元スレP「野生のぷちどるってどうやって生きてるんだ?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
51 = 24 :
ちひゃーがだしたのは100円だった
「あの、お客様…512円なのですが…?」
「くっ?」キョトン
「ですからあと412円を…」
「く………」
ようやくちひゃーはお金が足らないことを理解した
「くぅ…」トボトボトボ
どうやって店から出たのかちひゃーは覚えていない
ただ食事をするのにもっとたくさんのお金が必要なことはわかった
この日の午後、ちひゃーは歌うことをやめた
54 = 24 :
かわりにがま口を持ってお金を恵んでくださいアピールをすることにした
「くぅー くっくぅー」ペコペコ
「くっ くっ くぅー」ペコペコ
その必死さが通じたのか、夜にはもう100円もらうことができた
「くぅぅ…」ションボリ
しかし今のちひゃーは200円では弁当すら買えないことを知っている
「くぅぅ」トボトボ
「くっ!?」
歩いていると目の前に大きく100の文字が
しかもどうやら飲食店らしい
55 = 24 :
かわりにがま口を持ってお金を恵んでくださいアピールをすることにした
「くぅー くっくぅー」ペコペコ
「くっ くっ くぅー」ペコペコ
その必死さが通じたのか、夜にはもう100円もらうことができた
「くぅぅ…」ションボリ
しかし今のちひゃーは200円では弁当すら買えないことを知っている
「くぅぅ」トボトボ
「くっ!?」
歩いていると目の前に大きく100の文字が
しかもどうやら飲食店らしい
56 = 24 :
「くっ?」ビクビク
不安げに店内に入るちひゃー
「…いらっしゃいませ?」
店員の態度にももうなれていた
「店内でお召し上がりですか?」
「くっ」コクン
よくわからないがメニューの隅に100円と書かれた品があった
「くっ くっ」ペチペチ
「ハンバーガーがお二つ…でよろしいでしょうか…?」
幸いにもこの店員のコミュニケーションスキルは高かった
「くっ」コクン
「二点で200円になります」
「くっくー!」フンス
「商品とこちらレシートのお返しです」
57 :
全財産使ってしまったか…
58 = 24 :
「くー!」トテトテトテ
トレーを受け取りテーブルへと急ぐちひゃー
「ありがとうございましたー」
店員の声すらもう聞こえていなかった
テーブルにつき包み紙をはがす
二日ぶりの食事だった
「くー♪くー♪くーー♪」ガツガツ
おいしかった
かつてこんなにおいしいものをちひゃーは食べたことがなかった
「くっ」ゲップ
瞬く間に一つ食べ終えると、二個目に手を伸ばし…
59 = 24 :
やめた
次に食事を取れるのはいつなのかわからない
二個目はもって帰ることにした
「くー」トテテテテ
寒空のしたちひゃーは走り、昨日の公園に戻ってきた
が、公園は昨日とは様子が違っていた
大き目の遊具の横にはちひゃーのダンボールの家が
そしてなぜかトイレの横にもう一つダンボールがあったのだ
「くぅぅ」ソーーー
そっと忍び寄るちひゃー
拾ってあげてください、と書かれたダンボールの中には
「にゃおん?」
一匹の子猫がいた
60 = 31 :
くっ くっ
61 = 24 :
「くっ…」
捨てられたのかとちひゃーは察した
「にゃー」グルルルル
子猫はお腹をすかせていた
もともとちひゃーは動物が好きだ
お使い途中で犬と遊んで目的を忘れてしまうくらいに
「くぅぅぅ…」カンガエチュウ
悩んだ末にちひゃーは
「くっ」ポイ
とっておいたハンバーガーを子猫にやった
62 = 32 :
Pの元にいけば…
壁にバレるか
63 = 24 :
「にゃーにゃーにゃー」ガツガツガツ
子猫は嬉しそうに平らげた
「くっ くっ」ナデナデ
ちひゃーは仲間ができたことを喜んでいた
しかし子猫のほうはそんなちひゃーの気も知らず
「くにゃーーー」
と大あくびして眠りだした
「くっ」ピョーン
するとちひゃーも子猫のダンボールに入り込んだ
一人と一匹で過ごす夜は、一人で過ごす夜よりは暖かかった
64 :
タマネギ入ってるかもだからあげちゃらめええええ
65 = 24 :
>>31>>32>>37>>40>>53支援感謝
>>34お…おう…
>>42そのネタもらった
>>44>>47まかせろ
>>46吸ってる訳じゃないんだ、火をつけてるだけなんだ
>>49SSなんだし細かいことは気にすんな
>>52すまんな、これ以上の速度は…
>>57こんな時間まで見ててくれて感謝
>>60くっ?
>>62ばれるな
>>64猫じゃねーし
66 = 24 :
次の日
子猫に別れを告げて、ちひゃーは再び路上で歌いだした
仲間ができたことでちひゃーはやる気を取り戻していた
「くぅぅぅ♪く♪く♪く♪くぅぅぅんにゃ♪」
しかしちひゃーの歌にお金を払ってくれる人は現れなかった
それでもちひゃーは歌い続けた
午後
「あーちょっと君ぃ」
「くっ!?」
歌い続けるちひゃーに話しかけてくる二人組みが現れた
67 = 24 :
「困るんだよねー、こんなとこでパフォーマンスされちゃ」
「許可とってやってる?ほんとなら罰金なんだけど…」
「くっ?」
こんなちんちくりんな生物が歌を歌っていたらそれだけでニュースになる
ツイッターなどでは大騒ぎだった
冗談だろうと思いつつ、暇つぶしに二人の警官がやってきたのだ
しかし
「君、免許ある?なにか身分を証明できるものは?」
「くっ?」
「家はどこなのかな?お父さんやお母さんは?」
「くぅ」
話にならなかった
68 :
ふ
69 = 24 :
「どうする?これ?」
「とりあえず署まで連れ帰ります?」
「どうやって調書作るんだよ?」
「知りませんよ」
「はぁ、捜索願いでも出てなかったかなぁ?」
「くっ!?」ピクン
捜索という言葉にちひゃーは反応した
白と黒の車に乗った青いやつら
迷子の捜索を生業とする警察というやつなのかもしれない
もし千早が警察に相談していたら、またあそこに連れ戻されてしまう
70 = 68 :
ふ
71 = 24 :
「くぅー」ソローリ
「本部、本部、捜索願いの確認をお願いします」
「えーっと髪は青、筋肉モ…」
「おい、いなくなってるぞ」
「な、なんだってー」
「くっ」スタコラサッサ
「おい君、待ちたまえ」
「くっくー」ニゲロニゲロ
………無事に逃げ切れたようだ
しかしもうこのあたりで歌うことはできなくなってしまった
72 = 24 :
気がつけば日も暮れる
帰りたかったが子猫の存在が頭をよぎる
何か食べられるものを…と、辺りを見回したちひゃーに焼き芋の販売車が見えた
「くっ?」トテトテトテ
近づいてみると
「一本150円」
という看板が見えた
「くぅぅ」ションボリ
ここでもお金か…
確認しなくてもお金がないことは分かりきっていた
あきらめきれないちひゃーは一途の望みをかけて
「くー」クィクィ
店員に声をかけた
73 = 68 :
ふ
74 = 24 :
「なんなんだこの生き物はぁ?」
いつも通りの反応の後
「くっくー くぅぅ」グルルルルル
腹の虫で空腹をアピールする
一本でいいから恵んでくれ、と
しかし
「汚い猫だな、あっち行け!しっしっ!」
追い払われてしまった
「くっ」ションボリ
あきらめて公園に向かって歩き出すちひゃー
「くぅぅ」ノロノロ
昨日食べられただけに余計空腹が身にしみる
こんなはずじゃなかったのに…と思いながら歩いていると、後ろから物音が聞こえてきた
75 :
ゆっくりしていってね!
76 = 24 :
「くっ?」クルッ
女性が焼き芋らしき袋をかかえてこちらに歩いてきたのだ
「くぅぅぅ」イライライラ
なんでお前らばっかりお金を持ってるんだ!こっちは死ぬほど大変なのに!
ちひゃーはその女性に怒りを感じた
さらに子猫の存在が免罪符となったのだろう、ちひゃーは物陰に隠れた
そして女性が近づいてきた瞬間
「くっ!」ガブリッ
「きゃぁぁぁぁぁ」
ちひゃーは女性の足に噛み付いた
そして驚いた女性が落とした焼き芋の袋を奪い
「くっ くっ!」トテテテテテテ
逃走した
女性が何か叫んでいたが気にせず走った
77 :
そろそろか
78 = 24 :
「くっ くっ くっ」ハァハァハァ
気がつけば公園前
そして手には食べ物
「くー」ホッ
手段はともかく今日の食料が手に入ったことにちひゃーは安心した
「にゃー」
子猫の声が聞こえた
「くっくっくー!」ピョーイ
ちひゃーは駆け寄ってダンボールの中を確認した
「にゃおん?」グルルルル
昨日と同じ状態だった
「くー」フンス
ここでようやくちひゃーは強奪品の袋の中を確認した
79 = 24 :
焼き芋が…一本だけだった
「くっ」ガッカリ
さすがに足らないがちひゃーは子猫と半分に分けた
「くー くー」モグモグ
「にゃーにゃーん」ガツガツ
子猫のほうは満足したのか
「くにゃー」
と鳴くとちひゃーに擦り寄ってきた
するとちひゃーも気持ちよかったのか
「くにゃー///」
と鳴きながら子猫と戯れた
「にゃおーん」
「くっ くっ」ナデナデ
帰るところがあるっていいなと思いながら、ちひゃーは眠りについた
81 = 68 :
ふ
82 = 24 :
次の日
「くっくー!」
「にゃー!」
子猫におはようをいってからちひゃーは出かけた
今日はいつもと違う場所で歌うことにした
昨日の二人組みに見つからないようにするためだ
「く♪く♪く♪くぅぅぅ♪」
今日は好調だった
なんと日が暮れるまでに720円ももらえたのだ!
83 = 68 :
ふ
84 = 24 :
やっぱり場所が悪かったんだ
ちひゃーは確信した
「くっくっくー♪」ピョイピョイ
がま口が重かった
嬉しい重さだった
「くっ?」
今日の夕食はどうしようと考え
「くー♪」トテトテトテ
一昨日のハンバーガー屋に行くことにした
「いらっしゃいま…きゃーーー!」
85 = 68 :
ふ
86 = 24 :
「くっ?」
店員が悲鳴を上げると同時に、奥から店長らしき人物が出てきた
「どうした?」
「な、なんかボロ雑巾みたいなのが…」
「くっ?」キョロキョロ
ちひゃーはゴキブリでも出たのかとあたりを見回した
「おいおいなんだよこれ?」
「知りません!いきなり店に入ってきたんです!」
ちひゃーは気づいてなかった
ここしばらくの野宿のせいで自分の見た目、臭いがいかに悲惨なのかを…
髪はボサボサでネコ耳っぽさはどこにもなく、茶色いコートは牛乳を拭いた雑巾のような臭いがした
87 = 31 :
いいねえww
支援
88 = 24 :
「追い払ってくださいよぉ~店長!」
「わかった落ち着け!」
そして
「しっしっ」ペンペン
店長がモップで叩きだした
「くー!くー!」ヒッシ
お金ならある!なにをするんだ!と抗議したが結局店から追い出されてしまった
「くぅぅ!」プンスカ
ちひゃーは怒った
金がないと何も手に入らない…金があっても売ってくれない…ならどうすればいいんだ!
「くっ!?」アッ
別の店に行こう、簡単なことだ
支援ありがとう!お前ら大好きだぜ
89 = 24 :
「くくぅぅ」トテテテテ
昨日の焼き芋屋を見つけた
「くー?」ソーット
とりあえず店員の反応を見るために慎重に近づく
すると
「お前昨日の!?」
よかった、気づいてもらえた
「くっくー♪」ピヨーイ
これで今日も食事がとれる
しかし
90 :
しあ
91 = 24 :
「くぐぎぃぃぃぃぃ!?!?」
店員に蹴られた
ここでようやくちひゃーは昨日自分が何をしたのか思い出した
「この薄汚い泥棒猫が!いい根性してやがる!」
店員は続けて踏みつけてきた
「くっ!くっ!」
必死で抵抗するちひゃー
「昨日!うちの!常連を!襲ったんだって!?」
「ぐっ!」
何度も腹にけりが入る
「俺が!知らないとでも!思ったか!?」
「ぐぅぅっ!」
顔面も蹴られた
92 = 24 :
「もう二度と現れんな!」
「ぐひゃぁぁ!」
細い道路だったが、反対側まで蹴り飛ばされた
がま口がこわれてお金が飛び散ったが
「くぅっ!くぅっ!」ズルズル
今は逃げるのが最優先だった
足を引きずりながら焼き芋屋が見えなくなるところまで逃げた
「くぅくぅくぅ」ブルブルブル
ちひゃーは震えた
きのう焼き芋を奪ったのは確かに自分が悪い…けどこの仕打ちはあんまりだ
お金を失った挙句体中が痛む
93 = 68 :
ふ
94 = 24 :
「くぅ…」トボトボ
いつもより重い気分で公園に向かう
その途中
「みゃー」
「くっ!?」キョロ
聞きなれない猫の声がした
今の自分の状態を考えたら早く公園に帰ったほうがいいのは明らかだったが
「くぅっ」テトテト
ちひゃーは声のするほうに向かった
曲がり角をまがるとそこには一軒のレストランの裏手だった
95 = 24 :
猫の集まっているところは生ゴミ置き場だった
猫達はゴミ置き場の扉は開けられないが、ちひゃーなら開けることができそうだ
ちひゃーは迷った
もしかしてまだ食べられるものがあるかもしれない
でもゴミ漁りなんて…
数分の後、ちひゃーはゴミ置き場の中に入った
「くっくー!!」
そこには食べ物がたくさんあった
まだ食べられそうなパンに肉、ケーキのかけらもあった
96 = 68 :
ふ
97 = 24 :
「くっ!くっ!くっ!」ガサゴソガサゴソ
ちひゃーは次から次へとゴミ袋を荒らした
「くーくー!」ガツガツガツ
「くっ!」ゲップ
満腹だった
食べ物を手に入れるのってこんなに簡単だったのか、と満足感の中で考えた
「みゃーみゃー」
「くっ?」
猫達にも分けてやるか
そう思ったちひゃーはゴミ置き場の戸を全開にした
「みゃおーん」
なだれ込む猫を尻目に、ちひゃーは子猫への食料を持って公園に帰っていった
98 = 68 :
ふ
99 = 24 :
酷い一日だったけど、最後にいいことあってよかったと思いながら
「くぅっ」ブルブル
やはり夜は寒い、かってに歩みが速くなる
公園に戻ったちひゃーは子猫に今日の食料を与えようとしたが…
今日は先客がいた、それも人間の
「くっ!?」
まさか…と思った次の瞬間
子猫はその人の腕の中にいた
そして子猫は嬉しそうに喉を鳴らし公園から去っていった
「…」
残されたのは
ちひゃーと
ちひゃーのダンボールの家と
子猫のいたダンボールの家だけである
みんなの評価 : ☆
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