元スレ咲「全校入れ替え?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
立つんやろか
2 :
立ったで
3 :
立ってないやで
4 = 1 :
恒子「今年も暑い夏がやってきたああああぁぁぁ!」
健夜「」ビクッ
恒子「全国のっ! 少年少女の夢をぶち壊してやってきた48校の高校生たち! さらに夢を食い散らかして、日本一を決めるときが来た!」
健夜「あの……こーこちゃ……福与アナウンサー?」
恒子「それではっ――って何よすこやん。せっかく気持ちよくオープニング決めてるのに」
健夜「福与アナウンサーって言ってるのに愛称で呼ばないで! じゃなくて、団体戦の出場校は52校で……ってそれでもなくて」
恒子「あはは、すこやんは忙しいなあ」
健夜「誰のせいだと思ってるの!?」
健夜「いやいやそれでもなくて。私が言いたいのはね、なんでインハイの開式でそんなにテンションを上げてるかって事で。また怒られちゃうよ?」
恒子「あ、それなら大丈夫。これって局の指示だし」ユビサシ
健夜「うそぉ!? あれ、本当だ! カンペに書いてある!」
恒子「いやーやっぱあれじゃん? 麻雀って絵的にはすっごい地味じゃん? そうするとやっぱり、色々影響あるわけですよ。具体的に言うと視聴率とか」
5 = 1 :
健夜「すごいぶっちゃけた!」
恒子「で、せめて少しでも盛り上げようと、プロレスさながらにやってみる事になったのです。いえー」
健夜「えー……インターハイって伝統ある大会なんだけど、それでいいの?」
恒子「少なくともアナは駄目って判断してたよ。だから私におはちが回ってきたんだし」
健夜「そこはこーこちゃんも断ろうよ! ああっ、こーこちゃんって言っちゃった!」
恒子「まーまーいーじゃない。何でもアリな開会式になってるんだし」
健夜「そうしないために抵抗してたのに……」
恒子「実は殆どのコンビが拒否したけど、三尋木プロだけはノリ気だったんだよねえ。結局針生アナにしばかれてお流れになってたけど」
健夜「当然だよ……ってあれ? 三尋木プロこうするってしってたの?」
恒子「それは当然だよ」
健夜「私全く聞いてないよ!?」
恒子「それは当然だよ」
健夜「直前になんていったかくらい忘れないで!」
6 = 1 :
恒子「いやー、だってすこやん、言ったら嫌だって言うでしょ? だから私の方でGOサイン出しといた!」
健夜「何かもう、疲れたよ……疲れたけど、すっごく慣れてる光景だよ。いつもこんなんなんだもん……」
恒子「えへへ」
健夜「ほめてないよ!」
恒子「それでは、すこやんにも納得してもらった事で。各校紹介にいってみよー!」
健夜「別に納得したわけじゃないからね!? 諦めたってだけだから! ちょっとこーこちゃん、お願いだから話を聞い……」
7 = 1 :
千里山女子高校
洋榎「しゃ! 今年もきっちり優勝いただくで!」
セーラ「当たり前や。気合い入れてくでー!」
照「……」ポリポリ
洋榎「なんや照、テンションひっくいなあー」
セーラ「そうや。もっとアゲアゲでいかな、別のとこに食われてまうで」
照「おかしはゆったり食べるもの」モフモフ
洋榎「かーっ! そうやない! 今年も、どこもかしこもウチらを打ち落としに来てるんやで! そいつらをシバいたらなあかんのや! もっとこう、ガッとかグワァーっとかな」
照「じゃあ二人はお菓子食べない」ススス
セーラ「そんな事は言うてへんごめんなさい」
洋榎「まあ練習はおやつのあとでもええなごめんなさい」
8 = 1 :
恒子『一番手は、ご存じ千里山女子! 今年もその圧倒的な力を見せてくれるのかー!』
健夜『実際、千里山はインターハイ上位の高校と比べても圧倒的だよ。それでも、隙はけっこう多いんだけど……』
恒子『おーと、早速すこやんの辛口評価だー! これは「私ほどじゃない」というアピールかー!?』
健夜『違うよやめてよ! ……おほん、千里山は隙も多いけど、それ以上に稼ぐ超火力チームだからね。これを止めるかこれより稼ぐか……どっちにしても容易じゃないよ』
恒子『千里山は全出場校で唯一の、全員が春の大会区間一位なんだよね。オールマイティに強い永水女子も近い所はあったけど……』
健夜『文字通り、火力が桁違いだからね。最高が宮永照選手のプラス26万点。一番低いのですら、江口セーラ選手のプラス7万点だから』
健夜『はっきり言って、千里山女子だけで高校オールスターって言ってもいいレベルがあると思うよ』
健夜『しかも去年、力のあった3年生を抜いて、まさかの1年2年をレギュラーにして大成功。去年と全く同じメンバーで今年を迎えられたのは大きいよ』
9 = 1 :
初美「あー! 何で先にお菓子食べてるですかー?」
照「我慢できなかった」
セーラ「ちゃんととっといてあるわ。少しくらいええやろ」
初美「もー。じゃあ少しくらい待っててくださいよー」プリプリ
キャーゴメンナサーイ
洋榎「お、最後も来たみたいやで」
玄「松実玄、ただいま来ました! 遅れてごめんなさーい!」
洋榎「いーや、ゆるさへんでー!」
セーラ「これは罰ゲームやろなあ!」
玄「ひゃー! はっちゃん先輩たすけてー♪」
初美「よしよし。二人とも、あんまり後輩を虐めちゃだめですよー」
洋榎「いじめとちゃうで。これは愛の鞭や」
セーラ「せや。先輩を差し置いてどっかをぶくぶく太らせてる後輩のそこをへこましたるためや」
初美「…………」
玄「ひゃう! はっちゃん先輩、なんで人を殺せそうな目でおもちをみるんですか!」
10 :
クロチャー禁断症状起こすで
11 = 1 :
初美「これは……指導がひつようやろなー」
玄「なんで関西弁!?」
洋榎「と、まあアホな冗談はおいといて。いい加減練習するで。みっともない姿は見せられへんからな」
セーラ「……。チームじゃ俺が稼ぎケツやったからな。次はこうはいかへんで」
洋榎「はっ、伊丹の大将抑えといてよく言うわ。そんなこと言ったら、うちなんて目立った奴がおらんかったんに9万ちょいや」
セーラ「それでも俺より稼いでるやろが!」
洋榎「ザコ相手に稼いだかて自慢になるかい!」
セーラ「……お前とはいつか決着つけたらなとおもっとった所や」
洋榎「ええで、しばいてキャン言わせたる。玄! 卓に入れや!」
玄「いだだだだ! はっちゃん先輩おもち握らないで……え? えぇー……。あ、じゃあはっちゃん先輩も、っていない!?」
洋榎「なんや逃げたんかい。相変わらずすばしっこいやつや」
セーラ「しゃーない。じゃあそこの二年、入り」
2年生1「ぎゃーーー!」
12 = 1 :
初美「ほっといていいんですかー?」
照「いい。それに、ああなった二人は止められない」
初美「玄ちゃんも巻き込まれてますけど」
照「犠牲はつきもの」
初美「ですか。なんだかんだ言っても、うちってゆるい雰囲気ですねー。大丈夫でしょうか?」
照「それは問題ない」
初美「?」
照「多分、一番勝ち続ける事の難しさを知ってるのはうちだから。それさえあれば、誰も勝つための努力を忘れないし惜しまない。なら、優勝は千里山以外にありえない」
初美「……、ふふふ」
照「? なに?」
初美「いいえ、なんだかんだ言っても、エースしてると思っただけですよー。いいこいいこ」
照「むぅ……あんまり頭なでないで」
初美「ヤですよー♪ じゃあ私たちも勝つために、練習しましょうか」
照「ん。じゃあ私とはっちゃんと……そこの二人で」
3年生1・2「ぎゃーーー!」
14 :
恒子『2年連続個人、団体戦優勝の立役者、宮永照率いる千里山女子高校! 今年はさらにレベルを上げての出場だぁー! またもや卓上を焼き尽くすのか!』
健夜『春大会を見た限りでは、むらっ気の多い薄墨初美選手と松実玄選手の隙が少なくなってたようみ見えます』
健夜『打点自体は宮永選手に次ぎますから、もし安定していたら洒落にならない火力になるでしょう』
健夜『下馬評に違いなく、今年の優勝最有力候補です』
恒子『三尋木プロ一押し! 千里山女子高校でした!』
千里山女子高校(シード)
オーダー
大将:(3年)江口 セーラ
副将:(3年)薄墨 初美
中堅:(3年)愛宕 洋榎(部長)
次鋒:(2年)松実 玄
先鋒:(3年)宮永 照
15 = 14 :
晩成高校
美穂子「ふう……これで部室は全部掃除し終わったわ」
やえ「雀卓の整備、終わったぞ」
胡桃「けほっ……こほっ……。こっちも倉庫のお掃除終わったよ!」
美穂子「ふふふ。ここもすっかり綺麗になったわね」
やえ「まったく、美穂子は酔狂だな。インターハイ前に部室を掃除したいだなんて」
美穂子「あ……ごめんなさい、巻き込むようにしてしまって……」
やえ「気にしなさんな。私たちだって好きで付き合ってるんだ」
胡桃「それに、長くお世話になった部室だからね。綺麗にしたいって気持ちは同じだよ。……勝っても負けても、これで引退だしね」
やえ「誰もいない部室か……見慣れてるはずなのに、いざこうして見ると寂しいもんだ」
美穂子「もう少しで、ここともお別れなのね」
胡桃「全く美穂子は。何も泣くことないじゃない」
美穂子「ごめんなさい、最近はどうしても涙腺が緩くて」
17 = 14 :
やえ「良かったことも、悪かったことも、全部ここに詰まってる。私たちの高校生活は、間違いなくここが基点だった。そこから離れるとなれば、涙もろくもなるさ」
胡桃「どうせ泣いて最後を飾るならさ」
美穂子「ええ、そうね。うれし泣きで終わらせたいわね。そのために、優勝しないと」
恒子『もう一つのシード校、晩成高校! なんと偏差値70の高校です! しかもレギュラーは全員成績トップレベル! 平均偏差値76! なんでこいつら麻雀してるんだぁぁぁ!』
健夜『メタメタだよこーこちゃん!』
恒子『だってすこやん! この子らどの大学に入るのだって思うがままの成績で麻雀してるんだよ!?』
恒子『私がアナウンサーになるためにどんだけの努力をしたとうごご……。ねたましい……ねたましや。才能がねたましい……』
健夜『もうただの嫉妬じゃない! 自重しようよ! ほら、お仕事して』
恒子『うぅ……晩成高校は一説によると、ここ50年でインターハイを逃したのはただの一度だとか』
健夜『一説も何も事実だよ!?』
18 = 14 :
恒子『ええと、資料資料……去年まではエースの福路美穂子選手以外は全員3年生で固めてたんだけど、今年は1年を二人レギュラーに入れてるようです』
健夜『うん、選手層の厚い晩成でレギュラーを取ったんだから、これは1年生をほめるべきだろうね。インターミドルチャンプっていう実績もあるからだろうけど』
健夜『晩成の勝敗は新人2人の仕上がりにかかっていると言っても過言じゃないと思います』
憧「おはようございまーす!」
和「よろしくお願いします」
やえ「ああ、おはよう」
美穂子「二人とも、おはよう。少し待っててね。今お掃除が終わって、お茶しようとしてた所だから」
憧「え?」
和「え?」
美穂子「え?」
憧「いやいや、掃除は皆でしようって言ってたじゃないですか。何でもう終わってるんですか」
和「だから私たちも、いつもより30分早く来たんですけど……」
美穂子「あら?」
胡桃「そういえばミホが掃除し始めて……」
やえ「そのまま何となくやってたね」
19 = 14 :
憧「そんなに長い間お世話になったわけじゃないけど、私たちも思い入れがあるし」
憧「何より部長達と一緒にやるからって、楽しみにしてたのに……」
美穂子「」ホロホロ
憧「うえぇ!」
和「あ、憧! 言い過ぎですよ!」
憧「あの、そんなつもりじゃ……そうだ! これはやえ先輩と胡桃先輩が悪いんです! ほら、止めないで流されたし! きっとそうです!」
やえ「なんでこっちに振る!?」
胡桃「と言うか年上に対する敬意、足りないよ!」
憧「えー、だって先輩方威厳が足りないし。ぶっちゃけ背も小さいし、あんまり先輩って感じ自体しないと言うか……」
やえ「とりゃ!」ゲシ
胡桃「制裁!」ゴス
憧「あいたぁ! 何も蹴る事ないじゃない!」
やえ「うるさい!」
胡桃「今日という今日は、その生意気な態度を改めさせるよ!」
ワーワーギャーギャー
20 = 14 :
美穂子「ううん、違うの、うれしかったの。私なんかが部長をやっていけるかって不安だったけど、ちゃんと慕ってくれてるんだなって」
和「あの、部長。感動しているところを悪いんですけど、誰も聞いてません」
憧「グフッ、無念……」
やえ「少し反省しろ」
美穂子「ふふふ……でもこれも含めて、晩成の麻雀部だから」
和「そう、かもしれませんね」
胡桃「あ、そういえば和に……はいこれ」
和「これは?」
胡桃「多分あなたが戦うことになるだろう相手のデータ。今年は初出場も結構あるから足りない部分は多いけど、名門の分は揃ってるよ」
和「いえ、ですけど私の打ち方はデジタルですから……」
胡桃「あのね、和の打ち方が何でも、これはチーム戦なの。チームの戦術が何でも私の打ち方はこうだから変えません、なんて通じないよ!」
胡桃「それに、私たちが一度でも間違ったことを言ったことがある?」
和「う……ないです」
胡桃「これはね、ミホが和のために何日も牌譜とにらめっこして作ったものなの。大切にしなさい」
和「はい、ごめんなさい」シュン
21 :
寝る前支援
22 = 14 :
美穂子「いえ、そんなに大事にしなくても……」オロオロ
胡桃「ミホは引きすぎ! もっと前にでて主張しないと!」
やえ「まあ、これも美穂子らしさだよ。それをフォローするのも、私と胡桃の役割だ」
憧「やーい、和も怒られたー」
やえ「和は注意されただけで、怒られたのはお前一人だ!」
憧「あいたぁ!」スパーン!
和「憧、調子に乗るから……」
やえ「ふう、まったく……。余計な時間を食ったが、せっかくメンバーが揃ったんだ、練習をするか。和、憧をつれて準備しといてくれ」
美穂子「私がちょっとつまめるものを用意しておくから」
憧「はーい」
和「分かりました」
やえ「うちの1年は軽いのと固いのと、本当に問題児ばかりだ」
胡桃「次を背負ってくのはあの子達なんだから、それじゃ困るんだけどねー」
23 = 14 :
美穂子「でも……やっぱりそれも含めて、私たちのチームだから」
胡桃「ふふ」
やえ「そうだな。まだまだやることもある」
美穂子「危険そうな初出場の高校が2校。練習だって、まだ満足いくほどじゃないものね」
胡桃「インターハイ目前でやることは山積み。まだまだ大変だよ!」
恒子『奈良の強豪晩成高校、今年は大胆なオーダーで出場だぁー! 1年二人の起用が吉と出るか凶と出るか! 全ては3年生の指導にかかっている!』
健夜『晩成は、初出場校によくある「圧倒的なエース」の存在しないチームです。事実、原村和選手も高レベルなデジタル打ちだし』
健夜『その分圧倒的な負けも存在しないんだけどね。多分、チーム全体でのマイナス点は全出場校中一番少ないと思います』
健夜『あと、個人的には咄嗟の対応能力も随一だと思ってます。良くも悪くも堅実ですね』
恒子『安定感が最大の売りのチームって事だね。爆発力に勝るチャンピオンチームに、安定感でどれだけ食らいつけるのかーっ!』
晩成高校(シード)
オーダー
大将:(1年)原村 和
副将:(3年)鹿倉 胡桃
中堅:(3年)小走 やえ
次鋒:(1年)新子 憧
先鋒:(3年)福路 美穂子(部長)
24 = 14 :
永水女子高校
竜華「あかんなー。いっくら牌譜見ても見つからへん」
哩「宮永照以外になら隙はある、言うんは前から分かっとる。ばってん、その上で千里山のレギュラーより稼げなかとよ」
久「さすが不動の王者チーム、強いわよねー。だから燃える……って言いたいところだけど、実際強すぎてキツいわ」
哩「一番わかりやすく隙があるんは松実玄やな」
竜華「おお、玄ちゃん。私あのドラローちゃん好きやで!」
久「私の担当の子ね。ドラが捨てられないっていうのは確かにキツいけど、その上で押せ押せで来るのがねぇ」
霞「『振り込んでもそれ以上に取ればいい』っていうのはチームに共通してるけど、一番徹底してるのがこの子なのよね」
哩「ドラが捨てられんから、自由にできる手札が7割から半分とよ。倍近く振り込みやすか。ばってん……」
霞「松実さんはオリないのよね。危険牌もどんどん切って手を作る。私とは正反対ね」
竜華「3倍4倍の手で上がる自信あってのやり方やな。さすが竜に愛される玄ちゃんや!」
久「まったく、他人事だと思って……。本当に、こんな押せ押せで来られたら、どこで地雷踏むか分かったものじゃないわ」
25 = 14 :
恒子『今年の永水女子は全員3年生でのオーダーだ! さりげなく珍しい事だー! ……なんで?』
健夜『分からないで言ってたの!? ん……まあつまり、麻雀はそういう競技だって事だよ』
恒子『ああ、最後にものを言うのは運だっていうあれ?』
健夜『うん。いくら実力があっても、配られる札で勝負もできないんじゃお話にならないからね。引きが強いのが全員3年、て言うことはまずないんだ』
恒子『へー。じゃあ永水女子は、まずない引きが強いのが全員3年なんだ?』
健夜『うーん、内情に詳しい訳じゃないから、そうとは言い切れないんだけど。ただ、永水女子には二種類の強い人がいるんだよ』
健夜『一つは単純に、運がよく、その使い方を知ってる人。もう一つは、勝負勘が強い人強い人だね』
恒子『あ、それは分かるかも! 《悪待ち》の竹井久選手でしょ? 悪い待ちを取ってスパっと和了る! いいよねあれ、ギャンブラー精神あふれてて!』
健夜『心理戦に長けてるって言ってもいいかも。そういう意味で、部長の彼女もやっぱり並ならぬものを持ってるよ』
健夜『なにより、気合いの入り方が違うね。去年のインターハイの雪辱も晴らしたいだろうし』
健夜『辻垣内智葉選手は』
26 = 14 :
智葉「戻ったぞ」
霞「あら、お疲れ様。今お茶を用意するわね」
哩「で、どうやったと?」
智葉「渋られたが、監督の後押しもあってなんとか許可をもらえた」
久「私が提案しといて何だけど、よく許可もらえたわねー」
智葉「なんだかんだ言って、向こうにも危機感があったんだろう。このままで本当に千里山に勝てるのか、とな」
竜華「裏返せば、今のうちらじゃ力不足だーって思われてるって事なんよね。複雑やわー」ジタバタ
哩「原因ば疑われる程度の実力しかないこっちにあるとよ。仕方なか」
久「ま、ダメだったら私がなんとかしてみるつもりだったけど……」
智葉「やめろ。睨まれるぞ」
久「あら? 私がちょっと強引な事をして睨まれるのは、インターハイ優勝に変えられる事なのかしら?」クスクス
智葉「お前な……その言い方は卑怯だろ」
竜華「うぇっへっへ、智葉の負けやで」
27 = 14 :
智葉「こんなもの勝ちも負けもないだろうが。それより竜華、いい加減しゃんとしろ」
竜華「これが竜華さんイズムやから無理やー!」ゴロン
霞「あらあら竜華ちゃんたら、おなかを出したら風邪ひくわよ。ほら、タオルケット」
竜華「かすみんはやさしいなー。せやから大好きやで」
霞「私も竜華ちゃんが大好きよ」
智葉「お前な……! 久も何とか言え!」
久「まあまあ、いいじゃないこれくらい」
哩「そう言えば、久も仮眠の常習犯やったな……」
竜華「学校の偉い人権限! 二対一で、部室でごろごろは正義やー!」
久「そういう事で、ごめんなさいね」←生徒会会長
竜華「あー、なんで学校で寝るのってこんなに満足感あるんやろなぁ」←議長
智葉「こいつら……! 哩、お前もなんとか言え!」←生徒会副会長
哩「言っとう聞かんのやから、諦めればよかと」
霞「智葉ちゃん、なんだかんだ言っても面倒見がいいから」
29 = 14 :
智葉「なんでうちの3年はこんなにゆるいんだ!」
竜華「なんちゅうか、ほっといても智葉がやってくれるからなあ」
智葉「お前生徒会ではちゃんとやってるだろう」
久「ほら、竜華ってあれなのよ。お世話しなきゃいけない人がいるとすごく面倒見がよくなるけど、逆だと自分が世話かけさせるタイプって言うの?」
哩「ほんなこて迷惑な奴とよ」
竜華「この『甘えさせてくれるオーラ』をむっちゃ出しとるかすみんと『俺に任せとけオーラ』を出しとる智葉が悪いんや!」
霞「あら、それじゃあ仕方ないわね」
哩「いや全然仕方なくなかとよ。……と言うんも今更やけんな」
久「むちゃくちゃ本気な顔が笑えるわねー」
智葉「全く笑えん。はぁ、もう好きにしろ。話だけはちゃんと聞いてろよ」
竜華「ひゃっほー! お許しが出たで! ついでに哩と久もどうや? かすみんの懐は無限大や」
久「んー……私はいいわ。どっちかというと甘えられたいタイプだし」
哩「私も。そいぎこれ以上面倒かけとっと、智葉の血管が切れそうとよ」
30 = 14 :
智葉「それで、私たちは2日早く、インターハイ会場に入る。肝心の相手だが、社会人リーグの上位選手を用意してもらえた。彼女たちに、仮想千里山をしてもらえる」
智葉「あと、久のつてで藤田プロにも来てもらえる。たっぷりしごかれるぞ」
竜華「おおお! さすが久や!」
久「でしょ? ふふん、もっとほめていいわよ。ほめると調子に乗るから!」
哩「調子にのったら駄目っやろ。でもありがたか」パチパチ
霞「藤田プロへのお礼、考えとかなきゃね」パチパチ
智葉「朝から夕方までは麻雀。夜は寝るまで検討と牌譜解析と作戦会議。インターハイが始まる直前まで休む暇はないと思え。どれだけ無理をしても、千里山との差を詰める」
霞「そしたら……」
哩「ああ」
竜華「今年こそは」
久「うちが優勝をいただくわ」
31 = 14 :
恒子『強豪永水女子高校! ここ2年の輝かしい成績は、同時に千里山に優勝を阻まれた苦い歴史でもある! 今年こそ雪辱なるかぁー!』
健夜『永水女子はもう一つの高校オールスターと言っていいチームだと思います』
健夜『事実、総合力ではそう負けてないし、細かい部分では結構勝っていると思います。ただ千里山女子には、それらを全て覆す火力がある』
健夜『火力合戦じゃ勝負にならない以上、どれだけ相手を抑えつつ点を取るかで勝敗が分かれるでしょう』
恒子『優勝候補永水女子、3年のみ編成の底力をどれだけ発揮できるのか!』
永水女子高校(シード)
オーダー
大将:(3年)石戸 霞
副将:(3年)清水谷 竜華
中堅:(3年)白水 哩
次鋒:(3年)竹井 久
先鋒:(3年)辻垣内 智葉(部長)
32 = 14 :
劔谷高校
菫「ふぅ……」
ゆみ「お疲れ様。缶だが、コーヒーでもどうだ?」
菫「ゆみか、すまんな。ありがたくいただくよ」
ゆみ「あまり根を詰めるな。分からない時はいくら考えたって分からないぞ」
菫「確かにその通りだが、そうも言ってられないだろう」
灼「やっぱり苦し……?」
菫「当然だ。うちは……悔しいが、他のシード校と比べて、実力が一段劣るからな。その分チームワークでなんとかしなければいけない」
ゆみ「チームワーク……か」
灼「ん……」
恒子『劔谷高校か、えっと……』
健夜『どうかしたの?』
恒子『いやぁ、なんと言うか。大将以外印象に薄いなって思ってさ』
33 = 14 :
健夜『すっごい失礼だよこーこちゃん!? ……ん、でも地味でテクニカルな、玄人好みしそうなプレイヤーが多いチームかもね』
恒子『でしょ? 特に千里山のどかーんぼかーん! な麻雀見た後だと、どうしてもね。大将が千里山と比べても見劣りしないから特に』
健夜『天江衣選手だね。総合力ではチャンプに劣るも、火力ではそれ以上かも知れないよ。どっちにしても、比較対象にチャンプが上がる時点で非凡なのは確かだよ』
恒子『これはつまり、これくらいで満足するなよという日本最強からの熱い駄目出し?』
健夜『そういうのと違うよ!? ……いやまあ、結果的に駄目出しみたくなっちゃくかもなんだけど』
恒子『なにない? すこやんもいよいよ「今の若いもんは」とは言い出すの?』
健夜『私だってまだ若いよ!? あ……いやその……もう27歳です。嘘つきましたごめんなさい。若くはないです……』ドンヨリ
恒子『ほらうつむいてないで解説解説』
健夜『そうさせたのはこーこちゃんだよ! ええと、単純に総合力で考えると、劔谷を超える場所は結構あるんだ。例えば今年の姫松とか、対応能力が飛び抜けて高いし』
健夜『それでも春にベスト4入りしたのは、一人はみんなのために、みんなは一人のためにを体現したからだね。ある意味、一番チームをしてる』
ゆみ「灼まで来たのか」
灼「ん、もう日も落ちて月が見え始めてるし。それに衣が飽きはじめてる」
菫「そうか。じゃあここらで切り上げて始めないとな」カタズケ
34 :
ふんふむ
35 = 14 :
菫「なあ、ゆみ」
ゆみ「ん?」
菫「実際の所、お前はチャンプや他の先鋒と戦えるか?」
ゆみ「無理だ。それは分かってるだろう? 力量もかけた時間も圧倒的に足りない。戦えればそれに超したことはないんだろうけどな。無い物ねだりは意味がない」
菫「……お前にはすまないと思っている。こんな事をさせて……」
ゆみ「言うな。私が強豪、劔谷のレギュラーに選ばれた理由は、何があっても仕事を遂行し続けられるからだろう」
灼「やっぱり私が……」
ゆみ「適正と役割の問題だ鷺森。お前の派手さはないが堅実かつ特殊な打ち回しは、先鋒で「使い潰す」には惜しい」
ゆみ「それに、私が他校のエースに一矢報いるんだと思えば、案外悪くない気分だぞ」
菫「……その言葉、信じるぞ」
ゆみ「信じるも何も本心だよ。紛れもなくな。余計な話をして待たせすぎだ」
エイスリン「ウゥ……アシイタイ……」
衣「エイスリンはダメだなー。衣はいつまででも正座できるぞ♪」
灼「ごめん、待たせた」
36 = 14 :
衣「おお、来たか! もう待ちきれなかったぞ!」
エイスリン「ハヤクウツ!」
ゆみ「私とエイスリンは入るとして、あと一人はどちらにする?」
菫「私が入ろう。灼は私の後ろで見ててくれ」
灼「また無理しようとす……」
菫「無理だって何だってしなければ強くもなれん。特に私みたいな、戦い方がほぼ固定されてるタイプはな」
衣「なあ、ゆみ……」
ゆみ「ん、どうした?」
衣「なぜゆみは、衣と月夜に打とうと思ったのだ? その……てっきり嫌かと……」
ゆみ「それは、確かに衣と打つのは怖いさ。怖いが、だから避け続けられるものでもない。私はこれから、全国にいる衣みたいなやつと戦わなきゃいけないからな」
エイスリン「コロモ、ツヨイ。テキモツヨイ。ダカラ、タクサンウツ!」
ゆみ「その通りだ。だから手加減せずにやってくれ」
衣「……もう一つ、気になる事がある。ゆみの手からは戦う気概が見えない。そうする必要があるのはなんとなく分かる……でも、楽しいのか?」
菫「……」
灼「……」
37 :
元の劔谷のメンバーが一人もいないやん
38 = 14 :
エイスリン「?」
ゆみ「……。ああ、楽しいさ」
衣「う、嘘だ! 衣とだけじゃない! ゆみの打つ麻雀は、いつも苦しそうだ! いや、ゆみだけじゃない! 菫も灼も……」
ゆみ「なあ、衣。確かに私は無理をしているさ。人から見れば逃げてるだけの、つまらない麻雀だろう。それは否定しない」
ゆみ「でもな、そんなものは勝利で簡単に吹き飛ぶ。私が、いや、私たちが求めるのはそれだけだ」
灼「実力じゃ及ばな……。でも、だからって勝ちを諦める方が、百倍辛いよ……」
菫「そのためならば無理をする。自分だって曲げる……何だってする。負けたままの自分でいたくない」
衣「……衣には、よく分からない」
エイスリン「ミンナナカヨシ! ミンナデカツ!」カキカキ
菫「まあ、つまりはそういう事だ」
ゆみ「むしろ私たちが申し訳なく思ってるよ。実力不足のツケを、エイスリンと衣に支払わせようとしてるんだ」
灼「どれだけ考えても、私たちには無理だった……」
菫「必ず……必ずだ。最高の形で繋げてみせる」ギュッ
灼「だから、お願い。勝って……」ギュッ
ゆみ「勝てるなら、こんなものは苦しくもなんともない」ギュッ
39 = 13 :
>>37
気にしちゃダメだと思う
40 :
多分、咲さんが居ればどこだろうと勝つんだろうな
41 = 14 :
エイスリン「ガンバル!」ギュッ
衣「みんな……」
衣(なあ、とーか)
衣(これは多分、とーかが思ったのとは違うものだったんだと思う。やっぱりここには、莫逆の友となる者はいなかった……)
衣(でも衣は、ここにこれて良かったと思ってる。衣にはこんなに仲間がいて、こんなに頼りにされてるんだ)
衣(だから……全て勝つ! 有象無象の一切を薙ぎ斃す! 衣はここで、見なと最高を味わうんだ!)
衣「とーぜんだ! 衣に任せておけ! 絶対に優勝するぞ!」
健夜『チームが一丸であることの最大のメリットは、モチベーションの高さでしょう。逆にプレッシャーにもなりうるものですが……劔谷高校は最高の状態と見ていいでしょう』
恒子『なるほど、ある意味一番高校生らしく青春しているチームって事だね!』
健夜『スポ根漫画みたいなチームって思いながら見ると、打ち筋も違って見えて面白いかもしれません』
恒子『劔谷は漫画の主役となるのか、それともライバル校で終わってしまうのか! この夏に全てが決まる!』
劔谷高校(シード)
オーダー
大将:(2年)天江 衣
副将:(3年)エイスリン ウィッシュアート
中堅:(3年)弘世 菫(部長)
次鋒:(2年)鷺森 灼
先鋒:(3年)加治木 ゆみ
42 :
大将までに0点残っていれば咲さんが何とかしてくれる
43 = 14 :
姫松高校
恭子「それじゃあ、部内会議を始めたいと思います」
透華「その前に、恭子さん」
恭子「ん、なんや?」
透華「なんでわざわざ薄暗い中でやりますの?」
恭子「分かってへんなぁ……」
浩子「その方が大物感出るやろ。実力があり、形を作る。これが強者っちゅうもんや」
透華「……! なるほど、つまり、だからこその強豪という訳ですわね!」
塞「どういう事なんだろ?」ヒソヒソ
まこ「さっぱりじゃ。けどそれで納得できるんなら、ええんじゃないかのう」ヒソヒソ
恒子『実は今年も来ました大阪のもう一つの王者姫松!』
健夜『そりゃ来るよ!』
恒子『えーっと、春大会では惜しくもベスト8でした。成績を見直すとベスト4ともそう差がないし、惜しかったんだね』
健夜『うん。今年の姫松は、完全に傾向と対策を練って戦うチームだよ。実際、よっぽど力がない限り、特殊な力を持つ雀士はここに潰されてる』
44 = 14 :
恒子『大沼プロとか南浦プロとかを筆頭に、年配の人に一押しにしてる人が多いみたいだよ』
健夜『完全に駆け引きで戦う、ある意味一番高校生らしくないチームだからね。実際ここの読みとか戦い方は、麻雀を知ってる人ほど楽しいと思うよ』
健夜『まあ、そこに熱中しすぎて他家においしい所を持っていかれるのは、ちょっと高校生らしいかも』
健夜『春の準決勝で千里山と同卓した時、それを忘れてなければ晩成高校に出し抜かれなかっただろうし。とにかく、シード校なみの力はあるよ』
恒子『つまり、勝負に熱中しすぎて試合を忘れない事が課題なんだね! 聞いてるか劔谷高校の諸君! 最年少八冠で元インハイチャンプのありがたーいお言葉だぞー!』
健夜『ちがっ、そういうんじゃなくて、やめてぇ!』
透華「あともう一つ。なんでこの私が先鋒じゃないんですの?」
塞「そんな今更……」
恭子「何でも何もエースを中堅に置くのが姫松の伝統やから」
浩子「あ、これはあれなんちゃいます? 自分にエースはつとまりませんー、ゆう迂遠な弱音なんちゃいます?」
まこ「なんじゃ、それやったら早く言えや。わしが代わりに……」
透華「な、な、な、何を言ってますの!? エースと言えば龍門渕透華! 龍門渕透華と言えばエース! この私以外の誰につとまると言うのです!」
塞・恭子・浩子・まこ(ちょろい)
45 = 14 :
塞(実力が一番なのは確かだけど)
まこ(こいつ、我慢しきれんとデジタルや情報に徹さず、がしがし攻めるからのう)
浩子(熱くなりすぎる性質やからなあ。間違っても先鋒や大将にはおけんし)
恭子(そういう意味では、姫松の伝統に救われたなあ)
透華「みなさんどうしましたの? いきなり黙って視線を合わせて」
恭子「いや、なんでもない」ポチ
スクリーンガシャ
恭子「それより、また透華がだだこねんうちに始めるで」
透華「だだなんてこねてませんわ!」
浩子「はいはい。そんで、やっぱり注目するんは千里山と永水なんやな」
まこ「そりゃ、伊達に他称オールスターチームじゃないっちゅう事じゃのお」
浩子「私の相手は松実に竹井ですね。あの多少の不利をつっぱねるスタイル、さぞ面白い麻雀やろなあ」
恭子「どうにかなるか?」
浩子「誰にもの言うてるんですか。私と後一人、速攻型が同卓すれば、二人同時に相手しても抑えきって見せますわ」
浩子「舐り尽くされて涙目になる姿が今から今から思い浮かびますわ」ククク
46 = 14 :
恭子「おし、その意気や。次に透華、今年の中堅はいつにも増してキツいぞ」
恭子「なんせ小走やえ、白水哩、愛宕洋榎っちゅう、特徴無く全方位に強いベストプレイヤーが固まってるからな。おまけにシャープシューター弘世菫はデジタルの天敵や」
透華「あら、つまらない心配をいたしますのね。この私にかかれば、どんな相手だろうと木偶に等しいですわよ。オーッホッホッホッホ!」
塞「なんでうちは、こんなに小物臭と言うか悪党臭というか、を漂わせてるのよ……」アタマカカエ
まこ「堪えや。こんなでも強いんは本当じゃし」
恭子「まこは……心配ないな。気がかりは打ち筋が自在な清水谷竜華やけど、ここは自力の勝負! 年期の違いを見せたり」
まこ「当たり前じゃ。キャリアなら誰にも負けん」
恭子「ゆうても自分、予想外の打ち手に弱いやろ。ええか、分からん捨て牌があっても混乱するな。まず深呼吸を一つして、もう一度見直せ」
まこ「こりゃ手厳しいのう。じゃが、それも含めて任せえ。そのために初心者と混ざって打ったり、わざわざ留学生と戦わせてもろおたりしたんじゃ」
恭子「その言葉、信じるで。で、最後は塞やけど、正直能力者の感覚がよく分からんからなんとも言えんのやけど……どうなん?」
塞「うーん、実力を度外視すると、そういう意味で気になるのは石戸霞の攻撃モードくらいかなぁ。むしろ私としては……」
透華「衣ですわね!」
塞「そうなのよ。あの化物っぷりを抑えるとなると、今から頭が痛いわ……」
まこ「手は進まんし、高確率で海底で和了る。しかも高火力とくりゃあ、対処方法が思いつかんのう」
浩子「私が探しても、弱点らしい弱点見つけられませんでしたわ。そういう意味だと、あれと唯一戦える臼沢先輩が大将なのは幸運ですね」
47 = 14 :
塞「気軽に言ってくれちゃって。ま、戦えば思い切り無理するわよ」
透華「親戚の私が言うのもなんですけど、衣は容易くありませんわよ。気合いを入れていかないと、一瞬でトばされますわ」
塞「ええ、ありがと」
恭子「まあここらは、ある程度情報が揃ってるからいいとして……問題は、今大会でぽっと出てきたとこでも、飛び抜けたチームやな」
浩子「情報が少ないんは、うちにとって最もやっかいなチームですからね」
まこ「そんでも、清澄はまだマシじゃけえ。戦略がわかりやすいからな。個別対処は難しくとも、チームの対処はそう難しゅうない」
透華「宮守女子ですわね。やっかいな打ち手が多い、全員1年のチーム。チームコンセプトはむちゃくちゃなのに、個別には変な特徴がありますわ」
塞「特徴が出過ぎてる、っていうのも問題ね」
恭子「まあ、こことは上に上がってから戦うことを期待するとして……こんなもんか?」
まこ「何言っとるんじゃ」
浩子「まだ先輩の相手の話をしとらんですよ」
塞「一番キツいポジションでしょ。なにせ各校エースがそろい踏みしてるんだから」
恭子「あかん、思い出さんようにしてたのに。またチャンプにしばかれてまう……」カタカタ
透華「なんでこの人は、時々こんなにチキンになるのでしょう……?」
48 = 14 :
恒子『普通のエースが卓を支配するならば、姫松の選手は卓を裏から操作する! この繰り糸から逃れられる選手はいるのかー!』
健夜『勝てるところできっちり勝つ。勝てない所じゃ徹底的に守る。これは簡単そうで、実は難しいですからね』
健夜『要所での見極めが鋭い姫松は、隙を突くのに特化してると言ってもいいでしょう』
恒子『大阪にこの校ありな姫松、プロも注目する老獪さで優勝を狙います!』
姫松高校
オーダー
大将:(3年)臼沢 塞
副将:(2年)染谷 まこ
中堅:(2年)龍門渕 透華
次鋒:(2年)船久保 浩子
先鋒:(3年)末原 恭子(部長)
49 = 14 :
宮守女子高校
淡「とのおおおおぉぉぉぉ!」ドバーン
穏乃「殿中でござる! でんちゅーでござる!」ガターン
泉「な、なんやんお前ら。びっくりしたやろ」
淡「そんなこと言ったって、この熱いパトスがノーブレーキでござる!」
穏乃「もうすぐインターハイが始まるでござる! おちついてなんていられないでござるぅ!」
泉「また何か見て影響されたん? 私が言うんも何やけど、ほどほどにしときいよ」
淡「ふっふっふ、昨日は穏乃ん家にお泊まりして、ずっとビデオ見てたんだ」
穏乃「これぞ勧善懲悪って感じで面白かったよねー。おかげで寝てないよ」
泉「……ああ、そのテンションは徹夜明けなんもあるんやね」
淡「二丁拳銃の淡!」ビシィ!
穏乃「バール四刀流の穏乃!」バシィ!
泉「ほんまに何見たん?」
50 = 14 :
恒子『注目と言えば、宮守女子高校! なんと部員は5人! 創部1年! おまけに部員も全員1年! ないない尽くしでインターハイまで駒を進めてきたハイパールーキー!』
健夜『資料によると、どうも公式戦での参加記録があるのは僅か二名のみ。しかも、全国を経験したのは二条泉選手ただ一人だとか』
恒子『岩手ってあんまり強いイメージがないけど、実際の所どうなの?』
健夜『うーん……激戦区ではないよ。でも、全国レベルの選手を抱えてる高校はそれなりにあるから、弱いわけでもないし……』
健夜『牌譜を見てみたけど、あからさまに力を隠してたり、不自然なところがあったりが多すぎるんだ。とにかく情報が少なくてなんとも言えないよ』
健夜『ただ、確かな事が一つある。宮守女子は全国で戦うのに十分な力を持ってるって事だね。それがどれほどかっていうのまでは、まだ分からないけど……』
恒子『おおぉ……辛口すこやんの、まさかの高評価。これは宮守女子、ダークホースとなるかもしれません!』
健夜『べ、別に辛口じゃないよぉ』アタフタ
優希「本命は遅れて来る! みんなのエース、優希ちゃんだじょ!」ズドーン
桃子「そ、そんなに引っ張らなくてもいくっすよ! 放してほしいっす!」ズルズル
泉「まったえらい騒がしいのが来たなあ」
むむ「そう言ういずみんはテンション低いじょ。どうかしたのか?」
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