私的良スレ書庫
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元スレ雪歩「春になったら」
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P「よし、そろそろ帰る。ごちそうさま。小鳥。」
小鳥「あ、はい。お疲れ様でした。」
P「お前は?」
小鳥「あと少し片付けをしていきます。」
P「…そうか。じゃあな。また明日の朝。」
小鳥「はい。さようなら。プロデューサーさん。」
小鳥「あ、はい。お疲れ様でした。」
P「お前は?」
小鳥「あと少し片付けをしていきます。」
P「…そうか。じゃあな。また明日の朝。」
小鳥「はい。さようなら。プロデューサーさん。」
さようなら
その言葉を口に出した瞬間。
急に感情がせり上がってきて。
小鳥「プロデューサーさん!!」
気がついたら叫んでいた。
その言葉を口に出した瞬間。
急に感情がせり上がってきて。
小鳥「プロデューサーさん!!」
気がついたら叫んでいた。
事務所のドアを開けようとした彼はこちらを振り向いて。
小鳥「プロデューサーさん…」
……だめ、やめなさい
小鳥「プロデューサーさん…プロデューサーさん…」
笑って送り出してあげないと…笑って…
小鳥「こういう時…」
小鳥「『行かないで』と『連れてって』と…どっちを言えばいいんですか…」
小鳥「プロデューサーさん…」
……だめ、やめなさい
小鳥「プロデューサーさん…プロデューサーさん…」
笑って送り出してあげないと…笑って…
小鳥「こういう時…」
小鳥「『行かないで』と『連れてって』と…どっちを言えばいいんですか…」
その後はもう言葉にならなかった。私は泣いた。子どもみたいにわんわん声をあげて泣いた。
うちで一番幼い亜美ちゃんや真美ちゃんだってこんな風には泣かないだろう。
涙を流していたら立っていられなくなって、事務所の床にぺたんと座ってわめきつづけた。
いつの間にかプロデューサーさんが抱きしめてくれていた。
プロデューサーさんの腕の中で、私は17の子どものままだった。
うちで一番幼い亜美ちゃんや真美ちゃんだってこんな風には泣かないだろう。
涙を流していたら立っていられなくなって、事務所の床にぺたんと座ってわめきつづけた。
いつの間にかプロデューサーさんが抱きしめてくれていた。
プロデューサーさんの腕の中で、私は17の子どものままだった。
P「…落ち着いたか?」
小鳥「…ごめんなさい」
P「…一緒に帰るか?」
小鳥「こんな顔で帰れるわけないじゃないですか…」
少し名残惜しかったが彼の腕の中から抜けだしてトイレに入る。
鏡で自分の顔を確認する。
我ながら、ひどい顔だ。
でも、卑怯者の顔にはふさわしい。
雪歩ちゃんがいないからって、プロデューサーさんの優しさにつけこんで。
そう、思ったら、また涙が出てきた。
事務所の鍵を閉め、階段を降りる――――
もう他の階の人達は帰ってしまったのだろう。
階段は暗く。私とプロデューサーさんの足音だけが響く。
事務所の入り口を出る時、プロデューサーさんと私は手をつないだ。
とても自然で、当然のような行為だった。
もう他の階の人達は帰ってしまったのだろう。
階段は暗く。私とプロデューサーさんの足音だけが響く。
事務所の入り口を出る時、プロデューサーさんと私は手をつないだ。
とても自然で、当然のような行為だった。
もう人通りも少ない街を歩く。ずっと好きだった人と手をつないで。
凍ってしまったかのような冬の空気がしん、と染み渡ってきても、私の心臓は鳴りやまなかった。
P「…今年は、寒さが続くなあ…」
小鳥「…本当ですね」
それきり何も話さずに。手をつないだまま。ゆっくりと歩いた。
凍ってしまったかのような冬の空気がしん、と染み渡ってきても、私の心臓は鳴りやまなかった。
P「…今年は、寒さが続くなあ…」
小鳥「…本当ですね」
それきり何も話さずに。手をつないだまま。ゆっくりと歩いた。
きっとその夜、求めれば、彼は私を抱きしめてくれただろう。
口づけだってしてくれただろう。そして、その先のことだって―――
だけど、私は何も求めなかった。
この静かで、きれいで、幸せな時間を壊したくなかったから。
これ以上何かを望んだら、雪歩ちゃんに顔向けできないから。
何より―彼と結ばれてしまったら。
私はもう、離れられなくなるだろうから。
口づけだってしてくれただろう。そして、その先のことだって―――
だけど、私は何も求めなかった。
この静かで、きれいで、幸せな時間を壊したくなかったから。
これ以上何かを望んだら、雪歩ちゃんに顔向けできないから。
何より―彼と結ばれてしまったら。
私はもう、離れられなくなるだろうから。
2人のPとか嫉妬して大変なことになるんじゃないかと思っていたんだがな
これは良い支援
これは良い支援
お互い何も言わないまま駅について、改札を抜ける。
つないでいた手が離れる。
小鳥「…お疲れ様でした」
P「…お疲れさん」
改札の向こう側で。
いつもよりも深いお辞儀を交わして、私たちは別れた。
つないでいた手が離れる。
小鳥「…お疲れ様でした」
P「…お疲れさん」
改札の向こう側で。
いつもよりも深いお辞儀を交わして、私たちは別れた。
【それから】
長く続いた寒さも過ぎ去り、桜の花もいつの間にか青々とした葉を茂らせた頃。
私、音無小鳥は今日も765プロにいた。
小鳥「はいどうぞ。今日のは雪歩ちゃんがくれたお茶ですよ。」
新P「ありがとうございます。音無さん。」
美希「あふぅ。こう暖かいとなんだか眠くなるの…」
春香「そうだね~。このくらいが一番気持ちいいよね。」
雪歩「お茶がおいしいですぅ…」
今日も事務所にはみんなが集まっている。この陽気のせいでみんなぽわぽわムードだ。
彼がいなくなった765プロは少し広くなったけれど、雰囲気は変わらない。
ここに彼がいたらなんて言うんだろう。しっかりしろ!と激を飛ばすかな?
そんな事を考えていたら―――
小鳥「プロデューサーさん…今頃どうしてるのかしらね…」
つい、口に出してしまった。
長く続いた寒さも過ぎ去り、桜の花もいつの間にか青々とした葉を茂らせた頃。
私、音無小鳥は今日も765プロにいた。
小鳥「はいどうぞ。今日のは雪歩ちゃんがくれたお茶ですよ。」
新P「ありがとうございます。音無さん。」
美希「あふぅ。こう暖かいとなんだか眠くなるの…」
春香「そうだね~。このくらいが一番気持ちいいよね。」
雪歩「お茶がおいしいですぅ…」
今日も事務所にはみんなが集まっている。この陽気のせいでみんなぽわぽわムードだ。
彼がいなくなった765プロは少し広くなったけれど、雰囲気は変わらない。
ここに彼がいたらなんて言うんだろう。しっかりしろ!と激を飛ばすかな?
そんな事を考えていたら―――
小鳥「プロデューサーさん…今頃どうしてるのかしらね…」
つい、口に出してしまった。
「「・・・・・」」
私がつぶやいた言葉にさっきまで賑やかだった事務所が静まり返る。
やってしまった…気をつけていたはずなのに…
亜美「…そんなに気になるなら電話でもすれば?」
私がつぶやいた言葉にさっきまで賑やかだった事務所が静まり返る。
やってしまった…気をつけていたはずなのに…
亜美「…そんなに気になるなら電話でもすれば?」
え?
みんなの顔を見ると、うんざりしたような目でこちらを見ている。
真美「てゆーかさ。むしろもう会いに行っちゃっていいよ?バイバイ、ピヨちゃん。」
伊織「一日に何回もノロケを聞かされる身にもなりなさいよ…」
あずさ「あらあら、うらやましいわ~。」
小鳥「…は、はは…」
頭をかく薬指にはあの人からもらった指輪が光っている。
みんなの顔を見ると、うんざりしたような目でこちらを見ている。
真美「てゆーかさ。むしろもう会いに行っちゃっていいよ?バイバイ、ピヨちゃん。」
伊織「一日に何回もノロケを聞かされる身にもなりなさいよ…」
あずさ「あらあら、うらやましいわ~。」
小鳥「…は、はは…」
頭をかく薬指にはあの人からもらった指輪が光っている。
――――――あの日、駅にプロデューサーを見送りに行った日。
みんなと一人ずつ挨拶を交わしていく中、雪歩ちゃんは
雪歩「プロデューサー。私、きっとトップアイドルになってみせます。だから、遠くで見守っててくださいね。プロデューサー。」
そう、強い表情で言ってのけた。この子は本当に強くなったんだ。
私もちゃんと見送らないと。
最後に彼の前に立つ。
みんなと一人ずつ挨拶を交わしていく中、雪歩ちゃんは
雪歩「プロデューサー。私、きっとトップアイドルになってみせます。だから、遠くで見守っててくださいね。プロデューサー。」
そう、強い表情で言ってのけた。この子は本当に強くなったんだ。
私もちゃんと見送らないと。
最後に彼の前に立つ。
小鳥「プロデューサーさん。向こうに行っても元気でいてくださいね。」
P「ああ…」
小鳥「あんまりお酒ばっかり飲んじゃダメですよ。」
P「ばか、お前に言われたくないよ。お前こそいい旦那を見つけろよ…小鳥。」
小鳥「えっ…」
彼が他の子達がいる前で「小鳥」と呼ぶのは初めてのことだ。
何もこんな時に…バカ…
ほら…何も言えなくなってしまう。
P「ああ…」
小鳥「あんまりお酒ばっかり飲んじゃダメですよ。」
P「ばか、お前に言われたくないよ。お前こそいい旦那を見つけろよ…小鳥。」
小鳥「えっ…」
彼が他の子達がいる前で「小鳥」と呼ぶのは初めてのことだ。
何もこんな時に…バカ…
ほら…何も言えなくなってしまう。
prrrrrrrrrrrrrrr
「発車いたします。白線の内側までお下がりください。」
P「おう、それじゃ、みんな元気でな。行ってくるわ。」
「プロデューサー!」「元気でね!」「今までありがとうございました!」
「おっちゃん、忘れないでね!」 「いつかまたお会いしましょう!」
みんな口々に別れの言葉を叫ぶ。
そして、ドアが閉まる瞬間。
小鳥「キャッ!?」
誰かに押されたと思ったら、私はプロデューサーさんの胸の中にいて。
振り返ったら笑顔の雪歩ちゃんがドアの向こうから手を振っていた―――
「発車いたします。白線の内側までお下がりください。」
P「おう、それじゃ、みんな元気でな。行ってくるわ。」
「プロデューサー!」「元気でね!」「今までありがとうございました!」
「おっちゃん、忘れないでね!」 「いつかまたお会いしましょう!」
みんな口々に別れの言葉を叫ぶ。
そして、ドアが閉まる瞬間。
小鳥「キャッ!?」
誰かに押されたと思ったら、私はプロデューサーさんの胸の中にいて。
振り返ったら笑顔の雪歩ちゃんがドアの向こうから手を振っていた―――
それから、そのまま二人で気まずい沈黙が続いて。
小鳥「え、えーと…」
P「あ、ああ…」
小鳥「なんか、乗っちゃいましたね…」
P「お、おう…」
小鳥「と、とりあえず次の駅で降りますね!」
とにかくプロデューサーさんから離れなくちゃ―
小鳥「え、えーと…」
P「あ、ああ…」
小鳥「なんか、乗っちゃいましたね…」
P「お、おう…」
小鳥「と、とりあえず次の駅で降りますね!」
とにかくプロデューサーさんから離れなくちゃ―
P「いやだ。」
小鳥「えっ?」
P「このまま連れて行く。」
小鳥「は?」
P「一緒に来い。小鳥。」
小鳥「え?えっ?えええええええええええええええええええ!?」
小鳥「えっ?」
P「このまま連れて行く。」
小鳥「は?」
P「一緒に来い。小鳥。」
小鳥「え?えっ?えええええええええええええええええええ!?」
二人で自由席に座って。彼の実家に行って。結婚の約束をして。
…あまりのことに正直よく覚えてない。
それから二人はそのまま幸せに暮らしました…となればまるで映画なのだが、現実はそうは行かない。
アパートの部屋や、仕事、レンタルビデオの返却…
そういったロマンティックとは程遠いしがらみを諸々精算するために一度戻ってきたのである。
特に仕事はすぐに辞めるという訳にはいかない。まだしばらくはこっちで後輩を育てないと…
…あまりのことに正直よく覚えてない。
それから二人はそのまま幸せに暮らしました…となればまるで映画なのだが、現実はそうは行かない。
アパートの部屋や、仕事、レンタルビデオの返却…
そういったロマンティックとは程遠いしがらみを諸々精算するために一度戻ってきたのである。
特に仕事はすぐに辞めるという訳にはいかない。まだしばらくはこっちで後輩を育てないと…
小鳥「…ど~も~。音無小鳥で~す…恥ずかしながら戻って参りましたぁ~…」
事務所に戻ってきた日。おそるおそる扉をひらくと
「「おめでとー!!」」
盛大なクラッカーの音が鳴り響いた。
事務所の壁には『プロデューサー・小鳥さん結婚おめでとう!』の垂れ幕がかかっている。
春香「おめでとうございます!小鳥さん!」
伊織「あんたもなかなかやるじゃない!」
律子「やりましたね!小鳥さん!」
あずさ「また先をこされちゃいましたね~」
みんなが口々にお祝いの言葉を投げかける中。
事務所の奥のほうには
満面の笑顔の
雪歩ちゃんがいた。
伊織「あんたもなかなかやるじゃない!」
律子「やりましたね!小鳥さん!」
あずさ「また先をこされちゃいましたね~」
みんなが口々にお祝いの言葉を投げかける中。
事務所の奥のほうには
満面の笑顔の
雪歩ちゃんがいた。
>>25
何言ってんだこいつ
何言ってんだこいつ
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