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元スレ京子「来いよ恋!」
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結衣「……」
京子「……」ドヤッ
結衣「何やってんだ」
京子「来るべき恋に宣戦布告」
京子「……」ドヤッ
結衣「何やってんだ」
京子「来るべき恋に宣戦布告」
結衣「まあとりあえず座れ」
京子「事情聴取?」
結衣「そんな感じ」
京子「ふむ」ポスッ
結衣「まずなぜ私のとこに来た」
京子「暇だったから」
結衣「で、なんでいきなり……恋、とか」
京子「そこで照れんの」
結衣「うっさい」
京子「刺激が欲しい」キリッ
京子「事情聴取?」
結衣「そんな感じ」
京子「ふむ」ポスッ
結衣「まずなぜ私のとこに来た」
京子「暇だったから」
結衣「で、なんでいきなり……恋、とか」
京子「そこで照れんの」
結衣「うっさい」
京子「刺激が欲しい」キリッ
結衣「刺激、刺激ね……」
京子「恋ってベタだよねー」
結衣「言い出したのはお前だろ」
京子「来いよ恋!」
結衣「うるさいなあ」
京子「ってことで結衣!」
結衣「なに?」
京子「かかってこい!」
京子「恋ってベタだよねー」
結衣「言い出したのはお前だろ」
京子「来いよ恋!」
結衣「うるさいなあ」
京子「ってことで結衣!」
結衣「なに?」
京子「かかってこい!」
◆
結衣「……」
京子「……」ギュッ
結衣「くっつくな」
京子「来いよ恋」キリッ
はあ。
思わず溜息が出てくる。
長年一緒にいる京子だけど、未だに何を考えてるのかわからないときがある。
いきなり刺激が欲しい→恋がしたいとうちに来て、かかってこいとは。
要するに京子が私を好きになるつもりってことか。
結衣「……」
京子「……」ギュッ
結衣「くっつくな」
京子「来いよ恋」キリッ
はあ。
思わず溜息が出てくる。
長年一緒にいる京子だけど、未だに何を考えてるのかわからないときがある。
いきなり刺激が欲しい→恋がしたいとうちに来て、かかってこいとは。
要するに京子が私を好きになるつもりってことか。
別に私はそういうのに興味あるわけでもないし興味ないわけでもない、
なんというかその、普通の女子中学生だから、持ってるレンアイ論としては
したくてもできるものじゃないと思っている。
結衣「……」
京子「おっ、もうすぐボス戦っ」
しかも京子はまったくもっていつもどおりだし。
まあ暇潰しのつもりで来たんだろうけどな。
結衣「京子、ちょっと退いて」
京子「えっ、今もうちょっとで倒せそうなんだって!」
結衣「京子はなにも食べたくないんだな」
京子「お腹減りました」スタッ
なんというかその、普通の女子中学生だから、持ってるレンアイ論としては
したくてもできるものじゃないと思っている。
結衣「……」
京子「おっ、もうすぐボス戦っ」
しかも京子はまったくもっていつもどおりだし。
まあ暇潰しのつもりで来たんだろうけどな。
結衣「京子、ちょっと退いて」
京子「えっ、今もうちょっとで倒せそうなんだって!」
結衣「京子はなにも食べたくないんだな」
京子「お腹減りました」スタッ
結衣「って、なんでついてくる」
京子「今日は結衣から離れない」
結衣「バカか」
京子「あなたをーすきにー♪」
結衣「なんの歌だ」
京子「それよりお腹減った」
結衣「わかったから退けって」
京子「えー、やだやだ」
結衣「……」
京子「今日は結衣から離れない」
結衣「バカか」
京子「あなたをーすきにー♪」
結衣「なんの歌だ」
京子「それよりお腹減った」
結衣「わかったから退けって」
京子「えー、やだやだ」
結衣「……」
仕方が無いので京子を後ろにくっつけたまま、私は台所に立った。
まったく……。
やりにくいし危ないし、どうにかしたいのに無理矢理は振り払えない。
京子「結衣はいい匂いだ!」
結衣「嗅ぐなよ」
京子「いてっ」ゴンッ
結衣「昼ごはん何がいい?」
京子「結衣がい」
結衣「……」
京子「ごめん嘘フライパン持つのやめて!」
まったく……。
やりにくいし危ないし、どうにかしたいのに無理矢理は振り払えない。
京子「結衣はいい匂いだ!」
結衣「嗅ぐなよ」
京子「いてっ」ゴンッ
結衣「昼ごはん何がいい?」
京子「結衣がい」
結衣「……」
京子「ごめん嘘フライパン持つのやめて!」
結衣「なんでもいいなら適当に作るけど」
京子「じゃあ麻婆豆腐」
結衣「好きだなあ」
京子「好きだよ」
結衣「ふーん」
京子「結衣が!」
結衣「恋するのはやいな」
京子「あ、間違えた」
京子「じゃあ麻婆豆腐」
結衣「好きだなあ」
京子「好きだよ」
結衣「ふーん」
京子「結衣が!」
結衣「恋するのはやいな」
京子「あ、間違えた」
どういう間違い方だ。
ふと京子のほうを見ると、京子はむうとした顔で宙(というか私の背中)を
睨んでいた。
結衣「京子、麻婆豆腐食べたいなら葱買って来て」
京子「えっ」
結衣「えっ」
京子「えっ」
結衣「いや、もういいし」
京子「結衣が来るなら行ってもいいよ」
結衣「それじゃあ昼ごはん遅くなるけど」
京子「じゃあやだ」
ふと京子のほうを見ると、京子はむうとした顔で宙(というか私の背中)を
睨んでいた。
結衣「京子、麻婆豆腐食べたいなら葱買って来て」
京子「えっ」
結衣「えっ」
京子「えっ」
結衣「いや、もういいし」
京子「結衣が来るなら行ってもいいよ」
結衣「それじゃあ昼ごはん遅くなるけど」
京子「じゃあやだ」
こうなったら京子は断として動こうとはしないだろう。
なんて頑固者だ。
私は持っていたフライパンで京子の頭を軽く殴ると、「行くよ」と財布を持った。
京子「行くの?」
結衣「葱がないと落ち着かない」
京子「他の材料はあるんだ」
結衣「いつ京子が来て麻婆豆腐作れって言われるかわからんからな」
そう言うと、京子は突然足を止めた。
身体にくっつかれたままだから私の足も自然に急停止。
もう、なんなんだと振り向くと、京子は「へえ」ととびっきり嬉しそうな顔をした。
なんて頑固者だ。
私は持っていたフライパンで京子の頭を軽く殴ると、「行くよ」と財布を持った。
京子「行くの?」
結衣「葱がないと落ち着かない」
京子「他の材料はあるんだ」
結衣「いつ京子が来て麻婆豆腐作れって言われるかわからんからな」
そう言うと、京子は突然足を止めた。
身体にくっつかれたままだから私の足も自然に急停止。
もう、なんなんだと振り向くと、京子は「へえ」ととびっきり嬉しそうな顔をした。
―――――
―――――
京子「おぉ、外寒いな」
結衣「ほんとだ。もうすぐ冬か」
京子「じゃあくっついてても問題ないな!」
結衣「いやあるから」
流石に外でもこうやって歩かれたら恥ずかしくてたまらない。
確かにくっつかれてると温かいのは温かいけど。
京子が不満そうな声を上げるのを無視して引き離す。ずっとくっついてると
恋できるなら誰も苦労はしない。
―――――
京子「おぉ、外寒いな」
結衣「ほんとだ。もうすぐ冬か」
京子「じゃあくっついてても問題ないな!」
結衣「いやあるから」
流石に外でもこうやって歩かれたら恥ずかしくてたまらない。
確かにくっつかれてると温かいのは温かいけど。
京子が不満そうな声を上げるのを無視して引き離す。ずっとくっついてると
恋できるなら誰も苦労はしない。
京子「結衣が離した!」
結衣「そりゃ離すわ」
京子「なんでさー」
結衣「だって、恥ずかしいし」
京子「もっと恥ずかしくしてやる!」
結衣「なにする気だ」
外に来ても寒くても京子の調子は変わらない。
そこがいいとこでもあるんだけどさ。
私はなにやら不吉なことを考えていそうな京子を放って歩き出す。
結衣「そりゃ離すわ」
京子「なんでさー」
結衣「だって、恥ずかしいし」
京子「もっと恥ずかしくしてやる!」
結衣「なにする気だ」
外に来ても寒くても京子の調子は変わらない。
そこがいいとこでもあるんだけどさ。
私はなにやら不吉なことを考えていそうな京子を放って歩き出す。
結衣「ほら、行くぞ」
京子「置いてくなんて結衣たんひどいっ」
結衣「じゃあ早く来いって」
あー面倒臭い。
そう思いながら立ち止まると、京子が全速力で私を追いかけて、追い抜かしていった。
待った意味ないし――そう思い掛けたとき、ぐいっと手が引っ張られた。
京子「結衣おそいぞー!」
結衣「……」
お前が早すぎるだけだろ。
『京子、おそいぞー!』
『結衣ちゃんはやいよー』
汗ばんだ掌が、妙に懐かしい。
昔とは逆なんだな、なんてふと思った。
京子「置いてくなんて結衣たんひどいっ」
結衣「じゃあ早く来いって」
あー面倒臭い。
そう思いながら立ち止まると、京子が全速力で私を追いかけて、追い抜かしていった。
待った意味ないし――そう思い掛けたとき、ぐいっと手が引っ張られた。
京子「結衣おそいぞー!」
結衣「……」
お前が早すぎるだけだろ。
『京子、おそいぞー!』
『結衣ちゃんはやいよー』
汗ばんだ掌が、妙に懐かしい。
昔とは逆なんだな、なんてふと思った。
――――― ――
結衣「あ、これ安い」
京子「……葱買いにきたんじゃないの?」
結衣「安いものは買っておかなきゃ損」
京子「だからってこんなにいっぱい……」
結衣「荷物持ちがいるからな」
京子「持ったげるからラムレーズン」
結衣「無理」
京子「結衣のケチ」
結衣「あ、これ安い」
京子「……葱買いにきたんじゃないの?」
結衣「安いものは買っておかなきゃ損」
京子「だからってこんなにいっぱい……」
結衣「荷物持ちがいるからな」
京子「持ったげるからラムレーズン」
結衣「無理」
京子「結衣のケチ」
安売りしていて必要そうなものはカゴに放り込みながら、私は「はいはい」と
頷いておく。
走らされたおかげで寒さはまったく感じない。むしろ店の中は暑いくらいだ。
結衣「暖房きいてるなあ」
京子「暑いな、脱ぐか」
結衣「うん」
京子「結衣、脱がせて」
結衣「なんか如何わしい言い方だな」
頷いておく。
走らされたおかげで寒さはまったく感じない。むしろ店の中は暑いくらいだ。
結衣「暖房きいてるなあ」
京子「暑いな、脱ぐか」
結衣「うん」
京子「結衣、脱がせて」
結衣「なんか如何わしい言い方だな」
京子「私脱がせてほしい性質なんだ」
結衣「知らんから」
京子「でも初めてはまだだから安心していいよ」
結衣「うん、真昼間からなに言ってんだ」
京子「ラムレーズン」
結衣「どこでどうラムレーズンに繋がる」
京子「ラムレーズンくれ」
結衣「無理だって」
京子「じゃあ結衣くれ」
結衣「意味わからん」
結衣「知らんから」
京子「でも初めてはまだだから安心していいよ」
結衣「うん、真昼間からなに言ってんだ」
京子「ラムレーズン」
結衣「どこでどうラムレーズンに繋がる」
京子「ラムレーズンくれ」
結衣「無理だって」
京子「じゃあ結衣くれ」
結衣「意味わからん」
適当に京子をあしらいつつ買物を終わらせた。
いつもの倍は疲れた気がする。そう思いながらふと辺りを見回すと、京子が
いなくなっていた。
結衣「あれ……?」
さっきまではいたはずなんだけど。
いったいどこに行ったんだ。首を捻っていると、ガチャガチャコーナーにそれらしき
姿を見つけた。
結衣「おい、何やってんだ」
京子「おぉ、結衣!見てみて、ミラクるんキーホルダー!」
結衣「あー、前探してたやつ?」
京子「うん、そうそう!こんなとこにあるとは、とうだいもとくらしだった!」
いつもの倍は疲れた気がする。そう思いながらふと辺りを見回すと、京子が
いなくなっていた。
結衣「あれ……?」
さっきまではいたはずなんだけど。
いったいどこに行ったんだ。首を捻っていると、ガチャガチャコーナーにそれらしき
姿を見つけた。
結衣「おい、何やってんだ」
京子「おぉ、結衣!見てみて、ミラクるんキーホルダー!」
結衣「あー、前探してたやつ?」
京子「うん、そうそう!こんなとこにあるとは、とうだいもとくらしだった!」
結衣「たどたどしい言い方だな」
京子「合ってるか不安だった」
結衣「で、やんないの?」
京子「……」
訊ねると、京子は黙り込んだ。
その手が悶々とポケットへ運ばれ、やがて脱力したように出てきたとき、
私は仕方なく二百円玉を取り出した。
結衣「貸し一な」
京子「さすが結衣様っ!」
結衣「で、やんないの?」
差し出した二百円玉はまだ私の手の中にある。
京子は「うん」と頷いた。
結衣「えっ」
京子「結衣がまわして」
結衣「なんだそれ」
京子「合ってるか不安だった」
結衣「で、やんないの?」
京子「……」
訊ねると、京子は黙り込んだ。
その手が悶々とポケットへ運ばれ、やがて脱力したように出てきたとき、
私は仕方なく二百円玉を取り出した。
結衣「貸し一な」
京子「さすが結衣様っ!」
結衣「で、やんないの?」
差し出した二百円玉はまだ私の手の中にある。
京子は「うん」と頷いた。
結衣「えっ」
京子「結衣がまわして」
結衣「なんだそれ」
二百円をいれながら、「ほんとにいいのか?」と訊ねる。
京子が「いい!」と真剣な顔で頷いた。
結衣「ミラクるんが出なくても知らないぞ」
京子「ライバるんだったらもう一回」
結衣「じゃあやらない」
京子「しかたない、ライバるん以外だったら許してやろう」
結衣「まあ当たる確率そんなにないだろうしな」
カチャンッと音がした。
その瞬間、私はなんの感情もこめずにガチャガチャの取っ手をまわす。
カタン
京子「おぉ!」
結衣「……お」
京子が「いい!」と真剣な顔で頷いた。
結衣「ミラクるんが出なくても知らないぞ」
京子「ライバるんだったらもう一回」
結衣「じゃあやらない」
京子「しかたない、ライバるん以外だったら許してやろう」
結衣「まあ当たる確率そんなにないだろうしな」
カチャンッと音がした。
その瞬間、私はなんの感情もこめずにガチャガチャの取っ手をまわす。
カタン
京子「おぉ!」
結衣「……お」
出てきたのはライバるんだった。
京子がカプセルを握り締めたまま、立ち尽くす。
京子「……」
結衣「……」
京子「ミラクるん!」
結衣「自分でまわせばよかったのに」
自分の運のなさにも呆れる。
むしろ当たる確率のもっとも低そうなライバるんを出してしまった私は相当運が
いいんじゃないだろうか。
京子「うぅ……」
結衣「もう一回やる?」
あまりに京子が無念そうだから、私はもう一度仕方なく財布から二百円を
取り出した。
京子がカプセルを握り締めたまま、立ち尽くす。
京子「……」
結衣「……」
京子「ミラクるん!」
結衣「自分でまわせばよかったのに」
自分の運のなさにも呆れる。
むしろ当たる確率のもっとも低そうなライバるんを出してしまった私は相当運が
いいんじゃないだろうか。
京子「うぅ……」
結衣「もう一回やる?」
あまりに京子が無念そうだから、私はもう一度仕方なく財布から二百円を
取り出した。
京子は一瞬迷ったような素振を見せたものの、「いいや」と首を振った。
思わず珍しいと声に出す。
京子「そう?」
結衣「うん」
京子「せっかく結衣があててくれたし」
結衣「嫌味?」
京子「まあそれもある」
結衣「他は?」
京子「結衣が私にくれたから、ライバるんでもいい」
思わず珍しいと声に出す。
京子「そう?」
結衣「うん」
京子「せっかく結衣があててくれたし」
結衣「嫌味?」
京子「まあそれもある」
結衣「他は?」
京子「結衣が私にくれたから、ライバるんでもいい」
結衣「……ならいいけど」
不覚にも一瞬だけ思考停止に陥った。
返事遅くなったのに京子は気付いてませんように。無理だろうけど。
京子は真面目な顔を崩すと笑って頷いた。
京子「うん」
結衣「壊すなよ」
京子「サンドバック代わりにする」
結衣「いやその小さいのでどうやってする」
不覚にも一瞬だけ思考停止に陥った。
返事遅くなったのに京子は気付いてませんように。無理だろうけど。
京子は真面目な顔を崩すと笑って頷いた。
京子「うん」
結衣「壊すなよ」
京子「サンドバック代わりにする」
結衣「いやその小さいのでどうやってする」
京子「愛を込めて」
結衣「込めて?」
京子「……拝む」
結衣「どんな宗教だ。帰るよ」
京子「ん」
結衣「だからくっつくなって」
京子「腕組むくらいはいいじゃん」
結衣「……まあいいけどさ」
京子「へへっ」
京子のしつこさに負けただけ。
そう言い訳しようとして、やめといてやる。
結衣「少しは好きになった?」
京子「誰を?」
結衣「……やっぱいい」
結衣「込めて?」
京子「……拝む」
結衣「どんな宗教だ。帰るよ」
京子「ん」
結衣「だからくっつくなって」
京子「腕組むくらいはいいじゃん」
結衣「……まあいいけどさ」
京子「へへっ」
京子のしつこさに負けただけ。
そう言い訳しようとして、やめといてやる。
結衣「少しは好きになった?」
京子「誰を?」
結衣「……やっぱいい」
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