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    元スレ池田「みんなー、お薬の時間だし」

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    1 :

    荒川病院隔離病棟、地下10階


    「ポン!」

    (聴牌濃厚ですね)トン

    竜華「ここはちゃうやろー」トン

    美穂子「そこが通るなら、これも通りますよね」トン



    「あー!もう!相変わらず防御が堅いわね。いいわよ自分でツモるから」

    3 :

    憧の口調が違う気が

    4 = 1 :

    「いいんですか、聴牌してるの言って?」

    「どーせ、バレてるでしょ。何年このメンツで打ってると思ってるのよ」

    竜華「せやせや。和がダマテンしてんのも知ってんで」

    美穂子「竜華さんもですね。あらあら、聴牌してないのは私だけですか。どれ切るか、迷いますね」



    ガラガラ

    池田「おーい、お前達。ご飯とお薬の時間だし。ってまた麻雀か。今日は誰が一位だし?」

    5 = 1 :

    「私よ、私」

    池田「ふーん、どれどれ」

    池田(原村の不要牌が当たり牌かー。これは振り込むかな)

    「」ヒュ


    「待ってました!それロン!」

    「…はい」ジャラ



    竜華「おっ、二位の和から直撃で、一位は憧かー」

    美穂子「残念。明日は勝ちますよ」


    「じゃあ、和のこのお菓子貰うね」

    「それ新作のお菓子なんですよ!?よりにもよってそれを選びますか!」

    6 = 1 :

    池田「残念だったし。まぁでも、総合では一位なんだし、たまにはいいだろ」

    美穂子「ちょうど、今日の対局で1000回目になったわね」

    竜華「いっぱいやったなぁ。もう完全に、あんたらの癖から考え方までわかったで」

    「そうね。いつになったら、退院出来るんだろうね。私達」



    池田「…もうすぐだし。心の病が治ったら、いつでも退院出来るし」

    7 :

    レズでもこじらせたか

    8 :

    これはおもしろそう

    9 :

    竜華「池田さんの料理おいしいわー」モグモグ

    美穂子「そーいえば、華菜。貴方の妹さんは、元気かしら?」

    池田「えぇ、三人とも元気ですよ。来年には高校生になりますし。全員風越に受かりましたし」

    「へぇー、池田さんの妹さんが三人も風越に…」

    「阿知賀は灼が、先生になってるんだって。全国大会行けるといいけど」

    竜華「あぁ、千里山と対戦した時の副将戦の子やろ?一番目立ってたし、よーく覚えてるで」

    10 = 9 :

    竜華「そんで、大将戦で阿知賀の子が…」

    「・・・」ズキッ

    「そうそう、あの時」


    池田「その話、ストップだし!お前達、この薬飲むし」

    美穂子「これ頭がキーンとなって、苦手なのよね」

    竜華「せやな…。頭の中から大事な記憶がごっそり抜けて行くみたいな」

    「はい。飲んだ後の喪失感が、すごく嫌いです」

    「なんか頭痛い…。飲まなくていい?」

    12 :

    13 = 9 :

    池田「ダメだし。退院出来ないぞ。飲むし」

    みんな「…」ゴクゴク


    竜華「頭がクラクラする…」

    「あれ…私、なんで晩成じゃなくて阿知賀に入ったんだっけ?」

    「今まで麻雀打って、一番強かったのは…、宮永照さんだったかな?」

    美穂子「私がキャプテン…、確か龍門渕さんと加治木さんと…、染谷さんの提案で合同合宿をしたのよね?」


    池田「…みんな、ゆっくり寝るし。朝起きたら、忘れてるし」

    みんな「はーい」

    14 :

    あかんこれは・・・

    15 = 9 :

    --------------------
    ----------
    -----


    「で、経過の方はどうなん?」

    池田「はい、今の所順調ですし。言語機能や日常生活に異常は見当たりませんし」

    「そっか…。じゃあ、このまま投薬を続けて行こう。経過を見て、本人達とも面会させてみようか」

    池田「そうですね。まだ早いとは思いますけど」

    「せやね。全てを忘れる事が出来たら…、晴れて退院やな」

    16 :

    あわわわわ

    17 :

    ほう

    18 = 9 :

    池田「しかし、人の恋愛感情を制御するっていい事じゃないですよね」

    「まぁ…それはな。けど、この実験が上手くいけば犯罪の抑制とか、犯罪者の更生とか色々とめちゃくちゃ役に立つで!」

    池田「それはそうですけど…」

    「科学の発達に犠牲は不可欠やで。まぁ、両想いの恋人や夫婦を引き裂くわけやないんやから」

    池田「そうですね…。重すぎる愛は、毒か…」

    「せやで。人類の偉人も愛や欲ゆえに失敗した人も少なくないんや。この実験で、人の感情が支配出来たら、もっといい世の中になるで」

    19 :

    20 = 9 :

    半年後

    池田「おーい、先生からテレビの設置許可が出たぞー」

    竜華「なんやて!?」

    「テレビ!わーい、ドラマとか見れる」

    「プロの麻雀の試合とかも見れますよ」

    美穂子「私はあまりテレビを見る習慣はなかったけど、いい暇つぶしになるわね」



    池田「早速、つけるし」ポチッ

    21 = 9 :

    実況末原『さて、日本プロ麻雀リーグも最終戦。宮永咲と宮永照の姉妹対決が今年もやってまいりました』

    解説藤田『後二人は、江口と愛宕か…。みな同じ世代の子達だな』

    末原『えぇ、特に主将…ではなく愛宕洋榎さんは、初めての大将を任されており、緊張が見えますね』

    藤田『姫松は中堅がエースだったからな。って解説の私より、お前の方が詳しいんじゃないか?』



    竜華「あっ、セーラや!プロに入ってたゆうてたけど」

    「へぇー、やっぱプロになったんだ。これに勝った人が、今年の優勝みたいだよ」

    23 = 9 :

    美穂子「みんなあんまり変わってないわね」ウフフ

    池田「キャップはテレビに映ってる人と、全員対局経験がありましたね。大丈夫ですよ。キャップが退院すれば、プロの即戦力ですし」

    美穂子「そうだといいわね。いつか私もあの場にね」

    「・・・」



    末原『先制は、やはり宮永照!一本場なので、誰も止められないかー』

    藤田『あの子の一本場は、プロ最速聴牌だから、厳しいね。瑞原プロが居れば、一本場でも対抗出来なくもないが』

    24 = 12 :

    25 :

    はやりん何歳だよ

    26 = 9 :

    末原『宮永照の連荘で、宮永照の親番が来てしまったー!』

    藤田『そろそろ止めたい所だな。まぁ、誰か動くだろう』


    『カン!嶺上開…』

    洋榎『おっと、待ちや。それ槍槓や』


    末原『宮永(妹)が動いたかと思いましたが、なんと愛宕の槍槓が成立!』

    藤田『宮永(妹)の嶺上開花は、珍しくとも何ともないが愛宕の槍槓はレアだな』



    「えっ?藤田プロは、何を言ってるんですか?嶺上開花も珍しいと思いますが…」

    27 :

    >>25
    34か・・・
    もはやアラサーでさえないのか・・・

    28 = 9 :

    池田「どうしてそう思うし?」

    「嶺上開花が起こる確率知ってますか?確率は5%程度です。しかも、宮永照さんのリーチがかかってるのにカンだなんて…」

    「オカルトめいた打ち手のようですね」

    池田「…そうだな。私も散々、苦しめられたし」



    「えっ…、和。覚えてないの?自分の高校のクラスメイトでしょ?」

    竜華「せやで。あんたが副将で、咲ちゃんが大将やったやん」

    29 = 9 :

    「あれ…、そうでしたか?私のクラスメイト?」

    「この宮永照さんの妹の事が書いてある雑誌かなにかありませんか?」

    池田「選手名鑑ならあるし」


    「ふむふむ」パラパラ

    「本当ですね。私と同い年で、清澄高校出身ですね…」

    「優希が面会に来た時に聞いてみます」

    池田(片岡にはすでに口裏を合わせるように言ってあるんだよなぁ)

    30 = 9 :

    末原『決まったーーーーー、宮永(妹)の数え役満が炸裂だーーーー!』

    藤田『ほぅ…、姉に勝ったか。てっきり今年も姉が勝つかと思ってたが』

    末原『選手、監督みんな出てきて、胴上げです!小鍛治プロが抜けて以来の初めての優勝になりました!』



    『咲、おめでとう』ギュッ

    『ひ、久。テレビの前だからね、家に帰ってからね』



    美穂子「・・・」ズキッ

    美穂子「あれ…、眩暈が…」

    31 = 12 :

    32 = 9 :

    美穂子「さっきまで何とも無かったのだけど…」

    池田「キャップ、お薬飲むし」

    美穂子「えぇ、そうするわね」



    末原『そーいえば、宮永(妹)は今年優勝出来たら、結婚すると言ってましたね』

    藤田『なにぃ!?また一人、結婚するのかー。って、久と?姉さん女房か』

    末原『お知り合いですか?』

    藤田『君も見た事あるだろ。清澄高校の部長だった子だよ』

    末原『あぁ…、主将と対戦してた…。髪の毛が伸びてて、わかりませんでした』

    33 = 9 :

    「・・・」フラッ

    「池田さん、私にもお薬下さい」

    池田(こっちもか)

    池田「はいはい、ちゃんと飲むし。飲んで全てを忘れるし」



    竜華「ええなー。結婚かー」

    「私達も、入院さえして無ければ、誰かとしてたかもね」

    竜華「○○と?」

    「ん?今、なんて?」

    竜華「○○、○○。あれ?私、何言おうとしてたんやろ?セーラ、泉、浩子?」

    「二文字じゃないの?ってか、竜華は女子校でしょ?男の知り合い居たの?」

    34 :

    咲久とか無いわ

    35 = 19 :

    あーそういうわけか
    誰も悪くない分キツイやつ

    36 = 9 :

    竜華「男…。いや、友達すらおらんで」

    「結婚って、男とじゃない?普通は」

    「IPS細胞のおかげで、同性と結婚するケースも最近は多いですよ」

    「そっかー。そーいえば、お姉ちゃんも晴絵と結婚したな」



    美穂子「ぐっ…」ズキィ

    美穂子「加治木さんも、後輩の女の子と結婚しましたよ」

    「ふーん、じゃあ私も…。○○と。あれ?」

    「玄さんか宥さんじゃないですか?穏乃と灼さんは、三文字ですし」

    「う、うん。そうだね。玄か宥?初瀬?なんか違う気がする」

    37 = 19 :

    灼ちゃん頑張ったのに報われずか…

    38 = 9 :

    池田「ち、チャンネル変えるし」ピッ


    いちご『ここが最近、話題のラーメン屋じゃけー。美味しいと巷で評判なんで、ちゃちゃのが突撃レポートするんじゃ』

    いちご『ごめんくださーい』


    『はい、お冷お待たせです』

    いちご『どうもー。店で一番おすすめのラーメン一つじゃ』

    『はい、しばしお待ちを』テクテク



    竜華「…看板娘かいな?健気で可愛らしい子や」

    39 = 19 :

    40 = 9 :

    いちご『う、うまい!』ズルズル

    いちご『秘伝のタレは何をベースにしてるんじゃ?』

    穏乃『イノシシ…えー、あっそれは秘密です!』

    『コホン、旦那はラーメン好き過ぎて、ラーメン屋を自分で開店するに至りました。私も病弱やけど、人手が足りんので店に出てるんです』

    いちご『はー、なるほど。これだけ美味しかったら、さぞ忙しいんじゃろうな』

    穏乃『そうなんですよ。アルバイトも募集して…』


    ピッ

    「・・・」ムスッ

    池田「どうしたし?」

    「なんかテレビ見てる気分じゃない。麻雀しよ」

    竜華「せやな。久しぶりに最高潮まで持って行けそうやわ」

    41 :

    なんてカップリングだ……

    42 :

    この子達も一歩間違えれば健気で可愛らしい子達やったんや…

    43 :

    なんもかんもレズ推奨の作風が悪い

    44 = 12 :

    ・・・コレとっつかまってる意味なくね?

    45 = 9 :

    「で、どうやった?」

    池田「は、はい。大丈夫そうでしたし。具合が悪くなる程度で…」

    「あの子らが、入院したての頃はひどかったな…。暴れるわ、物壊すわ、泣き喚くわ…」

    池田「そうだし。とても一般人と同じ病棟は、危険過ぎるし」

    「今や、防弾ガラスで部屋全体を覆ってる…。素手で強化ガラスをぶち壊した時は、オシッコちびったな」

    池田「象を眠らせる麻酔銃で鎮圧したし」



    「この治療もいよいよファイナルフェイズやで」

    池田「はいだし」

    47 = 9 :

    そして三か月後

    「ほ、ホントに大丈夫なんでしょうね?」カタカタ



    「大丈夫です。理論上は、もう完全に竹井さんの事は覚えてません」

    池田「監視カメラもあるし、警備員もいっぱい配備してるし」

    「いきなり刺されたりしないかしら…」

    「刺されたら、すぐ治療出来るで」

    池田「先生、その冗談笑えないし…」

    48 = 41 :

    ファッキューヒッサ

    49 = 9 :

    「はぁ…和は後輩だし、美穂子はいい友人だものね…。元に戻るなら戻って欲しいわね」

    「じゃあ、覚悟決めてちょいと面会して来てや。まぁ、死にはせんやろ」

    池田「そうだし。キャップの退院がかかってるんだし」

    「わかったわよー。行くわよ!」



    ギィィィィィ

    「ど、どもー。和、元気にしてるかしら?」

    50 = 9 :

    「あれ…部長じゃないですか。あぁ、今は竹井さんですかね」

    「清澄の元部長だー」

    竜華「そーいや、見た事あるな。ってこの前、テレビで見たな」

    美穂子「…どなたかしら?」



    「和。ごめんね。面会になかなか来れなくて。新子さんと清水谷さんね。名前は知ってるわよ」

    「そして…。初めまして福路さん」ニコッ


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