元スレシンジ「ターミナルドグマ最大トーナメント……!?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
<ネルフ>
グニャ~……
空間を歪ませ、父子が対面を果たす。
ゲンドウ「久しぶりだな」
シンジ「父さん……ッッ!」
シンジ「ついに決着をつける時が来たね」ザッ
ゲンドウ「私は今ここでお前と戦うつもりはない」
シンジ「なんだって!?」
シンジ「父さんはぼくの目標であり、母さんの仇だ!
ぼくは今日まで父さんを倒すためだけに鍛錬してきたッッッ!」
シンジ「──なのに、どうしてだよ!」
ゲンドウ「お前には一ヶ月後に開かれる、
ターミナルドグマ最大トーナメントに参加してもらう」
シンジ「ターミナルドグマ最大トーナメント……!?」
2 = 1 :
シンジ「なんだよターミナルドグマって……」
ゲンドウ「ターミナルドグマとは、このネルフの地下にある闘技場のことだ」
シンジ「地下闘技場……ッッ」
ゲンドウ「15年前、人類は最強を決めるべく南極で格闘大会を開いた。
しかし大会は興奮した選手たちによって大乱闘となり、
その激闘の影響で、南極の氷は全て溶け、地軸はずれ、地球環境は激変した」
ゲンドウ「これがセカンドインパクトの正体だ」
シンジ「~~~~~ッッッ!」
(巨大隕石の衝突が原因じゃなかったのか……ッッ)
ゲンドウ「ゆえに我々は地下闘技場ターミナルドグマを作り、
選ばれた者だけが試合を行えるようなシステムを作り上げたのだ」
シンジ「知らなかった……父さんがそんなことをやっていただなんて……」
シンジ「でも……だったらなんで、今になってトーナメントなんか開くの!?」
3 :
破ッッ!!
4 = 1 :
ゲンドウ「南極での格闘大会……そもそもの発端は
南極に眠るアダムと戦いたい武術家同士の挑戦権の奪い合いからだった」
シンジ「今回もそうだっていうの……?」
ゲンドウ「そうではない」
ゲンドウ「ぶっちゃけた話、理由なんかなんでもいいんだ」
シンジ「!?」
ゲンドウ「強いヤツと戦いたいッッッ! 強いヤツを見たいッッッ!
これはもう、逃れようのない人類の本能なのだッッッ!」
ゲンドウ「だから私は地上最強の16名を集めて、トーナメントを開催する!!!」
シンジ「たとえサードインパクトを引き起こすことになっても……かい?」
ゲンドウ「そのとおりだ」
ゲンドウ「互いに勝ち上がれば、お前も私と戦うことができる。悪い話ではなかろう」
シンジ「…………」
ゲンドウ「出場するのなら早くしろ、でなければ帰れッッッ!」
5 :
新世紀武闘伝か。
6 = 1 :
シンジ「父さんの主張は理解できたし、大いに賛成するよ」
シンジ「だけど、どうして今ぼくと戦ってくれないの?」
ゲンドウ「今のお前では弱すぎて、私の相手にはならないからだ」
シンジ「弱い!? 師範(せんせい)のもとで鍛錬を重ねた、このぼくがッッッ!?」
ゲンドウ「そうだ」
ゲンドウ「今のお前は、私はおろか、同年代の格闘士(グラップラー)にも勝てん」
シンジ「ウソだよ、そんなの!
ぼくの実力は今や父さんに次いで、世界二位のはずだ!」
ゲンドウ「……葛城一尉、レイをここに」
ミサト「はい」
シンジの前に、綾波レイが現れた。
ゲンドウ「レイも私と同じく、ターミナルドグマ地下闘技場正ファイターだ。
この場で私と戦いたくば、まずはレイに勝ってみせろ」
シンジ「分かったよ……ッッ」
7 = 3 :
破ッッ!
8 :
ゲンドウ「イヤミか貴様か貴様ッッッ!!!!!!!!」
9 = 1 :
シンジ「邪ッッッ!」ダッ
ドザァッ!
シンジは高速タックルで、瞬く間にレイを押し倒した。
シンジ(よし! このまま寝技で一気に仕留め──)
レイ「どいてくれる?」
グルンッ!
あっという間にレイに体勢をひっくり返され──
逆にチョークスリーパーを極められてしまった。
レイ「あなたは勝てないわ、私が絞めるもの」ギュウウ…
シンジ「~~~~~ッッッ!」ジタバタ
シンジも必死にもがくが、レイのチョークは全く振りほどけない。
そして──
ドサッ……
レイ「失神しました」
ゲンドウ「勝負ありッッッ!」
10 = 3 :
ゲンドウはレフェリーか
12 = 1 :
目を覚ますシンジ。
シンジ「知らない天井だ……ッッ」
シンジ(ぼくはあの青い髪の女の子に挑んで、あっさりチョークを極められて……)
シンジ(ぼくは……負けたのかッッッ! 父さんどころか、あんな女の子に!!!)
ミサト「完敗だったわね、シンジ君」
シンジ「あなたは葛城さん……!?」
ミサト「ミサトでいいわよ」
ミサト「今、あなたには二つの選択肢があるわ」
ミサト「レイに勝てないようじゃお父さんには到底勝てないと逃げ出すか、
あるいは私のもとで修業してトーナメントに出場するか……」
ミサト「どうする、シンジ君?」
シンジ(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ)
シンジ「……出ます」
シンジ「だから……ぼくを一ヶ月で強くして下さい! ミサトさん!」
ミサト「決まりね」ニコッ
14 = 1 :
こうしてシンジはミサトに弟子入りし、同居生活が始まった。
シンジ「ミサトさん、いつもなにを飲んでるんですか?」
ミサト「アルコール100%のビールよ」プハァッ
シンジ(ビールじゃない……ッッ!)
~
ミサト「目標をセンターに入れて、スイッチ(中段突き)!」
シンジ「目標をセンターに入れて……スイッチ(中段突き)ッッッ!」
ビュバァッ!
~
シンジ「邪ッッッ!」
ペンペン「クエエエエッッッ!」
バシィッ! ドガァッ! ベシィッ! ドゴォッ! メキャッ!
15 :
ペンペンはバブルスくんポジ
16 = 1 :
転校先の中学校でも頼もしいライバルに出会う。
トウジ「すまんなァ、転校生」
トウジ「ワシはお前を殴らないかん。殴っとかな気が済まへんのや」
トウジ「ワシは強いヤツを見ると、殴りたくなる性分でな……」ザッザッ
シンジ(この軽快なフットワーク……ボクシングか!)
ドゴォッ!
シンジの顔面を、トウジの右ストレートが打ち抜いた。
シンジ「~~~~~ッッッ!」ヨロッ…
(N2兵器でもビクともしないぼくが、パンチ一発でぐらついた!?)
ケンスケ(すっげェ……同じ中学生にトウジのパンチを受けて
気絶どころかダウンもしないヤツが存在するなんて……ッッ)
17 = 1 :
シンジ「邪ッッッ!」
ズドォッ!
トウジの顔面を、シンジの突きが射抜いた。
トウジ「ぐおお……ッッ!」グラッ…
(なんてヤツや……ワシは天狗になっとったかもしれん!)
ヒカリ「ちょっとあなたたち、なにやってるの!?」
トウジ「ジャマが入りよったか……」
トウジ「転校生、お前も出るんやろ……? 最大トーナメント」
シンジ「うん」
トウジ「じゃ、この続きはその時や!」スッ…
シンジ「うん、約束だ!」スッ…
ガシィッ……!
固い握手で結ばれる、友情……!
18 = 1 :
ドイツからやってきたエリート格闘士との運命の邂逅。
アスカ「ねぇバカシンジ、なんであんたは格闘技を始めたのよ?」
シンジ「ぼくはアスカみたいに地位や名声は欲していない……。
父さんに勝てさえすればよかったんだ」
アスカ「あんたバカァ? 全く理解できないわ」
シンジ「父さんが地上で一番弱い生物なら……ぼくは二番目に弱い生物でよかった」
アスカ「あんたバキィ?」
シンジ「だけど、今はちがう」
シンジ「師匠であるミサトさんやペンペン……同世代の綾波やトウジ……。
次々に強い人と出会ううち……みんなに勝ちたくなったんだ」
シンジ「もちろん、アスカにもね」
アスカ「面白いじゃない……かかってきなさいよ!」
シンジ「邪ッッッ!」
19 = 1 :
両手でアスカの首を締めあげるシンジ。
ギュウウウウウ……!
アスカ「気持ち悪い」ブンッ
シンジ「!?」
アスカが軽く首を振るだけで、シンジは投げ飛ばされる格好となった。
ドザァッ!
シンジ(なんて首の筋力だッッッ!)
アスカ「あんたバカァ? この程度であの碇司令に勝てると思ってんの?」
シンジ「エフッ! エフッ! エフッ!」
アスカ「急に笑い出して……どうしちゃったのよ」
シンジ「嬉しいんだよ、アスカ……。
君みたいな猛者と同時代に生まれたということが……ッッ!」
アスカ「……ホントにバカね」
20 = 1 :
さらに──
シンジ(だれだろう……?)
海岸で、一人の少年が演武を披露していた。
カヲル「…………」ユル…
ユルゥ~…… ユラァ~……
シンジ(太極拳のようなゆるやかで無駄のない動き……なんて美しいんだろう)
カヲル「やぁ」クルッ
シンジ(気づかれた!? 気配は消していたはずなのに……ッッ!)
カヲル「武術はいいねえ。武術は心と体を鍛え上げてくれる。
リリンの生み出した闘争の極みだよ」
カヲル「そう感じないか? 碇シンジ君」
シンジ「なぜぼくの名前を……ッッ!」
カヲル「ボクも君と同じく、最大トーナメント出場者だからね」
22 = 1 :
シンジ「カヲル君、君の得意技はなんだい?」
カヲル「ボクは指を折り曲げて丸めた手を、
足腰と肩を使って前方にまっすぐ繰り出す技が得意だよ」
シンジ「君がなにをいってるのか分からないよ」
カヲル「突きってことさ」
ヒュワァッ!
カヲルの繊細な正拳突きで、水平線の彼方まで海が割れた。
ズザザザザッ……!
シンジ「~~~~~ッッッ!」
(綾波とも、トウジとも、アスカともちがう……ッッ!)
カヲル「ボクは君と戦うために、生まれてきたのかもしれない」
カヲル「最大トーナメントでは、ぜひ君と当たりたいね」
シンジ「……ぼくもだよ、カヲル君」
23 = 1 :
時を同じくして、シンジすら知らない猛者たちもうごめく。
リツコ「母さん……必ず仇は討つわ。力を貸してちょうだい」
~
加持「鈴を鳴らす時が来たか……」
~
時田「私のジェットアローン拳こそが、地上最強であると証明するッッッ!」
~
キール「碇よ……。お前の地上最強の称号も、トーナメントの日までだ」
24 = 1 :
ズガァァァンッ! ズドォォォンッ!
サキエル≪せりゃあッッッ!≫
バキィッ!
サキエルの上段突きが、サハクィエルのダイビングプレスを迎撃する。
サハクィエル≪ぐああ……ッ!≫ドザァッ
ラミエル≪勝負ありッッッ!≫
周囲の使徒たちがざわつく。
マトリエル≪~~~~~ッッッ!≫
シャムシエル≪まさか……サキエルがサハクィエルを下すとは……ッッ!≫
イスラフェル≪あのひよっ子がここまで成長するなんて……ッッ!≫
ゼルエル≪決まりだな≫
ゼルエル≪我々の陣営に与えられた二枠からは、私とサキエルが出場するッッッ!≫
サキエル≪ありがとうございます!≫
25 :
よえん
27 = 1 :
ゲンドウ「ユイ……いよいよ最大トーナメントの日が近づいてきた」
ゲンドウ「お前と当たることもあるかもしれんな」
初号機「…………」
ゲンドウ「あの日、お前がエヴァに取り込まれたのは本当に事故だったのか……。
あるいは──」
初号機「…………」
ゲンドウ「いや、問うまい」
ゲンドウ「今私にあるのは、お前やシンジを始めとする
世界中の猛者と戦いたいという闘争心だけだからなッッッ!」
ゲンドウ「エフッ! エフッ! エフッ! エフッ! エフッ!」
初号機「…………」ニィ~
そして、最大トーナメント当日となった!
28 = 1 :
<ターミナルドグマ>
この日、ターミナルドグマは一般開放され、大勢の観客が詰めかけていた。
ワイワイ…… ガヤガヤ……
冬月「地上最強の生物を見たいか~~~~~ッッッ!」
オオオオオオオオオオ~~~~~ッッッ!
冬月「私もだ、私もだみんな!」
冬月「選手入場!!!」
マヤ『全選手入場です!!!』
29 :
???「どっせい!!上段正拳っ!」
31 :
選手入場がクライマックス
32 = 1 :
『居酒屋殺しは生きていた! 更なる飲酒を積み人間凶器が甦った!
酒神! 葛城ミサトだァッ!!!』
『負けそうになり次第、自爆しまくってやる! 第3使徒、サキエルだァッ!!!』
『タイマンなら絶対に敗けん! 思春期のケンカ見せたる!
暴走中学生、碇シンジだ!!!』
『バーリ・トゥード(なんでもMAGI)ならこいつが怖い!
ネルフのデータ・ファイター、赤木リツコ先輩だ!!!』
『関西から炎のジャージが上京だ! ボクシング、鈴原トウジ!!!』
『チャーシューの無いラーメンを食いたいからチルドレンになったのだ!
クローンのケンカを見せてやる! 綾波レイ!!!』
『冥土の土産に人類補完とはよく言ったもの!
秘密結社ゼーレの権力が今、実戦でバクハツする!
人類補完委員会議長、キール・ローレンツだッ!!!』
『ジェットアローンこそが地上最強の代名詞だ!
まさかこの男がきてくれるとはッッ! 時田シロウ!!!』
33 :
おいキール
34 = 1 :
『闘いたいからここまできたッ! キャリア一切不明!
ゼーレのフィフスファイター、渚カヲルだ!!!』
『オレは使徒最強ではない全生物で最強なのだ!
御存知第14使徒、ゼルエル!!!』
『格闘技の本場は今やドイツにある! アタシを驚かせる奴はいないのか!
惣流・アスカ・ラングレーだ!!!』
『デカァァァァァいッ! 説明不要! エヴァンゲリオン初号機だ!!!』
『スパイの仕事はどーしたッ! スイカの水やり、未だ終わらずッ!
口説くも抱くも思いのまま! 加持リョウジだ!!!』
『特に理由はないッ! 学級委員長が強いのは当たりまえ!
学校にはないしょだ! 洞木ヒカリがきてくれた~~~~~!!!』
『葛城家で磨いた野性ファイト!
第3新東京市のデンジャラス・ペンギン、ペンペンだ!!!』
『ネルフの司令が帰ってきたッ!
どこへ行っていたンだ、サングラスッッ!
私たちはあなたを待っていたッッッ! 碇ゲンドウの登場だ~~~~~ッッッ!!!』
35 :
>『デカァァァァァいッ! 説明不要! エヴァンゲリオン初号機だ!!!』
ワロタwwww
つか使途はでかくないのかよ
36 :
いや、色々と説明必要だろ
38 = 1 :
~ トーナメント表 ~
<Aブロック>
┌─ 綾波レイ(ファーストチルドレン)
┌─┤
│ └─ 惣流・アスカ・ラングレー(セカンドチルドレン)
┌─┤
│ │ ┌─ 加持リョウジ(スパイ)
│ └─┤
│ └─ 碇シンジ(サードチルドレン)
─┤
│ ┌─ 洞木ヒカリ(学級委員長)
│ ┌─┤
│ │ └─ 葛城ミサト(ネルフ)
└─┤
│ ┌─ 時田シロウ(日本重化学工業共同体)
└─┤
└─ サキエル(使徒)
39 = 1 :
<Bブロック>
┌─ 渚カヲル(フィフスチルドレン)
┌─┤
│ └─ 初号機(エヴァンゲリオン)
┌─┤
│ │ ┌─ 碇ゲンドウ(ネルフ)
│ └─┤
│ └─ ペンペン(温泉ペンギン)
─┤
│ ┌─ 赤木リツコ(ネルフ)
│ ┌─┤
│ │ └─ 鈴原トウジ(フォースチルドレン)
└─┤
│ ┌─ ゼルエル(使徒)
└─┤
└─ キール・ローレンツ(ゼーレ)
40 = 1 :
ワアァァァァァ……!
マヤ『Aブロック第一試合ッッッ!』
マヤ『青龍の方角、綾波レイッッッ!
白虎の方角、惣流・アスカ・ラングレーッッッ!』
マヤ『いきなりの好カード、果たして勝ち抜くのはどちらの少女でしょうか!?』
マヤ『実況は私、伊吹マヤ! 解説に格闘技マニアの相田ケンスケ君を迎え、
お送りいたしますッッッ!』
ケンスケ『こりゃ、とてつもない勝負になりそうだねえ』
ワアァァァァァ……!
アスカ「ふん! いきなりあんたと当たれるなんて、クジ運に感謝するわ。
残念ながら、あんたはここで敗退よ」
レイ「二回戦、碇君と再戦するのは私よ」
アスカ「あんたバカァ? あいつが加持さんに勝てると思ってんの!?」
レイ「碇君は勝つわ」
アスカ「~~~~~ッッッ!」
日向「武器の使用以外、全てを認めます!」
日向「開始(はじ)めいッッッ!」
41 :
ペンペン…南無
42 = 1 :
ガゴォッ!
マヤ『オープニングヒットォッ!』
マヤ『アスカのアッパーが、綾波レイの顎を打ち抜きました!』
レイ「くっ……!」ガクッ
アスカ「さっきの威勢はどうしたのよ!?」
バキィッ! ドズッ! ドゴォッ! メキッ! ベシィッ!
マヤ『アスカの猛ラッシュに、レイ早くも活動限界かッッッ!』
だが──
アスカ「つっ……!」
マヤ『お~っと!? 攻撃をしていたアスカの両拳から、出血!?』
レイ「私は負けないわ、私が守るもの」
アスカ「マ、ワ、シ、ウ、ケ……ってわけね」
マヤ『マワシウケ?』
ケンスケ『空手道に伝わる、両手をそれぞれ円を描くように動かす防御法さ。
廻し受けを完璧に成し遂げたなら、
ATフィールド以上の防御力を得るといわれている!』
43 :
これちゃんと完結するのか?するなら期待
44 = 1 :
アスカ「だったら……フル稼働、最大戦速で打ち込むまでよッッッ!」
ドズゥッ! ベキィッ! バゴォッ!
再びアスカの拳がヒットし始める。
レイ(速い……ッ! 防御技が……追いつかない……ッッ!)
ケンスケ『ンなるほどォ~~~~~ッッ!
いかに堅固な受け技も、出させなければ意味がないってことか!』
マヤ『右ストレート! 左フック! 右ローキック! 左アッパー!
面白いように打撃がヒットしますッッッ!』
レイ(こっちも反撃に出ないと……ッッ!)ヒュッ
アスカ「無駄よっ!」ブオンッ
人の域を超えた、凄まじい攻防が繰り広げられる。
「これ本当に一回戦かよ」 「スッゲェ~」 「どっちも頑張れッッッ!」
シンジ「…………」ゾクゾクッ
シンジ(優勝も夢じゃない二人だけど……勝ち上がれるのは一人だけ……ッッ!)
シンジ(これが……ッッ! これが最大トーナメントか!!!)
45 = 1 :
ワアァァァァァ……!
マヤ『お~~~~っと、どうしたことでしょう!?
ここでアスカの腹部から、突然の出血ゥゥゥッ!』
アスカ「…………」ジワァ…
アスカ「ロンギヌスの槍でも通さないんだけどね……あんた、なにしたの?」
レイ「貫き手」ボソッ
シンジ(あのアスカの鋼鉄の腹筋を……ただの貫き手で……ッッ!?)
ゲンドウ(本気になったレイの貫き手は……ロンギヌスの槍以上の貫通力を誇る!)
アスカ「ふうん……」
アスカ「この程度で、負けてらんないのよッ! キャオラッッッ!」ダッ
加持「いかん!」
レイの狙いはダメージではなく、アスカの怒りを誘うことにあった。
ザクゥッ……!
マヤ『~~~~~ッッッ! アスカの首に、貫き手が突き刺さったァッッッ!』
青葉「しょ……勝負あ──」
46 = 1 :
アスカ「殺してやる……殺してやる……殺してやる……殺してやる……ッッ!」ブシュウウ…
レイ「まさか……!」
マヤ『アスカ、再起動ッッッ!』
ケンスケ『おいおいウソだろ? 頸動脈を完全に切断されたってのに……ッッ!』
アスカ「頸動脈がなくったって……こちとらには一万二千の技と、
鍛え抜いた肉体があるんだからッッッ!!!」
レイ「~~~~~ッッッ!」
ズガンッ! ドゴンッ! メキィッ! グシャアッ! ドゴォッ!
ガゴンッ! ズバァッ! ドグァッ! メキャッ! ズバァンッ!
マヤ『殺気に満ちたアスカの猛攻に、レイ、もはや打つ手なし──』
マヤ『────!?』
アスカ「……血が足りないわ。やだな……ここまでなの」
アスカ「悔しいけど……あんたの勝ちよ……」ガクッ
ドッサァッ……!
青葉「勝負ありッッッ!」
レイ(あと一撃もらってたら……私の敗けだった……ッッ)
47 = 1 :
シンジ「アスカ……すごい出血だったけど大丈夫かな……。
綾波も相当なダメージのはずだし……」
加持「オイオイ、人の心配してる場合じゃないぞ」
シンジ「加持さん!」
加持「次は俺たちの番だ。葛城に教わった全てを……俺にぶつけてこい」
シンジ「……はい!」
ワアァァァァァ……!
ケンスケ『さっきの試合がすごかったから、観客もまだ沸き立ってるねぇ~』
マヤ『Aブロック一回戦、第二試合を行います!』
マヤ『青龍の方角、加持リョウジッッッ!
──対しまして白虎の方角、碇シンジッッッ!』
マヤ『試合直前にもかかわらず、加持リョウジ、水を飲んでいますが……!?』
日向「開始(はじ)めいッッッ!」
加持「シンジ君……俺はここで水を吹くことしかできない」
プシュッ!
48 :
しえん
49 :
シンジが刃牙で再生される
50 = 1 :
加持が口から吹き出した水が、シンジの右目近くにヒットした。
シンジ「!?」
ゴボゴボゴボ……
まるで溺れるように、もがき苦しむシンジ。
マヤ『どうしたんでしょう!? シンジ君……いえ碇シンジの様子が変です!』
ケンスケ『あの加持さんって人……水で“涙穴”を狙ったね』
マヤ『ルイケツ?』
ケンスケ『目の下にある急所の一つさ。
人間はここに高速で水をぶつけられると、目と鼻に同時に水が入り──
溺れてしまうんだ』
シンジ「ガボォッ……ゴボォッ……!」
ミサト(加持君……子供相手になんてえげつない技を!
いえ……これこそが武術家、加持リョウジの本性ッッッ!)
加持「──だが君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。
それは俺に倒されることだッッッ!」ダンッ
溺れているシンジを、加持の容赦のない攻撃が襲う。
みんなの評価 : ★
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