元スレP「みんなぁ!FPS、しようぜぇ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
事の発端は小鳥さんだった
いつものようにPCに向かっていると思ったら
小鳥「こんの糞芋がぁぁぁぁぁぁぁっ!」
とモニターに正拳突きをかましたのだ
全員がぎょっとする
小鳥さんはコブシをかばって震えていた
モニターを見ると、遮蔽物の多い黄土色ので戦場で兵士が飛び跳ねながら銃を乱射していた
P「……なにしてんですか……」
俺は溜息をついて目頭を押さえた
小鳥さん曰く最近嵌っているFPSゲームがどうしてもやりたくなった、とのこと
無論正座で説教した
膝を突き合わせてコンコンと
もう職場では二度とやらないと誓わせた
2 = 1 :
その日の帰りのことだ
P「小鳥さん、ちなみにアレなんてゲームなんですか?」
俺は帰ろうとする小鳥さんを呼び止めると聞いてしまった
さりげなく、なにげなく、なんてことのない話題のように
一瞬驚いたような顔をして―――共犯者を見つけたようなゲスい顔で小鳥さんは近づいてきた
小鳥「あらら~?あんなに説教したのに、ま~さ~か~?」
危険だ
弱みを見せてはいけない
そう直観すると俺は正論を振りかざした
使いすぎると友達がいなくなるから要注意だ
3 :
液晶でモニターを突き破れないようではいけない。突き方を教えてやりたまえ
4 = 1 :
P「仕事中なんだから当然です。調子に乗ると社長にチクリますよ?」
小鳥「そ、それだけはご勘弁を……」
両手を拝むように合わせて小鳥さんが言う
もちろんこんな詰まらないことを言いふらすつもりはないし、そもそも社長は気にもしないだろう
P「それでタイトルは?」
早く教えてください
家に帰るとさっそくPCを立ち上げた
新しいおもちゃを買ってきたようでワクワクする
俺はメモを確認するとまずはスカイプというソフトを検索した
6 :
エネミーテリトリーだと芋スナが輝く
7 = 1 :
小鳥『ン、エヘン!……もしもし?音無ですが聞こえますか?』
スピーカーを通して小鳥さんの声が聞こえた
これはいいものだ
俺は小鳥さんの声が実は大好きだ
本人に言うと調子に乗るので黙っている
P『はいきこえますよ』
マイクはまだ無いのでチャットで返した
正直面倒くさい
明日にでも買ってこよう
9 = 1 :
俺は小鳥さんの的確なナビゲーションを受けて、登録→DL→インストールまでの流れをを完璧にこなした
合間に雑談をする
P『小鳥さんはこのゲームをどのくらいやっていますか?』
小鳥『そうですねぇ……、一時期別ゲーに行ってましたから正確にはわかりませんけど……、多分1年くらいじゃないでしょうか』
1年!
俺は驚いた
家にあるゲームはどれもこれも1ヶ月持たずに飽きたのだ
これはとんでもない掘り出し物なのかもしれない
その上無料だなんてすごい名作なんじゃないのか?
11 = 1 :
P『一年も続くなんてすごいですね そんなに面白いんですか?』
小鳥『うーん……面白いって言うか、対戦ゲームですからね。やっぱり勝てると嬉しいんですよっ♪』
ふむ 負ければ悔しいんだろうな
俺はポチポチとキーを叩く
P『小鳥さんはどのくらい強いんですか?』
小鳥『えーと、確かKDが1.8くらいだったかな?』
P『kdってなんですか?』
小鳥『あ、キルデスの略です。1で普通で大きいほど強いと思ってもらえれば』
あのダメ無さんが1.8なのだ
俺はKD3.0を目標にした
13 = 10 :
KD3.0ってことは三人殺すまで一度も死なないってことでおk?
14 :
で、タイトルは?
15 = 1 :
インストールを完了して早速クライアントを起動する
昂揚感のあるBGMが流れ出した
俺は興奮した
立ち上がった!
叫んだ!!
壁ドンされた
座りなおした
P『それでまずはどうすればいいですか?』
小鳥『じゃあ、まずはキャラクターを作成しましょうか』
【コールネームを入力してください】と出ていた
俺は戦場に立つ無敵の殺し屋をイメージした
彼は常に単独で行動し、群れることは無い
自慢の愛銃【シルバー・クレイジー・ドラグーン】は親友の形見だ
最強のハンターなのだ
16 :
これはひどい
17 :
ダークネスショッツ!
18 = 1 :
小鳥『名前決まりましたか?プロデューサーさん』
ロマンを邪魔されてしまった
P『今考えています 少し待っててください』
小鳥『は~い、じゃあ私も新キャラ作ったんでちょっと遊んできます。わからなくなったら教えてくださいね~』
俺は自分の分身、最強のハンターを命名する為に彼の姿を強くイメージした
3秒で天から神が降りてきた
俺はその素晴らしさに打ち震えながら入力をする
【†ゴッドハンター・神無月光牙†】
19 :
真美(うわぁ・・・)
21 = 1 :
完璧だった
ふはははは
雑兵ども覚悟はいいか?
震えて待つがいい
俺は勢いよくエンターキーを叩いた
ターンッ!
エンターキーを叩くとメッセージが出てきた
【長すぎます。全角8文字以内にしてください】
俺は机を叩いた!
四つんばいになった!!
吼えた!!!!!!!!
罵声と共に壁ドンされた
正座して反省した
22 :
短すぎてもダメだって言われたりするんだよな
23 = 1 :
……気を取り直して考える
考えてみれば名前に凝るなんて3流のすることだ
普通の名前で伝説になったほうがカッコイイ
鈴木一郎がイチローになったように
【Pマン】
特に捻りの無い名前だが、この名前を覚えておけよ
伝説のプレイヤーの誕生だ
ターンッ!
今度は受け付けてもらえた
すると画面が切り替わって武器を購入できるようになった
銃に詳しくない俺にはどれを買えばいいのかわからない
24 = 1 :
『小鳥さん助けてください』
文章で書くと全面的に頼っているようでいやだったので書き直す
『俺の銃はどこだ?』
ダメだ
意味がわからない
それにちょっとワイルド過ぎた
おまけに小鳥さんなら俺の股間を指差しそうだ
ありえないと言い切れないから怖い
25 = 1 :
P『どの銃を買えばいいんですか?』
小鳥『えと、ちょっと待っててくださいね?』
P『はい』
実際どの銃も違った魅力を持っている
ウチのアイドルのようだ
どの銃になっても名前をつけて大事にしてやろう
小鳥『お待たせしました。ちょっとwiki見てきましたので』
P『大丈夫ですよ』
銃の説明を読んでいるだけで楽しかった
小鳥『それじゃあですね、M4A1ってありますよね?それを買ってください』
M4A1……M4A1……あった
銃器に詳しくない俺でも見たことのある形だった
黒く無骨なその姿は職業軍人を思わせた
26 = 1 :
P『どんなじうなんですか?』
タイプミスしてしまった
P『銃』
小鳥『あ、はい。バランスがよく素直で扱いやすい銃ですね。ウチのアイドルで言うと春香ちゃんかしら?』
なるほど よろしくな、ジェノサイド春香
その後も指示に従いハンドガンと投擲物を購入した
これで戦場に立てるのだ
伝説の幕開けだ
小鳥『じゃあやってみましょうか?』
P『はい』
小鳥『新兵サーバーの1ch24番部屋に来てください』
P『はい』
言われた通りに部屋まで行くと、いきなりメッセージウィンドウが開いた
【ピヨちゃん可愛い 様から友達登録の申請が送られました 受理されますか?】
28 :
何のゲームやってんの?
29 = 1 :
なんだこいつ
初対面で友達とか頭沸いてるんじゃないのか?
俺は容赦なく【NO】をクリックした
小鳥『ちょっと!なに断ってるんですか!』
なんでもなにもないでしょうに
P『友達じゃないから断りました』
小鳥『………………え?』
P『よく知りもしないのに勝手に友達だと思われたら迷惑ですから。馴れ馴れしくないですか?』
小鳥『……………………………………………………………………ゴメンナサイ……………………』
フシュ~~~ン
スピーカーから変な音が聞こえた
P『今何か言いましたか小鳥さん?』
小鳥さんの声が聞こえなくなった
スカイプのコンタクトリストを見ると小鳥さんはログアウトしていた
P「寝るならそう言ってくれればいいのに」
操作方法がまるでわからないのではどうしようもない
P「じゃあ俺も寝るかな」
時刻は1時になろうとしていた
30 :
貴音かわいいよ貴音
31 :
デザキャンか
32 = 17 :
引くこと覚えろカス
33 = 6 :
ひどい
34 = 1 :
事務所に行くと小鳥さんが変だった
変といえばいつも変なのだがそういう変ではなかった
……俺を避けるのだ
まず目を合わせてくれない
近くに行くと床や壁を見つめてしまう
話をしてくれない
無駄話はもちろん、必要なことでも伝言やメモを使ってくる
いつもの軽いスキンシップでも、と思ったらもう帰っていた
無論挨拶は無かった
36 = 1 :
おかしい
互いにバカをやりあう同僚なのだ
喧嘩する事はあっても、無視はありえない
実際にあったのだけども俺は信じられなかった
伊織「なにボーっとしてんのよ?間抜けな顔がさらにヒドいことになってるわよ?」
この悪態は伊織だ
P「間抜けな顔は余計だ。……なぁ、小鳥さん、今日は変じゃなかったか?」
小鳥さんの机を見ながら聞いた
やたらゴチャゴチャと飾ってある
賑やかなあの人らしいと思う
37 = 1 :
伊織「変?小鳥とアンタが変なのはいつものことじゃない、なに言ってるの?」
俺と小鳥さんの扱いが一緒なのは納得が行かないが、今は置いておこう
P「そういう変じゃなくてさ、えと……なんていうか」
なんて言えばいいんだよ
同僚の女性にシカトされてます?
俺ならこう答えるだろう
『嫌われてるんじゃない?』
一気に気分が落ち込んだ
38 = 1 :
伊織「……なんていうか、なによ」
P「いやすまん、やっぱいいわ」
伊織「ちょっと!そこで止めるんじゃないわよ!気になるじゃない!」
そう言われましても
P「あー……じゃあさ、聞くけど」
伊織「ええ」
P「伊織って俺のことどう思ってる?」
同じ女性からなら有益な情報が得られるかもしれない
伊織「……へ?」
なんだこいつ
ちゃんと聞いておけよ
P「俺は、伊織にとってどんな存在なんだ?」
伊織「なななななななななあ!」
39 = 1 :
P「ちゃんと答えてくれよ、知りたいんだ。すぐに」
早く解決してゲームやりたい
ジリジリと後退する伊織を追いかけると、壁際に追い詰めたようになった
P「そんなに答えにくいのか?」
真っ赤な顔してウサギを抱きしめている
伊織「あ、当たり前でしょ!そんな軽々しく言えるもんですか!」
軽い気持ちで答えてもらって構わないのだが
P「……そんなに言いにくい答えなのか?」
まさか伊織にまで……
人気者だなんて思っちゃいなかったけど、嫌われ者だったなんて考えもしてなかった
お調子者の俺は気分が落ち込むのも早い
悲しくなって帰りたくなってきた
P「ん……じゃあ、帰るわ……」
戸締りは社長にお願いしよう
俺は荷物を取りに机に向かった
伊織「ちょ、ちょっと!なに勝手に終わらせてるのよ!」
40 :
面白い
41 = 1 :
P「いや、もう大体わかったから、もういいです……」
傷口を抉らないで欲しい
伊織「よくないわよ!私はなにもわかってないのよ!?」
P「……でも、もうこれ以上嫌われたくないし……」
伊織「はぁ?」
P「俺しんどい……帰って寝たい……」
チカラがヒュルヒュルと抜けていく
打たれ弱いのだ
伊織「なに言ってんのよ……!別にあんたを嫌ってるわけじゃないわよ!」
P「……ホントに?」
少し回復しそうだ
伊織「ウチにあんたを嫌ってるヤツなんていないわよ!そんなこともわからないなんて本当にダメね!」
P「いやでも……実際小鳥さんに嫌われちゃったし……」
伊織「なによそれ……」
P「ん……」
ちょっと話し辛い
でも誰かに相談したいという気持ちもある
葛藤するまでもなかった
伊織「いいからさっさと話しなさい!伊織ちゃんが相談に乗ってあげようって言ってるんだからね!」
こういう時伊織の強引さがありがたかった
42 = 10 :
いおりんまじいおりん
43 = 20 :
いおりんかわゆい
44 = 1 :
P「なんか……無視されてるんだ」
伊織「は?小鳥が?アンタを?」
P「うん……」
伊織「そんなわけないでしょ、アンタの勘違いじゃないの?」
P「でも、今日は一度も話せてないし……避けられてるとしか……」
伊織「そう言えば、今日はあんたたち律子に怒られてないわよね。セットでは」
P「せ、先週の火曜日も怒られてないぞ」
伊織「その時は律子が休みだっただけでしょうが。それで?」
P「うん?」
伊織「小鳥になにしたの?」
思い出す
P「ゲームを一緒にやった」
伊織「それで?」
P「それだけ。黙って寝ちゃって、そう言えばあの時から変だったなぁ」
伊織「なによそれ?そんなんじゃわかる訳ないじゃない。もうちょっと詳しく話しなさい」
45 = 1 :
俺はもう少し詳細に思い出した
ゲームをやっている小鳥さんを注意したこと
タイトルを教えてもらったこと
スカイプで会話しながらキャラを作成したこと
呼ばれてゲームの部屋に行ったこと
P「あ」
伊織「心当たりがあるの?」
P「変なやつから友達登録が来た」
伊織「変なやつ?」
P「うん。ピヨちゃん可愛い、だっけかな?知らない人」
伊織「…………………………それで?」
P「拒否った。知らない人だったし」
伊織「……………………………………………………それで?小鳥は何か言ってなかった?」
P「えーと……」
たしか
P「『なんで拒否るんですか!?』とかなんとか。あれ?そういやなんで小鳥さんは申請が来たの知ってたんだろ」
伊織はデコを抑えていた
46 :
やまとんのステマ
47 = 46 :
ゲームのタイトルはクロスファイアだ
48 = 1 :
P「頭でも痛くなったのか?大丈夫か」
伊織「頭は痛くなったわよ……おかげさまでね……。あと大丈夫は私の台詞だから」
P「ん?どういうこと?」
伊織「アンタ本気で頭悪いわね!!誰がどう見てもその申請送ってきたのが小鳥でしょうが!!!」
P「え?マジで?」
伊織「どうして……こう……ここにはマトモな大人がいないのかしら……」
俺は割とマトモだと思うのだが
伊織「いいから!もう!世話が焼けるわね!」
伊織「さっさと小鳥に連絡して謝ってきなさい!」
P「は、はい!」
伊織の剣幕に俺は事務所を飛び出す
伊織「本当にもう……世話が焼けるんだから……」
伊織の呟きが閉じかけたドアの隙間を抜けて、聞こえた
サンキュー伊織
今度メシでも奢ってやろう
49 :
アイマス知らないけど面白いからもっと早くして
50 = 1 :
俺は小鳥さんにメールを送った
『昨日はスイマセンでした』
タイトルはすぐに決まった
本文も考えながら打ち込む
『友達じゃないなんて言ってゴメンナサイ。小鳥さんはとても大事な人です。早く声が聞きたいです』
……勢いだけで書いたから少し意味深になってしまった
修正しよう
ピッ
P「あ」
間違えて送信してしまった
飛んでいった電波を捕まえるのはちょっと難しいので諦めて、俺は電気屋でヘッドセットを買った
家に帰ってケイタイを見ると着信履歴があった 小鳥さんだ
この時間は電気屋で店員にヘッドセットの歴史を聞いてたころだ
俺は折り返し電話を入れる
pr
小鳥「はい音無です!」
早っ
みんなの評価 : ☆
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