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    元スレ古泉「キョンが大量発生してるらしいですよ」ハルヒ「キョンが!?」

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    タグ : - 涼宮ハルヒの憂鬱 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    古泉「房総半島の生態系を破壊するほどの繁殖力を見せつけているとか」

    古泉「去年の時点では17000頭でしたが、今年でついに20000頭を越したらしいです」

    ハルヒ「キョンが2万!? そんなに!?」

    古泉「噂の東京マガジンでやってました」

    ハルヒ「待って、検索してみる……!」

    カタカタ

    ハルヒ「……なにこれ、ただの鹿じゃない」

    古泉「ええ。もとは台湾に生息している鹿の一種です。輸入され、野生化したようですね」

    ハルヒ「なーんだ。いや、まあそうよね。一瞬だけ、あのキョンだと思ったわよ」

    古泉「それを狙って言いましたから」

    ハルヒ「古泉くんにしては大胆な洒落ね。ちょっとだけ面白かったわ」

    古泉「お褒め頂き光栄です」

    ハルヒ「それにしても、こいつも難儀ね~。あんな無味乾燥なあだ名みたいな名前つけられちゃって」

    ハルヒ「……キョン大量発生か……ふ~ん……ふふっ」

    2 :

    つまらん
    ゴミ
    産廃

    4 :

    かわいいと思ってしまった

    5 = 1 :

    古泉「ということがありまして」

    キョン「俺をネタに使うな。害獣と同じ通称で迷惑してるんだ」

    古泉「ウケは良かったんですよ? やはり、涼宮さんにとって貴方は特別な存在だということです」

    キョン「嬉しくないね。だいたい何が面白いんだ、キョン大量発生って」

    キョン「……まあ、うちの妹は大笑いしてやがったがな。小学生レベルの笑いってことだぞ」

    古泉「それでも涼宮さんには愉快なものだったのでしょう。貴方が大量発生している光景は」

    キョン「やめてくれ。ゾッとする」

    長門「…………」ピクッ

    キョン「……? 長門、どうかしたか?」

    長門「……別に」

    キョン「そうか……で、当のハルヒはどうした?」

    古泉「今日はもう帰りました。ご機嫌でしたよ、僕の提供したユーモアのおかげですかね」

    古泉「何にせよ、ここ数日不安定だったので……今日は安心して眠ることができそうです」

    キョン「そうかい。俺のあだ名がお前の囁かな安眠に繋がるなら恐悦至極だね」

    6 :

    キョンたそ~

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    7 = 1 :

    ~翌日~

    「キョンく~ん。お醤油とって~」

    キョン「ほらよ」

    TV『次のニュースです。千葉県で大量繁殖しているキョンの最新の個体数が判明しました』

    キョン(ったく、またその話題か……メディアの目の付け所がよくわからん)

    「キョンくん、気を付けてね」

    キョン「んあ? 何が?」

    「だって、キョンくんも駆除されちゃったら……」

    キョン「ばーか。俺は人間、キョンは鹿だ。人間が駆除されるほどこの世はディストピアになっとらん」

    「でも、ほら」

    キョン「んー?」

    8 :

    ほう

    9 = 1 :

    ―――

    リポーター「あっ、ゲージの中に捕獲された2頭のキョンが入れられていますよっ」

    リポーター「体長は……170cmほどでしょうか。うつろな目を向けています」

    キョンA「出せ……! 出せこの……!」

    キョンB「くそ……! この野郎……!」

    リポーター「暴れてますね。わー、すごい」

    猟師「麻酔で弱ってるけど危ないから近づかんほうがいい。噛まれるぞ」

    リポーター「このキョンはこの後どうなるんですか?」

    職員「可哀想ですが、殺処分ですね。その後、火葬します」

    キョンA「出せぇぇぇぇぇ!!!!」

    リポーター「キョンの数は依然として増えています。農家への被害も年々増加しており――」

    ―――

    キョン「……!!!」

    「この捕まっちゃったキョンくんたち、キョンくんにそっくりだし……間違われて捕まっちゃうかも」

    キョン「…………! ………! …………!!!」

    10 :

    小泉ってキョン呼び捨てだっけ もう覚えてない

    11 :

    ハルヒ・らきすたから入ったアニオタが中堅云々

    12 = 1 :

    キョン(なんだこれは……? これ、夢か……? いや、違う、分かってるはずだ)

    キョン(こんなことをしでかすのは、アイツ以外いない……。ハルヒ……お前の仕業か……?)

    「あ、学校に遅れちゃう! いってきまーす!」

    「はい、いってらっしゃい」

    キョン「…………」

    「キョンくん! はやく行かないと、遅刻しちゃうよ?」

    キョン「え? あ、ああ……」

    キョン(おかしい。おふくろは今のニュースを平然とスルーしてるが……卒倒もんじゃないのか?)

    キョン(妹だってそうだ……たしかに動揺していたが、衝撃映像に驚愕するって感じではなかった……)

    キョン(俺が大量発生して、駆除の対象になってるんだぞ……?)

    キョン(ハルヒを知ってる俺はなんとなく原因がわかる……でもふたりはそうじゃない。反応が希薄すぎやしないか!?)

    キョン(実の息子が害獣扱いされてるってのに……!? いや、あれは俺じゃないが、でもどう見ても俺……)

    キョン(あーくそ、混乱してきた。ハルヒのやつ、なんでまたこんな妙ちくりんなことを……!)

    13 = 1 :

    キョン「……」

    谷口「よお、キョン」

    国木田「おはよう」

    キョン「あ、ああ……」

    谷口「なあ、やべーよキョン。どうする?」

    キョン「な、何だ急に……まさか、今朝のテレビの話か?」

    谷口「テレビ? なんか目立ったニュースあったか? 俺が言ってんのは小テストのことだよ」

    国木田「しっかり予習しておけば問題ないと思うけど」

    谷口「しっかり予習してないからやばいって言ってんだろ。な、キョン」

    キョン「……」

    国木田「そういえば、今朝のテレビ……」

    キョン「っ!」

    国木田「占いの結果が微妙だったなぁ」

    キョン「……」

    14 = 1 :

    谷口「なんだ、お前占いなんて信じてるのか?」

    国木田「信じてるわけじゃないけど……」

    キョン「な、なあ。お前ら、意図的に話題を避けてるのか?」

    谷口「あん? 何が?」

    キョン「いや、何がって……今朝のニュース番組、見ただろ?」

    国木田「見たけど……」

    キョン「なら分かるだろ!? 俺の疑問が!」

    谷口「いやわかんねえよ。ハッキリ言えって」

    キョン「キョンのことだ」

    国木田「キョン? 君のこと?」

    キョン「そうじゃない……! そっちじゃなくて、千葉県の……」

    谷口「ああ、害獣の方か。今朝のニュースでやったのか? あんなもん、珍しくないだろ」

    国木田「うん。今更だよ」

    15 = 1 :

    キョン「今更……?」

    谷口「あれがどうかしたのか?」

    キョン「どうもこうもあるかっ。俺そっくりなやつが捕獲されて獣扱いされてるんだぞ!?」

    国木田「そりゃあ、獣だからね」

    谷口「害獣なんだから捕獲されて当たり前だろ。何言ってんだ、キョン」

    キョン「お、おかしいと思わないのか!? 俺が駆除されてるようなもんだぞ!?」

    谷口「はぁ? 害獣のキョンとキョンは違うだろ」

    国木田「うん、全然違うよ。君は人間、あっちのキョンは特定外来生物じゃないか」

    キョン「だって、俺にそっくりで……いや、ありゃ完全に俺だ! 非人道的だとは思わないのか!?」

    谷口「さあな……考えたこともない」

    国木田「あっちのキョンは人間じゃないんだから、非人道的ってことはないと思うけど」

    16 = 4 :

    どうなるんだよこ

    17 = 1 :

    谷口「そりゃあ、入学初日にお前の姿を見た時は驚いたよ。害獣が式に乱入したかと思った」

    谷口「だがそれだけだ。お前がキョンにそっくりな人間だと分かれば、何も不思議じゃない」

    国木田「そうだよ。なんで今更そんな話をするの? キョン、なにかあったのかい?」

    キョン(駄目だ。なんだよこいつら……俺と認識が違いすぎて、話にならん……)

    キョン「悪い、先に行く……」

    谷口「え? お、おい! キョン! なんだ? とうとう涼宮に毒されちまったのか?」

    国木田「さぁ……ほんと、どうしたんだろう」

    18 = 1 :

    キョン「くそ……どうなってんだ……まったく」

    朝比奈「キョンく~~~んっ!」

    キョン「あ、朝比奈さんっ」

    朝比奈「キョンくん! 無事だったぁ~!」

    ガシッ

    キョン「おわっ」

    キョン(い、色々当たってる……!)

    朝比奈「わひゃっ、ご、ごめんなさい……つい嬉しくなっちゃって……」

    朝比奈「朝、テレビのニュースを見てたら……その……」

    キョン「ええ、俺も見ました」

    朝比奈「これってやっぱり……」

    キョン「だと思います。朝比奈さんの方には連絡いってないんですか? その、未来的な意味で」

    朝比奈「ううん……ごめんね、キョンくん。私、さっぱりで……」

    キョン「いえ……俺自身に被害があるわけじゃないし……。まあ、良い気分ではないですけどね。ハハ……」

    19 :

    ハルヒは俺の嫁

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    20 = 1 :

    ~教室~

    ハルヒ「キョン!」

    キョン「おわっ、は、ハルヒか……」

    ハルヒ「なによ、元気ないみたいね」

    キョン「……まあな」

    キョン(お前のせいで酷いもん見せられたからな……)

    ハルヒ「何かあったの? あんたの悩みならどうせ大したことないだろうし、私がサッと解決するわよ?」

    キョン(いつも通りのハルヒか……世界の変化に気づいてないのか……?)

    キョン「別に……何もねえよ」

    ハルヒ「あっそ。じゃあ来週のSOS団活動について報告ね。はい、旅のしおり」

    キョン「なんだ唐突に……旅のしおり? 遠足にでも行くつもりか?」

    ハルヒ「はあ? 前から話してたじゃない! キョンを見に行こうって!」

    21 = 1 :

    キョン「俺を……?」

    ハルヒ「違うわよ。そのネタもう飽きたわ。二度と言わないで」

    キョン(ネタで言ったつもりはないんだが……。この言い方察すると、キョンってのは……)

    ハルヒ「害獣のキョンに決まってるでしょ! 房総半島に行って大量発生したキョンを皆で見たいの!」

    ハルヒ「いよいよ20000の大台を超えたらしいじゃない? もう、行くなら今しかない! って思ったのよ」

    キョン「……何が楽しいんだ。大量の俺を見て」

    ハルヒ「は? 見るのはアンタじゃなくてキョンよ?」

    キョン「似たようなもんだろ」

    ハルヒ「似てるけど違うじゃない。私たちが見るのは、害獣のキョン!」

    ハルヒ「ちゃんとしおりに目を通しておきなさいよ! 私はこれから他の団員にしおり渡してくるから、じゃ」

    キョン「……ハァ~」

    22 :

    大切なスレッドだと保守をしてくれた

    23 = 1 :

    ~放課後~

    ハルヒ「で~、現地でキョンをとっつかまえてそこのキョンと並べて写真とか撮りたいわね~」

    キョン「却下だ。俺は見世物じゃない」

    ハルヒ「別にその写真を売りさばこうってんじゃないわよ。ただ、どれだけ似てるか実物で確認したいだけ」

    長門「……」

    朝比奈「あのぉ……キョンくんは行っても大丈夫なんでしょうか……?」

    ハルヒ「え? なんで?」

    朝比奈「だ、だって……キョンくんにそっくりだから……キョンくんも捕まっちゃうんじゃないかなって……」

    ハルヒ「……?」

    古泉「朝比奈さんが言いたいのはつまりこういうことだと思います」

    古泉「『害獣・キョンに瓜二つな我がSOS団のキョンくんが、害獣と間違われて駆除されてしまうのではないか?』」

    ハルヒ「なに? みくるちゃんまでキョンと同じようなこと言って。そんなわけないじゃない」

    ハルヒ「キョンはキョン、キョンはキョンなんだから。全然違うのに、どう間違われるってのよ」

    朝比奈「え、えーっと……はい、そうですね……ごめんなさい」

    ハルヒ「じゃ、今日は用事があるから帰るわね。ばいばーい」

    27 = 1 :

    ガチャ バタン

    キョン「おい、古泉」

    古泉「すいません」

    キョン「謝るってことは、やはりお前が発端か……!?」

    古泉「いえ、そうと決まったわけではないのですが……昨日涼宮さんにキョン大量発生の話をした矢先、ですからね」

    古泉「普通に考えて、トリガーとなったのは僕である可能性が高い……それを踏まえての『すいません』です」

    キョン「どうしてくれるんだ! 俺が増えちまったじゃないか!」

    古泉「正確には違うと思いますが……これから対策を考えましょう」

    キョン「くそっ、コイズミって名前の害獣がいればいいものを……!」

    古泉「おそらく、僕では駄目だと思いますがね。まあそれはさておき」

    古泉「今回、涼宮さんが巻き起こした異常は、果たしてどういうものなのでしょうか」

    キョン「いや、だから……」

    古泉「先ほど、貴方は『俺が増えちまった』と言いましたね」

    キョン「現にそうなってるだろ」

    古泉「僕が思うに、それは少し違います」

    28 = 22 :

    良すれあげ

    29 = 1 :

    古泉「今回のようなケースで、考えられる可能性はふたつあります」

    古泉「ひとつは、貴方――SOS団のキョン――が増えてしまったという可能性」

    古泉「そしてもうひとつは、害獣・キョンが変化したという可能性」

    朝比奈「害獣のキョンくんが……変化した……?」

    古泉「ええ」

    キョン(どうでもいいが朝比奈さん。害獣の方のキョンに『くん』をつけるのはやめてもらえませんかね……)

    古泉「前者と後者の大きな違いは、生物の絶対量が変化したか否かですね」

    キョン「もっとわかりやすく言え」

    古泉「……ではまず前者の場合。貴方自身が増えてしまったという可能性」

    古泉「つまり、SOS団のキョン……貴方のことですよ? が分裂し、数が増えたというものです」

    古泉「この場合、同一人物が同じ世界に複数存在することになるので、地球上の生物の絶対量が変化しています」

    古泉「『俺が増えちまった』という発言も、正しいものになるでしょう」

    30 = 22 :

    31 :

    眠いけど読んでる

    32 :

    杉田声のキャラクターキョンって名前だったっけ?
    キョンって見すぎて、わからなくなってきた

    33 = 1 :

    古泉「次に後者。害獣・キョンが貴方そっくりの姿になったせいで、見かけ上は貴方が増えたように思える場合です」

    キョン「見かけ上は……?」

    古泉「ええ。この場合、実際には増えていません」

    古泉「害獣のキョンが貴方そっくりな外見になっただけで、貴方自身になったわけではないのですから」

    古泉「この場合、『俺が増えちまった』という発言はあまり適切ではないかと」

    キョン「んなこたぁどうでもいい。結局、今回はどっちなんだ?」

    古泉「後者でしょうね。千葉県房総半島の害獣・キョンが全て貴方そっくりになっています」

    キョン「くそ……めちゃくちゃだ」

    古泉「ああ、すいません。正確には、地球上のキョンが、ですね」

    キョン「……おい待て。地球規模で巻き起こってるのか……?」

    古泉「はい。先ほど図書館で借りてきた動物図鑑ですが……ほら。キョンの項目を見てください」

    朝比奈「わっ~、キョンくんが」

    長門「……」

    キョン「……嘘だろ……」

    古泉「シカ科ホエジカ属のキョンの写真と絵……全てが貴方そっくりのものに変わっていました」

    34 :

    服来てるのこのキョンは?

    35 = 1 :

    キョン「出鱈目だ。なんでこの異常に皆気づかない……? って、これもハルヒの仕業だからなんだろうな」

    古泉「ええ。長門さん、今回のケースは、夏休みのそれに似ていると思うのですが」

    長門「この地球上の生命体に及ぶ認識改変の範囲に関して言えば、とても似ている」

    朝比奈「つまり……ど、どういうことですか……?」

    古泉「永遠に終わらない夏休みを認識できたのは僕たち4人だけでしたよね?」

    古泉「今回の場合も、あの時と同じメンバーだけが異常を認識しているということです」

    キョン「鹿が俺そっくりになってることを変だと思えるのは俺たちだけってことか……」

    朝比奈「どうりで……他の人はみんな、キョンくんそっくりなキョンくんが駆除されても平気な顔してたから……」

    キョン(ややこしいな……)

    36 = 1 :

    古泉「この認識改変は、不幸中の幸いです」

    キョン「どういうことだ?」

    古泉「これがもし、何のフォローもない改変だったとしたら、世界中パニックでしょうが」

    古泉「認識改変を受けた人は皆、害獣のキョンとSOS団のキョンをしっかり別のものとして区別しているわけです」

    古泉「僕達以外に困っている人はいないわけですから……つまり……」

    キョン「……俺たちさえこの現状に慣れちまえば、元の世界に戻す必要はないってか?」

    古泉「ええ、まあ……」

    キョン(たしかに……ハルヒや谷口たちは、俺と害獣・キョンを当然のように別物として扱っていたが……)

    キョン「……俺は嫌だぞ」

    古泉「まあ、そうですよね」

    37 = 1 :

    キョン「当たり前だろ! 俺そっくりなやつが大量にいて、駆除されてるんだぞ!?」

    古泉「はい。一番の被害者である貴方がそう言うのであれば、世界を元に戻す方法を考えましょう」

    朝比奈「うん……。私も……キョンくんが捕まっちゃう映像を見るのは辛いもの……」

    キョン「なあ長門。お前のミラクルパワーで変わっちまった世界を元に戻すなんてことは」

    長門「できない」

    キョン「だよな……」

    長門「私の役割は涼宮ハルヒの観測。リスクの高い干渉には賛同できない」

    キョン「はぁ……。さて、どうしたもんか……」

    朝比奈「う~ん……」

    キョン「そもそも、どうしてハルヒは害獣のキョンを全部俺にしちまうなんてアホなことしたんだ?」

    キョン「いくら古泉に噂の東京マガジンの話を聞かされたからって、そこまでするとは思えんが」

    古泉「これもまた、終わらない夏休みと同じでしょう。識閾下での願いが、偶然にも現れてしまった……」

    キョン「じゃあ何か? ハルヒは『鹿のキョンが全部キョンになったら面白いわね~』とかなんとなく考えて」

    キョン「それが実際に起きちまったってか? 軽い思いつきで世界を変えられたら堪らんぞ」

    38 :

    おもしろい私怨

    39 = 1 :

    古泉「実際に起きてしまっています。文句を言っても仕方ありませんよ」

    キョン「きっかけをつくったお前が言うか」

    古泉「ですから、そのことは先ほど謝りました。今は対策を考えましょう」

    朝比奈「あのぉ~……夏休みの時と同じように、涼宮さんを満足させるのはどうでしょう」

    キョン「あの時は俺の宿題が終わってないのがハルヒの心残りでしたね」

    朝比奈「うん……みんなで宿題をやったら夏休みが終わったから……今回も……」

    キョン「なるほど」

    古泉「どうでしょうか。満足……とはちょっと違うかもしれませんね」

    古泉「前回は心残りの無い夏休みという満足が達成されたからこそ、ループから抜け出せましたが」

    古泉「今回は害獣のキョンを貴方に変えてしまうことが涼宮さんの満足なわけです。すでに達成されています」

    キョン「ハルヒの願いが有耶無耶だった前回とは違うってことか……」

    古泉「はい。もっと別の観点からアプローチするべきでしょうね」

    朝比奈「別の観点……?」

    古泉「単純です。『害獣のキョンがSOS団のキョンと同じ姿なのは嫌だ』と、涼宮さんに思わせればいいんですよ」

    42 = 1 :

    キョン「まあ、そうだな。ハルヒが嫌がれば、害獣のキョンも元の鹿の姿に戻るだろうが……」

    朝比奈「ぐ、具体的にどうすれば……」

    古泉「方法はまだ明確には出せませんが、絶好の機会が迫ってますよ」

    キョン「絶好の機会?」

    長門「これ」

    ペラッ

    古泉「ええ。来週のSOS団房総半島への旅です。そこで実際に害獣・キョンと対面するわけですから」

    古泉「またとない機会ですよ。運命的ですね。神の意志かもしれません」

    キョン「神とやらがいるなら、お前が噂の東京マガジンを観ない展開も用意しておいてほしかったよ」

    古泉「この場合の神は涼宮さんのことですか……今は置いておきましょう」

    古泉「僕が発端ですからね。機関に話を通し、色々と手を回しておきます。任せてください」

    キョン「不安しかないんだが……」

    43 = 1 :

    ~旅行当日~

    ハルヒ「ついたわよー! 鴨川!」

    キョン「なんで鴨川なんだ……?」

    ハルヒ「水族館へ行くからに決まってるじゃない。キョン探しはその後よ。しおり見てないの?」

    キョン(そんな余裕ねえよ。ここに俺の分身がウヨウヨいるんだぞ? 気が重い……)

    朝比奈「楽しみ~」

    キョン「……」

    朝比奈「あ、キョンくんっ。私が楽しみなのは水族館であって……!」

    キョン「え、ええ」

    長門「……シャチ」

    キョン「? どうした、長門」

    長門「シャチ」

    キョン「ん? ……ああ、シャチだな」

    長門「シャチ……」

    44 :

    面白いぞ

    47 = 1 :

    ザッパーン

    ハルヒ「へぇー! おっきいわね~! シャチ! 一匹欲しいわ!」

    朝比奈「ひええ~」

    長門「……シャチ」

    キョン「……はぁ」

    古泉「今からそれでは一日もちませんよ。今は楽しみましょう」

    キョン「お前は気楽でいいよな」

    古泉「とんでもないです。機関を説得するのにどれだけ苦労したか」

    キョン「そうなのか?」

    古泉「ええ、考えてもみてください。世界の改変は僕達しか認識していないんですよ?」

    古泉「『貴方にとっての常識は、実は改変された非常識なのだ』なんて言われて信じられますか?」

    キョン「たしかに……思考実験みたいだな。俺なら信じない」

    古泉「まあ、涼宮さんに接触してる僕の話だからこそ、最終的に信じてもらえたわけですがね」

    キョン「苦労したかいはあったのか? 無きゃ困るんだが」

    古泉「どうでしょう。結果が全てですからね……うまくいくことを願いますよ」

    48 :

    しえん

    49 = 1 :

    ハルヒ「なかなか良かったわね。おっきくてド派手なショーは見てて楽しいわ」

    朝比奈「はい~。イルカさんとはまた違って、ダイナミックでした~」

    長門「……」

    キョン「長門、その人形買ったのか?」

    長門「買った」

    キョン「そうか……」

    ハルヒ「じゃ、次はキョン探しにいくわよ」

    キョン「なあハルヒ、本当にいくのか……?」

    ハルヒ「はぁ? 当たり前じゃない。今日のメインイベントだもの」

    朝比奈「あのぉ、探すって言っても、どこで……?」

    ハルヒ「心配しないで、みくるちゃん。ちゃーんと目撃情報を収集して、出現しやすいポイントを見つけてきたから」

    キョン(こういうことに対してはまめな奴だ……)

    50 = 48 :

    しえん


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