元スレ苗木「霧切さんが死んでからもう1ヶ月かぁ……」
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51 = 1 :
モノクマ「やぁやぁ、皆さんお揃いで」
苗木「モノクマ!?」
葉隠「生きてたんだっぺ!?」
モノクマ「失敬な!ボクは死なないよ!?モノクマだから!」
十神「くだらん、さっさとモノクマファイルをよこせ」
モノクマ「はいはい。いやーとうとう起きたね、殺人事件。楽しみだねーうぷぷぷー!」
十神「目障りだ、消えろ」
モノクマ「怖い怖い!財閥のなくなった御曹司(笑)が粋がってる粋がってる!」
十神「……そんな安い挑発は受けん」
モノクマ「ちぇ、つまんないの」
苗木「……十神くん、君は」
十神「うるさい。さっさとモノクマファイルを見ろ」
苗木「う、うん」
52 = 49 :
>>49と思ったけどさくらちゃんの例もあったから2の解釈しても2通りだ
53 = 1 :
モノクマファイル
被害者は腐川冬子。
致命傷は不明。
死体が保存されていた場所は生物室の死体保管庫。
苗木(やっぱり致命傷は不明になってる……ボク達が知ってる内容しか載ってないや)
【モノクマファイル】
苗木「他に手がかりは無いかな……」
葉隠「これはなんだべ?」
苗木「台車、かな……美術室にあった奴だね」
【台車】
苗木「だとしたら、ここで死んじゃった可能性は低いってことかな」
十神「台車で運んできた可能性が高いな」
葉隠「致命傷が不明ってどういうことだべ?」
苗木「考えられるとしたら、毒殺かな……」
十神「ちゃんと隅々まで調べたのか?」
朝比奈「うん、その件なんだけど、きちんと服まで脱がせて調べたいから、出て行ってもらっていいかな」
54 = 1 :
苗木「分かった」
十神「いや待て、朝比奈が犯人かもしれんぞ。もしここで証拠を隠滅されても困る。俺が見張っている」
朝比奈「ちょっと!腐川ちゃんは女の子なんだよ!?」
十神「……だが、朝比奈を一人にするわけには行かない」
朝比奈「何!?こんな所で下心出してるわけ?最低!」
十神「違う!」
苗木「あっ……」
苗木(も、もしかして、あの写真って、本当、だった……?)
十神「……チッ、とにかく今は少しでも可能性を減らすだけだ」
朝比奈「苗木はこれでいいの!?」
苗木「本当は朝比奈さん一人で捜査すべきなんだろうけど……可能性を減らすっていうのはその通りだと思うし、腐川さんは十神くんになら見られても良いと思うな」
朝比奈「……そうなのかな。腐川ちゃん、いいの?」
十神「答えるはずがないだろう。苗木と葉隠は別の所を捜査しろ、後ほど伝える」
苗木「分かったよ」
葉隠「分かったべ!」
55 :
56 = 1 :
バタンッ
苗木「とりあえず、腐川さんの部屋をもう一度よく見てみよう」
葉隠「そうだべ、もしかしたらシャイニングメッセージがあるかもしれないべ!」
苗木「ダイイングメッセージだよ。少しでも手がかりがあると良いんだけど……」
腐川の部屋
苗木「……本当凄い部屋だ。でもこの文字列に何かメッセージがあるかもしれない?」
葉隠「えーどれどれ……『白夜様の唇が冬子の花びらを』って、なんだべ!?」
苗木「腐川さん、そんな所に書いたらまずいよ……」
葉隠「あ、これなんだべ?」
苗木「メモ帳とペン?こんなのさっきあったっけ?」
葉隠「わかんねぇ!」
苗木「もしかしたら……!」
苗木(鉛筆でやってみよう……)
葉隠「あっ!出てきたべ!これは……『苗木くんへ。少しだけ、話したいことがあるから私の部屋まで来て』って苗木の言ってた手紙か!?」
57 = 1 :
苗木「そうだね……」
【置き手紙の書いた痕跡のあるメモ帳】
苗木「葉隠くん、この部屋はさっきマスターキーで開けた時から開けっ放しだったよね?」
葉隠「そうだべ。確か、十神が今マスターキーを持っているはずだべ」
苗木「だとしたら、さっき部屋を調べた時に置いてなくても、後から置くことは出来るのかな……」
葉隠「苗木、俺思うんだけどよ。このメモ帳は誰のなんだべ?」
苗木「そういえば、腐川さんの部屋にあるメモ帳じゃない、ってことは誰かの部屋のメモ帳がなくなってるってこと?」
葉隠「そういうことになるって!」
苗木「もうちょっとこの部屋を調べたら調べてみよう」
【誰かのメモ帳】
苗木「あとは……ん?ゴミ箱の中に、うわっ!」
葉隠「どうしたべ?」
苗木「う、うわああ!!これって、何!?」
葉隠「物体Xだべ!」
苗木「凄い臭いだ……」
58 = 1 :
葉隠「よく見たらバナナの食べかけだべ」
苗木「そうだね。真っ黒になっていて分からなかった……」
葉隠「でも、なんでこんなものがあるんだべ?」
苗木「……腐川さんがもしかしたら、捨て忘れたのかも?」
【腐ったバナナ】
葉隠「腐川風呂にも入ってなかったし、だらしなくてもおかしくないって」
苗木「そうだね……これくらいかな?」
葉隠「誰のメモ帳が探しにいくべ」
苗木「そうしよう!」
ボク達はひとつひとつの部屋を見て、メモ帳があるかどうかを見た。
そして……。
苗木「あれ、舞園さんの部屋のメモ帳が無いね」
葉隠「と言うことは、舞園っちのメモ帳を使ったってことだべ!」
苗木「そういうことになるね」
【舞園さんのメモ帳】
苗木「……なんで舞園さんのメモ帳なんだろう」
60 = 1 :
葉隠「あれ?おかしくねーか?」
苗木「うん。舞園さんの部屋には鍵がかかっていた。マスターキーじゃないと開かない」
葉隠「……ってことは、今日誰かがマスターキーを使ったってことだべ?」
苗木「うん、そうなるかな……でも、ボク達がさっき行った時に確かにソレはそこにあった」
葉隠「誰が使ったんだべ?」
苗木「それは……分からない」
【誰かが使ったマスターキー】
葉隠「そろそろ生物室のほう終わったか?」
苗木「そうだね、一旦行ってみよう」
廊下
十神「苗木」
苗木「十神くん!腐川さんはどうだったの?」
十神「ああ、スカートの中のハサミくらいしか分からなかったな」
苗木「そうだったんだ……スカートの中にあったんだね」
十神「致命傷は毒殺が怪しくなってきたから、化学室へ行くぞ」
61 = 1 :
化学室
苗木「元通りになってるね……」
十神「モノクマがやったのだろう。少し調べるぞ、手がかりがあるかもしれん」
苗木「うん」
苗木(もう一度考えよう、左の棚が普通の薬品……プロテインとかが入っている棚だ。真ん中の棚が実験に使う薬品、そして右の棚が危険な薬品だ)
苗木(だとしたら、右の棚に変化があるかもしれない?)
十神「……いや、待て苗木」
苗木「え?」
十神「どこにも変化はない」
苗木「ど、どういうこと?」
十神「俺はあの事件以降、念のために危険な薬品棚にある薬には線をひいておいた。使ったらすぐに分かるようにな」
苗木「そ、そんなことしてたの?」
十神「当たり前だ。だが、今見たところどれも減っていない。一ミリもだ」
苗木「そっか……だとしたら、毒殺はありえないのかな?」
【線引された危険な薬品】
62 = 1 :
苗木「他の薬品も特に変わった様子は無いかな」
十神「大神が死んで以降、プロテインを飲むものは居ない。朝比奈も触ってはいないだろう」
朝比奈「うん、さくらちゃんと一緒に飲むプロテインが美味しかったから、プロテイン飲むと思いだしちゃって……」
苗木「朝比奈さん……」
朝比奈「でも、感傷に浸ってる場合じゃないよね!」
苗木「うん、そうだね。捜査を続けよう」
十神「……む」
苗木「どうしたの?十神くん」
十神「見ろ、この試験管を」
苗木「……数がおかしい?」
十神「そうだ。本来ならば5本刺さっている試験管が2つしか刺さっていない」
苗木「最初から2つだったとかは?」
十神「だとしたら、俺はいちいち言わない。俺はこの試験管を使ったことがあるからな、覚えている」
苗木「そ、そうなんだ」
苗木(何に使ったんだろう)
63 = 1 :
【なくなった?試験管】
苗木「じゃあ、試験管探さないと……」
十神「……いや、試験管が使われたことだけでいい。あとは分かるな、苗木」
苗木「え?どういうこと?」
十神「お前は霧切が居なければ何も出来ないのか」
苗木「そ、それは違うよ!」
十神「それでいい。あんまり絶望させるなよ、苗木」
苗木「うん……」
苗木(試験管が使われた……?と言うことは)
苗木「……そうだ、腐川さんの部屋に置き手紙の痕跡のあるメモ帳と、腐ったバナナが見つかったんだ」
十神「なんだと、腐川の部屋へ行くぞ」
苗木「うん」
腐川の部屋
苗木「……あれ?」
朝比奈「どうしたの?」
64 = 1 :
苗木「な、なくなってるんだ、メモ帳が」
十神「なんだと。確かにそれはここにあったのか?」
苗木「あったよ!葉隠くんも見たもんね?」
葉隠「あったべ!」
十神「貴重な手がかりが……探すぞ」
苗木「うん」
ボク達はメモ帳を探した。
苗木「……ボクの部屋で最後だね」
十神「入るぞ」
苗木「ちょ、ちょっと待って!」
朝比奈「え、ちょっと苗木?どうしたの?」
葉隠「あ、もしかしてエロ本が置いてあるんだべ!?」
苗木「ち、違うよ!」
苗木(ある意味そうだけど!)
十神「訳を話せ、苗木」
65 = 1 :
苗木「十神くんとボクだけで最初に入って良いかな」
朝比奈「それってどういうこと?」
葉隠「分かった!苗木っちと十神っちは共犯者なんだべ!」
十神「最早反論するのにも意味はないな。まぁいい、朝比奈と葉隠はそこで待っていろ」
朝比奈「き、気になる……」
バタンッ
十神「それで、どういうことだ」
苗木「実は、モノクマからこれを貰ったんだ……驚かないでね?」
十神「写真か?……もう何が来ても驚かないぞ、俺は」
苗木「これなんだ……」
十神「ッ!?」
苗木「……ごめんね、十神くん。だから十神くんが腐川さんの裸を見ても別に良いと思ったんだ」
十神「そういうことだったのか……」
苗木「これって、捏造じゃないのかな?」
十神「……ああ」
66 = 1 :
苗木「そうだったんだ」
十神「霧切が死んでから数日後だ。モノクマから財閥が消滅したことを聞いて落ち込んでいた俺に話しかけたのは腐川だった」
十神「精神的苦痛が俺を覆いかぶさっていたからな、あの時ばかりは俺は弱り切っていた。こんなことは十神白夜産まれて初めての出来事だったからな」
苗木「そうだよね……」
十神「だから、俺は身体を許した。ただそれだけだ、最もモノクマに見られていることも、全国中継されていることも、その時はどうでも良かったがな」
苗木「……うん、だけどそこから変わったんだね」
十神「そういうことだ。腐川には感謝はしている、だが死んでしまったのならどうしようもない」
苗木「十神くん……」
十神「俺は必ず犯人を見つけ出すだけだ」
苗木「そうだね」
十神「この事が気がかりで俺だけを部屋に入れたのなら、気にするな。あの二人にも言え」
苗木「え、いいの?」
十神「隠し事をすると後々厄介になることは知っているからな」
苗木「わ、分かったよ……」
苗木「朝比奈さんと、葉隠くん入っていいよ」
67 :
紫煙
68 :
ふむ
69 = 1 :
朝比奈「苗木!教えてよ!何を話してたの!」
苗木「うん、十神くんが良いって言ったから話すね」
ボクは二人に説明をした。
朝比奈「……十神、さっきはごめん」
十神「気にするな。朝比奈は普通の対応をしたまでだ。事情を知らなかったのだからな」
朝比奈「でも謝らせて。最低とか言ってごめんね、恋人の裸を見ても別に……良いもんね。むしろ、他の人には見られたくないもんね」
十神「恋人か……ふん、果たしてそうだったのかは分からんが、今はそんなことを言っている場合ではないだろう」
朝比奈「そうだね!メモ帳を探さないと!」
十神「苗木の部屋に無いとなると、厄介になるぞ」
葉隠「苗木の部屋のメモ帳は真っ白だべ」
苗木「……え?」
十神「そうだな、かなり使われているようだが」
苗木「ちょ、ちょっと待って!おかしいよ!」
十神「どうした、何がおかしいんだ」
苗木「ぼ、ボクは昨日、いや今日日記を書いたんだ」
70 :
ねるまえしえん
71 = 1 :
十神「日記だと?」
朝比奈「な、苗木って結構マメなんだね」
苗木「実は今日から書こうと思って……それくらいしかやることがなかったから」
苗木「だけど、それが無いなら、もしかしたらそれが腐川さんの部屋にあったメモ帳かもしれない」
十神「だとしたら、この数分間で何故苗木の部屋に移動している」
苗木「……ボク達の行動をおさらいしてみようか」
苗木「ボク達は、腐川さんを探そうってことになって、腐川さんの部屋を出た」
苗木「ボクと朝比奈さん、葉隠くんは生物室で腐川さんの死体を発見した……」
苗木「後から、十神くんもやってきて、その後に死体を調べるために、ボクと葉隠くんは腐川さんの部屋に行ったんだ」
苗木「その時十神くんと、朝比奈さんは何をしていたの?」
朝比奈「うん、ある程度まで調べたんだ。それで、苗木達に報告しようってなって、【手分けして】探したんだ」
Re:アクション
苗木「手分けして?」
朝比奈「うん、その方が早く見つかると思って」
苗木(つまり、朝比奈さんと十神くんはその間アリバイが無いのか……)
72 = 1 :
【アリバイの無い二人】
十神「そして、俺が苗木と葉隠を見つけた」
朝比奈「そこへ私が後から駆けつけたんだよね」
苗木「それで、えっと……化学室へ行って、その後はみんなで行動していたんだよね」
十神「そうだ」
葉隠「わけわかんなくなってきたべ」
苗木「諦めるのはまだ早いよ……もう一度生物室へ行ってみない?」
十神「ではまた二手に別れよう。葉隠はついてこい、朝比奈は苗木と行動しろ」
葉隠「俺が十神っちと?」
朝比奈「そ、そうだね……可能性は減らしたほうがいい、だもんね!」
十神「そういうことだ……」
苗木「分かったよ、十神くんはどこへ行くの?」
十神「もう一度調べたい所があるから行く」
苗木「どこへ?」
十神「……さぁな」
73 = 1 :
十神「行くぞ、葉隠」
葉隠「捜査開始だべ!」
苗木「あっ!行っちゃった……」
朝比奈「……十神には十神の考えがあるのかも。行こ苗木」
苗木「うん」
生物室へ行く途中
朝比奈「苗木はさ、最初に十神と腐川ちゃんの写真見たんだよね」
苗木「うん、そうだよ。モノクマに渡されて。多分モノクマはそれを動機にしたかったんだと思う」
朝比奈「それでも、慌てずに眠ったんだっけ?」
苗木「そうだね……疲れちゃったから。その後に置き手紙が置かれていたんだ」
朝比奈「そっか……凄いなぁ、苗木は」
苗木「え?」
朝比奈「私だったらすぐに誰かに相談しちゃう。でも、苗木がそれを隠してたのって、みんなの為だし、何より十神と腐川ちゃんの為だったんだよね」
苗木「……間接的にそうなったね」
朝比奈「一人だけ動機を抱えるのって大変だと思うからさ」
74 = 1 :
苗木「それでも、ボク達は屈しないといけないんだ。モノクマっていう絶望に」
朝比奈「うん!苗木のそういう所私好きだよ!」
苗木「そ、そう?」
朝比奈「うんうん!なんて言うか、主人公みたいだよね!」
苗木「ぼ、ボクなんか主人公じゃないよ。みんなのほうが、主人公みたいな格付けじゃないか」
朝比奈「あはは!私なんて泳げるだけの人間だから。十神や霧切ちゃん、苗木みたいに推理のお手伝いはなかなか出来なくて」
苗木「そんなことないよ、腐川さんを調べるの手伝ってくれたじゃないか」
朝比奈「うん、うん……うん、ごめん。ちょっと、ごめん」
苗木「え?」
朝比奈「もうダメ、あぅ……ぐすっ……」
苗木「あ、朝比奈さん!?」
朝比奈「ごめんね、苗木……私、さくらちゃんにいつもこうして泣いて慰めててもらってて……でも、さくらちゃんは死んじゃったから……」
苗木「朝比奈さん……」
朝比奈「だからね、ぐすっ……ちょっとこうさせて」
苗木「……分かったよ」
75 :
さるよけ
78 = 1 :
―――数分後
朝比奈「……よしっ、落ち着いた!」
苗木「うん、良かった」
朝比奈「ごめんね時間とっちゃって!生物室へ行こうか!」
苗木「手がかりを探せるように頑張ろう!」
生物室
苗木(見たところ、変わってないかな)
苗木(もう一度台車をよく見てみよう)
苗木「あれ?」
朝比奈「?、どうしたの苗木?」
苗木「この台車……美術室の物じゃないかもしれない」
朝比奈「え?」
苗木「思い出したんだ……美術室の台車は青じゃなかった」
朝比奈「……そうだったっけ?」
苗木「うん、もしかしたら美術室に行ったら台車があるかもしれない」
79 = 1 :
朝比奈「行ってみよ!」
美術準備室
苗木「やっぱりあった!」
朝比奈「だとしたら、あそこにあった台車はどこのなんだろう……?」
苗木「もう一度調べてみよう……往復になるけど、美術準備室に台車があったっていうことは大きな手がかりかもしれない」
朝比奈「そうだね!」
生物室
苗木「……台車の色はピンク色」
苗木「朝比奈さんはこの台車に見覚えはある?」
朝比奈「うーん、無いかな……」
苗木「参ったなぁ……」
朝比奈「あっ、ここ!」
苗木「え?」
朝比奈「汚れ……」
苗木「……汚れかぁ」
80 = 1 :
朝比奈「ごめん、手がかりにならないよね……」
苗木「ん、でも待って、これって何かの後なのかもしれない」
朝比奈「後?」
苗木「うん、もしこれが置いてあった所にこれと合致する後があれば……」
朝比奈「そこのになるってこと?」
苗木「そうだね。台車の横の所に汚れがあるってことは、もしかしたらこれは立てかけられていたのかもしれない」
朝比奈「手当たり次第になるけど……大丈夫かな」
苗木「とりあえず、この階から調べてみよう」
朝比奈「うへー……苗木って凄いね」
苗木「そ、そうかな」
朝比奈「うん……根気ある。けど、私も負けてられないし!頑張る!」
苗木「うん」
ボクと朝比奈さんは手当たり次第、台車の汚れと同じような汚れを探した。
そして―――
苗木「5階にはなかった、4階も探したけど……最後はここだね」
朝比奈「……苗木、女子トイレ入る?」
81 = 1 :
苗木「流石にそれは出来ないよ。朝比奈さん、お願いしてもいいかな?」
朝比奈「分かった!そこで見張っててくれないかな?」
苗木「分かったよ」
朝比奈「えーっと……個室には無いかな、あとは用具入れ……」
朝比奈「あっ!」
苗木「え?」
朝比奈「あった、これ、かも?」
苗木「本当!?……ごめん、ボク入っても大丈夫かな」
朝比奈「大丈夫だよ、よく考えたら更衣室の時だって女子更衣室に男が入ってたもん」
苗木「そ、そうだね」
苗木「失礼します……」
朝比奈「ほら、ここ」
苗木「……本当だ。台車のものと合致するね」
朝比奈「きっとこの台車は、4階女子トイレの台車なんだよ!」
苗木「うん、それであってると思う!」
82 = 1 :
【4階女子トイレの台車】
朝比奈「……そろそろ裁判の時間かな」
苗木「そうかもしれない。もう一度だけ、みんなと話しておこう。十神くんと葉隠くんを探そう!」
食堂前
苗木「十神くん!」
十神「苗木か、どうだったんだ、捜査のほうは」
苗木「手がかりを見つけたよ!十神くんのほうは?」
十神「そこそこ見つけたぞ。そこで最後に確認しておきたいことがある」
苗木「うん、きっとボクと同じことを考えているね」
十神「やはり、気づいたか、苗木……」
葉隠「おいおい、俺が置いてきぼりなんだが!」
十神「ふん、葉隠も持っているだろう、俺達が作った時間割を」
苗木「うん、今日の昼間にアリバイのある人じゃないとダメなんだ」
十神「……昼間だと?」
83 :
見てる
84 = 1 :
苗木「え?」
十神「まぁいい、続けろ」
苗木「う、うん……だから、時間割を確認しておきたいなって」
朝比奈「そっか、そしたらみんなの行動が分かるもんね。腐川ちゃんを殺した犯人も!」
苗木「えっと……腐川さんは起きるのが遅いから10時半に朝食だったよね」
【10時半の朝食】
葉隠「順番は、俺、朝比奈っち、苗木っち、十神っち、腐川っちの順番だべ!」
苗木「そうだね。朝食後は速やかに自室に戻る、これが約束だった」
朝比奈「私達で考えたんだもんね……」
十神「ふん……腐川は本当にいつも一人で飯を食べていたのか?」
朝比奈「……?どういうこと?」
十神「俺は一度だけ、お前らも知っていることをした次の日に腐川と飯を食べた」
朝比奈「あ、あー……ラブラブじゃん」
十神「うるさい、最近はそんなことしてなどいない。つまり、腐川が一人で飯を食べていると言うことが必ずしもあるということでは無い、ということだ」
【一人で食べない朝食?】
85 :
口調とか誤字とか細かいところは気になるけど、良作だと思うんだ。
思うんだけど、アニメ組にはネタバレですよね、これ……
86 :
>>85
ダンガンロンパスレなんて大抵ネタバレのオンパレードだろ
87 = 50 :
>>85
最初にそう言ってるんだから自己責任
先を楽しみたいなら2chに来ることが間違い
89 = 1 :
苗木(十神くんの言っていることも覚えておこう)
苗木「えっと、朝食の後はフリータイムだけど、みんなは何をしていたの?」
葉隠「俺は占いだべ!朝食後の占いは当たりやすいんだべ!3割当たる!」
朝比奈「変わらないじゃない!」
苗木「つまり、自室に居るってことだね?」
葉隠「そうだべ」
朝比奈「私も自室に行くよ!たまーに泳ぐけど、あの事件があってからは2回しか泳いでないもん!」
苗木「その2回っていつのことかな?」
朝比奈「えっと……3週間前と2週間前かな。本当は明日泳ごうって思ってたんだけど、今が今だから……」
苗木「なるほど、十神くんは?」
十神「俺は一週間に一回図書室へ行く。そこで、本を自室に持って行き読みふける。苗木も知っているだろう」
苗木「事件が発覚する前に、十神は本を運んでいたね」
十神「そういうことだ。ここでの娯楽は本しかないからな。最も、読破するのは時間の問題だが」
苗木「……最後にボクだけど、ボクはどこにも行かないで自室に居たよ。1ヶ月ずっと、考え事してたんだ」
朝比奈「考え事?」
90 = 1 :
苗木「霧切さんを信じるべきだったのかなって……」
朝比奈「ああ……」
苗木「でも、今はそれを考えている時じゃないから。とにかく、ボクは自室に篭っていたよ」
十神「それが分かればいい」
苗木(今までのをまとめておこう)
【朝比奈2回泳ぎに行く】
【十神週に1回図書室へ本を借りる】
モノクマ「ピーンポーンパーンポーン」
モノクマ「学級裁判の時間です。速やかにエレベーターに乗ってください」
苗木「……始まった!」
十神「ここに居てもしょうがない。行くぞ」
朝比奈「……始まっちゃうんだね」
葉隠「こうなったら、裁判がどうなるか占うべ!結果はー……どうにかなるべ!」
苗木「行こう……!これが最後の学級裁判になるように!」
91 = 1 :
エレベーター前
十神「苗木」
苗木「え?」
十神「俺が知っていて、苗木の知らない情報と、苗木が知っていて、俺の知らない情報がある」
苗木「う、うん」
十神「俺が思うに、苗木の推理では……ゴールには到着しない」
苗木「え?」
十神「だから、よく考えろ。間違えるなよ」
苗木(十神くんがボクにアドバイスを……?)
苗木(何かが間違えている……?)
ボクはエレベーターが降りていく中で考えた。
十神くんが言うには、どこが間違えている推理があると言う。
間違えていても、絶対に答えは導き出さないといけない。
命がけでクロを見つけ、命がけで推理をし、命がけで……裁判をする。
学級裁判へと向かう。
92 = 1 :
Chapter5.5 COURT PREPARATION
電子手帳を見る
└言弾(コトダマ)
【モノクマファイル】
【4階女子トイレの台車】
【置き手紙の書いた痕跡のあるメモ帳】
【誰かのメモ帳】→【舞園のメモ帳】
【腐ったバナナ】
【誰かが使ったマスターキー】
【線引された危険な薬品】
【なくなった?試験管】
【アリバイの無い二人】
【腐川さん10時半の朝食】
【朝比奈2回泳ぎに行く】
【十神週に1回図書室へ本を借りる】
スキルセット
?準備を終える
起こることの無いと思われていた学級裁判。腐川の命を奪った犯人は誰だ!残された少ないメンバーでの裁判が始まる!
93 :
間の話か
94 = 1 :
【学級裁判】
【開廷】
モノクマ「まずは学級裁判の簡単な説明から始めましょう!学級裁判の結果はオマエラの投票により決定されます」
モノクマ「正しいクロを指摘出来れば、クロだけがおしおき。だけど…もし間違った人物をクロとした場合は…」
モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、みんなを欺いたクロだけが晴れて卒業となりまーす!」
モノクマ「さてと…じゃあ最初は?」
苗木(最初は何から見ていくべきなんだろう?)
十神「苗木、さっき言ったことを忘れるな。その上で考えろ」
苗木「え?」
モノクマ「こら―!裁判に関係ないことは禁止!」
モノクマ「あ、でも男の暑い友情?そういうの嫌いじゃないけど」
朝比奈「まずは死因を考えようよ!」
葉隠「そうだべ!致命傷が不明ってわけわかんないべ!」
苗木(そうだ、まずは腐川さんがどうやって死んだのかを考えよう……!」
95 :
見てるよー
96 = 1 :
【議論開始】
→【線引された危険な薬品】
→【なくなった?試験管】
→【モノクマファイル】
葉隠「致命傷が不明ってどういうことだべ!?」
朝比奈「……だけど、腐川ちゃんは『確実に死んじゃったよ?』」
葉隠「はっ、じゃあもしかして……」
そんなわけない……
葉隠「『自然死』だべ!?」
バカじゃないの……
十神「バカなことを言うな、だったら学級裁判は起きない」
十神「この場合、毒殺が考えられる」
十神「身体に異常はなかったのだからな」
朝比奈「でも……『化学室の危険な薬品は使えなかったんでしょ?』」
朝比奈「だったら、『薬品を使って死んだとは考えられないよ!』」←【なくなった?試験管】
苗木『それは違うよ!』
97 = 1 :
Break!!
朝比奈「え?どういうこと?」
苗木「朝比奈さん、よく思い出して……化学室では、試験管がなくなっていたんだ」
十神「ふん……」
苗木「十神くんは、危険な薬品にだけ線引をしていたんだよね?」
十神「そうだ。他の薬品にはしていないから、使ったかどうかは知らん」
苗木「だったら……『その場で調合して作っちゃえばいいよね?』」
朝比奈「あっ!」
苗木「そもそも、毒薬だったら混ぜるな!っていう洗剤を混ぜるだけでできちゃうんだ。ましてや、化学室にあった薬品を調合しちゃって毒薬を作ることなんてたやすいんだよ」
朝比奈「そっか……だとしたら、毒殺もありえるんだ」
十神「そのとおりだ。よって、この殺人は毒殺だ。ソレ以外はありえん」
葉隠「だけど、そんな毒薬を作る方法なんてみんな知らないべ?」
苗木(いや、方法はあるはずだ……)
予め知っていた
→図書館の資料
誰かに聞いた
苗木『これだ!』
98 = 93 :
図書館ぱないな
99 = 1 :
苗木「十神くん、薬品関係の資料って図書館にあるかな」
十神「当たり前だ。この国の秘密が載っている本まであるんだ、市販で売っているもので毒薬を作るレシピ本なんてものもあったぞ」
葉隠「だったらそれを知っている十神が犯人だべ!」
十神「バカを言うな、本を見て作ることは誰にでも出来る。葉隠にもな」
葉隠「だったら、誰にでも出来るべ」
朝比奈「信じるんだ!?」
苗木「とにかく、誰にでも毒殺が出来る可能性はあるんだよ」
十神「問題は、その毒をどうやって飲ませたか、だな」
苗木(そうだ、そこが問題なんだ……ボクにはそこの道がまだ分からない)
十神「……いや、その前に、これを言っておく必要があるな」
苗木「え?」
十神「腐川はいつ死んだんだ?」
苗木「……あっ」
十神「苗木、さっきの言動を見る限りだと、お前は今日死んだと推理しているみたいだが……本当にそうだと思うか?」
朝比奈「だけど、待って!死体って日付が経つと腐る、よね?」
100 = 1 :
十神「馬鹿言え、苗木説明してやれ」
苗木(腐川さんの死体が腐らなかった理由……?)
腐川さんは元々腐っていたから分からなかった
腐川さんはお風呂に入っていなかったので、死臭かそうじゃないのかが分からなかった
→死体保管庫に腐川さんの死体はあった
苗木『これだ!』
苗木「腐川さんの死体は、生物室の死体保管庫にあったから、腐らないんだよ」
朝比奈「あ、そっか、最初に発見したのはあそこだったもんね……」
葉隠「だけど、それだけが理由になるんだべ?」
朝比奈「確かに、死体保管庫に入ってたからって、犯人がたまたまそう思わせるようにしているのかもしれないし!」
十神「ふん、どいつもこいつもバカばかりだ」
苗木(腐川さんが今日死んでない理由、それはもうひとつあるはずだ!)
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