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元スレあかり「最近結衣ちゃんがあかりのお世話をしてくれる」
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自分の駄目なところを、思いつく限り潰した。
小学校に入るころには、自分でもそれなりに変われたと思っていた。
事実、結衣と肩を並べて歩くことに、抵抗も感じることもなくなり、優越感に浸っていた。
ちょうどその頃、結衣は長かった髪をばっさり切った。
小学校に入るころには、自分でもそれなりに変われたと思っていた。
事実、結衣と肩を並べて歩くことに、抵抗も感じることもなくなり、優越感に浸っていた。
ちょうどその頃、結衣は長かった髪をばっさり切った。
私がその意味を知るのは、かなり未来のことになる。
中学生になった。
その時には、結衣との関係────私の奇抜な行動に結衣が文句をいいながらも着いてきてくれる。
そんな光景が、日常の一部となっていた。
中学生になった。
その時には、結衣との関係────私の奇抜な行動に結衣が文句をいいながらも着いてきてくれる。
そんな光景が、日常の一部となっていた。
京子「今日からここが娯楽部の部室だっ!」
結衣「堂々と無断占拠の宣言をするな」
結衣「だいたい娯楽部ってなんだよ」
京子「楽しいことっ」グッ
結衣「訳わかんないし」
京子「せっかく中学生になったんだからさ、おもしろおかしいこと一杯したいじゃん」
結衣「堂々と無断占拠の宣言をするな」
結衣「だいたい娯楽部ってなんだよ」
京子「楽しいことっ」グッ
結衣「訳わかんないし」
京子「せっかく中学生になったんだからさ、おもしろおかしいこと一杯したいじゃん」
京子「ここは、そのための秘密基地だ」
結衣「秘密基地……」
京子「作ろうぜ、結衣。」
京子「私たちの娯楽部を!」
結衣「……たく、しょうがないな京子は」
私は心からの笑顔で答えた。
結衣「秘密基地……」
京子「作ろうぜ、結衣。」
京子「私たちの娯楽部を!」
結衣「……たく、しょうがないな京子は」
私は心からの笑顔で答えた。
娯楽部。この部活動は私にとって大きな意味がある。
結衣との関係は盤石なもので、そう簡単になくならないだろうと信じていた。
けれど、心の奥底には不安があった。
新しい学友たち、その中に、私から結衣を奪う存在があるのではないかと。
結衣との関係は盤石なもので、そう簡単になくならないだろうと信じていた。
けれど、心の奥底には不安があった。
新しい学友たち、その中に、私から結衣を奪う存在があるのではないかと。
幸運にも、結衣と同じクラスに配属された。これで、教室内での結衣の交友関係を把握できる。
とすると、新しい人間関係のうち、しかも結衣を束縛するもの。その最たるのは部活動である。
さっそく、外堀を埋めにかかった。
放課後の時間を結衣とともに過ごせる空間、娯楽部の創設。
そこに結衣を引きこむことに成功した。
とすると、新しい人間関係のうち、しかも結衣を束縛するもの。その最たるのは部活動である。
さっそく、外堀を埋めにかかった。
放課後の時間を結衣とともに過ごせる空間、娯楽部の創設。
そこに結衣を引きこむことに成功した。
私は、学校では常に結衣と居た。休み時間、放課後、片時も離れることなく。
プライベートでも二人で遊びに言った。一人の時間ほうが短かった。
入学から一年。懸念していたような"恐ろしい事態"もなく、満たされた日々を送っていた。
プライベートでも二人で遊びに言った。一人の時間ほうが短かった。
入学から一年。懸念していたような"恐ろしい事態"もなく、満たされた日々を送っていた。
二年生に進級してしばらくしたある日のこと、ついに、恐れていた事態が起こってしまった。
安寧を脅かす存在が表れた。
そう、吉川ちなつ。彼女が娯楽部の門をたたいたのだ。
「よ、吉川ちなつです。入部希望ですっ」
安寧を脅かす存在が表れた。
そう、吉川ちなつ。彼女が娯楽部の門をたたいたのだ。
「よ、吉川ちなつです。入部希望ですっ」
まさしく奇跡だった。
愛と正義の魔女っ娘ミラクるん。アニメの住人だった憧れのヒーローが現実に飛び出してきた。
あんなにも興奮したのは、後にも先にも、この時だけだ。
だけど、そんな気分もすぐに打ち破られた。
「ちなつちゃん、なにかあったらすぐに言いなよ、私が守ってあげるから」
愛と正義の魔女っ娘ミラクるん。アニメの住人だった憧れのヒーローが現実に飛び出してきた。
あんなにも興奮したのは、後にも先にも、この時だけだ。
だけど、そんな気分もすぐに打ち破られた。
「ちなつちゃん、なにかあったらすぐに言いなよ、私が守ってあげるから」
「ちなつちゃん、なにかあったらすぐに言いなよ、私が守ってあげるから」
私の心に、大きな波風が立った。
虚を突かれ、心の片隅に追いやっていた不安が、再び鎌首を擡げ始めた。
泣きだしてしまいたかった。今すぐにでも堰を切って。
私の心に、大きな波風が立った。
虚を突かれ、心の片隅に追いやっていた不安が、再び鎌首を擡げ始めた。
泣きだしてしまいたかった。今すぐにでも堰を切って。
「だいじょうぶ、京子はわたしが守ってやる」
私に、私だけにかけてくれた、どんな沈んだ気分でも、たちまち薔薇色にかえてくれる魔法の言葉。
それを、ついさっき出会ったばかりの少女に向かって言い放った。
たちまち気もそぞろになった。
私に、私だけにかけてくれた、どんな沈んだ気分でも、たちまち薔薇色にかえてくれる魔法の言葉。
それを、ついさっき出会ったばかりの少女に向かって言い放った。
たちまち気もそぞろになった。
しかし、長年積み上げてきた道化としての自分が、本心を押しとどめさせた。
我ながら、あれには無理があった。ミラクるん変身セットを買いにいくだなんて。
しかし、そんな常識はずれな理由でも、私を行動させるには十分だと思われていた。
”そう思われる自分”を演じてきたのは、他ならぬ自分だけども。
我ながら、あれには無理があった。ミラクるん変身セットを買いにいくだなんて。
しかし、そんな常識はずれな理由でも、私を行動させるには十分だと思われていた。
”そう思われる自分”を演じてきたのは、他ならぬ自分だけども。
その日、私は自室にこもり考えた。
はたしてそれは、ほんとうに幸運なことだったのだろうか?
恐かった。遠くない日に、結衣が彼女に心を移してまうのではないかと。
他人に愛情を向けてほしければ、自分の方から愛情を向けなければならない。
そんな、使い古された説教が頭に浮かんだ。
はたしてそれは、ほんとうに幸運なことだったのだろうか?
恐かった。遠くない日に、結衣が彼女に心を移してまうのではないかと。
他人に愛情を向けてほしければ、自分の方から愛情を向けなければならない。
そんな、使い古された説教が頭に浮かんだ。
ただ、結衣の隣にいれるだけで十分だった。
私はそこで止まっていたんだ。これでは次の段階に進むことなんてできない。
そう。そんな絡繰りを見て見ぬふりで逃げつづけていた。
胸襟を開いて弱い自分をみせる強さも必要だったんだ。
私はそこで止まっていたんだ。これでは次の段階に進むことなんてできない。
そう。そんな絡繰りを見て見ぬふりで逃げつづけていた。
胸襟を開いて弱い自分をみせる強さも必要だったんだ。
でも、結衣はどうなんだろう。結衣の気持ちは私と同じなのだろうか?
胸騒ぎがする。心臓が早鐘を打つ。
人目をはばかるように、隠し通してきた不安。その秘奥で芽生えていた懐疑。
私たちの関係は、ほんの些細はなきっかけで壊れてしまうのではないか。
胸騒ぎがする。心臓が早鐘を打つ。
人目をはばかるように、隠し通してきた不安。その秘奥で芽生えていた懐疑。
私たちの関係は、ほんの些細はなきっかけで壊れてしまうのではないか。
私を守ると言った結衣。ちなつちゃんを守ると言った結衣。
どちらを信じればいいのか分からない。
もう、この迷いに背を向けることはできなくなった。
なんらかの覚悟を決め、節を全うしなければならない。
どちらを信じればいいのか分からない。
もう、この迷いに背を向けることはできなくなった。
なんらかの覚悟を決め、節を全うしなければならない。
恋の始まり、傷口を舐めた舌の感触。私の王子様だった結衣。
あの記憶を辿っていくと、あのころ、心に点っていた熱が鮮明に蘇る。
溢れんばかりの陶酔感が私をつつみこむ。
今なら、どんなことだって出来る。
あの記憶を辿っていくと、あのころ、心に点っていた熱が鮮明に蘇る。
溢れんばかりの陶酔感が私をつつみこむ。
今なら、どんなことだって出来る。
でも、今の結衣のことを考えても、それは得られない。
それどころか、自分でも分かるくらいに眉を曇らせるばかりだ。
おかしなことだ。同じ結衣なのに私に与える印象が180°異なっている。
どうしてこうなったのか? 思考は深みはまるばかりで、なんの解決ももたらしてくれない。
それどころか、自分でも分かるくらいに眉を曇らせるばかりだ。
おかしなことだ。同じ結衣なのに私に与える印象が180°異なっている。
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