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    元スレ幹也「お給料下さい…何でもしますから」橙子「ん?」

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    1 :

     ― 伽藍の堂 ―



    橙子「……」ペラペラ…


    タタタタタ…


    橙子「ん?」


    ギイイイ…バタン!


    幹也「おはようございます、橙子さん!」

    橙子「あら。おはよう、幹也君。君が走って出社してくるなんて珍しいわね」


    幹也「……」ハァハァ…

    橙子「まだ出社時刻ギリギリって訳でもないけど……何かあったの?」


    幹也「はぁ、その事なんですが……――出社して早々に不躾ですが、お給料下さい橙子さん」

    2 = 1 :

    橙子「……」

    橙子「……」カチャ


    橙子「――出社して、挨拶の次に出て来る言葉がそれか?……呆れて言葉が出んよ」

    幹也「言葉は無理に出してもらわなくても構いませんから……お給料、お金を出してくださいよ、橙子さん」


    橙子「何で?だって今日は別に給料日でも何でも」

    幹也「給料日です」


    橙子「……」

    幹也「……」


    橙子「ああ……もう一ヶ月経ったのか……」

    幹也(この人、完璧に忘れてたな……)

    4 = 1 :

    橙子「本当に月日が経つのは早い……光陰矢のごとしとは上手く言ったものだと思わんか、黒桐」

    幹也「ええ、そうですね」


    橙子「そうか……私が倫敦の時計塔で人形作りに明け暮れていたのも、もう八年近くも前の事になるのか……懐かしい」シミジミ…

    幹也「関係のない話で誤魔化そうとしても駄目です。それよりお給料」ズイッ


    橙子「……」

    幹也「言葉は無理に出さなくても結構ですけど……こっちは多少の無理をしてもらってでも出してもらいますからね」


    橙子「まあ、ちょっと待て。その話は、別に朝のコーヒーを一杯飲んでからでも遅いという事はないだろう?」

    幹也「コーヒーを淹れれば話を聞いていただけるんですね?」


    橙子「まあ、考えてやらん事もない」(聞くとは言ってない)

    幹也「ちょっと待ってください、今淹れてきます」


    ……………………

    5 :

    封印指定されなかったら相当な金持ちだったろうに…

    6 = 1 :


    橙子「……」ゴク…

    幹也「……」ゴクゴク…


    橙子「うん、今日も良い味だ。やはり君の淹れるコーヒーは格別だね、黒桐」

    幹也「何か取って付けたみたいですけど……ありがとうございます。で……橙子さん、お給料の事」


    橙子「……もう。君はさっきから口を開けば『金』『金』『金』、か」

    幹也「……」


    橙子「私は君を金銭欲の薄い男だと思っていたんだがね……」

    幹也「二ヶ月も貰える物を貰ってなけりゃそりゃがめつくなりますよ」


    橙子「あー……」

    7 = 1 :

    幹也「今日と言う今日は払ってください、お給料」

    橙子「……」


    幹也「勿論、先月と先々月の分も合わせて」

    橙子「…………」


    幹也「橙子さんー……?」ゴゴゴゴゴ…

    橙子「……………………」


    橙子「……」ハァ…



    橙子「……払ってあげたいのは山々なんだが。残念な事に金がない……むしろ、私が君から借りたい位で……」

    幹也「本当にどうやって生活してるんですか、あなたは。どうせまた変な物買っちゃったんでしょう!」


    橙子「今度のは1800年物の」

    幹也「聞きたくありません!」

    橙子(黒桐が声を荒げるなんて珍しいな……)

    9 = 1 :



    幹也「……」ジーッ… ←無言の抗議

    橙子「……」

    幹也「…………」ジーーッ…

    橙子「…………」カチッ…

    幹也「……………………」ジーーーッ…

    橙子「……………………」シュボッ…


    幹也「……」ガクッ

    橙子「……」フゥーッ… 



    幹也(何で……この人は……自分に非があるのに、ここまで堂々としていられるんだろう……)

    橙子「……」 ←鉄面皮

    10 = 1 :



    幹也「うぅ……」

    橙子「……」


    幹也「そうやって……余分な物を買うお金があるなら……ちゃんとお給料払って下さいよ……」

    橙子「突然の出会いだったからな……いや、君には悪い事をしたと思っているんだよ?申し訳ない」


    幹也「うそだ……絶対思ってない……」

    橙子「……」 ←『良く分かってるじゃないか』という顔


    橙子「いつものように社員は各自で金銭を都合してくれ」

    幹也「無理ですよ……流石に三ヶ月連続となれば誰も貸してくれません。……と言うか橙子さん、先月と先々月も同じ事言いましたよね?」

    橙子「ふむ……」

    幹也「うぅ……」

    11 = 3 :

    コクトーも苦労人だな

    12 = 1 :



    橙子「……そんなに生活に困っているのか?」

    幹也「ええ、おかげ様で」


    橙子「皮肉と言うのはあまり堂々と言っても効果はないぞ。……で、どうなんだ?実際の所」

    幹也「……」


    幹也「今はもう……毎月の食費を工面するだけで精一杯で……」

    橙子「……」


    幹也「もう家賃を何ヶ月か払えてないから……アパートも追い出されて……」

    橙子「ほう……それは大変だな。それでそれで?」


    幹也(この人、絶対面白がって聞いてる……)

    橙子「……」ニヤニヤ

    13 = 1 :



    橙子「で、今はどこで寝泊りしてるんだ?まさかどこか橋の下で野宿している訳でもあるまい」

    幹也「……」


    橙子「実家……は親御さんと喧嘩してるんだったな。なら友人の家か?」

    幹也「……」


    橙子「いや、これも違うか。……借りた金を中々返さない奴を泊める友人などいないだろう。となると……」

    幹也「……


    橙子「……もしかして?」

    幹也「ええ、お察しの通り……僕は今、式の家で寝泊りさせてもらってます」


    橙子「ほほう……」ニヤニヤ」

    14 = 8 :

    ほほう……

    15 :

    ほほう…

    16 :

    良い口実ができてよかったですねえ(ゲス顔

    17 = 1 :



    橙子「なら、急いで給料を出す必要もないだろう。来月までゆっくりと式の所で世話になれば良いじゃないか」

    幹也「流石にそこまで甘える訳には行きませんよ。式にだって迷惑だろうし……」


    橙子(多分、大して迷惑に感じてないと思うがな……)


    幹也「唯でさえ、ご飯も式の所でご馳走になってるのに……」

    橙子「なら食費も浮いて良いじゃないか」

    幹也「食費はちゃんと折半にしてます。最も、作るのは全部式任せですけど……」

    橙子「ふぅん……」

    18 = 8 :

    夫婦だったか

    19 :

    くそっ!くそっ!(ガンガン

    20 = 1 :



    幹也「今日だって、食費が浮くからってお弁当を持たせてくれようとしてくれて……」


    橙子(それって愛妻弁当って奴じゃないのか?)


    橙子「それ、持ってきてるのか?」

    幹也「いえ……気持ちは嬉しかったんですけど、返しました」


    橙子「……どうして?」

    幹也「……式、自分の分を作るのを忘れていたんですよ。だから、どうせ作ったのなら学校で食べたら?って」


    橙子「……」

    幹也「? ……何ですか、橙子さん」

    21 = 1 :



    橙子「はぁ……」

    幹也「ど、どうしたんですか橙子さん?急に溜息付いて……」


    橙子(あの面倒くさがり屋の式が……何でわざわざ人のために弁当を作ったのか、分からんのかこの朴念仁は……)


    幹也「……とにかく。式にだって学校があるんだし、いつまでも居候させてもらっていちゃ彼女に迷惑が掛かるじゃないですか」

    橙子「多分思ってないだろう……」ボソ


    幹也「だから……早く滞納してる家賃を払って、僕は自分のアパートに戻りたいんです」

    橙子「今の内に同居生活を楽しんでおけば良いのに……」ボソ


    幹也「それに……式と約束したんです」

    橙子「?」

    23 = 1 :



    幹也「もし家賃を払ってあのアパートに戻れるようになったら……今度は式がたっぷり僕の部屋で寝て良いよって」

    橙子「…………」


    橙子「……それ、式に面と向かって言ったのか?」

    幹也「? ええ、そうですけど」


    橙子(こいつの事だから別におかしな意図がある訳じゃないんだろうが……式はどう受け取ったかな)


    幹也「だから……お願いします、今日お給料を受け取ったらすぐに家賃を払って、またあのアパートに戻れるようにしたいんです」

    橙子「これでまた今月も彼女の所で世話になるようだと、男として格好が付かないものな」

    幹也「……っ、そうです……」

    24 = 1 :



    橙子(式にあまり無様な所を見られたくないんだな……黒桐もそれなりに男って事か)


    幹也「無理は承知の上です……橙子さん、お給料下さい」

    橙子「……」


    幹也「何でもしますから……!」

    橙子「……」ピクッ


    橙子「ん?今何でもするって言ったよね」

    幹也「……」ビクッ


    橙子「それじゃあ、『黒桐君』……」ニヤニヤ

    幹也(今僕は、お金欲しさにとんでもない事を言ってしまったのでは……?)

    25 :

    コクトーって鈍感キャラだっけ?

    26 = 16 :

    >コーヒーを淹れれば話を聞いていただけるんですね?
    >ん?今何でもするって言ったよね

    ホモスレにしよう(提案)

    27 = 1 :



    橙子「肩、揉んでくれる?」

    幹也「へっ?」


    橙子「へっ?じゃなくて……肩揉んでくれるように頼んでるんだが」

    幹也「はぁ……そりゃ、頼まれれば揉みますけど……」


    橙子「最近どうも肩凝りが酷くてな……いや、良い機会だ」

    幹也「……橙子さん。本当に肩を揉めば、お給料を出していただけるんですね?」

    橙子「ああ。今ここに現金はないが……何とかしよう。約束する」

    幹也「……分かりました。約束ですからね」


    …………
    ………
    ……

    28 = 1 :



    (もみもみ)


    橙子「……」

    幹也「……」


    (もみもみ……ぐいっ)


    橙子「ん……」

    幹也「どうですか?」


    橙子「なるほど……いや、上手いじゃないか黒桐」

    幹也「ありがとうございます。橙子さん、結構凝ってますね?」


    (もみもみ)


    橙子「ふぅ。いや、本当に……君は凝ってる所を見つけるのが上手だな」

    幹也「ええ、まぁ……」

    29 = 3 :

    30 = 1 :



    橙子(ふむ……何かを『探す』、という黒桐の才能は……こういう所でも生かされているのだろうか)

    幹也「……」

    橙子(それとも単に……?)


    (もみもみ……ぐりぐり)


    橙子「ふぅ……」

    幹也(……大分、凝りも解れてきたかな・・・・・・?)


    橙子「いや、凄く心地良い……大分楽になった」

    幹也「喜んでいただけて何よりです」

    31 = 1 :



    橙子「ここまで来たらついでだ……肩以外も頼めるか?」

    幹也「と、言いますと?」

    橙子「そりゃあ腰とか背中とか……後足も凝ってるな」

    幹也「えっ……流石にそれは」



    橙子「してくれれば給料に色を付けてあげても良いんだがな……」

    幹也「分かりました、やります!」(即答)


    橙子「良い返事だ。その言葉が聞きたかった」クスクス


    …………
    ………
    ……

    32 = 16 :

    逆寝取り期待してもいいんですかぁ?(迫真)

    33 = 1 :


    橙子「……」

    幹也「……」


    (ぐいぐい……ぐっぐっ)


    橙子「おっ……」

    幹也「……」


    橙子「いや、生き返るな……」

    幹也「……」


    幹也(肩以外も大分凝ってるな……普段そんなに忙しそうに働いてるイメージはないのに)


    橙子「はぁー……」

    幹也(やっぱり人形作りって疲れるのかな……そりゃあれだけ精巧な出来の奴だもんな……)

    34 = 1 :



    橙子「なあ、黒桐」

    幹也「はい、何ですか橙子さん?」

    橙子「君、誰かにマッサージするのはこれが初めてか?」

    幹也「ええ、ここまで本格的な奴は多分初めてです」


    橙子「む……とするとやっぱりこれは天性の物か……?」ブツブツ

    幹也「……」


    (もみもみ)


    橙子(大分慣れた手付きに見えるんだがな……)

    幹也「ふぅ……」

    橙子(初めてなのか?とすると……)

    37 = 1 :



    橙子「なあ、黒桐」

    幹也「はい?」


    (もみもみ、ぐっぐっ)


    橙子「……」

    幹也「……?」


    橙子「やっぱり女体の扱いには式で慣れてるのか?」

    幹也「ぶっ!」


    橙子「……」クスクス

    幹也「な、な、な……!」

    38 = 1 :



    橙子「どうした黒桐?『な』だけじゃ分からんぞ」

    幹也「橙子さん、何言ってるんですか!止めてくださいよ本当に……」

    橙子「ん?いや、マッサージは初めてだと言う割にとても上手だから、君……」

    幹也「だからって……本当に初めてですよ、僕……」


    橙子「ふむ、まあそれは確かだとしても……黒桐?」

    幹也「……今度は何です?」


    橙子「君、女の体にこういう風に触れるのは初めてじゃないんだろう?」

    幹也「ファッ!?」

    39 :

    筆おろしか寝取りなのか
    そこが大事

    40 :

    またホモスレか壊れるなあ

    41 = 1 :



    橙子「私の体に触れる時も、君は意外と動揺してなかったからな」

    幹也「な、あ、え……」


    橙子「これが今まで一度も女に触れた事もない男なら震えるなりはするよ」

    幹也「ちょ、ちょっと待っ……」


    橙子「という事は……式の家に寝泊りし始めた折に、君は式と」

    幹也「分かりました……その話はよしましょう、はいやめ!」


    橙子「む……何故話してはいけないんだ黒桐」

    幹也「いやいや……今その話はマッサージには関係ないですし……」

    橙子「ふむ、それもそうか。それじゃこれはまた別の機会に話すとして……」

    幹也(出来ればもうこの話題はしたくないな……一度話せばずっと橙子さんにおちょくられそうな気がする……)

    42 :

    よしいいぞ

    43 = 1 :

    橙子「黒桐」

    幹也「はいはい……何ですか、もう」


    橙子「返事も段々投槍になってきたな……さっきからずっと手が止まってるぞ」

    幹也「え?あ……」


    橙子「うむ……やはり君が初めて式の体に触れた日の事を」

    幹也「すいません、それだけは勘弁してください!」


    (もみもみ……ぎゅっぎゅっ)


    橙子「おお、気持ち良い。やっぱり君は女体を扱う事にかけてはプロ並だな」ニヤニヤ

    幹也「うぅ……」



    …………
    ………
    ……

    44 = 1 :



     ― 伽藍の堂・外 ―



    「……」



    幹也『えっ?式、お弁当作ってくれたの? そりゃあ凄く嬉しいけど……あれ?君、自分の分は作ってないのか……』

    『……』

    幹也『……それじゃ僕が貰う訳にはいかないな。折角自分で作ったんだから、学校でお昼に食べたらどう?』



    「……あの、莫迦」ボソッ…


    「……」スタスタ…


    …………………

    45 :

    SRZM先輩か織との濃厚なホモプレイはまだ?

    46 = 1 :



     ― 伽藍の堂 ―


    「……」コツコツ

    (学校休んでまで……弁当届けにきたって言ったら、あいつはどんな顔するかな……)


    「……」コツコツ

    (ここに来た事に驚いて……次は学校を休んだ事を注意して……。でも……)


    「……」コツコツ

    (でも……最後にはお礼を言いながらちゃんと受け取る気がする。食べた後に呑気な顔で『美味しかった』って、言ってくれる気がする)


    「……」

    「……」クス…


    何でホモSSを書かなくちゃいけないんですか(正論)

    48 = 1 :


    …………


    「……」

    (この扉の向こうに……あいつが居るのか。それに、トウコも……)


    「……」

    (お弁当を届けにきたって言ったら……きっと、トウコは冷やかすだろうな。幹也だって……もしかしたら、あんまり良い顔しないかも)


    「……」


    (でも、良いんだ……もう決めた事だから。あいつに、これを渡すって……)


    「―――よしっ……」


    ギイイイ……バタン


    「幹也、弁当届けに来た……―――っ?」

    49 = 35 :

    50 = 16 :

    修羅場か


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