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    元スレ可奈「ち、千早さんが記憶喪失!?」

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    51 = 1 :

    P「大丈夫だ、何も心配はいらない。
     違和感に気付けたってことは、多分『もうすぐ』だからな」

    千早「……? どういうことですか?」

    P「それもすぐに分かる。
     それより、プロデューサーとしてアドバイスしたいことがあるんだが、いいか?」

    千早「アドバイス、ですか? ええ、もちろんです。よろしくお願いします」

    P「なら、一つだけ。
     いいか千早、今日はその違和感を抱えたままステージに上がるんだ。
     そうすればきっと良いステージになる」

    千早「違和感を抱えたまま……? あの、それはどういう……」

    P「答えはステージが出してくれるさ。
     ……さて、俺はそろそろ行くぞ。
     まだ確認したいならしてもいいけど、遅れることのないようにな」

    千早「……」

    52 = 1 :




    静香「! プロデューサー……。あの、千早さんは?」

    P「あと30分くらいで戻ってくる。それまでにみんなは準備をしておこう。
     と、その前に、何か気になることはあるか?
     聞けるとすればこのタイミングが最後になりそうだから、今のうちに言っておいてくれ」

    志保「私は特に。千早さんの記憶が戻ってないのも想定のうちですし」

    可奈「えっと、私も大丈夫だと思います!」

    静香「……プロデューサー。それじゃあ一つ、いいですか?」

    P「ん、なんだ?」

    54 :

    狂犬ちーちゃんには苦労させられたよなぁ・・・(トオイメ

    57 = 1 :




    舞台袖

    P「もうすぐ時間だな……確認するぞ。
     まずは一人ずつ順番にソロ曲を披露して、最後に4人全員で歌う。
     最初は志保だが、準備は整ってるか?」

    志保「はい、問題ありません」

    可奈「志保ちゃん、がんばってね!」

    静香「トップバッター、頼んだわよ!」

    志保「ええ」

    千早「……」

    58 = 1 :

    P「じゃあそろそろ……って、志保?」

    志保「千早さん……前に私があなたに言ったこと、覚えてますか?
       アイドルとして、今のあなたには負ける気がしないって」

    千早「……ええ、覚えているわ」

    志保「だったらいいんです。それじゃ、行ってきます」

    P「志保……。よし、行ってこい! お前の全部をぶつけてやれ!」

    志保「もちろん……そのつもりです!」

    59 = 1 :




    静香「――志保、すごいわね。いつもよりもずっと……」

    可奈「なんだかこっちまで、ドキドキしてくるね……!」

    P「見とれてる場合じゃないぞ、静香。もうすぐ志保の出番は終わりだ。準備はいいか?」

    静香「別に見とれてなんか……。当然、準備はできてます。
       志保に負けないよう、頑張りますから!」

    可奈「がんばってね、静香ちゃん!」

    静香「ありがとう、可奈。それから……千早さん」

    千早「……」

    静香「……見ててくださいね。じゃあ、行ってきます!」

    60 = 1 :




    P「――うん、静香もいつにも増して気合が入ってる。すごくいい感じだ。
     さて、次は可奈だけど準備は……って、聞くまでもなさそうだな」

    可奈「はいっ! 志保ちゃんも静香ちゃんもいつもよりすごくて、
       準備万端~、気合満タン~、やる気満々~♪ ですっ!」

    志保「やる気があるのはいいことだけど、空回りしないようにね」

    可奈「だいじょーぶ! ちゃんと私らしいステージにしてくるから!
      だから……千早さん! 見ててください、私のステージ!」

    千早「……矢吹さん……」

    P「よし、静香の曲も終わったぞ。行ってこい、可奈!」

    可奈「はいっ! 行ってきまーす!」

    61 = 1 :




    P「――さて、いよいよ次が千早の番だけど……。
     どうだ、初めて見る可奈のステージは。
     前の二人のステージも、何か感想はあるか?」

    千早「……」

    可奈『飛び出せ! 全力パワーに込めたメロディーに乗せて♪
      絶対大丈夫そばにいる♪ 優しい歌がある♪』

    千早「……相変わらず、音程は外してて、テンポもリズムも崩れて……。
      これではまだ、アイドルではない一般人の方が、ちゃんと歌えていると思います」

    P「……」

    千早「なのに……分かりません。
       あんな歌なのに、どうして……。どうして、こんなに……」

    62 = 1 :

    P「そうか、良かった。三人の気持ちはちゃんと、千早に届いてるみたいだな」

    千早「……はい。三人の歌声から、三者三様の、強い思いのようなものを感じました。
       きっと、私に向けた思いなんだろうということも分かりました……。
       でも……私は、まだ何も……」

    P「大丈夫。そこまでくればあと一歩だ」

    千早「え……?」

    P「あとはお前の歌が、ステージが、光をくれるはずだ。
     そうなればもう、お前が自分の力で踏み出すだけだよ」

    千早「プロデューサー……」

    P「だから、行ってこい! アイドル如月千早のステージへ!」

    千早「っ……はい、行ってきます……!」

    63 = 1 :

    P(……よし、行ったな。ここからは千早、お前次第だ)

    可奈「あ、あの、プロデューサーさん」

    P「! 可奈……静香と志保も。どうかしたか?」

    可奈「千早さん、何か言ってましたか? 私たちのステージのこと……」

    静香「私と志保も、離れていたからプロデューサーとの会話は聞こえなくて……。
       わ、私たちの気持ち、千早さんに伝わっていたでしょうか?」

    志保「……」

    P「ああ、しっかり伝わってたよ。
     そのおかげで、千早が記憶を取り戻すまであと一歩ってところまで来てると思う」

    静香「ほ、本当ですか!」

    P「ああ。あとは千早次第……っと、曲が始まったぞ。みんなで見守ろう」

    64 = 1 :

    千早(……すごい。これが765プロシアターのステージ……。
      ファンの人達の熱が、想いが、こんなにも強く伝わってくるなんて……!)



    P「! 今の歌い出しは……」

    志保「……ぎこちない、ですね」

    静香「何か、探り探り歌っているような……。
       あんなふうに歌う千早さん、初めて……」

    可奈「千早さん……!」



    千早(……いえ、違う……。
       この熱も、伝わってくる想いも、ファンからのものだけじゃない。
       これは……さっきまでここで歌っていた、三人のもの……)

    65 = 1 :

    千早(まだ残ってるんだ……。
       志保の、静香の、矢吹さんの……みんなの想いが、まだここに……!)


    P(……そうだ、千早。『あとは自分の力で踏み出すだけ』と言ったが……お前は一人じゃない。
     たとえステージに一人で立っていても、仲間の想いが支えてくれる。
     繋がり続けてくれるんだ)


    千早(そうか……やっと分かった。
       やっぱり私は、この歌を完全に表現できていなかったんだ。
       だって、何も知らなかったから。
       でも、分かった……。私は……『今の私』は……!)

    千早「――Just be myself!! 信じたい
      手探りの勇気を 本当の自分を
      全力で未完成な明日へ……なりたい私になる!」

    66 = 1 :

    P「っ! 千早……!」

    静香「この、歌……!」

    志保「……さっきまでと、いえ……練習とも、全然違う……!」

    可奈「千早、さんだ……私たちが知ってる、千早さんの歌だ!」

    静香「プ、プロデューサー、私たちの思い込みじゃありませんよね……!?
      だって練習とまるで違います!
      今まで気付かなかったことが不思議なくらい……!」

    P「慌てなくても、千早が戻ってきたら分かるよ。
     だからそれまで、しっかり聞こう……! 千早の歌を、最後まで!」

    67 = 1 :




    P(その後も千早は、笑顔で歌い続けた。
     聴く者すべてを笑顔にするような、幸せそうな表情で。そして……)

    静香「千早さん!!」

    千早「!」

    可奈「すごかったです……千早さん、すごかったです!
      私、感動しちゃいました! 本当に、本当に……!」

    志保「可奈、歌の感想はあとにして。今は先に確認しなきゃいけないことがあるでしょ」

    可奈「あっ、そ、そっか! あの、千早さん!
      えっと、私たちのこと……お、思い出してくれましたか!?」

    千早「……ありがとう、矢吹さん、静香、志保。
      色々と迷惑をかけて、本当にごめんなさい」

    68 = 1 :

    可奈「あ、あ……!」

    静香「そ、それじゃあ……」

    千早「ええ……。全部、思い出したわ」

    可奈「ち……千早ひゃぁあああぁあああん!! うえぇえええええええん!!」

    千早「きゃっ……! 矢吹さん……その、あなたには特に、謝らなければいけないわ。
      記憶がなかったとはいえ、私、酷いことを……」

    可奈「良゛い゛んですぅううううう! 千早さんが思い出しでくれ゛ただけでぇええええ!!」

    静香「ほ、本当に、よかったです……! ぐすっ……」

    69 = 1 :

    志保「二人とも、感動する気持ちは分かるけどそろそろ切り替えないと。
      まだ四人でのステージが残ってるんだから」

    P「おっと、そうだぞ可奈、静香。あんまり泣きすぎるとメイクが崩れ……
     って、もう手遅れな気もするが、とにかく歌の準備だ!」

    可奈「は、はい……ひぐっ。ご、ごめんね志保ちゃん。
       千早さんも、いきなり飛びついてごめんなさい……」

    千早「いえ、いいのよ矢吹さん」

    志保「ほら静香も早く涙拭いて、準備して」

    静香「ええ……ふふっ」

    志保「何……? 私、何かおかしなことを言った?」

    静香「いいえ。すぐ準備するわ」

    静香(志保ったら……自分だって、涙目になってるくせに)

    71 = 1 :




    P(――四人でのステージは、もちろん大成功をおさめた。
     そしてその日の夜……)

    小鳥「公演大成功アーンド……」

    美咲「千早ちゃん完全復活お祝いパーティ、開催ですっ!」

    一同「かんぱーい!」

    P「……って、まさか本当にパーティを開くとは……」

    高木「何を言っとるんだね! 如月くんが復活したんだ、このくらい当然だろう!
      今日は突然のことだから公演のメンバーと我々だけだが、
      後日また改めてアイドル52人全員集めてのパーティを開くつもりだ!」

    P「ええっ!?」

    72 = 1 :

    静香「……今何か、すごいことが聞こえたような……」

    可奈「52人全員だって! すごいね!
       みんな一緒でとっても楽しい~♪ 千早さんも元通りでとっても嬉しい~♪」

    千早「で、でも流石に全員でパーティは大袈裟じゃ……」

    志保「いいんじゃないですか? きっとみんなもお祝いしたがってるでしょうし」

    静香「あら、珍しいわね志保。あなたがこういうことに積極的だなんて」

    志保「別に。めでたいことは祝ってもいいって思っただけよ」

    千早「ふふっ……ありがとう、志保。
      静香と、矢吹さんも……改めてお礼を言わせて。本当に、ありがとう」

    73 = 1 :

    静香「い、いえ、そんな! 別にお礼を言われるようなことなんて、何も……」

    千早「そんなことはないわ。みんなの想いのおかげで、私は記憶を取り戻せた。
      それに、私が矢吹さんに酷いことをしようとした時……
      静香、あなたが志保と一緒に私を止めてくれたこと、嬉しかったわ。
      普段のあなたは、私の前ではあまり自分の意見を言おうとしないから」

    静香「……千早さん……」

    千早「だからこれからも、歌やステージついて、
      時々は私に意見をぶつけてくれると嬉しいわ。
      きっとそうすることで、お互いの歌はもっと大きく成長できると思うから」

    静香「は、はい! 頑張ります!」

    千早「それから……志保にも同じ理由で、すごく感謝してる。
       真正面から意見をぶつけて、私を止めてくれて、ありがとう」

    志保「いえ……」

    74 = 1 :

    千早「『今のあなたにはアイドルとして負ける気がしない』という言葉……
       すごく印象に残ったわ。
       あんなふうに直接的に気持ちをぶつけてくる人は、あまり居なかったから」

    志保「……でも私もあの時は少し感情的になっていたと、今は反省しています」

    千早「気にしないで。経験もなく視野も狭かった頃の私より、
      今の志保たちの方がアイドルの実力は上。それは多分、事実だから」

    志保「そう、でしょうか」

    千早「でも、もちろん今は、私も負けるつもりはないけれど」

    志保「! ……そうでしょうね。
      だけどすぐに追い越してみせますから」

    千早「ええ。私も、追い抜かれないように頑張るわ」

    75 = 1 :

    千早「それと、矢吹さんも……。
       いえ、矢吹さんにお礼を言いたいと思ったのは、今回だけじゃないわね」

    可奈「へっ?」

    千早「あなたにはずっと、何度も感謝してるわ。本当に、ありがとう」

    可奈「あの……な、なんのことですか?
       私、そんなに千早さんにお礼を言われるようなことはしてないような……」

    千早「あなたの歌は、いつも私に新しい世界を見せてくれてる。
      同じ歌でも、全く違う表情を知ることができて……。
      歌に対する姿勢も、表現の仕方も、いつも勉強させてもらっているわ」

    可奈「ええええっ!? そ、そんな!
      私の方こそいつも、千早さんの歌に勉強させてもらって、感動させてもらって……!
      だから、わたしっ……ひぐっ……ぅええぇええん!」

    静香「もう、可奈ったらまた泣いて……」

    可奈「だっでぇえ……わたしうれしぐでぇええ……!」

    76 = 1 :

    志保「ティッシュあげるから、鼻くらいかみなさい。酷い顔よ」

    可奈「う゛ん……ごべんね志保ぢゃん……ぐすっ。
      あ、あの、千早さん……! 私、まだまだ千早さんみたいに上手には歌えません……。
      でもいつかは、千早さんみたいに、
      たくさんの人に私の歌を届けられるようになりたいです!
      だから、その……こ、これからも、たくさん勉強させてください! よろしくお願いします!」

    千早「矢吹さん……。ええ、もちろん。
      これからお互いに、学び合っていきましょう」

    静香「あ、私も……! 私も、たくさん学ばせてもらいます!
      それから、時々は千早さんと、歌について色々と言い合って……
      一緒に成長させてもらえたら、嬉しいです!」

    77 = 1 :

    志保「……私は、一緒に成長なんてするつもりはありませんから。
      千早さんより早く成長して、
      少しでも早くあなたを追い越せるように、これからも努力するだけです」

    千早「静香、志保……。ええ、そうね。
      同じ事務所の仲間として、トップアイドルを目指すライバルとして。
      関係のあり方は色々とあるでしょうけど……。みんな、これからもよろしくね」

    可奈「は、はい! こちらこそ! あ……そ、そうだ、千早さん!
      突然ですけど私、一つだけお願いが……! 聞いてもらっていいですか!」

    千早「? え、ええ。何かしら、私にできることならいいのだけれど……」

    可奈「そ、その、えっと……!
       わ、私のこと、可奈って呼んでください!! お願いしますっ!!」

    千早「えっ?」



      おしまい

    78 = 1 :

    付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした

    79 :

    おつ

    81 :

    おつ

    82 :

    おつ 懐かしの抜き身のナイフ千早厳しすぎ 良き話だった

    83 :


    ありそうで見かけなかった話を書いてくれてありがてぇ

    84 :

    >>50で千早がおかしくなった!なんすってちーちゃんにいったい72が……

    85 :


    ミリマスのちーちゃんはよく笑ってくれて大好き

    87 :

    ちはかなとさりげないかなしほが素晴らしかった
    狂犬時代のちーちゃんはJbM歌えねーだろうなぁ


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