元スレ男「妖怪だと・・・?」妖怪女「・・・」
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153 = 1 :
男「単刀直入に聞く」
男「どこまで気づいてる?」
友「・・・・・・・・」
友「あの二人が妖怪だということには気づいている。それも、かなりの力を持っている」
友「そして、お前からも強い妖力を感じる。まあ、お前というよりはそのネックレスからだが」
男「友、お前の家は寺だったよな」
友「ああ。寺だ。もちろん退魔もする。俺も今までしてきた」
男「退魔・・・妖怪を払うのか」
友「いや。殺す」
男「・・・・・・あ?」
友「殺すんだ。妖怪は人間を襲い、食う。それが本能だ」
男「女妖怪と猫又も殺すつもり・・・か?」
友「・・・わからん。猫又はともかく、女妖怪は人間に対して砕けている」
男「そういえば、最近尾行してたんだったな」
友「殺すべきかどうか、見極めるためだ」
155 = 1 :
――ミス研部室
男は、全てを話した。
登山中に棺おけに入った女妖怪を見つけたこと、猫又と会ったこと。
付喪神に襲われたこと、人間と共存しようとしていること、友が女妖怪を封印した退魔師の子孫だということ。
女「それ、マジ・・・?」
男「嘘じゃない」
女「ほ、本当に大丈夫なの? 私たち殺されない?」
女妖怪「・・・そういえばお主にはスイカといわれたな」ケタケタ
女「」フルフル
女妖怪「安心せい。殺しはせん。人間に復讐するなら、とっくにしとる・・・」
猫又「そうだぞ人間。女妖怪様に失礼な」
女妖怪「よさんか、猫又」
156 = 137 :
ふむ
157 = 1 :
友「女妖怪」
女妖怪「なんじゃ」
友「俺はここ数日お前たちを見ていたが・・・どうにも悪くは思えない。
人間と親しく接するだけでなく、付喪神の件の後、人間に復讐しようとする憑依妖怪をなぎ倒していた・・・」
猫又「あの時もつけてやがったか!!」
友「俺は妖怪を悪と思うように育てられた。妖怪は絶対的な悪で、人間の敵」
友「だから俺は、妖怪を殺すために修行を積んだ。実際、昔から生き残っていた妖怪を何匹か殺した」
友「俺が殺した妖怪は全部、人間に復讐をしようとしていた。それを見て、俺は寺の教えが正しいと思っていた」
友「だが・・・お前は何だ。書物で読むお前は、人間を一番憎んでいた妖怪だと聞いた。それがなんなんだ、お前は・・・」
女妖怪「書物? 私は書物に載っておるのか」
友「お前は俺の祖先が戦った中で一番強力だったという妖怪だ」
友「しかも殺したのではなく、封印した・・・。封印が解けた際のために、語り継がれてきたんだ」
友「女妖怪・・・お前はソウヒメだろ?」
女妖怪「その名で呼ばれるのは・・・実に300年ぶりじゃな」ケタケタ
158 = 1 :
猫又「ソウヒメ・・・それが女妖怪様の真名ですか」
女「まな? どういうこと? 女妖怪さんは女妖怪さんじゃないの?」
女妖怪「妖怪にとって、真の名を知られることは色々と都合が悪いのじゃ。名というものは、それ自体が自身を縛るモノ」
女妖怪「猫又というのも種族名じゃ。猫又もまた、何か真名をもっておろう」
猫又「ええ」
男「じゃあ、猫又は猫又だけど猫又じゃない・・・?」
女妖怪「まあ、深く考えなくてよい」
女妖怪「友よ」
友「なんだ?」
女妖怪「私の記憶はおぼろげじゃ・・・。お主の知るソウヒメのことを教えろ」
友「・・・お前が何故今人間と親しくしようとしてるかは知らんが・・・・覚えてないなら聞いても気持ちのいいことじゃないぞ」
女妖怪「構わん。聞かせろ」
友「わかった。俺の知ってることでよければ」
160 = 1 :
ソウヒメ。爪姫。爪を操る妖怪。
だが、いつしか強大な妖力を身に付け、様々な妖術を扱うようになる。
誰よりも人間を憎み、九州地方の妖怪を掌握していた。
今までに殺した人間は数知れず、多くの退魔師が挑んだが返り討ちにされた。
いつしか「爪」姫は「葬」姫と異名をとるようになった。
しかしある時、強大な力を持つ退魔師が本州から九州に渡り、葬姫の力を押さえ込む。
その力は互角であったが、葬姫を山に追いやり、大人しくさせることに成功した。
ある年、大飢饉が起こる。
食料が消え、飢えた妖怪が人里へ姿を現した。
その折、もちろん葬姫も現れた。
葬姫の強大な力の下、多くの人間が犠牲になった。
やがて現れた一人の退魔師により、葬姫は辛くも山奥に封印されることとなる。
以降、葬姫を封印した退魔師はその地に留まり、妖怪を駆逐していった。
いつかまた葬姫の封印が解かれる時、また人と妖の戦いが起こるであろう。
162 = 1 :
友「これが俺の知っているソウヒメだ」
女妖怪「なるほど・・・そのように語り継がれておるのか」ケタケタ
男「俺は実はとんでもないものを復活させていたんだな・・・」ブルブル
女「ちょっと、マジで大丈夫なのこれ・・・」
猫又「なんだお前らは!! せっかく女妖怪様が人間と歩み寄ろうとしているというのに・・・!!」
女妖怪「よい。恐れられるのは慣れておる」
男「・・・でも」
男「今の女妖怪が人間と歩み寄ろうとしてるのも事実だ・・・」
女「うん・・・」
友「ああ。俺も、女妖怪なら人間と妖怪をつなぐ架け橋になれると思う」
友「その上で、聞いて欲しいことがある」
164 = 1 :
女妖怪「・・・なんじゃ? 神妙な顔をしおって」
友「俺は本州や四国の寺とも連絡を取り合っているんだが・・・」
友「三日前か。女妖怪が目覚めてから、間もない頃、本州の寺から連絡があった」
友「目に見えるほどの妖気があふれ出し始めたと」
猫又「・・・・なっ!? 生き残りの妖怪がそんなにいたのか!!」
友「ソウヒメは九州にいながら、本州の妖怪にも恐れられる存在だ。
おそらく、ソウヒメの復活にあわせて、一気に人間を駆逐しようとしているんだろう」
女妖怪「本州にいながら私の復活に気づくとは・・・。相当強い妖怪が生き残っているんじゃな」
男「ちょ、おい・・・・! せっかく女妖怪が人間と和解しようってのにそりゃないだろ!!」
女「そうだよ!! そんなのって・・・」
友「普通妖怪は人間を憎むもんだ。仕方ないことだ。俺も2日後、親父と東京に経つ予定さ」
猫又「狙いは東京・・・。なるほど、首都を襲撃して、日本を一気に牛耳ろうと」
女妖怪「なるほど、私が協力することを前提に動いているようじゃが・・・。それは見過ごせんの」
165 = 1 :
友「どうする、女妖怪。あなたほどの力の持ち主が俺たちと共に戦ってくれるなら、これほど心強いことはない・・・」
女妖怪「無論。私も東京へ行こう」
男「女妖怪・・・」
女妖怪「男、お前にも来てもらうぞ。お前は私の主じゃからな」
男「え、俺・・・? でも、俺が行っても足手まといに」
女妖怪「・・・・良いのじゃ。・・・お前に来てもらわねばならぬ理由がある」
男「女妖怪・・・?」
猫又「私も行きますよ」
女妖怪「猫又。良いのか? 全ての妖怪を裏切ることになるぞ」
猫又「まあ、正直共存をしようとしたら、いつかは妖怪たちとぶつかり合うことになるとは思ってました。覚悟の上です」
女妖怪「・・・良い部下をもったの」ケタケタ
166 = 1 :
女「みんながいくなら、私も・・・」
男「いや、女。お前はここに残れ」
女「え・・・でも・・・」
男「俺は妖怪の力を見たことがある。凄まじかった。巻き込まれたらただじゃすまない」
男「お前を、危険な目にはあわせたくない」
女「ドキッ」
女「わかった・・・。でも、絶対帰ってきてね。約束だよ・・・」
男「絶対帰ってくる。約束するさ」
友「チッ」
167 = 1 :
友「俺は親父や東京の連中に女妖怪の事を伝える。少し時間はかかるかもしれんが・・・」
女妖怪「そんな簡単に信じてくれるかの」ケタケタ
友「どうにかしてみせるさ。俺はお前を、信頼してるからな」
友「出発は2日後の朝の予定だ。正直、いつ妖怪が現れるかわからないが・・・それまでに、準備をしていてくれ」
それから、そのまま家に帰った。
岐路の途中、男も女妖怪も猫又も何もしゃべらなかった。
そして、その日の夜。
169 :
俺の誕生日すぎてるうぅぅぅ
171 :
友さりげなく舌打ちww
173 = 1 :
女妖怪「男よ」
男「・・・なんだ?」
女妖怪「お前に見せておかねばならんものがある」
男「?」
女妖怪「私が・・・人間を憎まなくなった原因じゃ」
男「!!!」
女妖怪「私に妖力を全て戻せ」
男「え・・・」
女妖怪「信用できんか?」
男「いや。そんなことはないよ」
ホワァ
174 = 1 :
女妖怪「知らないほうが良かったと・・・後悔しておらんか?」
男「してないさ」
女妖怪「本当か?」
男「本当だって。言ったろ、俺はミステリーが好きなの」
男「そりゃあ、スケールの大きすぎる事に巻き込まれてるとは思ったけど・・・」
男「女妖怪と過ごした日々は」
男「・・・楽しかったからな。今も楽しい」
女妖怪「楽しい・・・か。不思議な人間もいるものじゃ」ケタケタ
男「不思議でもなんでもねえよ」
女妖怪「うむ・・・。では、今からお主だけに見せて進ぜよう」
女妖怪「300年前・・・私の体験したことを」
――3、了
176 = 1 :
4
300年前。小さな村。
その裏に、大きな山があった。
「・・・」
人影が、一つ。その山を登っていく。
「待て、そこを行く者よ」
声が、人影を呼び止める。
女妖怪であった。
女妖怪「ククク・・・獲物が自ら山に来るとはの。食っていいのじゃな?」
「よくない」
女妖怪「貴様の答えなぞきいとらんわ!!!」
カン、と乾いた音がした。
女妖怪「・・・!!!」
女妖怪の爪が、その人の杖に防がれていた。
杖の持ち主は、男性の老人であった。
177 = 1 :
女妖怪「なんじゃと・・・! 何故お主の様な老いぼれが私の攻撃を防げる!!」
老人「なんでだと思いますか」
女妖怪「小癪な!!」
それから女妖怪は様々な攻撃を仕掛けたが、全て防がれた。
当時最強といわれていた女妖怪には、屈辱であり、恐怖であった。
女妖怪「何者だお主・・・。私の攻撃を防ぐなど、強すぎる・・・!!」
老人「ただの旅人ですよ」
女妖怪「そんなわけがあるか・・!! そうか、私を退治しに来たのだな!?」
老人「いや」
老人は、顔を女妖怪に近づける。
女妖怪「な、なんじゃ」
老人「今日は、あなたと話をしにきたんです」
女妖怪「話・・・じゃと?」
178 = 1 :
老人「あ、そのまえに」
老人は女妖怪が首に下げていた首飾りをいつの間にか外すと、それを女妖怪の額につけた。
女妖怪「な、何をする!!」
老人「あなたの力を吸い取らせていただきます」
次の瞬間、緑色の光が首飾りを包んだかと思うと、女妖怪はその場に力なくうなだれた。
女妖怪「な・・・何を・・・」
老人「ですから。あなたの妖力を吸い取らせていただきました」
女妖怪「そんな奇天烈な・・・。お主、何者じゃ・・・」
老人「そうですね・・・。まあ、老人と名乗っておきましょう」
女妖怪「ぐうう・・・目的は何だ!!!」
老人「ですから」ズイッ
老人「お話をしに来たんですよ」ニコッ
女妖怪(なんなんじゃ・・・コイツは・・・)ゾクゾクッ
179 = 1 :
飯食ってきます。
180 :
おうふ
181 = 14 :
ほ
182 = 14 :
ほ
185 = 14 :
ほ
187 = 14 :
ほ
188 = 137 :
ほ
191 :
ほ
193 :
追い付いただと?
ほ
194 = 59 :
じっくり書いてくださいな
しえん
195 = 1 :
保守ありがとう
意外と人がいて驚いた
長くとも2時までには完結させます
もう20分ほど保守お願いします
197 = 1 :
同一IDの人がVIPにいる&日付をまたぎそうなので、一回だけ鳥をつけます
ご了承を
198 = 1 :
女妖怪「話とは何じゃ・・・」
老人「別に難しい事じゃありません」
老人「他愛もないお喋りをしましょう」ニコッ
女妖怪「おのれ・・・人間風情が舐めおって・・・!!」
老人「おっと! あなたにはもう、妖力はありませんよww」
女妖怪「クソが・・・!!!」
空を見上げる老人。
老人「いい天気ですね」
女妖怪「・・・・・・」
老人「それに風も気持ちいい。ここは、良い所ですね」
女妖怪「・・・・」
老人「何とか答えてくれませんかね」
女妖怪「・・・・・けっ」
199 = 1 :
老人「では話を変えましょう」
老人「あなた方妖怪は何故、人を食らうのでしょう」
女妖怪「愚問だな。本能だからじゃ」
老人「本能・・・ですか」
女妖怪「そうだ。記憶にそう刻まれておる」
女妖怪「そして貴様ら人間は、我々の居場所を追いやっていく。紛れもなく、憎むべき相手じゃ」
老人「それは、悲しい事ですねぇ・・・」
女妖怪「はぁ? 悲しいじゃと?」
老人「人と妖と、手を取り合う事は出来ないものでしょうか・・・」
女妖怪「ハッハッハ!!! 笑止!! そんなことは無理じゃな!!!」
老人「・・・なぜです?」
女妖怪「妖怪を憎まぬ人間、人間を憎まぬ妖怪・・・どちらも、おったとしても豆粒ほどじゃろう!!」
老人「そうでしょうか」
女妖怪「少なくとも、この山には人間と共存しようという妖怪なぞおらんな」
200 = 137 :
ほ
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