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    元スレ女「ねぇ男ー」男「男って誰だよ」

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    51 :

    ドキドキ

    52 = 1 :

    ゴソゴソ……

    「あった。このサイフの中に……」

    クラスメイト1「見ても構いませんか?」

    「ええ、どうぞ?」

    「……!」

    「……!」

    生活指導「……!」

    クラスメイト1「……やっぱり」

    「……」

    「な、何?何かあったの?」

    「『母』としか書かれていない……」

    「……ここは絶対に、フルネームを書くはず」

    クラスメイト1「だから……」

    生活指導「やはり、間違っているのは我々のほうだった、ということか」

    「……やっと、気づいてくれましたか」

    53 = 1 :

    「何?何何?何がどうなってるの?」

    「母さん」

    「え?あ、はい」

    「自分の名前を言ってみて」

    「え?私は生まれたときからずーっと『母』よ?それがどうしたの?」

    「本当に?」

    「そりゃあもちろん……」

    「結婚する前は、なんて呼ばれてたのさ」

    「だから、普通に名前で……」

    「名前で?」

    「……あれ?」

    「お母さん!本当に『母』って呼ばれてたんですか?」

    「あ、あれ?やっぱり歳なのかな……なんかね。昔の記憶がぐちゃぁってなっててね……?」

    「……母さん!」

    54 :

    面白い

    どういうオチをつけるのだろうか…

    56 = 1 :

    「はい!」

    「父さんの会社の電話番号!教えてくれ!」

    「今からかける気!?」

    「今じゃなきゃいけないんだよ!
    後でかけると『端折られてしまう』!!」

    「な、何言ってるの!?」

    「とにかく早く!」

    「……私もう知らないからね!?」

    スッ

    「ありがとう!」

    ピッピッピ

    プルルル……

    ガチャ

    『はい。○×出版ですが』

    「父さん!」

    『なんだ男か……いや、なんだ、急用か?』

    57 :

    母がゲシュタルト崩壊

    58 = 1 :

    「母さんと結婚する前、母さんの事、なんて呼んでた!?」

    『なんだいきなり……今仕事中だってのに……。はぁ。わかったよ。
    そりゃあもちろん、名前で呼んでたに決まってるだろ。全く恥ずかしい事を言わせるな。もう切るぞ?』

    「だから、なんて呼んでた!?」

    『だから名前で……それは……ん?』

    「……『母』、って?」

    『……いや、あれ?ちょっとまて、どうなってるんだ?』

    「……もしかして、『女』じゃない?もしくは『彼女』とか」

    『……あれ?おい、男、お前どうしてその事を知ってるんだ?
    誰かに聞いたのか?』

    「……それが聞きたかったんだよ。ありがとう」

    『おい男、説明しろ。どういうことなんだ、どうしてお前が――』

    「ありがとう父さん」

    ガチャッ

    「……」

    「……」

    59 :

    面白い

    60 :

    面白いわ

    61 = 1 :

    生活指導「……役割」

    クラスメイト1「……なんでしょうか。この感じ」

    「……ああ、なんとなくわかるよ」

    「なんか私たち、危ない事に首つっこんじゃったっぽいよね?」

    「……すまん」

    「いいよ別に。乗りかかった船だし」

    「……あのさ、母さん全然ついていけてないんだけど」

    「ここまでわかれば大丈夫だよ。あとは……」

    「あとは?」

    「『どうやってケリをつけるか』だな」

    「……ケリ?」

    「んー……これは俺が考えるよ。とりあえず今日は解散ってことで」

    「いいのか?俺はまだ半信半疑なんだけど……」

    「でも、『何かがおかしい』って事はわかってくれただろ?なら十分だよ」

    「……私も」

    62 = 1 :

    「ん?」

    「ちょっと私も、お母さんに聞いてみるよ」

    「聞いてみるって」

    「そりゃ、『苗字』と、『結婚する前なんて呼んでたか』だよ」

    「……なるほど」

    生活指導「……確かに、男くんの家だけおかしい、というわけでないなら、
    女くんの家もおかしくなるはずだな」

    「つまり俺の家も……」

    クラスメイト1「……」

    「クラスメイト1さんも……だよね」

    クラスメイト1「……私の家は、もっとすごいかもしれません」

    「もっとすごい?」

    クラスメイト1「いえ、私にもわからないんです……でもなんか、何かすごく、全然違うんじゃないかって……」

    生活指導「……どうやら、彼女が一番真実に近いようだ」

    「ほえー……何かすごいね」

    63 :

    クラスメイト1に家族はいらないから…

    65 = 1 :

    ―――――――――

    「じゃあ、また明日」

    「うん……」

    「おう。俺に任せとけ!今回もばっちり解決だ!」

    「さっきまでわたわた狼狽えてた奴のセリフとは思えないね」

    「なんだとこのやろう!」

    生活指導「……私も友人すべてに当たってみるよ」

    「ええ!?そこまでするんですか!?」

    生活指導「だが気になるだろう。この状況、いくらなんでもおかしすぎる」

    「確かにそうですけど……」

    生活指導「……『苗字』と『名前』、これは歴史の授業でも習う非常に重要な事だ。
    この事実が根本からおかしくなるような事があって……気にならない教師はいないさ」

    「ヒューっ!先生かっこいー!」

    クラスメイト1「……」

    66 = 59 :

    しえん

    68 :

    これ黒幕が居るとしたら作者だよな

    69 :

    更に話をややこしくするけどこの世界では歴史上の人物はどうなるんだ?
    織田信長
    徳川家康
    役割的には同じ殿だけど
    織田信長は織田信長っていう役割になるのか?

    70 = 1 :

    ―――――――――――――

    「……」

    「……帰ったか」

    「しかし……どうする?俺は事実を知っている。
    彼らも事実を知りつつある」

    「……俺の目的はただ一つ、」

    クラスメイト1「『この世界がおかしい事を理解してもらう事』」

    「……まだ帰ってなかったのか」

    クラスメイト1「嫌な予感がしたんです」

    「嫌な予感?」

    クラスメイト1「私はそもそも、何なんですか?」

    「……は?」

    クラスメイト1「男さんの仮説が正しいとしたら、私の役割は『クラスメイト1』
    じゃあクラスにいない私は?ただの女の子としての私はどこにいるんですか?」

    「……」

    クラスメイト1「……家に帰ったら、私は『違うモノ』になっちゃうんじゃないですか?」

    71 :

    何番煎じだよ

    72 :

    なるほどね

    73 = 1 :

    「……それは、俺にもわからん」

    クラスメイト1「本当ですか?」

    「ッ……!」

    クラスメイト1「本当にそうですか?実は全部わかってるんじゃないですか!?」

    「……」

    クラスメイト1「答えてください!私はなんなんですか!!」

    「……『クラスメイト1』……」

    クラスメイト1「……ですよね。私にもわかりません。そんなことが、
    ましてや貴方にわかるわけがない」

    「……」

    クラスメイト1「でも……この気持ちをどうすればいいんですか!?
    私は18年間、ずっとこうして生きてきたんです!それをいきなり否定されて……!」

    チュッ

    クラスメイト1「……は?」

    74 = 59 :

    おお

    75 :

    騒いでたのがサゲカスでわろた

    77 = 67 :

    彼女にするのか

    78 = 1 :

    クラスメイト1「え?は?今何したんですか?ごめんなさいちょっと理解が」

    「俺にもわからん。でも俺が『男』で『友』や、『母』がいるなら……」

    クラスメイト1「……??」

    「この世界は『俺を中心に回っている』ってことなんじゃないのか」

    クラスメイト1「……あの、言ってる意味が」

    「俺にもわからん。わかるわけがないだろ」

    クラスメイト1「正気じゃないんですか」

    「正気だよ。くっそ真面目だ。クソ真面目に言ってるんだ」

    クラスメイト1「世界は自分を中心に回っていると……本気で思ってるんですか?」

    「そうだよ」

    クラスメイト1「……じゃあ、じゃあ私たちはどうなるんですか!?貴方からすればただのモブかもしれない!
    そんな私たちは、存在する権利さえないんですか!?貴方の物語に出ない人間は、必要じゃないんですか!!」

    「だから!!」

    ガシッ

    クラスメイト1「ひゃ」

    79 :

    >>71
    何番煎じって言うほど使われたネタか?1周回ったこの感じ新しいと思うが

    80 = 76 :

    必要にしたのか

    81 :

    >>29
    いちいちこんなスレにずっといるあんたも古参気取りのカスだろ
    くっさ

    82 = 1 :

    「例えば……たとえばの話だ。もしお前が、俺の『彼女』になったとしたら……」

    クラスメイト1「……え」

    「その瞬間、お前は、『クラスメイト1』から『彼女』になるんじゃないのか……?」

    クラスメイト1「……わけがわかりません」

    「いやだから」

    クラスメイト1「でも」

    「……」

    クラスメイト1「……試してみる価値はあります。だって、私はずっと貴方の事が好きでしたから」

    「……えっ」

    クラスメイト1「気づかなかったんですか?すごいにぶいですよね。
    でもずっと前から知ってますよ。貴方が人の好意クソにぶいって事は」

    「そんな口調だったっけ」

    クラスメイト1「私だってふっきれたんです」

    「ははっ……じゃあ改めて」

    クラスメイト1「はい」

    83 = 59 :

    いいなこれ

    84 = 76 :

    この世界はこんなんで彼女出来るんだな
    主人公の特権か
    俺はモブだろうな

    85 = 1 :

    「『好きです、付き合ってください』」

    クラスメイト1「『はい』」

    「……で、どうだ」

    「……どうでしょうね」

    「変わったのか?何か?」

    「いや、今の形式でしかないですからね……もしかしたら何も変わってないかも」

    「え、困る……」

    「あ、私の事名前で呼んでみてくださいよ。流石にクラスメイトの名前くらい憶えてますよね」

    「え?ああ……えっと……あれ?」

    「……あ、そっか。貴方は違うんでしたよね。
    一度も私たちの事を呼んでないし」

    「……あー」

    86 :

    面白いな
    こういう発想はどうやったらできるんだろうか

    87 = 1 :

    「……」

    ピッピッ

    「何やってんだ?」

    「お父さんに電話をかけてるんです。もし私の名前が『彼女』になってるなら、
    いつも名前で呼んでるお父さんは私の事を『彼女』って呼ぶはずです」

    「なるほど……」

    プルルルル

    ガチャ

    『もしもし?どうした?彼女か?』

    「おっけー!ありがとうお父さん!」

    『は?』

    ガチャ

    「……やっぱり『彼女』でしたよ。変わってます」

    「変わってることが理解できるのか」

    「メモっておいたんです。私の名前」

    「メモ?」

    88 = 1 :

    「ノートにちょちょいって。そのはずなのに、私のノートには『クラスメイト1』って書いてあるんです」

    「それって……」

    「……正直、これが私の名前だったのか、って思うとすごく不思議な感じがします。
    だって『クラスメイト1』ですよ?モブじゃないですか。完全に」

    「お前……!」

    「貴方の言ったことは覚えてます。確か、
    『『クラスメイト1』ってなんなんだよ!!』――でしたっけ?」

    「……ああ」

    「今ならわかります。確かに意味が解りません。『クラスメイト1』って、性別ですらなく、
    完全に役割ですもんね」

    「……(やっと、理解者が)」

    「遅くなっちゃったので、もう帰りますね。父にも変な電話しちゃって戸惑ってるでしょうし」

    「ああ、送っていこうか」

    「大丈夫です。流石に襲われて死んだりは……しませんよね?」

    キョロキョロ

    「……送っていくよ」

    89 :

    こういうメタいの好き

    90 = 60 :

    つづけなさい

    91 = 1 :

    ―――――――――――

    「それにしても、意外と家、近かったんですね」

    「……何度か会っててもおかしくないのにな」

    「『会う必要がなかった』とか」

    「ついに発想が完全にこちら側になってきたな……」

    「……ふふ、だってもう私、貴方の『彼女』ですよ?
    ただのモブから一気にランクアップです」

    「またメタな発言を……」

    「……未だに信じられませんけどね」

    「……」

    「この世界がおかしい、ってこと以上に、貴方と――」

    「ん?」

    「ああいやなんでもないです!送ってくれてありがとうございます!」

    「あ、ああ……いや別に」

    「今度何か美味しいものでも振る舞いますよ。
    私の手料理をごちそうします。なんたって彼女ですし」

    92 = 68 :

    フラグ立てやがって…

    93 = 76 :

    てことは可愛くなってるわけか
    しね

    94 = 1 :

    「はは。期待して待ってるよ」

    「ふふっ……じゃあ、また明日」

    「おう。また明日」

    ガチャ……バタン

    「それじゃ、俺も家に帰るか」


    ――――――――


    「……」

    「……ん?」

    「今は夜か?夜……?」

    「どういうことだよ。今日はもう『終わり』のはずだろ」

    「なんでまだ……なるほど」

    95 = 1 :

    「……出てこい」


    「……よう」


    「お前は……誰だ?」

    「それはお前が一番よくわかってるはずだが?」

    「お前は……俺か」

    「そう俺……そうだよ。わかってるじゃないか」

    「お前がこの世界の……は?あれ?」

    「お前、今なんつった?」

    「え?何って……」

    「『お前は俺』、そういわなかったか?」

    「いや、だからお前は……あれ?」

    「そうだよ。お前は俺で、俺は俺なんだよ」

    「何を言ってんだよ!!わけがわからねぇ!!」

    「落ち着けよ~。俺同士仲良くしようぜ」

    96 = 7 :

    リセットパターンじゃなくてよかった

    97 = 59 :

    しえん

    98 = 1 :

    「だから『お前』は『俺』で『俺』は『俺』なんだよ。オッケー?」

    「何を言ってるのかさっぱりわからん」

    「お前がわかんなくても、お前の中身はしっかり理解してると思うぞ」

    「どういうことだよ」

    「お前は証明しちまったんだよ。この世界は『役割』で呼び合ってるって」

    「あれで正解、この物語は終わりだったってことか」

    「ピンポンポーンポーン!おめでとう!ご名答だよ!」

    「だからなんだっていうんだよ。俺は家に帰って、明日皆の話を聞いて」

    「で、そのお前は……さっき、『なんて言った?』

    「……え?」

    「他の人間は違ったんだよ。いや、もう人間じゃなくて、『キャラ』か?
    そいつらは人をなんて呼んでも良かったよ。でもお前はちゃーんと、呼ばなかったよな?最後まで」

    「……え……あ」

    「そのお前が!今!俺の事をなんて呼んだかって!!聞いてんだよ!!」

    99 = 1 :

    「……お前は」

    「お前は?」

    「……『俺』?」

    「正解だ」ニコッ

    「……あ、ああ」

    「じゃあお前の出番はもう、終わりだよな?」

    「ま……待て!これは違う、これは……!!」

    「彼女までつくったのになー。残念だったなー。でも」

    「待て!!お前は!!俺じゃない!!!俺は……!!」


    ―――――――――――

    キーンコーンカーンコーン……

    100 = 1 :

    「おはよう諸君」

    「おはよう!昨日聞いてみたんだけど……やっぱりうちの苗字もおかしかったよ!」

    「俺の家も。ていうか兄貴とか兄貴の友達も皆そうだったよ……」

    「やっぱりな……この世界は『何かがおかしい』って事に間違いはないみたいだ」

    生活指導「しかし、それを調べてどうするんだ。何か怪しい組織に狙われでもしたら」

    「大丈夫大丈夫。その時はこう何とかなるっしょー」

    「て、てきとーだね!?」

    「……おはよ」

    「おうおはよー!」

    「あー!お前、彼女ちゃんと付き合ってるって本当か!?」

    「マジで!?」

    「噂流れんのはえぇな!」

    「……」

    「いつの間にだよ!教えろ教えろ!」

    「いてぇよ手加減しろ!!」


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