解答編に入る前のレスで予告するので、推理したい方は注意してください
2 :
犯人はオラウータン
3 :
長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じていま す。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にあり がとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお 願いします! ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!
4 :
共犯者がいる
5 :
犯人は双子だった
6 = 1 :
やよい「プロデューサー、ごめんなさい…」
P「良いよ、暇だったから」
俺はやよい御用達の激安スーパーへ向かっていた
相当な量を買い込むというので、俺が車を出して手伝うことになったのだ
伊織「そうよ、暇人は有効活用しなきゃ」
春香「プロデューサーさん、ラジオかけても良いですか?」
P「ああ」
そしてなぜか伊織と春香も同乗していた
俺と同様、彼女たちも暇人なのだ
7 = 1 :
P「今日は何を買うんだ?」
やよい「えっと、お米とお味噌と牛乳と…」
P「重いものは今日買っておいたほうがいい」
やよい「えへへ、そうしますー」
その店はまさに「町の台所」という雰囲気だ
時間が早いため、まだ客は少ない
俺と春香が並んでカートを使い、やよいは吟味した商品をそれに入れていく
伊織は日本有数の富豪のお嬢様なのだが、意外と落ち着いた様子だった
8 = 1 :
やよい「なんだかプロデューサーと春香さん、新婚さんみたいですね!」
春香「えっ、や、やだやよいったら、もういきなり何言うのよー!もう!」
P「春香、ちゃんと前見ろ」
春香「え?あ、うわぁー!」
春香の押しているカートが缶詰の山を崩した
俺達は手伝ってくれる店員さんに謝りながらそれを元に戻した
春香「うう、ごめんなさい…」
P「謝るのは俺にじゃなくて、お店の人にだな」
春香「ごめんなさい、お店の皆さん!」
会計を済ませた後で、春香は売り場の方へお辞儀をしてそういった
9 = 1 :
伊織「ねえプロデューサー、あれ何?」
伊織は出口付近にある福引場を示した
『3000円のお買い物につき1回、南の島の大チャンス!』と、看板に書いてある
やよい「わあー!あんなのがあるなんて珍しいですー!」
伊織「やよいは知ってるの?」
やよい「うん、伊織ちゃんはやったことないの?」
伊織「ええ、初めて見たわ」
P「あれは福引だよ、あの器械を回して出てきた色に応じた景品がもらえるんだ」
P「ちょうど三回分出来るから、一人一回回してくるといい」
春香「よーし、ここは一つ汚名返上ですよ!汚名返上!」
春香「南の島…、は無理にしても三等のお買い物券1万円分くらいなら…!」
そう言いながら春香は勢い良くそれを回した
しかし、回転の強さと当選確率にはなんら関係がないだろう
やがて一つの玉が出てきた
春香「白ですっ!」
P「ティッシュだ」
春香「あう…」
10 = 1 :
伊織「ま、この伊織ちゃんなら一等間違い無しね!」
やよい「が、頑張って伊織ちゃん!」
伊織「ええ、任せておいて」
伊織「はあっ!」
またも派手な音を立てて器械は回る
繰り返すが、力を入れても意味はない
そしてまた玉が出てくる
伊織「緑よっ!」
P「石鹸だ」
伊織「はあ…」
11 :
おみせにひーびくワンダーボーイス
12 :
死ぬのは我那覇くん
13 = 1 :
伊織「ま、どうせこんなもんよ…」
春香「うん、そうだね…」
春香「やよい、良かったらこれあげるよ…」
伊織「私のもあげるわ…」
やよい「わっ、良いんですかー!?助かりますー!」
やよいは受け取ったポケットティッシュと石鹸を大事そうに鞄にしまった
14 = 1 :
P「やよい、ラストチャンスだ」
やよい「はい!頑張りますー!」
やよい「うーん、出来れば五等のお醤油1リットルが欲しいなあ…」
やよいはゆっくりと器械を回した
真剣な表情でその動作を続け、ぽとりと玉が落ちてきた
やよい「出ました、赤です!」
やよい「えっと…、あ、お醤油は紫でした、残念です」
春香「やよい、赤って…」
伊織「嘘でしょ?」
P「…信じられないな」
やよい「え?」
次の瞬間、鐘の音がスーパー中に鳴り響いた
15 = 1 :
【初日・9時】
響「ほら見てみろ律子!海がキレイだぞ!」
律子「分かったから、あんまりさわいじゃだめよ」
響「自分、今すぐにでもあそこに飛び込みたいぞー!」
やよい「伊織ちゃん、私、飛行機乗るのなんて初めてだよ!」
伊織「あら、そうなの」
やよい「伊織ちゃんは乗ったことある?」
伊織「当たり前じゃない、自家用のも2台あるわよ」
やよい「じかよう?」
春香「千早ちゃん…、飛行機とか大丈夫な人?」
千早「ええ…、春香はダメなの?」
春香「うん、ちょっと、大丈夫だって分かってはいるんだけど…」
春香「うう、こんなときでも寝られる美希が羨ましいよ…」
美希「かー…」
16 = 1 :
やよいが当てたのは8人分の南の島ご招待券だった
2泊3日の期間中は島ごと完全に貸切で、俺達以外には誰もいないらしい
当人のやよいを含めて、スケジュールが空いているアイドルが6人
それに引率の俺と律子が入り、運良くぴったりと枠が埋まった
千早「美希、着いたわよ」
美希「うーん…」
千早「美希」
美希「…あれ千早さん、もう着いたの?」
千早「これから船に乗るのよ」
美希「うん、分かったの…」
美希「…………うん…」
千早「そう言いながら寝ないで」
美希「はいなの…」
18 = 11 :
クローズドサークルもの?
19 = 1 :
春香「あの、プロデューサーさん!」
P「ん?」
春香「ここ、泳げますよね?」
旅行のパンフレットを持って春香が尋ねてきた
事前に参加者全員に配られており、宿泊先の写真などが細部まで載っている
P「数時間だけだろうな」
春香「え、何でですか?」
P「もうすぐ天気が崩れるらしい」
飛行機を降りた後、俺たちは船で島まで移動した
今日の夜から明日にかけて天候が大幅に崩れるので、それまで船の行き来は無いらしい
20 :
ミキミキが幸せになるなら何でもいいです
21 = 1 :
伊織「うぅ、気持ち悪い…」
春香「地面が揺れてる…」
やよい「二人とも、大丈夫ですか?」
伊織「大丈夫じゃないわ…」
春香「帰りが今から憂鬱だよ…」
船での移動中、伊織と春香が船酔いしてしまった
やよいが両手で二人の背中をさすっている
律子「この後はみんなで泳ぐ予定だったんだけど…」
伊織「ごめん、ちょっと無理…」
春香「私もです…」
律子「そのようね、二人とも部屋で休んでなさい」
22 = 1 :
【初日・13時・屋敷】
春香「やっと着いた…」
伊織「そうね…」
小さな島なので、数分で俺たちは宿泊予定の屋敷に到着した
その外観は思っていたより古めかしく、木造で、不気味な雰囲気を漂わせていた
しかし実際は自然エネルギーを電力に変換し、建物全体の電気を工面しているハイテク建築だという
また防音・空調機能も備わっており、普段は多くの観光客が快適な時間を満喫しているらしい
そして何より特徴的なのは、入り口の反対側のすぐ近くに海があるということだった
俺は預かっていた鍵を使い扉を開けた
内装にはますます所有者の趣味が感じられ、
意図的に古く作られたアトラクションのようでもあった
響「うわー、なんか出そうなとこだぞ」
千早「本当…」
やよい「うう、怖いですー…」
個人的には好きな雰囲気だったのだが、
アイドル達からの評判は芳しくないようだ
23 = 1 :
P「それじゃ、部屋の鍵をわたすぞ」
部屋割りはあらかじめ参加者全員で以下のように決めておいた
2F 響 伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 階段
出来れば男女でフロアを分けたかったのだが、
部屋が足りないので春香が俺の隣の部屋を使うことになっている
俺の部屋は響の部屋の、
春香の部屋は伊織の部屋のそれぞれ真下だ
やよい・千早・美希の部屋にまたがった階下には食堂と浴室がある
階段は美希の部屋の正面にあり、俺や響の部屋からは遠い位置にある
ロビーは入ってすぐの位置にあり、一階の様子が一望できる
壁にかかってある斧を、響が興味深そうに眺めていた
P「それと、部屋を出るときは鍵を閉めておくこと」
P「失くすとまずいから、鍵はロビーに置き場所があるからそこに掛けておくように」
P「一応マスターキーはあるけど、気をつけてな」
24 :
わかった!15美少女漂流記だ!
25 = 1 :
律子「じゃあみんな、各自部屋で水着に着替えてロビーに集合してね」
美希「ねえ、ハニーは行かないの?」
P「ああ、春香たちと留守番だ」
美希「ふーん、せっかくキワドイ水着持ってきたのになー」
P「じゃあ、なおさら一緒に行くわけにいかないな」
美希「むー、つまんないの」
律子「バカな事言ってないで、ほら着替えてきなさい」
美希「はーい、なの」
26 = 1 :
【初日・14時】
荷解きを終えて、俺は部屋を見渡していた
広さはかなりあり、家具はどれも高級そうだ
おそらくどの部屋も同じ形、おなじ物の配置だろう
そして一つの部屋に一つの洋式トイレ
浴槽はないがシャワールームもある
ドアの横には内線専用の電話機が設置されている
見た目は建物の雰囲気に合わせ古臭かったが、
本体部分の液晶に繋いでいる部屋の番号が出るようになっていた
つまり、どの部屋から電話が来たか事前に分かるのだ
俺は入って正面の大きな出窓を、ロックを外し外側に開いた
改めて眺めると、本当にすぐそこに海がある
建物と海の間に陸地はなく、長いさおがあれば部屋の中から釣りが出来るほどの距離だった
P「(しかしこれは…、部屋の窓は開けないように注意しとかなくちゃな)」
身を乗り出して落ちてしまったら、そのまま海へドボンだ
そう考えていたときに、誰かが部屋のドアをノックする音が聞こえた
27 = 1 :
美希「ハニー、この水着どう?」
ドアを開けると、そこには確かにキワドイ水着を着た美希がいた
P「ああ、似合ってるよ」
響「プロデューサー、自分はどうだ?」
やよい「あのー、私学校ので恥ずかしいんですけど…」
千早「くっ」
P「うん、みんなよく似合ってる」
律子「ほらみんな、晴れてるうちにさっさと行くわよ!」
P「律子もな」
律子「はい?」
P「似合ってる」
律子「もう、何バカなこと言ってるんですか」
律子はそう言って、美希たちを外に引っ張っていった
28 = 11 :
P
春香
千早
美希
やよい
伊織
響
律子
貴音
雪歩
真
亜美
真美
小鳥
社長
29 = 1 :
俺は春香と伊織の見舞いに行くことにした
声が通りづらいので、俺は少しだけドアを開けて声をかけた
P「春香、具合はどうだ?」
春香「プロデューサーさんですか…?」
P「ああ」
春香「はい、さっきよりは大分マシになりました」
P「そうか、でも無理するなよ」
春香「はい、ありがとうございます」
30 = 1 :
P「伊織、具合はどうだ?」
伊織「…プロデューサー?」
P「ああ」
伊織「…悪いけど、話すのもしんどいのよ…」
P「分かった、俺は部屋にいるから何かあったら携帯かそこの電話を使って1番に連絡してくれ」
伊織「…ありがと」
1番というのは俺の部屋番号だ
玄関の位置から正面に見て、下の階の左から数えている
よって、俺の部屋が1番で春香が2番
一階に個室は2つしかないから響が3番、最後が律子の部屋の8番になっている
俺は自分の部屋に戻り、仕事の資料に目を通していた
31 :
前にも同じようなので社長死ぬやつあったな
32 = 1 :
【初日・17時】
3時間ほど経ってから、律子たちがペンションに戻ってきた
律子「戻りましたー」
美希「ねえハニー、すっごく楽しかったの!」
響「うん、最高だったぞ!」
P「ああ、よかったな」
律子「まだ降ってませんけど、時間の問題ですね」
P「今日はもう外に出れないな」
上空は濃い雨雲で満たされている
早めに切り上げてきたのは賢明だろう
33 :
犯人は豊乳機を使おうとしているのを知られたくなかった千早
34 :
とりあえず今の段階で出てない人っている?
35 = 11 :
出てる
P
春香
千早
美希
やよい
伊織
響
律子
出てない
貴音
雪歩
真
亜美
真美
小鳥
社長
36 = 1 :
響「あれ?おかしいぞ」
P「どうした?」
響「あ、プロデューサー、自分の部屋の鍵がないんだ」
P「ここに掛けておいたのか?」
響「うん、そうしたはずなんだけど…」
響の部屋番号「3」のフックには、何もかかっていなかった
最初に見たときには、俺が預かっていた玄関以外の鍵が全てかかっていたはずだ
37 = 34 :
とりあえず伊織と雪歩、場合によっては貴音も犯人から除外されるな
38 = 1 :
P「もしかしたら閉め忘れて部屋にあるんじゃないか?」
響「…ちょっと確かめてくるぞ」
そう言って響は2階の自分の部屋まで確かめに行った
階段から遠いせいか、少し時間が経ってから戻ってきた
響「やっぱり鍵がかかってた、自分、ちゃんと閉めたはずだからな」
P「そうか…、まあずっとその格好でいるわけにもいかないな」
響は水着姿で体中を濡らしている
P「マスターキーを貸すから、それを使ってくれ」
P「風邪をひかないように早くシャワーを浴びて着替えてこい」
俺は「M」のフックにかけてあるマスターキーを響に渡した
響「ごめんな、プロデューサー」
P「失くさないようにな」
響「うん!」
39 = 1 :
【初日・17時30分】
俺は窓を開け放して海を眺めていた
嵐の前の静けさがこの場所を支配している
突然部屋の電話が鳴った
黒電話のような、けたたましい音だ
俺は窓から離れ、ドアの横の電話を取りにいった
表示されているのは「3」、響の部屋からだ
P「もしもし」
返事は無かった
P「響?」
返事はなく、10秒ほど無音の時間があってから、がちゃんという音を残して通話は切れた
P「(…いたずら電話か?)」
俺はすぐにその電話を使い響の部屋にコールした
しかし30秒ほど待っていても響は出ない
俺は部屋を出て響の部屋まで向かった
階段が反対側にあるので、俺の部屋と響の部屋は最も遠い組み合わせだ
40 = 1 :
ロビーに出ると、美希と千早が私服に着替えて談笑していた
美希「あ、ハニー!この服どうかな?」
P「ああ、似合ってるよ」
千早「何かあったんですか?」
千早がそう言った
おそらく、俺の奇妙な表情を見て言ったのだろう
P「響の部屋から電話があったんだ」
美希「電話って、あの部屋についてるやつ?」
P「ああ」
美希「むー、響もハニーのこと狙ってるのかなあ」
千早「でも、なぜわざわざ部屋の電話を使ったのでしょう」
千早「何にしろ携帯で連絡したほうが確実だと思うのだけれど…」
P「確かにそうだな」
美希「きっと、そのほうがロマンチックだからじゃないかな」
P「電話の種類にロマンの違いなんかないよ」
美希「もう、ハニーはなーんもわかってないの!」
41 = 11 :
2F 響 伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 階段
42 = 1 :
俺は二階へ上がり、響の部屋のドアをノックした
P「響」
返事は無い
P「響!いないのか!?」
返事は無い
P「響!開けるぞ!」
返事は無い
俺はドアノブを回した
しかし、鍵がかかっている
俺は響の携帯に電話を掛けた
すると部屋の中から着信音が聞こえてきた
中で熟睡しているのだろうか…?
しかしついさっきの電話は確かにこの部屋からだ
43 = 1 :
>>41
ずれてますね、こんな感じで
分かりにくかったら地の文を参考にしてください
2F 響 .伊織 やよい 千早 美希 律子
1F P 春香 食堂 浴室 ..階段
44 = 1 :
俺は他の場所を探すことにした
伊織ももう回復しているだろう
俺は隣の伊織の部屋のドアをノックした
P「伊織、起きてるか!?」
この建物の部屋は外の音が聞こえづらいので、大きな声を出さなければいけない
伊織「ええ…」
伊織はドアを開けた
伊織「…どうしたの?」
P「響がいないんだ」
伊織「響が?」
P「ああ、知らないか?」
伊織「知らないわ、ぐっすり寝てたところを今起こされたんだもの」
P「そうか、悪かったな」
P「ついでに、窓の外を見せてくれないか?」
俺は伊織の部屋の窓から身を乗り出し、隣を覗き込んだ
中の様子はまでは分からないが、響の部屋の窓が閉まっていることは確認した
45 = 34 :
>>43
一階と二階の位置関係が鍵になるのね
46 = 11 :
あいよ
47 = 1 :
俺は伊織に礼を言ってから部屋を後にした
次はその隣のやよいの部屋だ
P「やよい」
返事は無い
P「やよい!いないのか!?」
返事は無い
P「やよい!入るぞ!」
しかし鍵がかかっている
俺は一抹の不安を抱きながらやよいの携帯に電話をかけた
48 = 1 :
やよい『はい、もしもし』
俺は安堵した
P「やよい、今どこにいる?」
やよい『えっと、春香さんのお部屋にお邪魔してます』
P「そうか、今から部屋に行っても良いか春香に聞いてくれるか?」
やよい『え?わ、わかりました』
春香の部屋は一階の俺の隣だ
俺は階段を下りながら返事を待った
やよいが春香にその旨を伝え、了承する声がわずかに聞こえた
やよい『構わないそうですー』
P「ありがとう、もう部屋の前にいるからドアを開けてくれるか?」
間もなく、やよいと春香が揃ってドアから顔を出した
49 = 1 :
春香「どうしたんですか?プロデューサーさん」
P「響を知らないか?」
春香「いえ、知りませんけど…」
P「やよいは?」
やよい「いえ、私も戻ってシャワーを浴びてからずっと春香さんといましたから…」
3人の間に沈黙が降りた
P「…じゃあ他も当たってみるよ」
春香「はい、お願いします…」
やよい「春香さん、晩ご飯いっしょにつくりましょう!」
春香「あ、そうだね!」
やよい「はい、頑張りましょう!」
結局、誰一人響の行方を知るものは誰もいない
俺と律子で建物のあらゆる場所を探したが一向に見つからなかった
窓の外では、雷を合図に凄まじい雨が降り始めた
50 = 1 :
P「…ドアを壊して中を確認しよう」
律子「…それしかありませんね」
俺はロビーに飾ってあった斧を持ってきて、響の部屋のドアに思い切り叩き付けた
もし眠っているのなら、この音で起きないはずはない
扉に穴が開き、そこから内側に手を入れて鍵を開け中に入った
窓は閉まっていて内側からロックされている
トイレやシャワールーム、ベッドの下やクローゼットの中まで確認したが響の姿はなかった
さっきまで響が着ていた水着が脱衣所に残されている
確かに響はこの部屋に戻ってきたのだ
マスターキーは響に渡したきりで、戻されてはいない
窓から他の場所へ移動するのは例え晴れていて響の部屋の窓が開いていても難しい
移動するための取っ掛かりがないのだ
いずれにしても窓のロックは外側からは出来ないので、彼女の部屋は紛れもない密室だった
みんなの評価 : ☆
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