元スレなの「さようなら……大好きです」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
ピチャッ
なの「はかせ…… どこにいるんですか……?」
「痛い…… 痛いよ……」
なの「はかせ……?」
「痛い…… 助けて…… なの……」
なの「はかせ? どこにいるんですか? ……はかせ? はか……」
なの「はかせ!!」
2 :
何を履かせばいいの
3 :
居ればいいじゃん
4 = 1 :
なの「はかせ!? 大丈夫ですか!?」ガバッ!
チュン チュン チチチチチ
なの「はあっ、はあっ……夢?」
なの「はかせ……? はかせっ!」
はかせ「なに……?」
なの「あっ……はかせ、その、何とも、ありませんよね……?」
はかせ「なにいってんの……?」
6 = 1 :
なの「はぁ……やっぱり夢か…… よかったぁ……」
はかせ「んー……? まだ四時なんだけど……はかせはまだ起きなくていいんだけど……」
なの「あっ、すみませんでした……」
はかせ「む~……」
なの「…………」
ピチャッ
なの「嫌な夢だったなあ……汗びっしょりだ」
ピチャッ
7 = 1 :
私はロボットです。 名前は東雲なの。
一緒に住んでいる東雲はかせが、私を作ってくれました。
はかせは何かの研究をしていて、一日中家に居ます。 私は、そんなはかせの身の回りの世話をして暮らしていました。
今は、はかせの粋なはからいで、学校にも通わせてもらっています。
学校では友達がいっぱい出来て、とても楽しいです。
……出来れば、背中のネジ回しもどうにかしてもらいたいんですけど……
ともかく、私は充実した日々を送っています。
ロボットだなんて思えないくらいに。
ずーっとこのままだったらいいなって、思ってしまうくらいに。
8 = 1 :
なの「それじゃあはかせ、行ってきますね」
はかせ「いってらっしゃーい」
なの「ふう…… 今日はずいぶん余裕があるなー」
なの「寄り道でもしてこうかな?」
「……の」
なの「相生さんの所に行ってみようかな……」
「なの!」
なの「へっ?」
なの「……えっと、どちら様、ですか?」
9 = 1 :
博士「……博士、って呼ばれてるけど」
なの「博士、さんですか……?」
なの(はかせの知り合いかな……)
博士「…………」
なの「えーっと…… 家になにか、ご用でしょうか……?」
博士「……私と……」
なの「えっ?」
博士「いや、やっぱりいい」
博士「今日はもう時間が無いから、帰る」
なの「あ……はい」
博士「じゃあ、また来るから」スタスタ
なの「……はい」
11 :
ふむ
12 :
いつまでも変わらない日常
それは唐突に終わりを告げた
13 = 1 :
なの(行っちゃった…… なんだったんだろ?)
ゆっこ「あ、なのちゃん! スラマッパギー!」
なの「相生さん……おはようございます」
ゆっこ「なのちゃんにまでスルーされるの……? やっぱりララバイしたほうがいいかな?」
なの「…………」
ゆっこ「なのちゃん?」
なの「えっ? あ、すみません、なんでしたっけ?」
ゆっこ「どうしたの? ぼーっとして…… なんかあったの?」
なの「あー…… さっき、変な人に会って」
ゆっこ「変な人? どんな?」
なの「えーと、金髪で、目が青くて……白衣を着た女の人です」
14 = 12 :
はかせが死んだ
死因は接着剤による窒息死だった
15 = 1 :
ゆっこ「……それってはかせのこと?」
なの「え?……そういえば似てますね……でも、私より年上で、大学生くらいの人でした」
なの「あと、確か…… 右目に眼帯をしてました」
ゆっこ「はかせの知り合い?」
なの「ああ、たぶんそうだと思います……自分のことを博士って言ってたし」
ゆっこ「その人も博士なの?」
なの「研究仲間、とかですかね?」
ゆっこ「んー、そうかな? ……お姉さんとかじゃない?」
なの「お姉さん……?」
16 :
ほう・・・タイムトラベラーか・・・?
17 = 1 :
ゆっこ「だって、金髪で青い目って珍しくない? 家族だよ、きっと」
なの「家族……」
ゆっこ「あー、そういえば一度も見たことないけど、はかせのお父さんとお母さんってどうしてるの?」
なの「えっ…… ああ、その…… そ、そうだ、外国に居るんです! お、お仕事で!」
ゆっこ「そうなんだー 外国人なの?」
なの「えーっと…… お父さんが外国の方で、お母さんが日本人で……あっ、私はそっちの方の親戚……です」
18 :
続きが気になるな
19 = 1 :
ゆっこ「へー、はかせってハーフなんだ」
なの「は、はい、まあ……」
ゆっこ「じゃあ、お姉さんだけ外国から帰って来たのかな?」
なの「そうなんでしょうか……?」
ゆっこ「そうだよ、会わせたら喜ぶよきっと」
なの「はあ……」
なの(はかせの家族、か……)
なの(そういえば、一度も聞いたことなかったっけ)
なの(私が出来る前の、はかせの話……)
なの(私、はかせのこと何にも知らない……)
20 = 1 :
……
なの「ただいまー」
はかせ「あ、なのおかえりー」
なの「すぐに夕飯にしますねー」
はかせ「はーい」
なの「……あっ、そういえば」
なの「あの…… はかせ」
はかせ「なにー?」
21 :
一応パンツは脱いでおく
22 = 1 :
なの「えっと、その…… いえ、やっぱり何でもないです」
はかせ「そうなの?」
なの「はい…… すぐに出来ますから、おかし食べ過ぎないで下さいね」
なの(どしよう、怖くて聞けない……)
なの(はかせの家族、か…… 一度も連絡は無いし、家には一枚もそういう写真が無いけど)
なの(やっぱり、どこかにいるのかな……)
23 = 1 :
博士「…………」
博士「……やっと捕まえた……」
博士「……今度こそ、取り返してやる」
24 = 1 :
翌日
チュンチュン チチチッ チュン
なの「ふわぁ…… う~ん」
なの「……今日はよく眠れたなぁ……」
なの「はかせ、朝ですよ……っと」
なの(きょう日曜日だっけ……)
はかせ「すう……すう……」
なの(この前は早くに起こしちゃったんだっけ)
なの(もう少し寝かせておこう……)
25 = 1 :
カラカラカラ
なの「ふう…… 今日もいい天気」
なの「そうだ、洗濯物干そうっと……」
ピンポーン
なの「……お客さん?」
ピンポーン ピンポーン
なの「はーい」トタトタ
なの(こんな朝早くに誰だろう……?)
ガララララッ
なの「はい、すみませ……」
博士「……おはよう」
26 = 1 :
なの「あ……博士さん、でしたっけ」
なの「えーっと、何のご用件でしょうか……?」
博士「……迎えに来たんだけど」
なの「…………!!」
博士「とりあえず、中に入れてくれる?」
なの「えっと、そ、それは……」
はかせ「……なのー? だれ……?」
27 = 1 :
なの「あっ……!!」
ガラララララララッ ピシャッ!
博士「ちょっ…… どうしたの!?」
なの「いえ、そのっ……」
はかせ「なのー? どしたの?」
なの「えっと、ああ、その、きょ、今日はお引き取り下さい!」
28 = 1 :
はかせ「どーして? 開けてあげないの?」
なの「はかせ!ちょっと向こうに行っててください!」
はかせ「なんで?」
博士「その声……!!」
博士「そこに居るのは……はかせ!? ……ここを開けて!」
バンッ!!
なの「ひっ……」
29 :
追い付いた
支援
30 = 1 :
博士「時間が無いの! 早くしないと…… もうっ!!」
バンッ!! バンッ!!
博士「さっさと開けろっ!!」
バンッ!! バンッ!! バンッ!!
なの「……やめてください!」
バンッ!! バンッ!! バンッ!! バンッ!!
なの「やめてくださいっ!! ここには誰もいませんっ!!」
なの「もう帰って下さい!!!」
31 = 1 :
博士「…………」
なの「…………」
博士「…………」
博士「……わかった、今日はもう帰るよ」
博士「……また来るからね」
なの「…………」
はかせ「…………」
なの「はかせ……」
なの「ごめん、なさい」
32 :
誰だよ
33 = 1 :
はかせ「なの……? なんで泣いてるの?」
なの「だって…… 私……」
はかせ「はかせはずっといっしょだよ……?」
なの「……!」
なの「……は」ウルッ
なの「は、かせ……」ポロポロ
はかせ「……はかせがずっといっしょにいるから」ギュッ
なの「うっ……ひっく……ふぇぇぇ……」
はかせ「ずっと……いっしょにいるから」
34 = 1 :
博士「あーっ…… 面倒なことになったなー……」
博士「やっぱりおとなしく渡してくれないかぁ……」
博士「どうしよっかな……?」
コンコン
「……私です」
博士「……入って」
助手「失礼します」
博士「で? 何の用?」
助手「昼食が出来たので、呼びに来ました」
35 :
博士「いらない」
助手「でも博士、昨日から何も……」
博士「……いらないったらいらないの!」
助手「……すみません」
博士「それよりさ、何か武器になるもの無い?」
助手「武器、ですか?」
博士「出来れば…… ロボットでも壊せるくらい強力なやつがいいんだけど」
36 = 35 :
なの「……いいですか? ちゃんと戸締りして、誰が来ても出ちゃダメですよ?」
はかせ「わかったー」
なの「本当に大丈夫ですか? ……うーん、またあの人が来るかもしれないし、やっぱり今日は学校を休んで……」
はかせ「いーいーのー! なのは学校に行くの!」
なの「……無理しなくてもいいんですよ? 一日くらい平気ですから……」
はかせ「いいから! なのはなのなんだからはかせにたよってればいいの!」
なの「はあ……」
なの(昨日のことで、ちょっと調子に乗ってるなあ……)
まったく…… これだからガキは……
なの(……あれ?)
なの(今何か…… 聞こえたような……?)
なの(……? まあいいや)
38 = 35 :
はかせ「じゃあいってらっしゃい!」
なの「あっ、はい……行ってきます」
ガラララララッ ピシャッ
なの「ふう…… 本当に大丈夫かな……?」
なの「……あ、もうこんな時間だ……」
なの「……せっかく行かせてもらったのに、遅刻しちゃいけないよね」
なの「急がないと……」
タッ タッ タッ タッ タッ タッ
39 = 35 :
タッ タッ タッ タッ タッ タッ
「なの」
タッ
なの「……!」
博士「そんなに急いでどこに行くつもり?」
なの「……博士、さん」
博士「学校? ……なのは学校が大好きだったもんね?」
なの「えっ?」
博士「でも、ちょっとはおかしいと思わない?」
なの「ど、どうして私のことを知ってるんですか?」
40 = 35 :
博士「……何も覚えてないんだね」
なの「どういうことですか?」
博士「要らない記憶だから忘れたんでしょ? ……ショックだなー」
なの「……? 何を言ってるんですか? 私とあなたは、一昨日会ったばっかりじゃないですか」
博士「…………」
なの「そ、それより……その、は、はかせは、連れて行かないで下さい……」
博士「?……そっちこそ何言ってんの?」
なの「え?だって……はかせを、その、連れ戻しに来たんですよね?」
博士「……なんで私がはかせを連れていかなきゃいけないわけ?」
41 = 35 :
なの「えっ? そ、それは……だって、家族、だから」
博士「家族……? 私とはかせが?」
なの「は、はい……」
博士「ぷっ、あははははっ!!」
なの「なっ……何で笑うんですか?」
博士「はー…… 誰がそんなこと言ったの?はかせ?……いや」
博士「そいつかな?」
なの「えっ?」
ゆっこ「あ、なのちゃん!スラマッパギー!」
42 = 35 :
ゆっこ「あれ?誰?……ああ、この前言ってたはかせのお姉さん?」
なの「あ、相生さん!」
なの(あれ?いつのまに……?)
博士「相生さんか……なるほどねえ……」
ゆっこ「あ、初めまして、相生祐子です」
博士「…………」
なの「相生さん、その……その人はちょっと……」
ゆっこ「はかせとも結構仲良いんですよー?」
博士「…………」
ゆっこ「研究とか手伝ったりもしててー」
博士「!…………黙れ」
ゆっこ「実は私にもそういう才能あるのかなー、なんつって」
博士「黙れっ!!」ブンッ!
バキッ!
43 = 35 :
なの「…………え?」
博士「はあっ……はあっ……」
ゆっこ「…………」
なの「あ、相生さん……?」ユサユサ
なの「あ……あっ、あ……相生さんが……相生さんがっ……!!」
なの「なんでっ……!」
博士「はあっ……よく、見てみなよ」
なの「え?」
博士「ほら、もう一度呼びかけてみたら?」
なの「……相生さん?」
ムクッ
ゆっこ「なに?なのちゃん?」グルンッ
45 :
追いついた
ゆっこはなのがロボットだって知ってるんじゃなかったっけ
46 = 35 :
なの「ひっ……」
ゆっこ「どうしたの?そんな顔して」プラン
なの「あ、相生さん、く、首が……」
ゆっこ「え?首?」
ゆっこ「あー、こうか」グルン ゴキンッ!
ゆっこ「えへへ、折れちゃってたね」コキッ コキッ
なの「…………うそ、なんで」
博士「まだわからないの?……それは本物の相生祐子じゃない」
47 = 44 :
何これこわい
48 = 35 :
偽ゆっこ「何言ってるの?私はゆっこなんだけど」
偽ゆっこ「ね?なのちゃん?」グルッ ゴキン
なの「いやっ……いやあっ……」
偽ゆっこ「そんなあ……ひどいよ……あれ?また外れた?」プラン
なの「やだ……こないで……」
博士「ほら、逃げるよ」ガシッ
なの「あっ……」
偽ゆっこ「え? あ!待ってよ!」ヨロッ ドテッ
偽ゆっこ「あいたたた~」
博士「……走って!」
なの「は、はいっ!」
49 :
……つまりどうゆうことだってばよ?
みんなの評価 : ☆
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