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元スレ咲「働きたくない、絶対に」
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きっと秀さんが「あげってんの~♪あがってんぞ~♪」って出てくるぞ!
咲ちゃんにチョンチョンってされて、どうもとか言われたら惚れるだろ
────
咲「へぇ、じゃあ水原さん、昔は麻雀プロだったんだ?」ニコニコ
裕太「んー、まぁね。つまらないことして研修生で資格剥奪されたけど」
咲「それでもスゴいですよー。その時は会社員もやってたんでしょ?」キラキラ
裕太「んー──」ポリポリ
裕太(……何だこいつ、いやに馴れ馴れしいな……)
裕太「まぁ、試験受かればプロになるのは簡単だからな」
咲「へぇ、じゃあ水原さん、昔は麻雀プロだったんだ?」ニコニコ
裕太「んー、まぁね。つまらないことして研修生で資格剥奪されたけど」
咲「それでもスゴいですよー。その時は会社員もやってたんでしょ?」キラキラ
裕太「んー──」ポリポリ
裕太(……何だこいつ、いやに馴れ馴れしいな……)
裕太「まぁ、試験受かればプロになるのは簡単だからな」
裕太「──それで、咲ちゃんだっけ? 俺に何か用なの?」
咲「えっ?」パチクリ
裕太「いや、わざわざ追いかけて食事のお誘いしてくれたのはありがたいけどね」
裕太「まさかこんな世間話するために来たわけじゃないだろ?」
裕太(ナンパとも思えんし)
咲「?」キョトン
咲「いえ別に。世間話しに来たんですよ?」
裕太(…………)
咲「えっ?」パチクリ
裕太「いや、わざわざ追いかけて食事のお誘いしてくれたのはありがたいけどね」
裕太「まさかこんな世間話するために来たわけじゃないだろ?」
裕太(ナンパとも思えんし)
咲「?」キョトン
咲「いえ別に。世間話しに来たんですよ?」
裕太(…………)
咲「ああいうところに来る人がどんな人なのか、ちょっと興味がありまして」ニコッ
裕太「……ふーん」
裕太(賭場で相手の事情を探るのはマナー違反なんだが、まぁ若いし仕方ないか)
裕太「他の人らにも聞いて回ってるの?」
咲「いえ、興味を持った人だけ」
裕太「──」
咲「あっ、別に口説いてるわけじゃないですよ?」ヒラヒラ
裕太「……あっそ」ハァ
裕太「……ふーん」
裕太(賭場で相手の事情を探るのはマナー違反なんだが、まぁ若いし仕方ないか)
裕太「他の人らにも聞いて回ってるの?」
咲「いえ、興味を持った人だけ」
裕太「──」
咲「あっ、別に口説いてるわけじゃないですよ?」ヒラヒラ
裕太「……あっそ」ハァ
裕太「君、今大学生?」
咲「──そう見えます?」パチクリ
咲「一応今年で26なんですけど……」
裕太「え゛っ、そうなの? 俺と大差ないじゃん」
裕太(言うほど若くなかった。単に馬鹿なだけか)
裕太「普段は何してんの?」
咲「? 麻雀ですよ?」
咲「──そう見えます?」パチクリ
咲「一応今年で26なんですけど……」
裕太「え゛っ、そうなの? 俺と大差ないじゃん」
裕太(言うほど若くなかった。単に馬鹿なだけか)
裕太「普段は何してんの?」
咲「? 麻雀ですよ?」
裕太「いや、仕事は?」
咲「そんなものありません」キッパリ
裕太「…………」
咲「私、麻雀やる時間を減らしてまで仕事なんかできません」
咲「ちょっと友達と遊ぶくらいならいいけど、毎日何時間も拘束されるのとか、あり得ませんから」
裕太「……あ、あっそ」
咲「そんなものありません」キッパリ
裕太「…………」
咲「私、麻雀やる時間を減らしてまで仕事なんかできません」
咲「ちょっと友達と遊ぶくらいならいいけど、毎日何時間も拘束されるのとか、あり得ませんから」
裕太「……あ、あっそ」
裕太(……何だろう、こいつものスゴい馬鹿なのに──)
咲「それでもあえて職業を答えるなら、麻雀打ちってことですかね?」クスッ
裕太(見てて全然嫌悪感を覚えないや)
咲「水原さんも、そんな感じ?」
裕太「…………」
咲「?」
裕太「……どうなんだろ。分かんないや」ポリポリ
咲「それでもあえて職業を答えるなら、麻雀打ちってことですかね?」クスッ
裕太(見てて全然嫌悪感を覚えないや)
咲「水原さんも、そんな感じ?」
裕太「…………」
咲「?」
裕太「……どうなんだろ。分かんないや」ポリポリ
裕太「うちは母子家庭でさ、だから俺は進学も諦めて馴染めない会社員なんかしてたんだけど」
裕太「牌王位……や、さっき言ったつまんないことってのの頃にさ、お袋が男と暮らし始めたんだ」
咲「……」ジー
裕太「それから、俺の仕送りを断るようになったんだよ」
裕太「牌王位……や、さっき言ったつまんないことってのの頃にさ、お袋が男と暮らし始めたんだ」
咲「……」ジー
裕太「それから、俺の仕送りを断るようになったんだよ」
裕太「それでもう、俺が無理に仕事をする理由はなくなったわけなんだけど」
裕太「別に何も変わらないんだよな」
咲「……」ジー
裕太「辞めない限りは当然仕事は続けなくちゃだし、プロとして生きることもその時には出来なくなってたし」
裕太「……まぁ結局、仕事辞めたんだけどな」
裕太「別に何も変わらないんだよな」
咲「……」ジー
裕太「辞めない限りは当然仕事は続けなくちゃだし、プロとして生きることもその時には出来なくなってたし」
裕太「……まぁ結局、仕事辞めたんだけどな」
裕太「会社の寮を出て、ただなんとなく大阪に行ったんだ」
裕太「で、することもなくて雀荘通い」
咲「」ウンウン
裕太「それからは流れるままに麻雀打ちのコースを歩んでいはと思う」
裕太「去年、お袋が死んだと知るまではね」
咲「──……」
裕太「で、することもなくて雀荘通い」
咲「」ウンウン
裕太「それからは流れるままに麻雀打ちのコースを歩んでいはと思う」
裕太「去年、お袋が死んだと知るまではね」
咲「──……」
裕太「仕送りは断られてたけど、麻雀で勝った分からずっと送り続けてた」
裕太「……会社員辞めたことも、麻雀で稼ぐことも、無駄にしたくなかったのかね。よく分からんけど」
咲「…………」ジー
裕太「でも、お袋は俺の仕送りを全額貯金してたんだよ」
咲「!」
裕太「……会社員辞めたことも、麻雀で稼ぐことも、無駄にしたくなかったのかね。よく分からんけど」
咲「…………」ジー
裕太「でも、お袋は俺の仕送りを全額貯金してたんだよ」
咲「!」
裕太「そりゃ、元々は俺の金かも知れないけど、こっちはそんなつもりで送ってたんじゃない」
裕太「俺の分は別に、ちゃんと勝ってから送ってた」
裕太「でもその金が別の方向に使われてたとなると──」
咲「……」
裕太「俺は、麻雀打ちじゃなかった」
裕太「俺の分は別に、ちゃんと勝ってから送ってた」
裕太「でもその金が別の方向に使われてたとなると──」
咲「……」
裕太「俺は、麻雀打ちじゃなかった」
裕太「貯金とお袋の生命保険、とりあえずこいつらは全部麻雀で使ってやろうと決めたんだ」
咲「……全額?」
裕太「ああ、全額」
裕太「東京にな。怪物みたいな麻雀打ちがいるんだよ」
咲(東京……)
裕太「その人とガチで勝負するなら、他人の金じゃ駄目なんだよ」
咲「……全額?」
裕太「ああ、全額」
裕太「東京にな。怪物みたいな麻雀打ちがいるんだよ」
咲(東京……)
裕太「その人とガチで勝負するなら、他人の金じゃ駄目なんだよ」
裕太「そんなわけで、今の俺はまだ麻雀打ちじゃない」
裕太「少なくとも、あいつと打つまではね」
裕太「これで話は終わり。満足だった?」
咲「──はい、とても参考になりました」ペコッ
咲「麻雀を結局趣味の延長としか考えないで、とっとと就職してさっさと結婚した原村さんにも聞いて欲しかったです」
裕太(誰だよ?)
裕太「少なくとも、あいつと打つまではね」
裕太「これで話は終わり。満足だった?」
咲「──はい、とても参考になりました」ペコッ
咲「麻雀を結局趣味の延長としか考えないで、とっとと就職してさっさと結婚した原村さんにも聞いて欲しかったです」
裕太(誰だよ?)
咲「でも水原さん。その話だと、近い内に東京に行っちゃうんですか?」
裕太「ああ、そうだな。別にいつまでとかは決めてないけど、どこにも長居するつもりはないよ」
裕太「今日のだって、前に話を聞いてた場所だから殆ど暇潰し程度に寄っただけなんだぜ?」
咲「あ、そうだったんですか」
裕太「二度行くつもりはなかったよ。お前と会わなきゃな」
咲「──私?」ニコッ
裕太「ああ、そうだな。別にいつまでとかは決めてないけど、どこにも長居するつもりはないよ」
裕太「今日のだって、前に話を聞いてた場所だから殆ど暇潰し程度に寄っただけなんだぜ?」
咲「あ、そうだったんですか」
裕太「二度行くつもりはなかったよ。お前と会わなきゃな」
咲「──私?」ニコッ
裕太「当たり前だろ? 鬼退治しに東京行くつもりなんだから、他の化け物にも勝てるようじゃなきゃ」
咲「無理だと思います」
裕太「……なんだって?」
咲「嫌味のつもりは一切ないですから、はっきり言います」
咲「今の水原さんじゃ、私にも、きっと東京の怪物さんにも勝てません」
咲「無理だと思います」
裕太「……なんだって?」
咲「嫌味のつもりは一切ないですから、はっきり言います」
咲「今の水原さんじゃ、私にも、きっと東京の怪物さんにも勝てません」
裕太「おいおい、そりゃ今日は惨敗だったけどなぁ」
咲「そりゃ半荘一回でどうのって勝負ならまた別ですけど、水原さんは高レートでその人と打つんですよね」
裕太「……ああ」
咲「じゃあやっぱり無理です。一回勝ってもすぐ次で取り返されちゃいます。だって──」
咲「水原さん、今日の私の嶺上開花を見てどう思いました?」
咲「そりゃ半荘一回でどうのって勝負ならまた別ですけど、水原さんは高レートでその人と打つんですよね」
裕太「……ああ」
咲「じゃあやっぱり無理です。一回勝ってもすぐ次で取り返されちゃいます。だって──」
咲「水原さん、今日の私の嶺上開花を見てどう思いました?」
裕太「……いや、『ついてるなぁ』かな?」
咲「他には?」
裕太「……『冴えてるなぁ』?」
咲「同じです。でもまぁ、その通りですね」
裕太「はぁ?」
咲「『ついてる』し『冴えてる』。でも、私が今日の麻雀を百回やったら百回同じように嶺上開花をアガリます」
咲「他には?」
裕太「……『冴えてるなぁ』?」
咲「同じです。でもまぁ、その通りですね」
裕太「はぁ?」
咲「『ついてる』し『冴えてる』。でも、私が今日の麻雀を百回やったら百回同じように嶺上開花をアガリます」
裕太「そんな馬鹿な」
咲「そうなっちゃうんだから仕方ありません。私がポンするのもチーするのもカンするのも」
咲「言ってみれば全部勘で仕掛けているんですけど、最後には必ず上手く行くんです」
裕太「…………」
咲「──でも、一度骨の髄まで教え込んでやらないと、理解してはもらえないことなんでしょうね……」
咲「池田みたいに」
咲「そうなっちゃうんだから仕方ありません。私がポンするのもチーするのもカンするのも」
咲「言ってみれば全部勘で仕掛けているんですけど、最後には必ず上手く行くんです」
裕太「…………」
咲「──でも、一度骨の髄まで教え込んでやらないと、理解してはもらえないことなんでしょうね……」
咲「池田みたいに」
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