元スレ穂乃果「自殺しよ…」
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101 = 1 :
海未「……雪穂。」
にこ「……面会時間内でしょ、穂乃果に会って話がしたいの。」
雪穂「……話?」
にこ「……あの娘を傷つけたのは、他でも無いμ’sのメンバーだから。……私はきちんと、謝りたいのよ。」
海未「……雪穂。穂乃果が、私達との面会を拒絶している事は知っています。ですが、どうか―――」
雪穂「―――許しませんよ。私。」
海未「……、……え?」
雪穂「許さないって、そう言ってるんです。海未さんの事も。にこさんの事も。」
雪穂「絵里さんも希さんも真姫さんも凛さんも花陽さんも、―――ことりさんも。」
雪穂「全員、絶対に許さないって、そう言ってるんです。」
雪穂「お姉ちゃんがどう思ってるか、知ってるんですか? ……ごめんなさい、って。」
雪穂「寝てる時だって何時も何時も、うなされた様に―――みんな、ごめんって。」
雪穂「ずっとずっと、そう言ってるんです。……なんでですか。なんでですか、海未さん。」
雪穂「―――どうして、姉が謝らなくちゃいけないんですか。どうして、あんな事された姉が、あなた達に―――!!」
にこ「……帰るわよ、海未。」
海未「……にっ、にこ! 待ってください、まだ話が―――」
にこ「ごめんなさい、雪穂さん。……また、来ますね。」
雪穂「来ないでください!! もう、もう絶対に、来ないでくださいっ!! 許しませんよ、私は絶対……絶対!!」
海未「雪穂っ……、」
雪穂「絶対に……、許さない!! 来るな!! お姉ちゃんに、近づくなっ!! この、この"人殺し"!! ……、っ……。」
にこ「……行くわよ、海未。」
102 = 1 :
にこ「……参ったわね。……どう? 恨まれる気分は。」
海未「……最低です。」
にこ「……誰もかれも一杯一杯で、やんなっちゃうわね。……凄い眼だったわ、雪穂。」
海未「……こんな事に、なるなんて……」
にこ「……ま、しょうがないでしょ。私だって、妹たちに何かあったら……ああなると思う。」
海未「……辛いです。とても……。」
にこ「……穂乃果が失った物に比べたら……恨まれる事くらい、安い物よね。」
海未「……だから、ああ言ったのですか?」
にこ「……?」
海未「死んで許される罪なんてない……にこは、あの場でそう言いました。」
海未「あの言葉の意味が、実感出来た気がします……これが、私達がこれから、背負っていく罪の、重さなんですね。」
にこ「……逃げたらそこで、もう一度穂乃果を裏切る事になる。だから……死ぬなんて、考えるんじゃないわよ?」
海未「……やっと、わかりました。」
海未「でも―――これで、何をしなくちゃいけないのか、それも見えた気がします。」
にこ「……そうね。へこたれてる暇なんてないわ。たった一度、拒絶されたくらいで。」
海未「―――全て。元に戻します。それが、私達の本当の、贖罪ですね。」
103 = 1 :
[ 病院内 自殺 方法 ]
穂乃果「―――検索っ、と。」
穂乃果「……ああ、ダメだぁ。どれもこれも、現実的じゃないよぉ。」
穂乃果「……クスリ、かあ。手に入ればなあ……。でも……。」
穂乃果「……あはは。すっかり慣れちゃったなあ……左手で携帯いじるの。」
穂乃果「……慣れても、仕方ないのにね。穂乃果はこれから……逝くんだから。」
[ 自殺 薬 種類 ]
穂乃果「……お母さんに頼めば……持って来て貰えるかな。」
穂乃果「……駄目で元々。……頼んで、みようかな。」
[おかあさん。持ってきてもらいたいものがあるんだけど、ちょっと時間いい?]
穂乃果「―――送信、っと。」
104 = 1 :
ほのママ「―――穂乃果? 入るわよ。」
穂乃果「……おかあさん。ごめんね、急に呼び出して。」
ほのママ「いいのよ、別に。……はい、これ飲み物。あと、食べ物も。」
穂乃果「もう……要らないって言ったのに。」
ほのママ「腕のリハビリ、しないとでしょう? 体力使うんだから、きちんと食べないと。」
穂乃果「……どうかな。」
ほのママ「……。」
穂乃果「……。」
ほのママ「―――ねえ、穂乃果。」
穂乃果「……ん? ……なあに。」
ほのママ「……なんだか久しぶりね。こうやって、二人きりで話すの。」
穂乃果「……そうだね。最近は忙しかったし……」
ほのママ「本当にねえ。穂乃果ってば、アイドル始めてからずーっと慌ただしくて。」
ほのママ「毎日毎日練習して、疲れて帰ってきて、帰って来てからも練習して。頑張り屋さんなのは、私に似たのかしら?」
穂乃果「……アイドルじゃなくて、スクールアイドルだよ。あと……頑張ってないよ。」
ほのママ「……どうして? あんなに張り切ってたじゃない。」
穂乃果「……もっともっと頑張ってたら、みんなに迷惑を掛ける事なんて、なかったもん。」
穂乃果「私の頑張りが、なんていうんだろう……中途半端だったから、こうなってるんじゃないかなー、って……。」
105 = 1 :
ほのママ「……穂乃果の、悪い癖ね。」
穂乃果「……、え?」
ほのママ「"こうだ"、って思ったら、どこまでも信じて突き進む。それは長所でもあるけど、短所でもある、ってこと。」
ほのママ「正しいことをしている時は、それでいいかもしれない。けれど、間違った答えを見つけた時にも、穂乃果は迷わない。」
ほのママ「こうすうるべきだ、って思ったら、もう誰の意見も耳に入らない。それで、突っ走っちゃう。」
穂乃果「……。」
ほのママ「……本当は、どうしたかったの? 穂乃果。」
ほのママ「スクールアイドル、辞めたかったの?」
穂乃果「―――……辞めたくないよ。でも……ことりちゃんの色々を知って。どうしていいか、わからなくなって。」
穂乃果「……穂乃果だって、迷うよ。迷って、迷っちゃったから、迷惑を掛けて、それで……だから、ダメだって。」
穂乃果「穂乃果がみんなを引っ張っていかなきゃなのに……全部わかんなくなっちゃって。」
ほのママ「……なら。今までは、全部分かってた?」
穂乃果「……分かって無かったのかもね。そんな事に、今更気付いたんだ。だから―――……もう、穂乃果には無理なんだよ。」
106 = 1 :
ほのママ「―――不思議ねえ。どうしていいか、分かって無かったかもしれないのに。」
ほのママ「……なのにどうして、穂乃果はずっと、"真直ぐ"進めてたの?」
穂乃果「…… え……?」
ほのママ「間違ってなかったと思うわよ。学校の為。みんなの為。―――そして、自分の為。」
ほのママ「スクールアイドルをやりたいと思った、その気持ちも。皆と一緒に歌いたいと思った気持も。」
ほのママ「ライブをやろうとおもった気持も。インターネットに動画を流そうとおもった気持も。」
ほのママ「お母さんは素敵だな、って思う。とっても真直ぐだなって―――そう思う。」
ほのママ「穂乃果は真直ぐ、ずっと真直ぐ来たじゃない。―――どうして、そんな事が出来たのかしら。」
穂乃果「……。」
ほのママ「……皆が居たから。違う?」
ほのママ「……ここまで来れたのは、穂乃果が皆を引っ張り続けてきたから? お母さん、それはちょっと、違うと思うなあ。」
ほのママ「皆と一緒だから、μ’sは頑張って来れた。そうでしょう? 決して穂乃果だけが先頭に立ってた訳じゃない。」
ほのママ「逆に言えば、穂乃果は1人じゃないという事。背負い過ぎる必要も無い。穂乃果は、μ’sの仲間の、1人なんでしょう?」
ほのママ「9人のうちの1人。全員が全員で、困難を乗り越えて、μ’sになった。穂乃果、嬉しそうに語ってたじゃない。」
ほのママ「"メンバーが9人になったよ!"―――って。その9人の中に、あなたも入っているんでしょう。」
ほのママ「自分を、あまり過信しない事。迷っても、簡単に答えを出そうとしない事。」
ほのママ「もし、迷ったなら―――自分1人で悩まず、仲間に相談する事。穂乃果に欠けてたのは、頑張りでも努力でもない。」
ほのママ「―――みんなを頼る、勇気。それだけじゃないかな。」
107 = 1 :
穂乃果「……でも、結果的にはこうなっちゃった。」
ほのママ「……そうねえ。難しいわねえ。留学って、簡単に決められる事じゃないもの。」
ほのママ「それに今、大事な時期だったのよね。μ’sが―――ええっと、"ラブライブ"、だったかしら。」
ほのママ「その大会に出れるかどうか、瀬戸際だったのよね。……ねえ、μ’sは9人、って言ったけど。」
ほのママ「9人だからこそ、喧嘩も起こると思うの。ぶつかることだってあるし、仲違いだってきっと……。」
ほのママ「ほら、覚えてる? 前にもあったでしょう。穂乃果が海未ちゃんを悪戯で脅かした、町内会の夏祭りのお化け屋敷!」
穂乃果「……、うん―――ええと、確か……小学生の、頃だっけ。」
ほのママ「海未ちゃん、すごい怖がっちゃって。確か、一週間くらい口も聞いて貰えなかったのよね、穂乃果。」
穂乃果「……懐かしいなあ。そんなことも、あったっけ。」
ほのママ「ことりちゃんが怪我しちゃった事もあったっけ。穂乃果が川で蟹取ろうとした時!」
穂乃果「―――……取れなかったけどね。」
ほのママ「あの時なんて、穂乃果と海未ちゃんは風邪をひくわ、ことりちゃんは足を擦り剥いて怪我するわ、もう大変だったんだから。」
ほのママ「それで三人とも、暫く顔も合わせないくらい怒っちゃって。よくまあ、喧嘩も沢山してきたわよねえ、穂乃果達は。」
穂乃果「……馬鹿だったなあ。今思えば。……喧嘩、なんてして。」
ほのママ「―――でも、必ず仲直りできた。そんな喧嘩なんて、一カ月も経たないうちに忘れちゃって。」
ほのママ「また元気に走り回って、怪我をして、でも笑顔で帰ってきて。ずっとずっと、そうやってきた。……そうでしょう?」
ほのママ「喧嘩をする事が、悪い事なんじゃない。喧嘩だってするわよ、仲がよければ尚更、ね。」
穂乃果「……。」
108 = 1 :
ほのママ「……嫌いだから、喧嘩するんじゃない。嫌いだったら、喧嘩になんてならないもの。」
穂乃果「……ぁ……。」
ほのママ「―――今、思い出してたでしょ。おかあさんとおとうさんの喧嘩を。」
穂乃果「……え、あ、いや! ……うん。」
ほのママ「あの人、頑固なのよねぇ~。こうする、って決めたら絶対言う事聞かなくて。」
ほのママ「私はお酒入りのお饅頭は絶対美味しい、って言ったのにまあ聞き入れないのなんの。」
穂乃果「……え、そんなことで……喧嘩、してたの?」
ほのママ「そうよー? 他にも夕飯のおかずが少ないだとか、仕入れの数間違えたから夕飯にこの材料使えだとか、あと―――」
穂乃果「ゆ、夕飯ばっかり……あ! じゃ、じゃあ一時期タコとイカばっかり夕飯に出てたのって―――」
ほのママ「あら、バレた?」
穂乃果「もー! あの時大変だったんだよ!? お弁当もぜーんぶイカ飯とかタコ焼きとかそんなのばっかりで!」
穂乃果「友達に、"穂乃果は軟体動物になりたいの?"って、すっごい笑われたん……、」
穂乃果「……。」
ほのママ「……ふふっ。」
ほのママ「―――ま。そんな物よ、喧嘩なんてね。好きな人同士じゃないと、起こらないんだから。」
109 = 1 :
ほのママ「嫌いだったら、とっととお別れしちゃえば、それでいいんだもの。話す必要も無い。ぶつかる事もない。」
ほのママ「摩擦が起こる、って事はね。お互いに惹かれあっている証拠なの。―――だから、海未ちゃんはあなたを怒ったのよ。」
ほのママ「……みんなに相談もしないで。勝手に1人で答えを出した、あなたを。」
ほのママ「……ことりちゃんが留学の事、黙ってたの。残念だったでしょう? 海未ちゃんも―――きっと、そう感じたんじゃないかしら。」
ほのママ「……皆そう。三人とも、1人1人で抱え込んでしまったから、こうなった。」
ほのママ「―――迷惑だとか、どうだとか。そんな事、思ってないんじゃない?」
ほのママ「だって……みんな、穂乃果とお話したいって。そう、言ってきてるわよ。」
穂乃果「……。―――ちょっとだけ、考えたい。」
ほのママ「ん。わかった。それと、もう一つだけ。」
穂乃果「……? なあに?」
ほのママ「―――……痛いのよ。とっても。大切な人を、叩くと。」
穂乃果「……。」
ほのママ「叩かれる痛さも。叩く痛さも、よーく知ってるからね、おかあさんは。」
穂乃果「……穂乃果を叩く時……おかあさんも、いたかった?」
ほのママ「―――海未ちゃんに聞いて御覧なさい。辛かった、っていう筈よ?」
穂乃果「……うん。」
ほのママ「……ところで、穂乃果。何か、持ってきて欲しい物がある、って―――、」
穂乃果「ああ、うん……あのね、いいんだ。」
穂乃果「……―――もう、要らないと思う。」
110 = 1 :
絵里「……そう。それじゃ、門前払いされた、って訳ね。……まあ、そこまでは予想通りだったけど……。」
凛「そんな……ほ、ほんとにほんとなの? ねえ海未ちゃん、にこちゃん……!」
花陽「……雪穂ちゃんが、……そんなに、怒ってたなんて……。」
真姫「まあ……考えてみれば、当然のことよね。雪穂は穂乃果の、家族だもの。」
希「……だとしても、"人殺し"呼ばわりするんは、ちょっと今までの雪穂ちゃんからは考えられんね。」
にこ「―――参ってるのよ。口ぶりから察するに、……穂乃果の様子も、相当不味いみたいだし。」
絵里「うわごとの様にごめんなさい、って繰り返してるんでしょう?……そんな穂乃果、想像も出来ないわ。」
希「なんとかせな、あかんなあ。……と言っても、出来ることは限られてるけど。」
海未「真摯に向き合うには、何度でも出向かないといけないでしょうね。……でも、私はそうしたいです。」
凛「つ、つぎは凛も一緒に行く! 伝えたいこと、いっぱいいっぱいあるもん!」
花陽「そうだよ……ごめんなさいなんて、謝りたいのはむしろ、花陽たちの方なのに……!」
絵里「……そうね。その為には、まず穂乃果のお母様に連絡してみましょう。もう、何度か私は連絡してるのだけど―――」
凛「えええっ! 絵里ちゃん一人だけ抜け駆けズルイにゃあ!」
にこ「ていうか、穂乃果が電話に出ないんだからお母さんに掛けるしかないでしょう? 私だってもうやってるわよ。」
希「うちも実は―――……もううちより前に何人も電話してるだろうし、只でさえ忙しい時に、申し訳なかったけどなあ。」
凛「み、みんなズルイにゃズルイにゃぁ! 凜も電話―――」
花陽「り、凛ちゃん! 希ちゃんも言ってるけど、今きっと、穂乃果ちゃんのお母さんだって大変な時期だから、闇雲に電話したら―――」
凛「……っ、で、でも!!」
海未「―――代表して、という形にしましょう。全員で矢継ぎ早に掛けても、迷惑を掛けてしまいます。」
海未「凛。……貴女の優しさと熱意は、十分伝わっています。だから、落ち着きましょう?」
凛「海未、ちゃん―――……う、うん……そうだよね、ごめんね海未ちゃん……。」
絵里「―――とりあえず、話す内容を纏めて、一度だけ電話してみましょう。代表は……海未、任せても?」
海未「―――はい。もちろん、私が。」
希「……ハラショー、大分元気になったんやね。よかったよかった。」
絵里「あっ、ちょっと希! それ、私の決め台詞―――、」
ことり「……。」
111 :
投下遅いぞ!何やってんの!
112 = 59 :
もう飽きた
みんなの評価 : ○
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