元スレ結衣「自販機から京子の声がする」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
~学校の帰路~
結衣「……今日の晩御飯、何作ろうかな」
結衣「一人だと、あんまり量を作れないし……」
結衣「京子が泊りに来てる日なら遠慮なく作れるんだけど……」
結衣「……」
結衣「……」ハァ
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「あれ……?」
結衣「この声……京子?」
2 :
ほう
3 = 1 :
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「……京子?」
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「おかしいな……自販機以外、見当たらないのに」キョロキョロ
結衣「……ひょっとして、中に居るの?」
『またのお越しをお待ちしていま~す♪』
結衣「……何やってるの、そんな所で」
4 :
なんだ鬱展開か
5 :
とりこまれたか
6 = 1 :
結衣「あ、ひょっとしてアルバイト?学校に見つかったら怒られるぞ?」
『……』
結衣「だいたい、どうして突然バイトなんて……あ」
結衣(そういえば、そろそろ私の誕生日だっけ……)
『いらっしゃいませ~♪』
結衣(もしかして、その為にお金を貯めてくれてるのかな……)
『お飲み物は如何でしょうか~♪』
結衣「……ふふふ、判ったよ、売り上げに貢献しろって言うんだろ?」
結衣「しょうがないなあ、京子は」カチャッ
7 :
体温ですにゃ
8 = 1 :
ガラガラコローン
『毎度ありがとうございま~す♪』
結衣「しょうがないから、綾乃達には黙っといてあげるよ」
結衣「あんまり無理するなよ?」
『またのお越しをお待ちしていま~す♪』
結衣「じゃあね、京子、バイト頑張って」
9 :
紙コップにおしっこするのかと思った
10 :
自販機バイトはたいへんだよなぁ
11 = 1 :
~翌日~
結衣「さて……そろそろ帰るかな」
結衣(京子、今日もバイトしてるのかな)
結衣(ちょっと寄って行こうっと……)
あかり「……結衣ちゃん」
結衣「あれ、あかり、どうしたの?」
あかり「……今日も、帰っちゃうの?」
結衣「うん、ちょっと寄る所があってね」
あかり「そ、そっか……」
結衣「じゃ」
あかり「うん……ばいばい、結衣ちゃん」
12 :
死んでるのか
13 = 1 :
結衣「ん、雨が降ってきたな……」
結衣「ちょうど傘持ってきておいてよかった……」タッタッタッ
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「……京子」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「何やってるのさ、傘もささずに」
14 = 1 :
結衣「バイトに一生懸命なのはわかるけどさ……身体を壊したら元も子もないだろ?」
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「はぁ……じゃあ、私が傘差しといてやるから、その間にバイト続けなよ」
『まいどありがとうございま~す♪』
結衣「どういたしまして」クスッ
16 :
空き缶を京子だと思い込んでるやつ思い出した
17 :
嫌だ怖い
18 = 1 :
ガラガラガラコローンッ
『またのお越しをお待ちしてま~す♪』
結衣「……なかなか儲かってるね、京子」
『……』
結衣「ま、忙しいのは良い事だよね」
「あの子、何なのかしら、自販機の横でずっと立ってるけど」
「待ち合わせでもしてるんじゃない?」
「けど、自販機に話しかけてるみたいよ?」
「え、なにそれこわい……」
「昨日も居たし……もうここの自販機寄るの辞めよっか」
19 = 1 :
結衣「京子」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「最近部活、来ないよね」
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「あかり達もさ、寂しがってるよ」
『……』
結衣「バイトが忙しいのは判るけどさ、ちょっと顔出してあげなよ」
『またのお越しをお待ちしていま~す♪』
結衣「はいはい……もう帰るよ、京子もバイト、頑張ってね」
20 :
怖いよぉ
21 = 1 :
~翌日~
~部室~
あかり「ゆ、結衣ちゃん?どうしたの、こんなに沢山ジュース買ってきて」
ちなつ「わあ、色々ありますねっ」
結衣「うん、遠慮なく飲んでよ」
あかり「う、うん、ありがとっ、結衣ちゃん」
ちなつ「ありがとうございますっ、結衣先輩っ」
結衣「ははは、まあ、京子からの差し入れなんだけどね」
あかり「え……」
ちなつ「……え」
22 = 16 :
え
23 = 17 :
イヤァァァーー!
24 = 1 :
結衣「ほら、京子も色々忙しいみたいで、部活に顔出せてないでしょ?」
あかり「……」
結衣「そのお詫びって意味らしいよ、昨日私が受け取ってきたんだ」
ちなつ「……」
結衣「ちなつちゃん達に会えなくて、京子も寂しいって言って……」
あかり「……結衣ちゃん」
結衣「ん?」
ちなつ「……あ、あはは……結衣先輩、冗談なんですよね……あはは……」
結衣「冗談?」
ちなつ「最近、部活の雰囲気が沈んでるから……冗談で、そんな事言ってるんですよね……」
結衣「いや、別に冗談のつもりは……」
あかり「結衣ちゃん!」
25 = 1 :
結衣「な、なに、あかり……突然大きな声出して」
あかり「……京子ちゃんは……もう居ないんだよ」
結衣「え?」
ちなつ「……」
あかり「冗談でも……こういう事はしないで欲しいなって……」
結衣「あかり?」
ちなつ「……すみません、私、今日はもう帰りますね」
結衣「ちなつちゃん?」
ちなつ「すみません……」タッ
結衣「ど、どうしちゃったの二人とも」
あかり「……結衣ちゃんこそ、どうしちゃったの」
26 = 17 :
救いはないのか
27 = 1 :
結衣「どうしたって……私は普通だけど」
あかり「……京子ちゃんが、可哀そうだよ」
結衣「え?」
あかり「結衣ちゃんがそんなんじゃ……京子ちゃんが可哀そう!」
結衣「あ、あかり、落ち着いて……」
あかり「結衣ちゃんの……ばかぁっ!」タッ
結衣「あ、あかりっ!」
28 = 1 :
結衣「二人ともいっちゃった……」
結衣「どうしたんだろ、京子が部活に来ないのがそんなに寂しかったのかな」
結衣「……」ハァ
結衣「まったく、二人にこんなさびしい思いをさせて」
結衣「本当に、京子はしょうがないなあ……」
29 = 1 :
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「京子、今日もお邪魔するね」
『毎度、ありがとうございま~す♪』
結衣「今日ね、あかりやちなつちゃんと喧嘩しちゃった」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「やっぱりさ、京子が居ないと……ごらく部は駄目なんだと思うよ」
『……』
結衣「だからさ……早く、帰ってきてよ」
結衣「……京子」
30 = 5 :
ギャグだと思っていたら
31 = 1 :
結衣「そういえば、そろそろ京子がバイトはじめて1週間になるよね」
『……』
結衣「目的の金額、溜まった?」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「そっか……まだ頑張んなきゃなんないのか」
結衣「……」
『……』
結衣「……あ、あのさ、京子」
結衣「私、別にそんな高いものじゃなくても……その……」
32 = 1 :
結衣(うう、私何言ってるんだ……京子は一応、誕生日プレゼントの事隠してるつもりみたいなのにっ)
結衣(……けど、やっぱり京子が部活に来ないのは寂しいしな)
『毎度、ありがとうございま~す♪』
結衣(もう……京子は鈍感なんだから)
33 = 1 :
結衣「そろそろ暖かくなってきたね、京子」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「うん、冷たい飲み物が欲しくなる季節だね」
『毎度ありがとうございま~す♪』
結衣「そう毎回毎回は買ってられないよ」クス
『……』
結衣「もう、拗ねないでよ、京子……」
あかり「……結衣ちゃん」
34 :
うわあああああああ
35 = 1 :
結衣「あ、あれ、あかり?」
『いらっしゃいませ~♪』
あかり「……こんな所に居たんだ」
結衣「あはは、見つかっちゃったね……京子」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
あかり「きょうこ……ちゃん?」
結衣「うん、最近京子が部活に来れなかったのは、ここでバイトしてたからなんだ」
『毎度、ありがとうございま~す♪』
あかり「……京子ちゃんは、ここには居ないよ」
結衣「え……?」
36 = 1 :
結衣「なに言ってるの、あかり」
あかり「……」
『お飲み物はいかがでしょうか~♪』
結衣「京子、ここにいるじゃないか」
あかり「……居ないよ」
『いらっしゃいませ~♪』
結衣「……居るよ」
あかり「……居ないよ」
『毎度、ありがとうございま~す♪』
37 :
結衣ってこんな役ばっかりだな
38 = 1 :
結衣「だって、京子の声、するじゃないか」
あかり「……」
『お飲み物』
結衣「あかりにだって、聞こえるでしょ?これ京子の声だよ?」
あかり「……」
『い如何で』
あかり「確かに……京子ちゃんの声だね」
結衣「で、でしょ?じゃあ……」
『しょうか~♪』
39 :
ほんとに京子の声だったのかw
40 = 1 :
.
あかり「だって、その自販機……京子ちゃんの声を録音した自販機だもん」
.
41 = 1 :
~数ヶ月前~
京子「み、みんな聞いて聞いて!」
ちなつ「何ですか騒がしい……」
あかり「どうかしたの?京子ちゃん」
京子「当たったの!当選葉書来たの!」
結衣「落ち着けって、京子……何の当選葉書が来たの?」
京子「だから!自販機の音声を公募してたでしょ!あれに当たったの!」
あかり「わあ!京子ちゃん凄いっ!」
ちなつ「え……京子先輩、本当にあれに立候補してたんですか?」
京子「そりゃ当然よ!」
結衣「それって嬉しいのか……」
42 = 17 :
どういうことだってばよ…
44 :
何故殺した
45 = 1 :
京子「ちっちっちっ……みんな、判って無いなあ」
結衣「何が?」
京子「自販機って言うのは、街中に配置されてるんだよ?」
あかり「うん、あかりも良く利用してるよぉ」
京子「その自販機すべてから京子ちゃんの音声が聞こえる……」
京子「こ、これって凄い事だよ!?」
ちなつ「まあ……確かに……」
京子「言ってみれば、この街の公共施設すべてが京子ちゃんの手に落ちたも同然だよ!?」
あかり「す、凄いっ!?」
結衣「いや、そんなはずないから……」
46 = 1 :
京子「まあ、それは言い過ぎだとしてもさ、これからは寂しい時に何時でも京子ちゃんの声が聞ける訳ですよ」
結衣「いや、別に普通にお前に電話すれば声聞けるだろ」
京子「お、結衣ちゃんは寂しくって私の声が聞きたくなった事があるんだね?ん?」
結衣「なっ///」
京子「もう、しょうがないなあ、結衣にゃんは……何時でもラブコールしてくれて、いいのよ?うふっ♪」
結衣「……お前にはもう二度と電話しない」
京子「じゃあ私の方からしちゃおうっと♪」
結衣「着信拒否にするから」
京子「ひどい!?」
47 = 1 :
京子「最初の1台目は、私達の通学路に設置されるんだって~」
京子「それで生徒たちの感想を聞いて音声内容を修正して、街中に配置するらしいよ」
京子「楽しみだねえ♪」
けれど
最初の1台以降の自販機が配置される事は
無かった
49 :
ファッ!?
50 = 1 :
あかり「……京子ちゃんが、あんな事になっちゃったんだから……当然だよね……」
結衣「……」
あかり「……結衣ちゃんが、辛いのも判るよ」
結衣「……」
あかり「……けど、けど……」
結衣「……」
あかり「ここには、京子ちゃんは、居ないの……」
結衣「……」
あかり「居ないんだよ……」グスッ
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