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    元スレ男「俺の能力は“体育の日”!」女「少しは勤労してよ!」

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    1 :

    ― アパート ―

    「腕立て伏せ開始!」

    「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」グッグッグッ…

    「あのさ……」

    「ふんっ?」グッ…

    「筋トレもいいけど、少しは勤労してよ!」

    2 = 1 :

    「してるだろ? たまにお金をもらってスポーツの指導したり……」

    「あんなの不定期すぎて、勤労っていわないわよ!」

    「まあまあ……」

    「“勤労感謝”」

    「ぐおっ!?」ズシッ…

    「あたしの能力“勤労感謝の日”は、働いてる人を応援することができるけど――」

    「まともに働いてないとそうやって、プレッシャーに押し潰されることになるわ」

    「ぐおおおお……!」メリメリ… メキメキ…

    3 :

    恐ろしい能力だ

    4 = 1 :

    「ふんっ! ふんっ! ふんっ!」グッグッグッ…

    「おおっ、押し潰されながらも腕立て伏せを続けるなんて、さすがね!」

    「だったらもっと重く――」

    「や、やめてくれ!」

    「よぉーし、ジョギングにでも行くかな!」サササッ

    「ったく、すぐ話をはぐらかすんだから……」

    5 = 1 :

    ― 町 ―

    「えっほ、えっほ」タッタッタ…

    「えっほ、えっほ」タッタッタ…

    「よくついてこれるな、俺のペースに」タッタッタ…

    「そりゃ、四六時中あんたみたいな運動バカと一緒にいればね」タッタッタ…

    「――ん?」

    「なんだ、あの三人組は?」



    DQN「…………」

    ピッチャー「…………」

    幼女「…………」

    6 = 1 :

    DQN「テメェら二人……“能力者”だな?」

    「……だとしたら?」

    DQN「いくぜっ!」ブオッ

    「うわっ!?(いきなり殴りかかってきた!)」サッ

    「ちょっと! なにすんのよ!」

    「いや、ここは俺一人で十分だ!」

    DQN「おいおいナメられたもんだな! だったらタイマンといこうじゃねェか!」

    7 = 1 :

    DQN「オレの能力は“成人の日”!」

    DQN「成人式で暴れるワルどものように、暴れることができるのさ!」ブオッブオッ

    「くっ……!」

    DQN「だりゃッ!」ブオンッ

    バキッ!

    「ぐはっ!」

    (なんてパンチ力だ……並の不良とはケタが違う!)

    (だったら俺も能力を使うしかないようだな……)

    「俺の能力は“体育の日”! 自分の肉体を強化し、さまざまな体育技を操れる!」

    8 = 1 :

    「前転!」ゴロゴロ…

    DQN「うわぁっ!?」ズデェンッ

    「うまい! 暴れる相手の足元に転がることで、足を引っかけて転ばせたわ!」

    DQN「ぐ……!」



    ピッチャー「次は私が相手だ」

    ピッチャー「私は大豆をいくらでも生み出し、相手に投げつけることができる!」パァァァ…

    ピッチャー「160km/hの豆まきを喰らえッ!」ビュオッ

    バチィッ!

    「あぐっ……!」

    (このピッチャーの能力は“節分”だな……!)

    9 = 1 :

    ピッチャー「そら、そら、そら!」ビュオッ

    「キャッチ!」パシッ

    ピッチャー「なに!?」

    「砲丸投げの要領でお返ししてやる! どりゃ!」ビュオオンッ

    ドゴォッ!

    ピッチャー「まさか、ピッチャー返しされるとは……ッ!」



    幼女「うふふ、あたちの出番のようね」

    幼女「ひな人形たち、出てらっしゃーい!」ヴンッ

    (この子の能力は、雛人形を具現化させて、敵を襲わせる能力ね! おそらく“桃の節句”!)

    10 = 1 :

    お内裏様「いくぜよ! おヒナ!」ギュンッ

    「オッケェェェイ!」ギュンッ

    ザシュシュシュッ!

    「ぐああっ……!(隙のないコンビネーションだ……!)」

    (――だが、攻撃力は低い! ならばいっそ雛人形は無視して突っ切る!)タタタッ

    幼女「きゃっ!」

    「さあ、近づいたぞ」

    幼女「はやい……!」

    「目の前で高速ラジオ体操をされたくなかったら、大人しく負けを認めるんだ」

    幼女「うふふ……あたちたちの負けね」

    (あれ? 案外あっさり負けを認めたわね)

    11 = 3 :

    なかなか

    12 = 1 :

    DQN「へへへ……さすがあのジイさんが見込んだ男だ」

    ピッチャー「頼む、我々の力になってくれ!」

    「やっぱり、俺の力を試してるだけだったか……」

    「やっぱりって、どうして分かったの?」

    「彼らの攻撃は強力ではあったが、殺気がなかった」

    「それに本気でもなかった」

    「たとえば、あの女の子の雛人形はもっと大勢の人形を出せたはずだ」

    「なるほど……そういえば三人官女や五人囃子は出さなかったものね」

    DQN「全てお見通しだったってわけか……すげえなアンタ」

    (これでちゃんと勤労してくれればねえ……)

    13 = 1 :

    「ところで、力になってくれ、というのは……?」

    DQN「実は今、ある集団が恐ろしい計画を立てていやがるんだ」

    「恐ろしい計画ってなによ」

    ピッチャー「日本を滅ぼす計画だ」

    「日本を滅ぼす!?」

    DQN「で、それを察知したオレたちのリーダーであるジイさんは、能力者を集めてるってわけだ」

    「うーん……ちょっと信じられないわ。いくらなんでも突飛すぎるもの……」

    「いや……どうやらその“ある集団”の連中がお出ましのようだ」

    「え!?」



    紳士「フッフッフ……」

    詐欺師「クックック……」

    14 = 1 :

    ピッチャー「――なぜ!? どうしてお前たちがここに!?」

    幼女「あたちたち、ナイショで行動してたのに!」

    紳士「我らのボスは、君たちの行動などとうにお見通しだ」

    詐欺師「ククク、ここで貴様ら五人まとめて片付けてやろう」

    詐欺師「ワタシの能力は詐欺師らしく“エイプリルフール”!」

    詐欺師「ワタシが嘘をつくと、それは全て実現するという恐ろしい能力――」

    「詐欺師ですってぇ……?」

    15 :

    紳士のほうが上かと思ったら詐欺師のほうがうえだった

    16 = 1 :

    「真面目に働きなさい! “勤労感謝”!」

    詐欺師「ぐええっ!?」ズシッ…

    詐欺師「あがっ! ぐげぁぁぁぁぁっ! たしゅけてぇぇぇぇぇ!」メキメキゴキメキ…


    DQN「なんてエグイ能力だ……!」

    ピッチャー「あれは全身骨折してるな」

    幼女「すっごーい!」


    「――さて、お前の相手は俺がしてやる! かかってこい!」

    紳士「フフフ、ありがたく先手を取らせてもらうよ」

    17 = 1 :

    紳士「“昭和空間”!」ズアアアッ

    「なんだ……!? 辺り一面が白黒になった……!?」

    紳士「もちろん色が変わるだけではない」

    紳士「この空間にいる者は皆、“昭和の懐かしさ”に心を奪われることになる!」

    「ふうん」

    紳士「なにィ!? なぜ効いてないのだ!?」

    「残念だったな……俺は平成生まれだ! 懐かしみようがない!」

    紳士「しまったァ!」

    「平成ジャンプキック!」バッ


    ドゴォッ!


    紳士「ぐおっ! この私の“昭和の日”の能力が、通用しない、とは……」

    紳士「昭和は遠くなりにけり、か……」ガクッ

    18 :

    結構おもしろい

    19 = 1 :

    紳士「…………」ピクピク…

    詐欺師「…………」ピクピク…



    「ふうっ、なんとか倒せたな」

    ピッチャー「しかし、情報が漏れてるということは、他にも刺客が来る可能性がある!」

    DQN「オレたちの秘密のアジトに案内するぜ!」

    「頼む!」

    「やれやれ、とんでもないことに巻き込まれちゃったわね」

    20 = 1 :

    ― 老人ホーム ―

    「ここがアジト……?」

    「ただの老人ホームじゃない」

    DQN「こんな場所が秘密のアジトだなんて誰も思わねェだろ?」

    ピッチャー「リーダー、新しい協力者を連れてきました」


    老人「ほっほ、よく来て下さった」キコキコ…

    イケメン「はじめまして」


    (この車椅子に乗ったおじいさんが、リーダーか!)

    21 = 1 :

    老人「ワシがこのレジスタンスのリーダーじゃ。能力は“敬老の日”」

    イケメン「私は副リーダーです。能力は“文化の日”です」

    「はじめまして。俺の能力は“体育の日”です」

    「あたしの能力は“勤労感謝の日”よ」

    「ところで、ある集団が日本を滅ぼそうとしていると聞いたのですが?」

    老人「うむ……さっそく説明を始めよう」

    23 = 1 :

    老人「実は“大晦日”の能力者が、日本中から能力者を集め、能力者集団を結成しておるんじゃ」

    イケメン「彼らの狙いは日本を滅ぼし、新たな国を建設することです」

    「なんですって!?」

    (さっきの“エイプリルフール”と“昭和の日”の使い手も、その一味だということか)

    老人「だからそれを知ったワシらも、奴らに対抗するため能力者を集めているというわけじゃ」

    イケメン「能力者には、能力者でなければ到底太刀打ちできませんからね」

    「なるほど……」

    24 :

    今日は何の日 ふっふー

    25 = 1 :

    イケメン「今現在、私たちの戦力はこの通りです」


    【リーダー】老人(敬老の日)

    【副リーダー】イケメン(文化の日)

    【メンバー】DQN(成人の日)、ピッチャー(節分)、幼女(桃の節句)



    「これに俺たち二人を加えるってわけか」

    「ちなみに敵の戦力は? すでに二人倒してるけど……」

    イケメン「ほとんど分かっておりません。ですが、我々よりも多いのは確かでしょうね」

    「厳しい戦いになりそうだな……」


    赤子「おぎゃあ、おぎゃあ……」


    「赤ん坊がいますけど、あの子は?」

    老人「ああ、あの子は――」

    26 :

    山の日は新入りだな

    27 = 1 :

    ドガァンッ!!!


    登山家「ガハハハ! こんな場所をアジトにしていたとはな!」

    サーファー「ハッハー! 探したよ!」


    幼女「きゃぁぁぁっ!」

    DQN「なんだと!? また刺客……!?」

    ピッチャー「なぜこうも、こちらの行動が読まれてるんだ!?」

    「こいつらにはあたしの能力は通じそうにないわね……」



    登山家「オレたち二人は、組織の中で最も大規模な攻撃をすることが可能だ!」

    登山家「この老人ホームもろとも、貴様らまとめて遭難させてくれるわ!」

    28 = 1 :

    登山家「喰らえ! 地面を自在に隆起させられる“山の日”!」

    ドゴォンッ!!!

    DQN「うわぁぁぁぁぁっ!」

    サーファー「ハッハー! 海水を自在に召喚できる“海の日”!」

    ザバァァァッ!

    幼女「きゃあああっ!」

    ピッチャー「ぐわああああっ!」

    「こいつら……なんて攻撃力なの!? ちょっとした災害じゃない!」



    サーファー「隆起した山に突き上げられ、荒れ狂う海に流されるがいいさ!」

    登山家「オレたち山海コンビは無敵だ! ガハハハハッ!」

    29 = 1 :

    ザバァァァァァ……



    サーファー「ハッハーッ! これでこのレジスタンスは全滅だ!」

    登山家「ボスからたっぷりと褒美をもらえるな!」

    「――あいにくだったな。みんな俺の手で避難させているぞ」

    サーファー「な、なにっ!?」

    登山家「貴様、どうしてこの海と山の中を自在に動けるんだ!?」

    「俺は登山も水泳も得意だからな……」

    登山家「そうか……貴様、さては“体育の日”の能力者だな!?」

    「その通り!」

    登山家「面白い! 貴様のクライミング&スイミングとオレたちの山と海、どっちが上か勝負だ!」

    30 = 1 :

    登山家「まずは“山の日”の能力で、オレたち二人の位置を高くする!」

    ゴゴゴゴゴ……!

    サーファー「そして、高くなった位置から波を流す! いや、これは波なんてもんじゃない! 滝だァ!」

    ザバァァァァッ!

    サーファー「海水に呑まれて、溺れちまいなァ!」

    「なんのこれしき!」ザバッザバッ

    サーファー「――ウソだろ! 登ってくるだと!?」

    登山家「信じられん! まるで鯉の滝登りだッ!」

    31 = 1 :

    「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」ザバッザバッ

    サーファー「水量を増しても、どんどん登ってくる!」

    登山家「お、おのれえっ!」

    「水面から飛び上がってぇ!」ザバァッ

    「とああああっ! ドルフィンキック!」


    バキィッ! ドゴォッ!


    サーファー「ぐはァ!」ドサッ…

    登山家「けるんっ……!」ドサッ…

    「ハァ、ハァ、ハァ……こんなにキツイ運動をしたのは久しぶりだ……」

    「だが、これでひとまず落ち着ける――」ゾクッ…

    (――なんだ、この殺気は!?)

    32 = 1 :

    ボス「フハハハハ……」

    (こいつ、とんでもない威圧感だ……! それにどこかで見たことがあるような……)

    ボス「ほう……サーファーと登山家を倒したのはキサマか」

    「な、なんだお前は……!?」

    ボス「キサマ如きに名乗る必要はない……除夜百八連打!!!」ズァァァァッ

    ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

    「ぐはぁっ……!」ドザァッ

    「なんて強さだ……!」ガクッ



    「ウソでしょ!? アイツがやられちゃうなんて!」

    33 :

    クリスマスが…今年も…やってくる…
    楽しかった出来事を…消し去るように…っ!

    34 = 3 :

    つええ

    35 = 1 :

    ボス「能力者が幾人か集まっているようだが……」

    ボス「カスのような能力者をいくら集めても……所詮この私の……“大晦日”の敵ではない」


    DQN「なんだあのヤロウは……!」

    幼女「あれがてきのボス……!?」

    ピッチャー「あの“体育の日”の彼が、相手にもならないなんて……」

    イケメン「…………」



    老人「みんな、下がっておれ! ここはワシがやる!」

    ボス「フハハハ……ここでキサマの首を取り、一気に決着をつけてやろう」

    36 = 1 :

    老人「これまで温存していた力を――全て使う!」

    老人「“敬老の日”! ハァァァァァッ!!!」ムキムキッ

    ボス「ほう……確か“敬老の日”は他者からの敬意を集めて、パワーアップする能力だったな?」

    老人「ゆくぞっ!」

    ボス「除夜百八連打!!!」ブァァァァッ

    老人「亀の甲より――年の攻ッ!!!」グワッ

    ズガガガガガガガッ!

    ボス「ぐっ……! なんというラッシュ!」ヨロッ…

    ボス「さすがだな……。老いたとはいえ、キサマの部下全員より、キサマの方が強いだろう」

    ボス「――だが!!!」

    37 = 1 :

    ボス「ゆく年くる年、という番組を知っていよう……」

    ボス「年寄りは逝く運命なのだァッ!」ブワオッ

    バキィッ!

    老人「ぐほっ……! パワーが集まらん……!」

    ボス「今この国は年寄りを敬う人間が減っているからな……まったく愚かな国だ」

    ボス「つまり……キサマでは私には勝てん! この国の滅亡は避けられぬ運命なのだ!」

    老人「おぬしは……まだ自分の妻が死んだことを引きずっておるのか……」

    ボス「そんなことは関係ない」

    ボス「私は日本が嫌いだから滅ぼす。それだけだ!」

    老人「だが、おぬしの妻は……ワシの娘はおぬしにちゃんと……」

    ボス「もういいッ! 妻の話を聞くとイライラしてくる!」



    ドシュッ……!

    38 = 1 :

    老人「が、は……っ!」ガクッ

    ボス「老いたな……義父上」

    ボス「登山家とサーファーがやられたのは予定外だったが、まあ問題ない」

    ボス「この老人さえ倒してしまえば、残る能力者は烏合の衆だからな。さらばだ!」

    「逃がさないわ! “勤労感謝”!」パァァァ…

    ボス「フッ、感謝してくれてありがとう」

    「えっ!? あ、あなた……マトモに働いてるの!?」

    ボス「今の日本で私ほど働いておる者はおるまいよ」

    ボス「行くぞイケメン!」バサァッ

    イケメン「はっ!」



    DQN「――な!?」

    39 :

    おもしろい

    40 = 1 :

    DQN「ちょっと待てや! イケメン、テメェ“向こう側の人間”だったのか!」

    イケメン「ええ、そうですよ」

    ピッチャー「どうりでこっちの動きが筒抜けだったわけだ……!」

    イケメン「ですがこのレジスタンスが崩壊した以上、もはやスパイでいる必要はありません」

    イケメン「これからは堂々とボスのために働かせてもらいます」

    イケメン「おっと、せっかくだからお土産をもらっていきましょうか」クイッ

    「!」ピクピクッ

    「イケメンさん……好き!」タタタッ

    「えっ……!?」

    イケメン「あなたの恋人を私のモノとさせていただきますよ」

    「ふ、ふざけるな! 俺たちは確かによくケンカするけど、ちゃんと愛し合っている!」

    「それなのに……どうして!?」

    イケメン「どうして彼女が私に惚れたのか、教えてあげましょうか」

    「なぜだ……!?」

    イケメン「不倫は……文化です」ニヤ…

    「これが……“文化の日”の能力……!」

    41 :

    能力を無効化する能力・終戦記念日

    42 = 1 :

    イケメン「ハーッハッハッハッハ……!」

    「イケメンさん、愛してるわぁ~」


    「待ってくれ……待ってくれぇぇぇ……!」





    DQN「どうやら、オレたちはここまでらしいな……」

    ピッチャー「ああ……もうゲームセットだ。命が助かっただけでも良しとしよう」

    幼女「うえぇん……」

    43 = 1 :

    「――くそっ!」ガンッ

    「ボスには完敗して、恋人を奪われて……俺はなんて無力なんだ!」

    老人「うう……」

    (まだ息がある!?)

    「しっかりして下さい!」タタタッ

    老人「いや……ワシはもうダメ、じゃ……。死ぬ前に伝えておきたいことが……」

    「大丈夫! “体育の日”は応急処置もできるんです!」

    「包帯を巻いて、湿布を貼って、マキロン塗って、オロナイン塗って……と」グルグルペタペタ

    老人「おお……どうやら一命を取り留めたようじゃ……」

    44 = 1 :

    老人「じゃが……もはやワシにあのボスに対抗する力は残っておらん……」

    老人「DQNやピッチャーたちも、戦意喪失(リタイア)してしもうた……もうこの国は……」

    「だったら……俺がボスを倒します!」

    老人「なんじゃと……?」

    「あいつらのアジトは……一体どこにあるんですか! 教えて下さい!」

    老人「そうじゃったな、おぬしは恋人をさらわれてもおるんじゃな」

    老人「あやつらは……国会議事堂におる!」

    「え!?」

    45 = 1 :

    「ってことは、まさか……」

    老人「そう、ボスの正体は“内閣総理大臣”なのじゃ!」

    (どうりで見たことあるわけだ……! 超有名人じゃないか!)

    老人「しかし、今や国会議事堂は機能しておらず、あやつのアジトと化しておる」

    老人「それも……幾人もの能力者が待ち受ける“魔窟”じゃ」

    老人「いくらおぬしが強くても、死ににいくようなものじゃ……それでも行くのか?」

    「もちろんです」

    老人「ならば止めまい……この国の命運、おぬしに託す……!」

    46 = 1 :

    ― 国会議事堂 ―

    秘書「総理……いえ、ボス。我々に逆らうレジスタンスの強さはいかがでしたか?」

    ボス「ふん、しょせんはカス集団よ。他愛ないにも程がある」

    ボス「しかし……もしかすると残党どもがやってくる可能性がある」

    ボス「念の為、残っている部下と最高幹部≪ゴールデンウィーク≫どもを守備につかせておけ」

    秘書「かしこまりました」

    47 :

    終戦記念日が1番最強だとおもうんだ

    48 = 1 :

    ― 国会議事堂前 ―

    「ここが……敵の本拠地。邪悪なオーラで満ちている……」

    「だが、今は前進あるのみ! クラウチングスタートだ!」ザッ


    すると――

    子高生「ここは通さないわ! アタシの“バレンタインデー”の能力でね」

    飴細工職人「“ホワイトデー”の恐ろしさ、思い知るがいい……」

    ヒゲ親父「ほっほっほ、キミに“クリスマスプレゼント”をあげよう! むごたらしい死をねェ!」

    (いきなり三対一か……!)

    49 = 1 :

    子高生「いくわよぉ! チョコレートで誘惑してあげる!」

    飴細工職人「この飴のように溶かしてやる……」ドロ…

    ヒゲ親父「ほっほっほ、メリークリスマス! 今日はお肉でパーティーだ! むろんキミの肉でねェ!」


    「そうはいかない!」





    DQN「ちょっと待ったァ!!!」

    50 = 1 :

    DQN「こんな下っ端どもはオレたちが相手するぜ!」

    「お前たち、戦意喪失(リタイア)してたんじゃ……」

    ピッチャー「たしかに一度は諦めたけど、さすがに君一人に日本の運命を丸投げするほど薄情じゃないさ」

    幼女「さ、ここはあたちたちに任せて!」

    「……ありがとう!」タタタッ

    DQN「よっしゃ! あの三人はオレらでブッ倒すぞ!」



    子高生「ちっ、とんだ邪魔が入ったわ!」

    飴細工職人「まあいい……この三人を飴にしてから、ゆっくり後を追うとしよう……」

    ヒゲ親父「トナカイの鼻のように真っ赤にしてあげよう! 血でねェ!」


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