元スレマミ「これよりクリスマス対策作戦会議を始めるわ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
101 = 1 :
男「……あれ、そちらの方は……?」
ほむら「! わ、私?」
マミ「うん? この子は新入りよ。今年からサンタになったの」
男「新入りさんですか! こんばんは!」
ほむら「こ……こんばんは……」
どういう顔をすればいいのか分からない。
マミ「まあ、もしかしたら、来年来るかもしれないわね……」ボソッ
間違いなく来ることになるだろうなと、確信を持って呟く。
マミ「それじゃ、私たちはもう行くわ。メリー・クリスマス、いい夜を」ピョン
ほむら「メリー・クリスマス……」ピョン
男「ああ、そんなっ、もう行っちゃうの……!?」
別れを惜しんで手を伸すが、既に二人は消えた後。
男「……でも、うへへへ……。今年も、来てくれた………」
ベランダに残ったのは、若干気味の悪い男のニヤけ顔だけであった。
102 = 1 :
ほむら「……はい、解説」テクテク…
マミ「………あれはね、リピーターよ」トコトコ…
ほむら「まぁ、言わんとしたいことは分かるけれど……」
マミ「この作戦、唯一にして最大の欠点よ。私たちのことを覚えていて、寂しさを解決しようともせず、
サンタに縋ってしまう人が稀にいる」
QB「あれで、多分3人目だね。マミが見てきた中では」
ほむら「………」
マミ「そうするとああやって毎年、今年もサンタさんこないかなーって、信じて待ち続けるのよ。
……まあ、信じさせようとしている私も悪いのだけれど」
ほむら「……それは、別に悪くはないでしょう。信じているからこそ、
自分を気にかける誰かがどこかにいると、そう思っていられるというのがポイントだと理解しているわよ?」
マミ「それは間違っては居ないわね」
ほむら「なら」
マミ「だけれども、本当にサンタしか信じる物が無い人だと、毎年必ず来てくれる、来てくれると信じ続け、
こうしてクリスマスが終了する間際になると、『今年は来なかった』って、
まるで時限爆弾のように絶望を始めてしまう」
ほむら「はた迷惑ね……」
103 :
ほむほむ
まみまみ
104 = 1 :
マミ「今のところどうしようもないわ。稀にしか起こらない事だから、目をつぶるしか」
ほむら「もうほっといて、魔獣に心食べて貰うしかないんじゃないの?」
マミ「……あのね」
ほむら「冗談よ」
マミ「そういうわけだから、まぁその……。もしもこの先、私が居なくなって、
それでもこのサンタ少女作戦を続ける気があったら、一応記憶にとどめておいて」
ほむら「………分かったわ。でも」
マミ「うん?」
ほむら「『私が居なくなったら』っていうのは、きっと私よりもたちの悪い冗談ね」
マミ「……ごめんなさい」
ほむら「早まらないでよ?」
マミ「努力はしているわ」
ほむら「……そうね」
105 = 79 :
ちょっと円環の理に行ってマミさんたちに無敵チートを施すよう、直談判してくるわ。
106 = 1 :
――最終シフト――
25日の深夜。もう、ほとんどクリスマスは終わってしまっている。
この時間帯になれば、もう殆ど魔獣も瘴気も見られない。
48時間の長い間、広い範囲でいろいろな人たちと出会ってはプレゼントを届けた三人のサンタ。
魔法で編んだ服はいつだってピカピカと綺麗だが、中の少女達は随分とお疲れの顔色である。
マミ「暁美さん、三連続で大丈夫? 寝ていても良かったのに」
ほむら「大丈夫よ。どうせもう、ほとんど仕事も無いじゃない。最後ぐらい一緒の方が良いわ」
杏子「まぁそうだな。あと数時間もすれば、25日も終わりだよ。んー、疲れたっ」コキッ
腕を伸ばして体を鳴らす。
マミ「……そうね。最後ぐらい、残り少ないクリスマスを楽しみましょうか」トコトコ…
ほむら「ええ」テクテク…
人の少ない夜道を歩く。
杏子「……あ、コンビニ、ちょっと寄ろうぜ」ピタッ
明かりの眩しい一角を見て、足を止めた。
マミ「いいわね。おでんとか」
ほむら「肉まんが良くないかしら。おでんは虫が入っていそうで苦手だわ……」
108 = 1 :
ガーッ
「ありがとうございましたー!」
杏子「ほぇー、あったけぇー。指の感覚が戻ってきた気がする」
肉まんの包みを握って暖を取る。
マミ「暁美さんも成長したわね。サンタ服でも、何のためらいもなくレジを済ませるくらいまで」
ほむら「もう慣れたわ……。よく見れば店員もサンタコスだし、何だか無言の仲間意識を感じたし……」
マミ「ああ、それはあるわね。多分、同じクリスマスのアルバイトをどこかでしていると思われたのね」
ほむら「大変さで言えば似たような物かも知れないわね……。時給0円なのが玉に瑕」
杏子「キュゥべえ、時給10円ぐらい出してくれよ。牛丼食えるぞ」
QB「魔法少女のお仕事は、報酬完全前払いだよ?」
ほむら「まぁ、そうね……。期待していないわよ」
マミ「それで、どうする? 公園にでも行く?」
杏子「んー、どうしよっか」
ほむら「そうねぇ……」
109 = 1 :
ほむら「……あの、ビルの上に行かない? 見滝原で一番高いビルの上」
マミ「えっ? あそこ?」
杏子「……上空は寒いぞ?」
ほむら「何だか、魔法少女だけの秘密の場所なんだもの。普通はあんな場所、入れないし。
一応街中を監視するにも、悪くないと思うわよ」
杏子「うーん、それはまーそうだな」
マミ「いいんじゃない。すぐ降りてこられるし、三人だけのお茶会をしにいきましょうか」
QB「僕も居ることを忘れないで欲しいな」
マミ「失礼、四人ね」
ほむら「三人と毛玉一つよ」
杏子「どっちでもいいよ……。ほら先行くぞっ!」ピョン
マミ「あっと、また一人で先走って……!」シュルル…
ほむら「もう、よく疲れてあれだけ飛べるわね……」ピョン
110 :
円環世界もクリスマスだったらいいなぁ
111 = 1 :
――夜景を眺めながら――
「「「「かんぱーい!」」」」
ガコンッ
買ってきた、ホット指定のペットボトルをつきあわせる。
マミ「ちょっと早いけれど。まずはみんな、お疲れ様」
ほむら「お疲れ様」
QB「ご苦労だったね、三人とも」
杏子「今年も大変だったなー」カリリッ
蓋をねじ切って飲み始める。
杏子「……ん、やっぱちょっと冷めてるか。まあいいや」ゴクゴク…
ほむら「最初はまさか、サンタの真似事をさせられるとは思っていなかったけれど。
無事に終わって何よりよ」
マミ「ふふふ。魔法少女がサンタクロ~ス♪ 本当はサンタクロ~ス♪」
杏子「リズム全然合ってねーから……」
112 = 79 :
>>110
サンタコスで救済に現れるまど神とな?
で、正月には振り袖で、顔に墨で○とか書かれたまど神が来るわけだな?
113 :
まど神様が「プレゼントは私だよ…」とか言ってほむらちゃんの前に現れる展開キボン
114 = 110 :
誰か>>112の参考資料をくれ
会議で使うから急ぎで
115 = 1 :
ほむら「はぁ……。サンタクロースが本当に居てくれれば良いのに……」ハグッ
冷めた肉まんを囓りながら呟く。
杏子「ん? 何か欲しいもんでもあんのか?」
ほむら「そう言う訳じゃないけれど。信じさせる側じゃなくて、信じる側に回りたいって意味よ」モグモグ
マミ「ふぅん……。でも、本物のサンタクロースなら、ちゃんと居るわよ?」
変なことを言わないで頂戴、とでも言うように返す。
ほむら「………はい?」
杏子「だよな。ほむら、サンタに何か貰ったことないのか?」
ほむら「え………え? いえ、有る、けれど………」
マミ「去年は来なかったとか、そういうことかしら。ふふふ、暁美さんも案外悪い子なのね」ニヤリ
杏子「みたいだなー」モグモグ
ほむら「え、いやサンタってのは……え?」
何を言っても地雷くさくて二の句が継げない。
ほむら (うう、この二人、たまーにツッコみづらい冗談かますのよね……。勘弁して欲しい)
116 :
本当に信じてるのか、自分たちへの皮肉なのかw
117 = 107 :
杏子はまさか
118 :
二人とも親がいないから始末に困るwww
119 = 1 :
ほむら「ふぅ……」
肉まんも食べ終わり、一息ついて街を見下ろす。
人の存在を示す明かりが、遠くまで一面に広がっている。
ほむら「……随分と回った物よね。ここから見える範囲、大体見滝原でしょう?」
QB「そうだね。丁度あそこに見える、国道より手前が君たちの縄張りだね」
杏子「言われて見りゃ広いな……」
ほむら「これだけ広ければ、いろんな人が居て、いろんな寂しさを抱えているのも納得できるわね……」
マミ「そうね……」ガサッ
マミも食べ終えた包みを、小さく丸めて片付ける。
ほむら「……これ、来年もやっぱりやるのよね」
マミ「それはもちろん。魔法少女のクリスマスは、いつだって戦いよ?」
ほむら「うう……。今からちょっと、憂鬱かも」
杏子「まだ一年も先の話じゃねぇか」
マミ「まぁ、疲れるから、気持ちは分かるけれど。わりと悪くはなかったでしょう。
私は好きよ、人の役に立ってるって実感があって」
ほむら「うん……。仕事量さえ少なければ、好きになれると思う」
120 = 1 :
マミ「それじゃ、そろそろ帰りましょうか。打ち上げの本番は、明日だから」
ほむら「ああ、そういえばそんなこと言っていたわね……」
マミ「ええ。一日遅いクリスマスパーティよ。私の家でやるから、えっと……。
午後3時ぐらい? だったら、準備できてると思う」
杏子「とりあえず美味いモンが食えると思ってていいのかい?」
マミ「ちょっと料理の腕を振るう余力は無いけれど、ケーキぐらいは焼くつもりよ?」
杏子「そりゃいいや。あたしも出来る限りの菓子を買ってこよう」
ほむら「私は……まぁ、適当に食べ物でも買っていくわね」
それぞれに明日の宴を思い浮かべる。
QB「安全のために一応言っておきたいんだけど、僕の分も用意してくれると有り難いな」
マミ「あーら、忘れるわけ無いじゃない? 二日間、ずーっと働いてくれたんですもの」
ほむら「まぁ……苦労に報いることは悪い事じゃないわよね」ファサッ
杏子「おお、ほむらにしては優しい言葉だ……」
QB「ありがとう、これは期待できそうだね」
121 = 1 :
ほむら「じゃ、また明日。キュゥべえ、行くわよ」
QB「また明日会おう、マミ、杏子」ピョン
杏子「ああ、またな」
マミ「おやすみなさい」
ほむら「おやすみなさい!」ピョンッ
椅子から降りるような動作で、ほむらは夜の街の中へと沈んでいった。
『みんなのハートにティロ・フィナーレ☆ 魔法少女のちょっとハードなクリスマス♥2011』も、
今年はこれで無事におしまい。
杏子「あたしらも帰ろうぜ、かなり本格的に冷えてきた……」ブルッ
マミ「そうね。あったかーいお風呂に入りたいわね。……一緒に入る?」
杏子「あ、アホかっ。一人で入るよ!」ピョン
マミ「あら残念……」ピョンッ
残った二人も、しょうもない話をしながら家へと帰っていった。
122 = 1 :
――ほむホーム――
ほむら「ふはぁ……。さっぱりした………」ホワホワ
夜も深く、1時を回ろうかという頃。風呂場から湯気を浮かべてほむらが現れた。
QB「やあ、おかえりほむら。随分長かったね」
ほむら「労働の後のお風呂は格別なのよ……。若干、寝そうになったのもあるけれど」
QB「それは良くないね。入浴中に寝るのは、通常の睡眠と違って失神に近いんだ。
だから万が一溺れたりしても、目覚めずにそのまま死んでしまいかねないよ」
ほむら「……警告、痛み入るわ。さて………」ボフッ
だるい体を布団に投げ出す。
ほむら「きなさいキュゥべえ。夜は冷えるわよ」ノソノソ
QB「僕は冷えても問題ないように出来ているんだけどね」テトテト
そう言いつつも、ちゃんと言うとおりにほむらの元へと歩いていくる。
ほむら「……ああ、憎たらしい」ギュッ
QB「………」
それをそっと布団の中に引っ張り込み、寂しい胸元に抱きしめた。
123 :
おいQBそこ代われ
ってまど神様が言ってた
124 = 103 :
べぇーさんでは小さすぎてほむほむがあたたかくなれないだろうし
俺が入るしかあるまい
125 = 1 :
QB「たまに思うんだけど、君は何故僕を抱きしめて寝るんだい?」
ほむら「え、何よ……? 急に」
QB「いや。今日は、特に抱きしめる力が強いと感じたから、気になったんだ」
ほむら「………分かるでしょ?」
QB「分かるはずが無いじゃないか。言葉にして貰わないと、意志は伝わらないよ」
ほむら「………」
キュゥべえの言うとおり。本当に正論しか吐かない、憎たらしい生き物。
だからと言って、『ひとりぼっちは寂しいの』だなんて、ほむらが正直に答えてあげる義理もない。
ほむら「……そうね。良い事を教えてあげるわ」
QB「なんだい?」
ほむら「感情を持つ生き物は、何も喋らなくても意志を伝えることが出来る場合がある。
それも、言葉よりずっと分かりやすく、ね……」
QB「……そんなはずはないだろう。君たちは、意思疎通のために言語を覚えて発展してきたはずだ」
ほむら「そうかもしれないわね。でも、たとえばこうやって……」ギュッ
もっと、より強くキュゥべえを抱きしめるほむら。
ほむら「……どう? なにも伝わってこないかしら?」
126 = 1 :
QB「さっぱりわけがわからないよ……」
変わらない表情で、ただ声色で思い切り困惑を表現してみせるキュゥべえ。
ほむら (………まあ、それはそうよね。期待していた……わけではないけれど)
ほむら「ふふ。貴方達にも分からないことはあるのね。まだまだ研究が必要なんじゃない?」
QB「そうだね。今でも、母星では感情の研究は続いているよ。
僕たちの科学力があれば、近いうちに君の言うことも理解できるようになるだろうね」
ほむら「………」
それはきっと、この二種類の生き物の間にある厚い壁で、
いくら時間が過ぎても永遠に壊すことは出来ない壁なんだろうなと、なんとなく確信がある。
ほむら「だと、いいわね」
それでもほむらは、愛想を込めて希望的な返事をした。
ほむら「……明日もあるわ。そろそろ寝ましょう」カチッ
ベッドサイドの明かりを消す。
ほむら「おやすみ、キュゥべえ」
QB「おやすみ、ほむら」
いつもと同じ挨拶をして、わかり合えない二人はゆったりとした眠りに沈んでいった。
127 = 1 :
――深夜――
ほむら「………」スゥ… スゥ…
疲労困憊の魔法少女達も、今は深く安らかの眠りの中にいる。
QB「………」キュゥ… キュゥ…
一応は生物であるらしいインキュベーターも、ほむらの腕の中で眠っている。
カーテンの隙間から覗いた見滝原市街には、いつの間にか雪が積もり始めていた。
真っ白な街が音を吸い込み、怖いほどに静かな丑三つ時。
シャン… シャン…
そんななか、明るい鈴の音が近づいてくる。
ウェヒ… ヒヒ…
奇妙な歌声も混じって。
ウェッヒッヒ~ ウェッヒッヒ~ 鈴が~鳴る~♪
それがどうやら風変わりな『ジングル・ベル』であることが分かりかけた頃、
鈴の音と歌声はほむらの家の目の前でぱたりと止んだ。
129 = 110 :
ほうほう素晴らしい
130 = 1 :
「んしょっと……」スゥ…
足音もなく、すっと壁を通り抜けて歌声の主が姿を現す。
桃色の髪をした、サンタ服の女の子。
それは、ほむらだけが知っている、この世には居ないはずの鹿目まどかの姿だった。
よく見れば、全身ぼんやりと幽霊のように透き通っている。
まどか「一日遅れのメリークリスマス! ほむらちゃん!」
大きな声で挨拶をする。
まどか「……といっても、聞こえないんだよね。仕方ないや」スス…
そのまま体を、ベッドの近くに寄せる。
まどか「ティヒヒ、よく寝てるなぁ……。ほむらちゃんは魔法少女になって初めてのクリスマスで、
大忙しだったもんね……。お疲れ様」
ほむら「ん………」スゥ… スゥ…
まどか「……さて、残念だけど、あんまり長居はできないんだよね。ほむらちゃんの欲しい物は……?」スッ
そう言って、撫でるように右手をほむらの頭に持って行く。
ただ、触れ合うことはなく、手は頭の中に沈んだ。
131 = 14 :
お脳のあたりをチュクチュクと
132 = 1 :
まどか「……ん? お金? はみんなそう言うし……。………銃? もしかして趣味になってたのかな……」
読み取った思考を一つ一つ吟味する。
まどか「………うん、やっぱり、わたしの姿が出てくるよね。ありがとう、ほむらちゃん。
でも、サンタクロースは正体を明かすわけにはいかないから……」
寂しげに微笑んだ。
まどか「……そうだね、これかな。ほむらちゃんが、自分では買うのを躊躇いそうな服……。
でもすごく欲しがってるんだね。これにしよう!」
まどか「そうと決まったら……」ポンッ
戻した右手に、今度は謎のステッキを召還した。
どこぞの魔法少女アニメに影響を受けたような、そんなマジカルステッキ。それを、
まどか「えいやっ!」ポポン
掛け声と共に振るうと、ほむらの枕元に大きな靴下が現れた。
まどか「これでオッケーだね! 明日、驚く顔が想像できるなぁ……♪」
まどか「あ。キュゥべえにも、一応」ポポン
もう一度振るうと、先ほどの靴下の隣にかなり小さな靴下が並んだ。
まどか「チロルチョコぐらいあげとかないとね」
133 = 123 :
私がプレゼントだよとかそういうアレじゃないんですか
134 = 116 :
なんやかんやで一緒に風呂入ってそうな気がしてきた、マミあん
135 = 1 :
まどか「……じゃあね、ほむらちゃん!」ノシ
見えない、聞こえないことを分かっていながら、元気よく別れを告げる。
そのまま足早に壁を抜けて外に出ると、宙に浮いたソリが待っていた。
まどか「よーし、次に行かなくっちゃ。さやかちゃん、お待たせ」
トナカイに向けて、そう声をかける。
さやか『………』
まどか「あれ? 待ちくたびれて寝ちゃった?」
さやか『起きてるわよ……』
中身がどうも、さやからしい。テレパシーで答える。
まどか「もうー、無視しないでよー。機嫌悪いの?」
さやか『機嫌、悪い、のぉ?』
さやか『人が魂になって静かに寝てるとこ、急にたたき起こされたと思ったらそのまま、
あろうことかトナカイに魂入れられて、ソリを引かされて!
それで機嫌が悪くならないわけがないじゃないのよ!!』
まどか「……えへへ、冗談だよ冗談」
さやか『いや実際今あたしトナカイじゃん……。冗談じゃないじゃん……』
137 = 9 :
導かれてもこの扱い、流石っすねwww
138 = 1 :
まどか「でも、久しぶりに見滝原これて良かったでしょ?
わたしもさやかちゃんと、久しぶりにお話ししたかったし……」
さやか『そりゃそうですが……。人の姿で良いじゃないのさ』
まどか「だめだよ。サンタの相棒はトナカイって決まってるの」
さやか『さいですか……』
諦め切った声。
さやか『……それでまどかは、なんでこんな事してんのさ。
魔法少女にプレゼント配って回るだなんて』
まどか「それはね。わたしが概念になったとき、ものすごーく、哀しかったから」
さやか『哀しかった?』
まどか「あのときから、私は全ての物が見えるようになって。
過去から未来まで、全ての物事が理解できるようになった。
そうしたら、その中に……。サンタクロースはお母さんだったって、衝撃の事実があったの……」
さやか『………え。まさかあんた、サンタクロース信じてたわけ? 中学2年で?』
まどか「信じてたよ! 毎年毎年、ちゃんとお手紙も書いて欲しい物をねだってたよ!」
さやか『………それはそれは。ご愁傷様です』
139 = 79 :
あれ?おかしいな。
冗談で書いた筈なのにマジでまど神さまがサンタコスとか……
気付いたら終点まで寝過ごしてるし、これは夢か何かに違いない。
140 = 1 :
まどか「他にも色々、驚いたことはいっぱいあるんだけどね。
子供はどうやって作るんだとか、わたしを生んだとき、本当はママが男の子を欲しがってたとか……」
さやか (あー、それは微妙な気持ちになるわね……)
まどか「わたしが昔なくしたブローチ、本当はさやかちゃんが壊してたってこともショックだったな」
さやか『ゔっ……。ご、ごめん……。隠してて………』
まどか「今更だし、別に怒ってはないよ」
さやか (もしかしてその腹いせ? この姿………)
まどか「そんなふうに、いろいろあった中でも、サンタクロースが本当は居なかったなんて、
わたしは絶対に許せなかった。耐えられなかった!」
さやか『はぁ……』
まどか「だから、希望を信じる魔法少女には、サンタクロースも信じて欲しいの。
ううん、私が信じさせてみせる」
さやか『無駄に固い決意だわね……』
141 = 1 :
さやか『………ま、いいわ。この恰好に文句言ってもしょうがないみたいだし。
次はマミさんと杏子んとこ行くんでしょ? 乗って乗って』
まどか「あ、うん! 急がなきゃね!」ピョン
軽くジャンプしてソリに乗る。
まどか「まだ日本にも魔法少女はいるし、これから地球を一周しないといけないからね。忙しいよ!」
さやか『はー、肉体的な苦痛が切り離されているのだけが救いだよ全く……』
シャン… シャン…
また鈴が鳴り始める。
出発したソリは、高く浮き上がったと思うと、あっという間に姿を消してしまった。
世界中を駆け巡るには、かなりのスピードが必要ということかもしれない。
ほむら「………まど……か…………」スゥ… スゥ…
QB「………」キュゥ… キュゥ…
静かに眠る二人は、まだまだ楽しい夢の中。
翌朝は、サンタの存在を信じる女の子が一人、また増えるに違いない。
きっと明日の打ち上げも、本物のサンタについて、話が弾むことだろう。
~fin~
142 :
乙ー
面白かったよ!
143 = 103 :
乙乙
やっぱほのぼのエンドはええね
144 = 123 :
プレゼントと一緒にまど神様からの手紙とか入ってたらいいなとか思いました
乙まど
145 = 110 :
乙なんだよ!
とっても面白かったんだよ!
146 = 107 :
これって、マミさんサンタを信じていなかった場合、泣いちゃいそうだな
149 = 31 :
乙乙乙
みんなの評価 : ★★
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