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    元スレ阿良々木「今日は暇だけどさ」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - 阿良々木暦 + - かれんバタフライ + - つきひピッグ + - トリップ + - ハヤテ + - バイオハザード + - バタフライ + - 化物語 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    302 = 285 :

    忍は何でも知ってるな

    303 = 272 :


     籠と影が重なる様にするあの漕ぎ方で自転車を走らせる僕。
    目的地は不明だが、目的は下の妹の捜索。

    「元の怪異譚ではその片耳豚に股をくぐられた人間は死ぬ、
     万一生き残っても一生腑抜けになるという物らしいのじゃが。
     この場合はちょいと違うの」
    「違う?」
    「うむ、単に人をそのままの意味で殺すのではなく
     憑いた人間の人間関係を殺す、とでも言うのかの」

     人間関係を、殺す。
    つまり……、どういうことだ?

    「憑かれた人間と関係を持っていた人間は
     やがてその者に興味を抱かなくなり、接さず、離れていく。
     なんの例外も無く、のう」
    「随分、気分が悪くなる性質の怪異だな」
    「気分が良いも悪いもない、そうあるべくしてあるだけの物じゃ」
    「しかし、人間関係を殺す、ね」

     だから僕は未だにこんなに冷静で真剣じゃないのだろうか。
    興味を、なくしてしまいかけているから。

    304 = 272 :


    「さての、それこそ興味が無いことじゃ」
    「でも、どうして黙ってたんだよ」
    「なにがじゃ?」
    「妹がそんなことになっている事、忍は気づいていたんだろ?」

     下の妹は、忍の存在を知らない。
    片耳豚の力の外側に居たんじゃないのか?

    「なんじゃお前様よ。いつだったか風呂で妹御に目撃されたのを忘れたのかの?」
    「……あぁ、そういやそんなこともあったな」
    「それに、関わった存在全てに影響すると言ったろうに、
     関わり合ってなくても関わっているだけで十分なのじゃ。
     もしあの日妹御に目撃されてなくても、儂はお前様越しに十分関わってると言えるじゃろうしの」
    「成る程な。……で、どうすりゃいいんだ?
     こうして闇雲に探しててもそんな奴相手じゃまず見つけられないだろ、
     どうやって追っ払うんだよその片耳豚って怪異は」
    「簡単じゃ、憑かれた人間と会って、話して、その存在を認識すればいい」
    「いや、だから会えないんだってば」
    「会えないのは憑かれた人間が消えたり、見えなくなったり、
     寄せ付けない何かを発してるからではないのじゃ。
     お前様よ。会えないと言ったが、そもそもここ数日の間に会おうという自主的な行動は取ったのかの?」

    305 = 272 :


    「それは……」

     取っていない。
    取ろうとも、思っていなかった。
    接触する手立ては幾つもあったのに、
    まったくそれらに手を伸ばしては居なかった。
    会おうと思って会えなかった訳じゃない。
    会おうと思ってなかったから、会ってなかっただけなのか?

    「その通りじゃ、怪異が寄せ付けぬのではない、周りの人間が近寄らなくなる」
    「それじゃあ、つまり」

     つまり、会おうと思えば会えるのか?
    いとも簡単に?

    「うむ。じゃからこのまま闇雲に探していても
     それはそれで時間をかければ見つけられるじゃろうが、
     そんな事をしなくともお前様にはもっと便利な小道具があるじゃろう?」
    「届くのか? 携帯の電波とか、そんな物が」
    「なんなら、試しにかけて見るといい」

     甲高いブレーキの音を立てて自転車を止めて、
    制服のポケットから自分の携帯電話を取りだす。
    電話帳に登録された阿良々木月火の名前が画面に表示される。

    306 = 272 :


     カチ。と親指に力を込めると
    乾いた音と共にボタンが沈み、
    画面には呼び出し中の文字が浮かぶ。

     それを確認して耳元に運べば、
    コール音ではなく最近の流行曲が流れてくる。
    二秒、三秒、四秒。
    サビから始まった曲がメロに入る直前で。

    『もしもし』

     ここ数日聞いてなかった、
    もはや懐かしさすら感じる“月火”の声が聞こえた。

    「も、もしもし。僕だけど」
    『……なに』
    「いまから直接会って話がしたい。
     家の近くに小さい公園が一つあるだろ? 
     あそこまで来てくれ、じゃあ」

     言い切り、通話を終了させて携帯をしまって
    自転車の向きを公園に向けて修正する。

    「お前様よ。前回に血を吸ったのは丁度一週間位前になるが、
     どうじゃ? 一応今吸っておくかの?」

    307 = 285 :

    フラグブレイカーのせいじゃなかったのか…

    308 = 272 :


     この後の展開を予想してか
    忍が意地悪そうな笑みを浮かべて自分の牙をちらつかせる。
    僕は、一瞬だけ迷った後。
    「……いや、良いよ」と小さくかぶりを振ってそれを断った。

    「ほう? 豚は存外強暴じゃぞ?
     さらにはお前様の妹御の性格が上乗せされておる、
     今のままでは万一の場合なにもできんぞ?」
    「それで良いんだよ」

     なにもできなくても、良い。
    なにかしちゃ、いけないんだ。

    「僕はあいつの兄だからさ、
     今から向かうのも仲直りするためじゃなくて
     半ば殴られに行くような物だしな。
     だからそれは吸血鬼の僕じゃなくて人間の僕として行かなくちゃ」
    「……ほう、縁の切れかけた妹御によくもまぁと言った所じゃな。
     ヘタすると死ぬかも知れぬというのに」
    「そんときゃそんときだ。
     殺されても文句言えないだろ、今回はさ」

    309 = 272 :


     それだけの事は、したと思う。
    そう思えるだけの判断力は、残ってる。

    「お主が死ぬと儂もつき合わされるのじゃがの、
     まぁお前様の好きにすればよかろう」
    「ごめんな忍」
    「謝罪など、いらんわ」
    「じゃあ、ありがとう」
    「礼などもっといらんわ戯け。行くなら早くせんか」

     照れ隠しかなんなのか、
    ぶっきらぼうにそう言って。
    忍は僕の影に戻ってしまった。

    「さてと、そこのけそこのけ愚兄が通るっと」

    311 = 301 :

    暦はホント死にたがりだな

    312 = 295 :

    313 :

    やっと追いついた
    相変わらず面白いです 保守

    317 :

    吸血少女と死にたがりの暦

    318 = 288 :

    ほっしゅと愉快な仲間達
    ブレスオブファイアⅤ番外編

    321 = 310 :

    322 :



    そっか俺にも豚が憑いてたんだな。だから……だから……
    肥ってるしな、うん。うん……


    325 :

    あぶないぞ

    326 :

    >>322
    涙ふけよ

    331 :

    しゅ

    332 = 310 :

    333 = 331 :

    しゅ

    336 = 331 :

    保守ってるのが俺しかいない件

    337 :

    作者が遅筆だから
    あんまら保守してもしょうがないから皆おまえに任せてるんだろ

    338 = 317 :

    あれで遅筆だと
    そりゃ西尾に比べたら遅いだろうけどさ

    339 = 310 :

    七誌は新作だけじゃなく投げ出した過去作の続きも書こうぜ

    342 = 329 :

    >>339
    今一番待ってる過去作は?

    343 :

    まさかスレを4日も見つけられなかったなんて
    七誌さんやー
    いまから読むほ

    344 = 310 :

    >>342
    上条さん×佐天さんのとハルヒ×けいおんの2つかな~

    346 = 329 :

    >>344

    そんなのあったっけ?

    347 = 310 :

    >>346
    前者はスレタイ忘れた
    後者は確か
    ハルヒ「キョン!あんた、あの澪って子とどういう関係なのよ!」
    こんなの

    349 = 272 :


     ただいま帰りましたがもうしばらくは書けそうにありません
    保守は本当面倒でしょうのでしないでいいです
    すみません

    350 :

    なんだ また未完で終わらせるつもりか


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