元スレ結衣「転校はじめました」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
~結衣宅~
結衣「…で、大事な話って何?一人ぐらしのこと?」
母「…結衣に転校してもらいたいの」
結衣「!…なんで?私、嫌だよ」
母「あなた…ごらく部なんて部活に入ってるそうね」
結衣「っ…だから何?」
母「そんな部活が黙認される学校…お固いお父さんが許すと思う?」
結衣「…」
2 :
なんやて!?
3 :
続けて下さい
4 = 1 :
二時間ほど話し合った結果…
「部長を説得して部活を潰すか転校するか、どっちか決めろ!」と言われた。
私には…京子の…一年前の笑顔が忘れられないし…
あかりとちなつちゃんの居場所を奪うワケにもいかない。
だから、私は転校する。
明日からあと3日…大事に過ごさなきゃな。
6 = 1 :
~翌日~
結衣「…」ドキドキ
結衣(迎えで京子の家のインターホンを押す)
結衣(これも後、3回か…)
結衣(…いつも通り、いつも通り…)
ピンポーン
京子「おーっす!いつもご苦労だね結衣君!」
結衣「はぁ…いつも通り元気なヤツめ」
7 = 1 :
京子「そーいう結衣君はどうなんだい?」
結衣「お前の態度にゲンナリしてる所」
京子「そーですかい。んじゃまーあかりの家にレッツゴー!」スタスタ
結衣「…」スタスタ
結衣「京子はさ…いつも私が迎えにくること、どう思ってるの?」
京子「ん?何イキナリ」
結衣「京子にも感謝の気持ちとかあったりするのかなーって思ってさ」
京子「んー…日常過ぎて良く分からないなぁ」
結衣「…そっか…そうだよな」
8 = 1 :
結衣(分かってたけど…まぁ、京子からしてみたら、そんなモンだよな)
結衣(…私が居なくなるって知ったら…皆、悲しんでくれるのかな)
結衣(…だといいな…と思ってしまうのが何か嫌だな)
京子「…結衣?やっぱり元気ないんじゃない?」
結衣「えっ…いや、そんな事ないぞ?」
京子「そう?…ならいいけど」スタスタ
結衣(無表情のつもりだったのに…京子は変な所で目ざといな)スタスタ
10 = 1 :
~あかり宅~
京子「押すよー」
結衣「あっ!ちょっと待ってくれ!」
京子「?」キョトン
結衣「そ、その…私に押させてくれないか」
京子「別にいいけどー?変な結衣」
ピンポーン
あかり「はーい」
11 = 1 :
結衣「おはよう」
あかり「おはよー」
京子「おっはよーん」
結衣「…おはよう」
あかり「?…おはよう」
京子「流れで二度目のおっはよーん」
結衣「…おはよう…っ」ウルッ
あかり「?…お、おはよう?」
京子「いやいや、何ボケてんの結衣」
結衣「い、いや…親しい友達と挨拶するのって…良いものだよな」
あかり&京子「?」キョトン
13 = 1 :
~数分後~
ちなつ「おはようございますー」
結衣「お…ちなつちゃんだ」
京子「なんと!ちなつちゃんとな!?」ガバッ
ちなつ「きゃっ…ちょ、やめて下さい毎朝~」
結衣「…」ジー
あかり「?…結衣ちゃん、止めないでいいの?」
結衣(この二人のこのやり取りも…もう、見れなくなるからな)
ちなつ「ちょっと結衣センパイ!?止めて下さいよー!」モガモガ
16 = 1 :
結衣「あ…そうか。わたしの役目だもんな」
結衣「こら、やめろよ京子ー」トントン
京子「…と、止める気ないでしょ」
ちなつ「ちょっと結衣センパイ!お願いしますってー!」
結衣「あ、ああ…よーし!」ニヤニヤ
京子「な、何でうれしそうなの?」
結衣「え、笑ってた?」
ちなつ「笑ってましたよ?」
結衣「…そっか。なんか楽しくてさ」
京子&あかり&ちなつ「??」
17 = 1 :
この日常の当たり前のやりとりも
うっとうしいと思っていたやり取りも
限りがあると思うと…楽しくて仕方がない。
もっと…この場所にいたい。
毎朝四人で通いたい。ケンカしたい。無駄話したい。たまにあかりをイジって遊びたい。
結局今日は…何も話せないまま、変にニヤけた顔をイジられて終わった。
19 = 1 :
~翌日~
バタンバタンバタン
結衣「…台風がうるさくて寝れなかった…」ムクリ
プルルルルルルル
結衣「うーん…こんな朝早くからなんだよ…」ガチャ
先生「あ、船見さん?連絡網です。今日は台風警報なのでお休みね?」
結衣「えっ…」
先生「それじゃ…」プツッ
結衣「…ウソだろ…私、運は良い方だと思ってたんだけどな…ははは…」
20 = 3 :
うむ
21 = 1 :
結衣「…ゲームしよう…」
結衣(こんな日に限って…台風なんて…こういう時はRPGだな)ピコピコ
結衣「あ、このセーブデータ…あかりと京子のヤツだ」
結衣「主人公の名前は…YUI、か。どうせ京子あたりが付けたんだろうな…」ピコピコ
結衣「…テレビの上のM字開脚ちなつちゃんが気になって集中できない」
結衣「本でも読むかな…」
22 = 1 :
結衣「…あ!続きがない…京子のヤツ…勝手に取っていったな…!」
結衣「くそ…」
結衣「…鬱だ。良いことないなぁ…」パタリ
結衣「…あと二日で転校…」
結衣「…いや、イヤだよ…」ウルッ
結衣「…うっ…ううっ…いや、だよぉ…何で私なんだよぉ…」グスッ
結衣「ただ…あいつらと居たいだけなのに…っ」ポロポロ
ピンポーン
23 = 12 :
お
24 = 1 :
結衣「っ…だ、誰だ?台風の中ここに来るバカは…」ピッ
京子「はぁ…はぁ…京子だよん」
結衣「…ビショ濡れじゃん!早く入れ!」
京子「おっす…そうさせてもらうわー」ガチャ
結衣「何でこんな天候の中、私の家に来てんだよ…」
京子「いや~…ラムレーズン食べたくてさ…なんてね」ニシシ
結衣「…ったく、待ってろ」
25 = 1 :
結衣「…で、何で来たの?はい、ラムレーズン」コトッ
京子「いやいや、ラムレーズン食べたかったからだってー!…うめぇ!」パクパク
結衣「…いやいや、ウソだろ?こんな台風の中で…」
京子「本当本当!食べたかっただけだから気にすんなってー!」パクパク
結衣「ちょ…はぁ…」
結衣(私って、そんな程度なのかな…京子にとって)
26 :
どうなるか
27 = 1 :
結衣(…悲しいな…あかり達も…私の事…)
京子「…ウソだよ。話があって来たの」
結衣「!…な、何でイキナリ真顔なんだよ!?」
京子「…結衣…さっきまで、泣いてたよね?」
結衣「…いや?」
京子「あー私ドアの前でずっと聞いてたからその言い訳効かないなぁー」ニヤニヤ
結衣「…はぁ…厄介なヤツに聞かれちゃったな…」
28 :
完結させてくれよ
29 = 1 :
京子「…でさ、何で泣いてたの」モグモグ
結衣「…」
京子「昨日もおかしかったよね?あんな結衣見た事ないし」
結衣「!」
京子「…私さ、昨日の結衣見てたし…台風も一人だと何かと怖いだろー?だかr」
結衣「京子…っ!!」ギュウウウウウ
京子「っ!?」
31 = 1 :
結衣「京子ぉ…京子ぉ…っ」グスッ
京子「ちょっ、苦し…!?」
結衣「京子ぉ…!!!」ポロポロ
京子「…えーと…よ、よしよし」
結衣「うっ…京子ぉ…ううう…」ギュウウウウウ
京子「…落ち着くまで、このままで良いからね」
結衣「うん…ありがとう…」
32 = 1 :
~数分後~
京子「…落ち着いた?」
結衣「ああ…ありがとう」グスッ
京子(ずっと抱きしめ合ってても良かったけどねー)
京子(今は…)
京子「…で、今度こそ聞かせて欲しいんだけど」
結衣「ああ…京子とは一年前前からごらく部で過ごしてきたもんな…」
結衣「先に話しとくべきだよな…」
結衣「…実はさ、私…」
33 = 1 :
~~~
京子「ちょ…転校!?しかも後二日!?何でもっと早く!?」
結衣「だってお前さ…結衣が転校するぐらいなら部活潰すとか言いそうだから…」
京子「当たり前だよ!あかりとちなつちゃんも分かってくれる!」
結衣「…ダメだぞ、京子。それだけは私が許さない」
京子「何で!?結衣が転校しちゃ嫌だ!」
結衣「ごらく部は京子達3人にまかせたから…頼む、潰さないでくれ」
京子「…ぐ…ぐぬぬ…」
35 = 1 :
結衣「私は…笑ってるごらく部が好きだ。だから二人には…最後まで話さない」
京子「…わ、分かったけど…結衣が転校なんて嫌だって…」
結衣「…京子。今まで通りすごしてくれればいいんだ…。私はこの二日を、思う存分楽しみたいだけだから」
京子「う…結衣…嫌だ…」グスッ
結衣「…今度は、私の番だな」ギュッ
京子「結衣ぃ…!何とかならないのぉ…!?」グスッ
結衣「ごらく部なんて認めない…だってさ」
京子「じゃあ…私のせいじゃん…私がごらく部なんて作ったからじゃん…!」ポロポロ
36 = 1 :
結衣「京子は悪くないよ。京子がいたごらく部が…好きだった」
結衣「ゼイタク言うなら…笑顔の京子が好きだな。私は」
京子「結衣ぃ…!嫌だ…!」
結衣「…」ギュウウウウウ
京子「…本当なのかよ…」
結衣「…うん。気が済むまでこうしていよう…これも多分、最後だ」
京子「…」ポロポロ
38 = 1 :
~~~
京子「…」
結衣「…落ち着いたか?」
京子「…がおー!ラムレーズン食べさせろー!あと、泊まるから!」
結衣「…はいはい。ちょっと待ってろ」
結衣(これでいいんだ…これで…後二日、大事に過ごせばいいんだ)
結衣(今日は京子と過ごせて…良かった)
40 = 1 :
京子の寝息を聞きながら眠りにつく。
多分明日は、ドタバタと朝が始まって…
最後は…しんみりと終わる。
最後…最後だからこそ、いつも通りを思う存分味わいたい。
これから…あの空間に戻れなくてもいいように、思い出をいっぱい作りたい
台風…頼んだよ…
結衣「…おやすみ京子」
41 = 1 :
~翌日~
結衣「うーん…」
トントントントン
結衣「?…何だこの音」
京子「お、起きたー?」
結衣「うわ、何で包丁持ってんの!?」
京子「…結衣がどっか行っちゃうくらいなら…!!」
結衣「え…!?」
京子「…なーんてね。ウソウソ。ちょっと料理をたしなんでいるのです」
結衣「りょ…料理ってお前…」
42 = 3 :
ヤンデレ京子もありだな
43 :
それは無しだな
44 = 1 :
京子「うん。苦手だよ?」
結衣「じゃあ何で料理してるんだ!?」
京子「まぁまぁ。座っててよ!」
結衣「…ったく…勝手なヤツ」
結衣(…いつも通りで良いのに…変な所で気使い激しいんだから…京子は)
京子「おまたせー。味噌汁です!」
結衣「…おお。見た目はいいね…」
京子「でしょー?」
結衣「…」ズズッ
京子「…」ドキドキ
45 = 1 :
結衣(…ちょっと塩っぽいけど…うまい!)
結衣「…」モグモグ
京子「…あのー…お味は…?」
結衣「…あ、ああ。おいしい。私おいしいもの食ってる時は無言になりやすいんだ」
京子「ホント!?っしゃー!」
結衣「…ふふ…すごいな。さすが才能の塊」
京子「ふふん!」
結衣「…ごちそうさま」
京子「さて…今度は私の分を作ってもらいましょうか」
結衣「え」
47 = 1 :
京子「え」
結衣「いやいや、今から作ってたら遅刻しちゃうから!」
京子「え~!お腹ペコペコ! 一人分しか作ってなかったし!」
結衣「…あーはいはい!待ってろ!」
京子「あ、あと制服かして」
結衣「はいはい!」
結衣(…予想通りドタバタしてるな…でも、これで良いんだ)
48 = 1 :
それから、あかりとちなつちゃんと登校。
京子の口を塞ぎながらの登校はなんだか滑稽だった。
あかりは相変わらずニコニコしてたし、ちなつちゃんは…何か複雑な目をしてた。
多分、私と京子がずっとくっついてたからだろうけど…
ちなつちゃんに好意を寄せられていた事も知ってた…その事も、ちゃんと向き合って話さないとな。
…放課後に…
49 = 1 :
~放課後~
結衣「京子…ほら、部活行くぞー」
京子「…クラスでパーティーとかしなくて良かったの」
結衣「…いいんだよ。後から先生に連絡してもらって…終わりだから」
京子「そっか…じゃあ行こー」
結衣「うん…」ドキドキ
結衣(あかりとちなつちゃん…どう思うだろうな…)
みんなの評価 : ☆
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