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    元スレ下妹「働けよ兄」上妹「クソニート乙ww」

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    51 = 39 :

    「やめろよ……」

    「じゃあ乾杯な」トクトク

    「何これ?」

    「ワイン」

    「い、いらないよ……」

    「この子は一人でこっそり飲むけど、皆の前では酒呑まないからね」

    (酒は酔うために呑むもんだろ、家族の前でこれ以上の醜態は晒したくねえ……)

    52 :

    兄の気持ちがわかるぞオレには

    54 = 39 :

    「さっさと風呂を沸かしてしまおう」ジャー

    (やっぱ下妹は俺に失望したのかな)ゴシゴシ

    (確かに元から生意気だったけど)ゴシゴシ

    (俺の悪口はそうそう言わなかったし)キュ

    (きょうだいで一番年上なのに一番のクズ……)

    「……はぁ」

    55 = 39 :

    「兄ー」

    「なんだ?」

    「今回のテストほぼノー勉でいけるわww」

    「そ、そうか」

    「進路も決まったし卒業できればいいんだよ卒業できればwwww」

    「だからそんな心がけだと俺みたいになるってば」

    「ねーよww」

    「……」

    56 :

    やめろ









    やめろ

    57 :

    2014年度卒だけど、3社に書類送ったら全部お祈りメールになって返ってきた
    夏休みまで休みたい

    58 = 39 :

    「多少クソな点数でも進路決まって卒業手前だからオマケしてもらえるんだよww」

    (こんなアホな自慢ができるのも若いからだよなあ)

    (こいつらに俺みたいな挫折は味わって欲しくないんだがなあ)

    「じゃあのwwww」

    (まあ、大丈夫かな……実家通いなら両親がいるし)

    (その両親が突然いなくなったらどうする?)

    (50代60代で持病持ちならいつ死んでもおかしくないだろ)

    (お前の祖父が死んだのは何歳の時だ?平均寿命まで生きられる保証なんてどこにもないんだよ?)

    「う、うあああああ!!」

    59 = 17 :

    ぺろいも

    60 = 39 :

    (だ、ダメだ……ネットに逃げよう)

    (この広大かつ煩雑な世界こそ現実を忘れさせてくれる……)カタカタ

    「……グス」カタカタ

    「何だか涙もろくなった気がするなあ」

    「……泣けば心が綺麗になるかな。泣ける話泣けるコピペ泣ける動画……」


    「ハア、いくら泣いても……大して変わらないか」

    61 = 39 :

    (下妹は最初は……こうじゃなかった)

    (少なくとも、俺に直接悪口を言うようになったのは最近のはずだ)

    ~兄が大学に出て最初の夏休み~

    「ただいま!」

    「何だ出迎えも無しかよ……まあいいや手を洗おう」

    「ただいま」ガチャ

    「うわ兄ちゃんいたのかよ!何か臭いな!」

    「く、臭い?服か……」クンクン

    62 :

    やめなさい…

    63 = 52 :

    もうオレに明るい未来は無いのだろうな

    64 = 39 :

    「殺虫剤の臭さかな……洗濯しとくか」

    「しかし……久々に帰って来たんだしもう少し歓迎してくれてもいいんじゃないのか……?」

    「寂しいが、こんなもんが普通なのか……」

    「ただいま」ガチャ

    「お?」

    『ただいまにゃー!兄くんが帰ってきてるにゃー!』

    「ぶふwwww相変わらずでござるな兄者www」

    65 :

    なんとも言えない気持ちになるな

    66 = 46 :

    うむ

    67 = 39 :

    「えー、マジぬいぐるみ!?ぬいぐるみ触るのが許されるのは小学生までだよねー!キャハハ!」

    (おいおい……上妹はしばらく見ない内にヲタになっちまったのかよ)

    (まあ、俺も人の事は言えんが……)

    「ぬるぽ」

    「ガッ」

    (なんだかなあ……)

    68 :

    こんなに話しかけられるクズニート兄などいない

    69 = 39 :

    (しかし、あれだな)

    (最初は実家に帰りたくて仕方なかったが、三日もいれば十分だな)

    (早く上京して向こうの友達と遊びたい)

    「ねえ、もうそろそろあっちに帰ろうかと思ってるんだけど」

    「え、もう?」

    「うん」

    「もうちょっと下妹と遊んでやってよ」

    「?」

    「あの子『兄ちゃんいつ帰ってくるの?何日こっちに居るの?』ってうるさかったんだけど」

    「……」

    70 = 52 :

    この流れはもしや・・・

    71 = 17 :

    いもなでしえん

    73 = 39 :

    「2chにスレでも立てるか……」

    「スレタイ『妹がツンデレっぽいんだけど』」

    「本文『母に聞いたらいつまで俺が規制してるか気にしてるらしい』っと」

    「まさかあいつがツンデレ発言するとはなあ、ははは」

    74 = 39 :

    「兄ちゃん?」コンコン

    「ん?どうした?」

    「兄ちゃんもう帰るの?お母さんが言ってた」

    「あともうちょっとかな、母に引き留められてるし」

    (俺としては夏休み中こっちに滞在する理由がないけど、親からしたら休みの間向こうで過ごす理由が無いんだよなあ)

    「そう……」

    75 = 62 :

    しかし今は

    76 = 39 :

    (そしてあの年の冬、既に俺は授業をサボリがちになっていた……)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    「クリスマス消えろ、リア充氏ね!」

    ブーブー

    「携帯が鳴ってる……どうせまた親からだろ……この成績で帰省なんかしたくねえよ……」

    ブーブー

    「……」

    ブーブー

    「で、出たくない……電話こわい電話こわい」

    ブーブー

    77 :

    妹両方ともかわいいね

    78 = 39 :

    カチャ

    「……お母さんか」

    ブーブー……ピッ

    「は、はいもしもし?」

    「あ、兄?」

    「う、うん」

    「あのね、お祖父ちゃんがね……」

    「……」

    79 = 46 :

    むむ

    80 = 39 :

    「……」

    「……」

    「……」

    「……」

    「……」

    「……聞こえてる?」

    「き、聞こえてる……」

    「明日……帰って来てね」

    「う……グスッ」

    「兄?」

    「わ、分かった」

    81 = 39 :

    (当時俺は学生会館という飯風呂つきの寮に住んでいた)

    (公衆浴場で生ぬるい湯に浸かりながらさっきの電話を思い出し、また泣いた)

    (思えばここで真面目に生まれ変われなかったのが分岐点だったと思う)

    82 :

    なんだよこのやるせない気持ち

    83 = 39 :

    「……ただいま」

    「おかえり。晩御飯食べる?」

    「……うん」


    (妹達は既に寝ていた)

    (俺は数カ月ぶりの温かいベッドで眠り、翌朝を迎えた)

    84 = 39 :

    (涙は気紛れだった。気分一つで止まらなくなったり、どうしても流れなくなったりした)

    (よくある話だが、肉親を亡くして素直に泣けない俺は薄情者なのかと疑ったりもした)

    (父の運転する車に揺られ、母方の実家、祖父の家へと向かった)


    「パソコン買ったらしいな」

    「今の時代、PCが無いと授業についていけないからね」

    「どこのにしたんだ?」

    「○○」


    (そんな会話をしているうちに祖父の元へと着いた)

    85 = 39 :

    (祖父は仏壇の前で静かに横たわっていた)

    (周囲には顔が分かったり分からなかったりする親戚がいた)

    (俺は祖父の手前に座らされた。自然に正座になった)


    「……」

    「う……ぅぐううぅうぅ……」

    親戚1「泣くな泣くな」

    親戚2「何も泣くような事じゃない。ずっとお別れじゃなくて仏さんになっただけだ」

    「うぅうぅぅ……ぐぅぅううう……」

    親戚3「ちょっと隣の部屋に行ってみかんでも食べてきなさい」

    「くぅうぅぅうう……」

    86 :

    死んで泣ける祖父がいるのはある意味羨ましい

    87 :

    葬式の最中は泣かないけど火葬場着いてからがやばい

    88 = 39 :

    「……俺のおばあちゃん、お前のひいばあちゃんだが……覚えてるか」

    「……うん」

    「俺もその時はお前みたいな状態だった」

    「……うん」

    89 = 62 :

    俺、感情がねえんだ

    90 = 86 :

    祖父母がろくでもないからそう思った

    91 :

    うちのじいちゃんは80越えてたし終始和やかな雰囲気だったけど
    火葬所はたしかに独特の雰囲気だっな

    92 :

    幸せじゃないか
    ニートで今度両親が離婚する俺は家庭のぬくもりも安泰な未来もない

    93 :

    まさに上妹と下妹を足して割ったみたいな弟がいるニートの俺

    94 :

    火憐と月火なら最高

    95 = 39 :

    (お通夜の晩は本当に知らない親戚のおっさん達と一緒に、寺で寝ずの番をした)

    (当時はまだ未成年だった。酒を呑む自分が想像できなかった)

    おっさん1「ストーブの近くにこのプラスチックのコップおいて大丈夫かな」

    おっさん2「融けなきゃ大丈夫だろ」

    96 = 17 :

    起きたか

    97 = 39 :

    おっさん2「お前んとこの息子、今どうしてるんだ」

    おっさん1「プーですわ、プー」

    青年「へへ……」

    「……」

    この時はこの青年と同じような立場になるとは露とも思っていなかった

    99 = 39 :

    (いや、思っていなかったと言うと嘘になるか)

    (そうなる可能性は常に頭の片隅にあった……)

    ~火葬場にて~

    職員「では、このボタンを押しお別れしてださい」

    祖母「う、う、うぅぅ……」カチ

    「……」

    「……」

    「……」

    (これでばあちゃんは一人になるんだな……俺達が顔出して支えないと)

    100 = 39 :

    (俺はそのまま年末年始を迎えた)

    (祖父や他の先祖に恥じぬ生き方をすると誓った)

    (喪中に何故「あけましておめでとうと」言わないのかを悟った)

    (何もめでたくないからだ……)


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