元スレのび太「……しずかちゃんのいない世界に」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
1 :
その日は、いつもと何も変わらない日だった。
ただ、スネオがすこし風邪っぽくて、先生も風邪が流行ってるから気をつけるようにと言って、
だいたいいつものように僕らは学校生活をすごしていた。
授業が終わると、僕らは空き地に集まった。
これも、いつもどおりのことだ。
ジャイアン「ちょっと、寒いな」
いつもの黄色いトレーナーの上に、スタジャンを羽織ったジャイアンが言った。
のび太「確かに。スネオも、大丈夫かい?」
スネオ「う、うん。でも、少しだるいかも」
しずか「だるいって、それってだめじゃない。早く帰って休んだほうがいいわ」
スネオ「うーん……そうしようかな」
ジャイアン「そうだ。早く帰れ。俺たちにまで風邪うつされちゃたまらないからなww」
ジャイアンはそういって笑った。
2 = 1 :
僕らはスネオを家まで送って、また空き地に戻ってきた。空は、暗くなっていた。
しずかちゃんが寒そうに肩を震わせた。僕は着ていたコートを脱いで、彼女の肩にかけてやった。
しずか「悪いわ、のび太さん」
のび太「いや、気にしないで良いよ。僕は、大丈夫」
しずかちゃんは何かいいたそうだったが、僕はそれを押しとどめた。
のび太「大丈夫、馬鹿は風邪をひかないんだ」
ジャイアン「自分で言うんだから世話ねぇな」
のび太「そういわないでくれよ」
僕は言った。
急に空が暗くなり、どんよりとした雲が天を覆った。
そして、当然のようにポツリポツリと雨が降ってきた。
僕らは逃げるように空き地を出て、めいめい、家路に着いた。
3 = 1 :
ドアを開けると、ドラえもんが迎えてくれた。
ドラえもん「お帰り」
のび太「うん」
ドラえもん「雨が降ってきたみたいだったけど、大丈夫だった?」
のび太「うん。すぐそこまで来てたからね」
ドラえもん「あれ、コートはどうしたんだい?」
のび太「ああ、しずかちゃんに貸したんだ。寒そうだったから」
ドラえもん「そっか。君も紳士だね」
のび太「他に、何も出来ないからね」
僕は言った。
ドラえもん「さ、晩御飯の準備も出来てるみたいだよ」
5 :
構わん、続けろ
6 :
なんかニヤニヤしちまった
8 :
ラノベ好きそだな
9 = 1 :
その日のおかずはハンバーグで、僕はそれをゆっくりと食べた。
夕食の最中に、ママが風邪が流行ってるみたいだから気をつけなさい、と言った。
のび太「それ、学校でも言われたよ」
ママ「それだけ深刻だってことよ」
パパ「ただの風邪ってわけでもないみたいだしな」
ドラえもん「僕は大丈夫だけどね」
のび太「そりゃあね」
夕食の後、風呂に入った。
宿題も特になにもなかったので、湯冷めしないうちに寝てしまうことにした。
とはいっても、時間が早かったので、眠るには少し時間が必要だった。
のび太「布団に入れば10秒で眠れるって言われてたのにな……」
なんて、体たらく。
10 = 1 :
次の日、スネオが学校をやすんだ。
先生は、風邪がひどくなった、と言った。
先生「みんなも気をつけるように」
みんな、先生は言った。
しかし、気をつけるべきみんなって、いったいあとどのくらいいるんだろう。
僕は一人でそう思った。
その日、クラスの半数が風邪を理由に欠席していたのだった。
11 :
書き溜めしてないの?
支援
12 :
のび太は1秒以内で寝れるけどな
13 :
×スネオ
○スネ夫
14 :
新型インフルエンザktkr
15 = 1 :
昼まで、半分の人数での授業が行われたが、僕らは結局午後の授業を受けないまま下校してもいいことになった。
しずかちゃんとスネオは学校を休んでいたので、僕はジャイアンと一緒に校門を出た。
ジャイアン「心配だな」
ジャイアンは言った。
のび太「確かに。でも、なんでいきなりクラスの半分も休んだんだろう」
ジャイアン「さぁな。俺たちも明日には学校を休まなきゃいけないかもしれないぜ」
のび太「それはいやだなぁ」
ジャイアン「まぁ、それは良いとして、二人のお見舞いでもいくか?」
のび太「スネオとしずかちゃんの?いや、やめといたほうがいいんじゃないかな。だって、学校にこれなくなるくらいの風邪だもん。
行くと邪魔になるんじゃないかな。もう少し、落ち着いてきたあたりに行くべきじゃない?」
ジャイアン「そうか……、まぁ、それもそうだな」
僕らは空き地まで行って、少し話して、適当な時間になったら家に帰った。
その帰り道は、いつもよりも人が歩いていなかった。
16 :
なんか壮大なヒューマンドラマになりそうなおい!!
17 :
「ピン芸人の山ちゃんで~す♪」
18 :
これは鬱展開の気がしてきた
19 :
続けろ
続けて下さい
20 = 14 :
続きが気になる
21 = 16 :
バタフライエフェクトを真っ先に連想した
22 :
猛烈な鬱展開を想像しながらも
みるのを止められない不思議
23 = 1 :
家のドアをあけると、ママが迎えてくれた。
ママは、マスクをしていた。
少し、風邪をひいたみたい。
ママは苦笑いしながら言った。昨日、気をつけろって言ったのは私なのにね、と。
僕は少し肩をすくめて、手を洗って二階に上った。
ドラえもんの姿はなかった。
のび太「(どこかに行ってるのかな……?でも、もう外も暗いのにな)」
僕は漫画を読みながらドラえもんの帰りを待った。
でも、結局その日、ドラえもんは帰ってこなかった。
そして、その日のニュースが伝えていた。
新型インフルエンザ発生。
僕は、記事を読み上げるニュースキャスターの声を、まるでフィルターを通した声のように聞いていた。
24 = 22 :
いやああああああああああああああ
25 = 14 :
嫌ぁああああああ
27 = 1 :
学校が休みになった。
クラスの3分の2の生徒が欠席連絡をいれたらしい。
僕はいつもよりゆっくり起きて、朝のワイドショーを朝ご飯代わりの煎餅を食べながら見ていた。
昨日から帰っていないドラえもんのことが気がかりだったが、今、外に出るのは危険だと思った。
こういうときは、家で大人しくしていたほうがいい。
そんなふうに僕が時間を浪費していると、電話が鳴った。
パパは会社に、ママは部屋で寝込んでいる。電話を取れるのは僕しかいない。
のび太『もしもし』
ジャイアン『おう、俺だ』
のび太『ジャイアンか』
ジャイアン『お前ももしかしたらかかったんじゃないかと思ったけど、声を聞く限りでは大丈夫そうだな』
のび太『かかった?』
ジャイアン『インフルエンザだよ』
のび太『ああ。僕は大丈夫、ママはちょっと、苦しそうだけど』
ジャイアン『俺のところもだ。母ちゃんとジャイ子がやられた』
29 :
((゚д゚;=;゚д゚))
30 = 1 :
のび太『大丈夫そう?』
ジャイアン『今のところは。ところで、なぁ、こういうインフルエンザって、ドラえもんの道具でなんとかならねぇのか?』
のび太『ドラえもんの?』
ジャイアン『ああ、なんかほら、病気なおりん……見たいな感じか?そういうのないのか?』
のび太「『さぁ……。言い忘れたけど、昨日からドラえもんがいないんだ』
ジャイアン『ドラえもんが?どうして?』
のび太『僕にも判らないよ。僕が昨日学校から帰ってきたときはもういなかった。本当は、探しに行きたいんだけど』
ジャイアン『……こんなときには、外にも出られないよな』
のび太『それに、そのうちひょっこり帰ってくるかも知れない。だから、とりあえず家で待ってることにしてる』
ジャイアン『それがいいな。俺も、そうするぜ。お前も気をつけろよ』
のび太『お互いにね』
そういって、電話は切れた。
31 = 16 :
なんとなく読めた
支援
32 :
ジャイアンおわったな
33 = 1 :
ドラえもんが帰らないまま夜になった。
夜になっても、ママの症状は、一向に良くならなかった。
のび太「(パパ……帰ってくるの遅いな)」
こういうときは、早く帰ってきて欲しいのに。
僕は気晴らしにテレビを見ることにした。
新型インフルエンザの感染者、1000万人を突破。
見ないようにしようと思っても、嫌なニュースは自然に目に入ってくるのだった。
のび太「……」
不意に、電話が鳴った。
僕はびっくりして、思わず声を漏らしてしまった。
電話の主は、パパだった。
パパ『電車が動かない。運転士が足りないみたいなんだ。だから、今日はパパは会社に泊まることにする。ママのこと、頼んだよ』
34 = 14 :
綺麗なジャイアン…
38 :
こいつら小学生だよな?ww
39 :
こ、これは…
41 :
犯人は未来人か
42 = 1 :
翌日、インフルエンザで初の死者が出る。その日のうちに、犠牲者は100人を超える。
翌々日、政府がこれは緊急事態であると官房長官が記者会見。WHOが日本の支援を発表。
犠牲者、500人に。
電車など、公共交通機関が麻痺し始める。
都市部において暴動が発生、機動隊が出動。
最初の犠牲者発生から三日目、死者が1000人を超える。
WHOから派遣された医師団が到着。各地にメディカルベースが出来始める。
最初の犠牲者発生から四日目、各国から派遣された医師団が到着する。
最初の犠牲者発生から5日目、アジアの国々で似たような症状が確認され始める。
最初の――新型インフルエンザ、世界中で発病し始める。
最初――……
44 :
ドラえもんのシリアス系スレってたまに立つけど、それのまとめって無い?
45 :
これは来年の感染列島の宣伝に違いない
46 = 16 :
ここまで凄いとどっかの政府が予防接種に何かを混ぜたとしか考えられない
47 = 1 :
そうして、世界は滅亡した。
少なくとも、僕らが知っている文化体系はほぼ壊滅状態になったといっても良いだろう。
ママは、僕とジャイアンが電話をしてから四日後に死んだ。
パパは、会社の帰り途中、電車の中でウイルスをうつされてすぐに病院に運ばれた。
その病院も、パパが入院してから一週間で万床になった。
幸い、僕は感染しなかった。
感染を免れた人々は自主的にキャンプを作り、学校や公民館などにこもって生活し始めた。
暴動が起こって、スーパーやコンビニが襲われた。
もう、理性なんて存在しなくなっていたんだ。
僕は学校のキャンプの一員となった。
スネオや、しずかちゃんの姿をみつけることは出来なかった。
唯一見つかったのは、ジャイアンだった。
ジャイアン『……のび太、お前、無事だったか、良かった……!』
キャンプでジャイアンに会ったとき、そういってジャイアンは泣き崩れた。
48 = 6 :
泣いた
49 :
玉子さん死亡のお知らせ
50 = 39 :
まさかドラえもんの最終話が大長編で終わるとは…
みんなの評価 : ★★★
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