元スレキョン「朝倉、手を離してくれないか? 帰れないじゃないか」

みんなの評価 : ★★
51 = 5 :
喜緑「お決まりですか?」
朝倉「んー……イチゴパフェかチョコパフェ」
キョン「そんな注文の仕方があるか」
喜緑「その二つで迷ってるんですか?」
キョン「……まあ。おい朝倉、早く決めちまえよ」
朝倉「ん。そう言えばキョン君は?」
キョン「俺は何か飲み物でもな。まあ、特に迷ってはいないさ」
喜緑「それなら、彼氏さんがどちらか一つ頼まれては如何ですか?」
キョン「はい?」
喜緑「ふふっ」ニコニコ
52 = 5 :
喜緑「それで半分こすれば万事解決です」
朝倉「あ、いいですねそれ。じゃあ、チョコとイチゴパフェ一つずつ」
喜緑「かしこまりました~」
キョン「ちょ、ちょっと待った」
喜緑「ふふっ、注文取り消せないんですよ。ごめんなさいね」
キョン「そんな喫茶店があるかっ!」
朝倉「えへへっ、楽しみだなー」ニコニコ
喜緑「ふふっ、喜んでもらえてよかったですね」ニコニコ
キョン(この笑顔を見てると……バイトしてる事をバラしてしまいそうになるな)
キョン「やれやれ……」
53 = 5 :
喜緑「はい、チョコパフェにイチゴパフェになります~」
朝倉「わ、えへへ。おっきい~」
キョン(心なしか、量が多い気がする。喜緑さんのサービス精神だろうか)
喜緑「ごゆっくりどうぞ」
朝倉「じゃあ、いただきます」パクッ
キョン「食べ始めるの早」
朝倉「ん、ん……イチゴ……美味しい」
キョン「だらしないくらい、満面な笑みだな」
朝倉「えへへ~」
54 = 5 :
朝倉「だって美味しいんだもん。キョン君も食べてみて? ほら、あ~ん」
キョン「ん……」モグモグ
朝倉「美味しい?」
キョン「ああ、美味いな」
朝倉「えへへ。じゃあ、そっちも食べさせて?」
キョン「……ほら」
朝倉「あ~ん……んっ」モグモグ
朝倉「チョコ、甘くていい感じ……」
キョン「笑顔ばっかだな。そんなに美味しいのか」
朝倉「今のはキョン君が食べさせてくれたから、もっと美味しく感じただけよ」
キョン(そんなサラリと言うなよ)
喜緑「くすっ……」
キョン(あの人もしっかり聞いてるよおい)
55 = 5 :
喜緑「はい、お会計ちょうど頂きます。ありがとうございました」
朝倉「さ、帰りましょキョン君
キョン「ん、ああ」
朝倉「あ、外雨降りそう。行きましょ?」
キョン「……」チラッ
喜緑「……ふふっ」バイバイ
キョン「そう、だな」
カランカラン
喜緑「ありがとうございましたー」
57 = 5 :
キョン「どうする。買い物していくのか?」
朝倉「ん……買い物は中止。今は早めに帰りましょ」
キョン「そうか。じゃあマンションまで送ってくよ」
朝倉「ううん。キョン君に寄り道させるのは悪いから、ね」
キョン「その口が言うか」
朝倉「えへへっ。だから、キョン君の家までくっついていくの。もちろん手繋ぎながら」
キョン「家まで?」
朝倉「それで、玄関で手とバイバイするの。また明日、って」
キョン「もう何でもいいさ」
朝倉「ふふっ、じゃあ行きましょう。はい」スッ
キョン「ん」ギュッ
朝倉「パフェのせいかな。なんかキョン君の手、温かいや」
キョン「俺もそんな気がするよ」
58 = 5 :
キョン「もう着いちまったな」
朝倉「話しながらだとあっという間ね」
キョン「だな。じゃあ、また明日……」
朝倉「……」ギュッ
キョン「朝倉?」
朝倉「ん……」ギュッ
キョン「離してくれないか?」
朝倉「……」
キョン「帰れないじゃないか」
朝倉「嫌……」ギュッ
キョン「朝倉……」
朝倉「もうちょっとだけ、ね」
キョン「……ああ、いいよ」
朝倉「ありがとう……」ギュッ
キョン「ああ」
59 :
朝倉はいいなぁ
60 = 5 :
帰り道
朝倉「結局、あれからずっと手を握ってて……夕陽が落ちるまで一緒にいて……」
朝倉「昨日も今日も長い時間繋がっていたわよね」
スタスタ
朝倉「なのに……どうしてこんなに虚しいんだろ」
朝倉「好きな人と一緒に過ごせて、遊んで……ワガママだって聞いてくれる」
朝倉「でも何だか自分がバカみたい」
朝倉「どうしてかな。わかんないや」
朝倉「パフェはとっても美味しかったけど……やっぱり、わからないや」
61 = 50 :
ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
63 = 5 :
マンション
朝倉「……っていう感じでね」
長門「ふーん」
朝倉「幸せなはずなのに、何だか満たされない感じなのよ」
長門「そう」
朝倉「一緒にいた時間は長いのに、ね」
長門「……」
64 = 5 :
長門「それは多分、自分自身が欲しいモノを貰っていないから。満たされないのだと思う」
朝倉「欲しいモノ?」
長門「手を握る。食事を共にする。一緒に寄り道をする……これが今日の主」
朝倉「そうね」
長門「満たされないのは、心がこれ以外の刺激を求めているから……だと思う」
朝倉「ん……」
長門「気持ちの安心、彼に認めて貰いたい。彼からの気持ちで何かを与えてほしい……」
朝倉「あ、どっちかと言ったらそんな感じかも」
長門「琴線に触れた?」
朝倉「……うん、少しだけ見つかったかも」
長門「そう」
65 :
俺得スレ
66 = 5 :
長門「これからどうするの?」
朝倉「ん……」
長門「彼は優しいから、大抵の事は受け入れてくれるはず。恋愛とは別の意味で」
朝倉「そう、よね……」
長門「このまま?」
朝倉「今はまだ、このまま。まだ手しか……許されてないんですもの」
長門「そう」
朝倉「だから、今はちょっとゆっくり。少し離れる事もあるかも」
長門「ゆっくり考えるといい」
67 = 5 :
長門「今日はもう休む?」
朝倉「そうね。聞いてくれてありがとう、長門さん」
長門「……」コクッ
朝倉「あ、お願いついでにもう一つ……」
長門「何?」
朝倉「一緒の布団で寝てもいい?」
長門「……構わない」
朝倉「ふふっ。じゃあマクラ持ってこないと」
長門「……」コクッ
68 = 5 :
朝倉「じゃあ、おやすみなさい」
長門「おやすみ」
朝倉「……」
長門「……」
朝倉「長門さん」
長門「何?」
朝倉「手、握ってみてもいい?」
長門「言われると思っていた」
朝倉「あははっ、やっぱり?」
69 :
あれ、朝倉ってこんな可愛かったっけ
70 = 5 :
長門「構わない」
朝倉「うん、ありがとう。じゃあ……」ギュッ
長門「……」キュッ
朝倉「うん……安心する」
長門「そう」
朝倉「小さくてスベスベしてる……綺麗な手」
長門「……」キュッ
朝倉「落ち着く……」ギュッ
長門「……」
71 = 5 :
朝倉「ねえ長門さん」
長門「……」
朝倉「長門さん?」
長門「スー……スー……」
朝倉「寝ちゃったみたい」
朝倉「おやすみ、長門さん」ギュッ
長門「んー……」ギュッ
朝倉「握り返しちゃって、可愛い」クスッ
長門「スー……」ゴロゴロ
朝倉「ん?」
長門「スー……」ギューッ
朝倉「……ふふっ、長門さんに捕まっちゃった」
長門「んん……」ギュッ
73 = 5 :
朝倉「まるで赤ちゃんみたい」
長門「クー……クー……」ギュッ
朝倉「ふふっ、よしよし」ナデナデ
長門「スー……スー……」
朝倉「……」
朝倉「今は、隣に彼女がいるから寂しく無い」
朝倉「でも気持ちがキョン君を忘れてるわけじゃなくて……側に誰かがいる安心感を求めているって言うか……」
朝倉「今日のモヤモヤも、多分そんな感じよね?」
長門「んっ……」ムニムニ
朝倉「……甘えん坊」ナデナデ
長門「ふふっ……」スヤスヤ
朝倉「おやすみなさい……」ギュッ
長門「ん……」ギュッ
75 = 5 :
朝
長門「……ん」
朝倉「スー、スー……」ギュッ
長門「……」
朝倉「クー……」ギューッ
長門「……」ナデナデ
朝倉「えへへっ、キョン君が枕……」ムニュムニュ
長門「……」
長門「夢で会えるのは幸せ? それとも不幸せ?」
76 = 5 :
登校
朝倉「寝過ごしちゃった……今日は待ち伏せできないわね」
長門「待ち伏せ?」
朝倉「ふふっ、こっちの話」
長門「そう」
タタタッ
長門「ねえ」
朝倉「どうかした?」
長門「今は、どんな気分?」
朝倉「学校に行けばキョン君がいるから……楽しみな気分かしら」
長門「そう」
朝倉「今日は、特別手だけを繋ぎたいって気持ちじゃないみたい。昨日の長門さんのおかげよ」
長門「ゆっくり探せばいい」
朝倉「そうね……ありがとう」
長門「……」コクッ
78 :
SSの朝倉は可愛すぎて生きるのが辛い
79 = 5 :
朝倉「おはよー」
国木田「……あれ?」
谷口「お、今日は一人か?」
朝倉「え?」
国木田「キョンがまだ来てないんだよね。時間的にはもう来ているはずなんだけど」
谷口「てっきり、また手を繋ぎながら教室に入ってくるものとばかり思ってたぜ」
朝倉(キョン君が来ていない?)
国木田「……あ、チャイムだ」
谷口「遅刻だな」
朝倉(遅刻なら、まだいいけれど……)
80 = 5 :
朝倉(それから、朝のホームルームで今日は彼が休みだと言う事を聞いた。ちょっとした風邪らしい)
朝倉(風邪……)
朝倉「……」シュン
谷口「なあ、国木田。あの姿は落ち込んでると思うか?」
国木田「気にしてない様子ではないよね」
谷口「だよなぁ……」
朝倉(昨日パフェ食べさせちゃって体が冷えたのかな。それとも帰るのを遅くして玄関に立ってたから?)
朝倉(私のせいかな……)
81 = 5 :
昼休み
朝倉「ハァ……」
朝倉(このお弁当だって、食べて欲しくて時間無いのに一生懸命作って……)
朝倉(食べてもらいたかったな)
朝倉(今頃彼は布団の中かな?)
朝倉(……食欲無いや)
82 = 5 :
朝倉(お昼……みんな元気ね)
国木田「でね、この前話していた……」
谷口「ああ、あの話か」
ハルヒ「ちょっとアンタ達。暇ならパン買ってきてよ」
谷口「弁当食ってるのが見えないのか?」
ハルヒ「いいじゃない。お金は半分だけ出してあげるから」
谷口「いや、それもおかしい」
国木田「ははっ、キョンが休みだと大変だよね」
谷口「いい迷惑だ、全く……」
ハルヒ「文句言わないでさっさと行ってきなさい!」
83 :
みんななにを言っているんだ?
原作の段階から可愛いじゃないか
キョン死ね。ポアされろ
84 = 5 :
朝倉(……)
「それでねー」
「隣のクラスの女子がさ」
「今日放課後どっか寄ってく?」
朝倉(ああ。彼がいない学校って、どうしてこんなに色んな人の姿が見えるようになるんだろう)
朝倉(見る人一人いないだけで、こんなに視界が広くなっちゃった)
朝倉(人はたくさんいるのに寂しいのは何でかな……)
朝倉(私、今は彼に会いたいみたい)キュッ
85 = 5 :
ピンポーン
……
キョン妹「はーい」ガチャッ
朝倉「あ、こんにちは」
キョン妹「おねえちゃん誰? ハルにゃんと同じ洋服着てる~」
朝倉「ハルにゃん? ……もしかして涼宮さん?」
キョン妹「そうだよー」
朝倉「ふふっ、ハルにゃんね。私、キョン君とハルにゃんのお友達なのよ」
キョン妹「そうなんだー。でもキョン君今風邪ひきコンコンなんだよー」
朝倉「寝たきり、とか?」
キョン妹「起き上がってるから元気にコンコンだよー」
朝倉「ふふっ、そう」
朝倉(とりあえず一安心……)
86 = 5 :
朝倉「ねえ、起き上がってるならお見舞いしても大丈夫かしら?」
キョン妹「大丈夫だよー」
朝倉「ふふっ、ありがとう。仲良くなった記念にこれあげる」
キョン妹「わー、チョコレートだありがとうー。えっと~……」
朝倉「朝倉涼子よ。よろしくね妹ちゃん」
キョン妹「わかった~。じゃああがってあがって」
朝倉「ふふっ、お邪魔します」
87 :
しえん
89 = 5 :
ガチャッ
キョン妹「キョンくーん」
キョン「おーいい所に来た。水持ってきてくれ水」ペラッ
キョン妹「本読んでるの~?」
キョン「ああ、布団に潜りながらの読書は心を豊かにするからな」
キョン妹「ゆたか~。お水持ってくるね~」
キョン「おう、頼んだぞ~」ペラッ
タタタッ
キョン「ふう……今日のご飯は何かなっと」ペラッ
キョン「あー、昼飯抜いたからマジ辛いわー」ペラッ
キョン「バナナ一本だけの食事って、病人かっての全く」ペラッ
朝倉「……」
91 :
なんという俺得スレ
92 = 5 :
キョン「体調が回復すると食欲がな。全く人間ってやつは~……」ペラッ
タタタッ
キョン妹「はい、お水持ってきたよ~」
キョン「おー。ここに置いといてくれ」ペラッ
キョン妹「は~い」カタッ
キョン妹「あれ、まだ座ってないのさくらさん?」
キョン「さくらって誰だよさくらって。野良ネコでも拾ってきたのか?」ペラッ
93 :
>キョン「あー、昼飯抜いたからマジ辛いわー」ペラッ
これで地獄のミサワ思い出した
94 = 5 :
キョン妹「お見舞いに来たさくらさんだよ~。さくにゃん? さくらん?」
キョン「ネコがお見舞いしてくれるってか。ありがたいね、うんうん」ペラッ
キョン妹「だって~」
朝倉「へぇ……私ってネコだったんだ」
キョン「そうそう。お見舞いには野良ネコちゃんが恩返しのために来てくれて……て?」ピタッ
キョン妹「さくらさんにチョコレート貰ったんだよ~。お見舞い~」
キョン「ほ、ほう。そいつはよかったなあ……うん」
95 = 5 :
キョン妹「あ、今お茶持ってくるから待っててねさくらさん~」
朝倉「ええ、ありがとう妹ちゃん」
タタタッ
キョン「待って! ねえ待って!」ガタッ
朝倉「……」ジトッ
キョン「……や、やぁ」
朝倉「……」ツンッ
キョン「いやあ、さくらさんね……最初はわからなかったよ、うん」
朝倉「……」プイッ
96 = 5 :
キョン「だ、黙って見てたなんてズルいぞ朝倉。音もなくただ立ち尽くていたなんて……忍者か!」
朝倉「……」プイッ プイッ
キョン「往復プイプイ……よっぽど怒ったか……?」
……
朝倉「……ふふっ」クスッ
キョン「……!」
朝倉「ふぅ……本当に風邪ひいてたの?」クスクス
キョン「ひ、ひいてた」
朝倉「本当に~? ズル休みしてたんじゃないの~?」
キョン「いや、マジだって。朝は大変だったんだようん」
タタタッ
キョン妹「はい、お茶お茶~」
98 = 5 :
キョン「朝は大変だったんだよ。熱が急に出て。な、妹?」
キョン妹「学校行く前は苦しそうだったね~。帰ってきたら治ってたけど~」
朝倉「あ、そうだったんだ……」
キョン「昼まで寝てたら楽になってな。すぐに熱も引いたよ」
朝倉「治ったの?」
キョン「ああ、もう余裕だ」
朝倉「でも夜になったら風邪って悪化するわよ?」
キョン「そうなったら、早めに寝るさ」
朝倉「……漫画ばっか読んで夜更かししちゃダメよ?」
キョン「……気を付けます」
99 = 5 :
ピンポーン
キョン妹「あ、またお客さんだ。はーい」
トタトタ
朝倉「……」
キョン「……」
朝倉(さっきまでは妹ちゃんもいて軽い空気だったけど……)
朝倉(二人きりになると……何だか冗談も言えなくなるわね……)
ガサッ
朝倉「……あ、そうだ、これ」
キョン「ん?」
朝倉「お、お見舞い……時間無かったから……フルーツ缶だけど」
キョン「ミカンの缶詰め、か。ありがとう朝倉」
朝倉「う、うん。後ね……えっと……えっと……これ……」
キョン「……?」
みんなの評価 : ★★
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