元スレ橙子「……眠そうだな、黒桐」黒桐「最近寝不足なんです…」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
― 伽藍の堂 ―
橙子「……」
黒桐「……」コクリコクリ
橙子「…幹也くん。あまり体調が優れない中でも出社して、働こうとしてくれるその気概は上司として本当に嬉しいんだけどね…」
黒桐「……」コクリコクリ
橙子「……どれだけ働こうとする意志があっても、実際に手が動いてないんじゃ意味がない。おい、一度目を開けろ、黒桐っ」カチャ
黒桐「……っ」ビクンッ
黒桐「あれ……ここは……。あ、橙子さん、おはようございます……」ボー…
橙子「…今はもう昼だよ。お前よくそんな状態でここまで来れたな。頭が完全に寝ぼけてるぞ」
黒桐「はぁ……」ウツラウツラ
3 = 1 :
橙子「全く…お前、今週に入ってからずっとそんな感じだぞ。一体どうしたんだ」
黒桐「いえ……特に……、何も……」
橙子「それが何も問題の無い奴の顔か。…今日は有給扱いにしてやるから、とにかく話してみろ。何が原因だ?」
黒桐「……すみません、助かります。実際今は満足に働けるかどうか自信が無いんです…」ゲッソリ
橙子「……やれやれ。そこまで追い込まれていたのか」
4 :
昨日のらっきょスレ見逃したから期待
5 = 1 :
黒桐「その……実は、これは式に関係のある事なんですが……」
橙子「やっぱり」
黒桐「やっぱりって……何がです?」
橙子「決まってる。普段は面白みが無いくらい平凡で真面目な君がおかしくなる事態なんて、式が関わってるとしか思えないだろう」
黒桐「はぁ……」ポケーッ
橙子「で、式が関わっている事は分かったから、一体どんな理由で眠れてないんだ?式が夜に出歩くのが心配で眠れないとかか?」
黒桐「いえ……そんな事じゃないんですけどね」
6 = 1 :
黒桐「実は…」
橙子「うむ」
黒桐「……最近、式の性欲が強くて……夜に、満足に眠れてないんです……」
橙子「…は?」
8 = 1 :
黒桐「どうしたんですか…?まるで空飛ぶ鯨が豆鉄砲食らったような顔して…」
橙子「いや……。まさかあの式が、と思ってね……。完全に想定外だった」
橙子「でも確かにありえない事でもなかったか。ああ見えても式は寂しがり屋だからな」フフ
黒桐「笑い事じゃないんですよ、本当に……。本当は今日もここに来るだけで精一杯だったんです」ゲッソリ
橙子「すまんすまん、悪かったな」
9 = 1 :
橙子(しかし普段の黒桐なら何があっても私にだけはこんな事話さないだろうに……)
黒桐「……」ゲッソリ
橙子(これは本気でまいってるな)
橙子「分かった、詳しく話してみろ。何か助言の真似事でも出来るかもしれない」
黒桐「分かりました、詳しくお話します。実は先週……」
ここから昨日の続きまで飛ばした方がいいですか?
10 :
そこはコピペのままじゃなくてもいいだろ
11 = 7 :
いや
せっかくだから飛ばさないで
12 = 10 :
>>10
ごめんどうかしてた
>>1のすきなようにしていいよ
13 = 1 :
じゃあ折角だから貼りなおさせてもらいます
出来るだけ急ぎますサーセン
『先週、夜から急に天気が崩れるからって早めの帰社を認めてくれた日があったでしょう?』
『ああ、そんな事もあった気がするな。で、それで?』
『……だからそれで式に予め電話を一本入れておいたんです。「今日は早く帰れそうだから、迎えに来なくてもいいよ」って』
『ふーん。最近本当に夫婦じみてきたんだな、お前と式って』
14 = 1 :
― 幹也のアパート ―
ゴロゴロ…
黒桐「ふぅ…。今にも雷落ちてきそうだけど……ギリギリ降る前に帰ってこれたか。良かったぁ…」
黒桐(やっぱり何でも言ってみるもんだな…。橙子さんが早退け認めてくれるなんて思いもよらなかった)
黒桐「『わざわざ大雨の中帰らして唯一の社員を風邪にするもいかないでしょ』なんて…)
黒桐(やっぱり、眼鏡かけてる時の橙子さんは優しいや)クスッ
15 = 1 :
トントントントン……
黒桐「あ、部屋に明かりが点いている」(それにこの音……式かな?)
黒桐「にしても音が外に聞こえるって…。安普請だなー…。まあその分値段は安いから文句言えないけど」
ガチャ
黒桐「ただいま……式」
式「お帰り、幹也。今日は早いな」ニコ
黒桐「うん、酷い天気になりそうだから橙子さんに無理言って早めに帰してもらったんだ」
式「ふーん。あいつも、たまにはまともな事するじゃないか」
16 = 1 :
黒桐「はは……」
黒桐(あまり否定できない事が悲しい……。橙子さん普段からこれくらい優しかったらなー…)
黒桐(……まあ考えても仕方ないか。それにこの匂い。やっぱり…)
黒桐「式、ご飯作ってくれてたの?ありがとう」
式「ああ。今日、アイス買いにスーパーに寄ったんでな。その時ついでに材料を買ってきた」
式「……お前の部屋、カップ麺だのインスタントのカレーだの、体に悪そうな物しか置いてなかったからな」
17 :
再放送きたこれ
18 :
給料未払いの常習犯が有給をくれるだと…?
19 = 1 :
式「お前さ、一人暮らしなのにまともに料理も出来なくてどうするんだ」
式「このままならほっといても早死にするぞ」
黒桐「うっ……。人にはそれぞれ得手不得手というものがありまして……」
黒桐「僕はたまたまそれが料理だっただけというか……何というか…」シドロモドロ
式「……たまたまで済ませられる問題かよ」ハァー
黒桐「ぐっ……」
式「お前、オレを一生背負うだの何だの言ってるけど、逆にオレがいないとまともに生きていけないんじゃないのか?」
黒桐「うぅ……」(反論の余地が無い……)
20 = 1 :
式「……まあいい。もう出来上がるから、幹也は風呂でも沸かしといてくれ」
黒桐「はーい……」
黒桐(帰って来た途端…・・・散々に言われちゃったな……)トホホ
黒桐(……それにしても)
式「……」トントントントン
黒桐(台所に立つ式の後姿、様になるなー)
21 = 1 :
黒桐「……」フフッ
式「? 何ニヤニヤ笑いながら突っ立ってるんだ」
黒桐「いや……。『式は将来きっと良いお嫁さんになるんだろうなぁ』、なんて思って」
式「っ! 莫迦な事言う暇あったら、さっさと風呂沸かして来いっ!」
黒桐「はいはい」(本気なんだけどね)
式「―――だって……」ボソボソ
黒桐「? 何か言った?」
式「何でもないっ。 ……何度も同じ事言わせるなよ、コクトー」
黒桐「ごめんごめん」
22 = 1 :
黒桐「……ふぅ、ご馳走様でした。―――ああ、美味しかった」フゥー
式「ん、お粗末様。……さて、風呂もそろそろ沸く頃だし。汗流して来いよ、幹也」
黒桐「良いの? じゃあ、お言葉に甘えて……。後片付けが済んだら先に入らせてもらおうかな」
式「……そうか?じゃあ、その食器持ってくれ幹也」
黒桐「ん」
『とまあ、その日はこういう風に式と穏やかな夕食を過ごした訳です』
『なんか惚気話を聞かされてる気分だが……肝心の部分はどうした』
『すいません、あまりに幸せな体験だった物で、橙子さんにも話したくなっちゃいました』
『(こいつは…)』
『で、ここからが本題なんですがね…』
『ふむ……』
23 = 1 :
ガラガラー
黒桐「さて……後片付けも済んだし、これで心置きなくお風呂に入れる」
ザーッ
黒桐「あれ?いつのまにか雨降ってたんだ。全然気がつかなかった」
黒桐(式と話すのが楽しくてまるで耳に入らなかったんだな)
ザーッ
黒桐(あの事件以来雨にはどうも苦手意識があったけど……)
黒桐「不思議だな……。こうやって聞いてみると、やっぱり雨音も悪くないように思える」
24 :
椅子に見えた
25 = 1 :
黒桐『じゃあ、先に入ってくるね』
式『おう』
ガラガラー
式「……ふぅ」
式「夕飯の支度か……。ちょっと……疲れたな」ファーア
式(幹也が出てくるまで軽く横になっておこうか)
ザーッ
式「……何だ?雨の音か」
式(まるで気が付かなかった。幹也の方に気が向きすぎてたのか)
26 = 1 :
ザーッ
式「……」
式(そう言えば……あいつと一緒にいる時って…結構雨降ってるな)
式(一度目は……学校で秋隆が迎えに来るまで雨宿りしてた時……)
式(あの時あいつは…中国人みたいな変な発音で傘差し出してくれたんだっけ…)クスッ
式(私が迎えが来るから早く帰れって言ったら…あいつもうちょっとしたら帰るからそれまでここにいるって言って……)
式(壁にもたれかかって歌…そうだ、シングインザレインって流行歌歌ってたんだっけ…)
式(すぐ近くに居るのに会話がなくて気まずかったけど…不思議と苦じゃなかった。あの沈黙は、暖かかった)
27 = 1 :
ザーッ
式「……」
ー♪
式「……ん?」
ー♪ ー♪
式「あいつ……風呂で歌ってる…?」
『アイムシングインザレーイン』♪
式「……」
『ジャスシングインザレイン』♪
式「シングインザレイン…。「雨に唄えば」か…」
式(そうだ……。思えばあの時、一緒に雨宿りして。それから明確に両儀式は黒桐幹也を意識するようになったんだっけ……)
28 = 1 :
~♪
式「……」クスッ
式(お世辞にも……上手いとは言えないけど……)
式(あいつの声聴いてると……何故だか……式は……安心する……)
式(ふ、しぎ……)
式(……)
式「……」スースー
29 = 1 :
ガラガラー
黒桐「ああ、良い湯だった」フーッ!
黒桐(あんまりに気分が乗っちゃったんで柄にもなくノリノリで歌っちゃった……)
黒桐(思えば……前にこの曲歌ったのは確か学校で式と一緒に雨宿りした時だから…)
黒桐「ああ、もう4年近く前の事になるのか。時間が経つのはあっという間って言うのは本当なんだな」シミジミ
黒桐「さて……。式ー。お風呂上がったよー。次は君が入る番……」ムムッ?
式「……」スースー
30 = 1 :
黒桐「式……寝ちゃったのか」
式「……」スースー
黒桐「疲れてたんだろうな……」
黒桐「……さて、ちょっとお隣にお邪魔して……」ヨイショット…ストッ
式「……」スースー
黒桐「……晩御飯、美味しかったよ。ありがとう式」ナデナデ
式「……」スースー
黒桐(可愛い寝顔だな。そう言えば前に僕は式の顔の事を中性的で凛々しいって言ったけど)
式「……」スースー
黒桐(あれは間違いだったな。どう見ても綺麗な女の子だ)フフ
31 = 1 :
式「んー……」ネガエリ
黒桐「おっと……」
黒桐(本格的に眠りに入ってるのか。このまま寝かしといてあげたいけどお風呂湧いてるしな……んっ?)
黒桐「げぇっ!!こ、こ、こ…これはっ……!」
黒桐(寝返りを打った際に着物がはだけて……肌の露出度が上がったぁっ!?)
32 = 1 :
黒桐(うわぁ……やっぱり式って肌白いんだなぁ…。じゃなくて!)
黒桐(ああでも……目に入ってしまう……。うなじ……二の腕……太腿……。太腿っ!?)イッツビューリホーッ!
黒桐「うっひゃあ……。こーりゃ凄い……。……あっ?」タテ!タツンダ!ジョー!
黒桐「……よーし、落ち着け僕。今は風呂上りで血行が良くなってるだけなんだ。きっとそうなんだ」
黒桐「僕はっ、断じてっ、眠ってる女の子相手にっ、欲情するような外道なんかじゃないんだっ……(多分)」ギリギリギリギリ
33 = 2 :
半角文字がヤバい
34 = 1 :
黒桐「ああもうっ……。式がそんな無防備な格好で寝るからいけないんだよ……。僕は(多分あんまり)悪くないっ!」
黒桐(よし、とにかく式を起こそう。そうすれば後でどうにもでもなる)
黒桐「……式ー?僕はもうお風呂出たよ?次は君が入る番だぞー」
式「うぅーん……」グーグー
黒桐「駄目だ。こりゃあ生半可なことじゃ起きそうにない……」
黒桐(いつまでもそんな格好でいられちゃあ幾ら僕でも眼の毒だっ…。こっちゃあ健康な成人男子なんだぞ…)
黒桐「……もうっ。式っ。幾ら君でも食べてすぐ寝たら豚にな (ドゴォッ!!) ってぐおあッ!!」
式「誰が……豚だって……?」ゴゴゴゴゴ
原作読み直して気付いたんだけど映画のコクトーって原作のコクトーより男らしさが強調されてるね
35 :
コクトーってこういうキャラだっけ
読んだのずいぶん前だから忘れた
36 = 1 :
黒桐「ははっ……。良かった……荒療治(僕にとって)だったけど何とか起きてくれたみたいだ……」イタイ…イタイヨゥ…
式「何をぶつぶつ言ってるんだ……。それより聞こえたぞ、幹也。今お前オレの事豚だとか何とか言わなかったか…?」チョクシッ!
『その時僕は確かに見たんです。式の眼が蒼光を放つ、決定的瞬間を……!あれは本当に生きた心地がしませんでしたね』
『……どうでも良いけどさ。お前、さっきから惚気てるだけで全然話が進まないじゃないか』
『ああすいません。ここからが本題です』
『(さっきも同じ事聞いたぞ……。第一お前眠いんじゃなかったのか)』
>>35
すみません『式が関わると黒桐は変になる』って設定を拡大解釈してます
37 = 1 :
黒桐「まぁまぁ……。言った言わないは水掛け論になるだけだよ、式。それより君、お風呂に入るんじゃなかったの?」
式「分かってるよ……。……っくそ、後で覚えとけよ、コクトー」フラフラ
黒桐「お風呂の中で眠っちゃ駄目だぞー?」
黒桐(後今何か去り際にすっげぇ怖い事言われた気がする……)」ガタガタガタガタ……
ガラガラ
黒桐「さ…て」
黒桐「僕は今の内にベッドでも整えておこう」
黒桐(ん……?ベッド……?何か引っ掛かるなー……。ベッド・・・ベッドねぇ…)ウーム
黒桐「ああそうか、僕と式はいつも同じベッドで寝てるんだ。って事は今日も当然……」
38 = 1 :
黒桐「ってEーーーーーーーーっ!?」
黒桐「嘘だろ!?今まだ興奮の収まりきらないこの状態の僕と見た所堪忍袋の尾がキレかけてる式が同衾!?」
黒桐「嘘だろ!?(二回目)Why!? What Are You Doing!?(凄く綺麗な発音で)」
黒桐「ああっ!!動転してるあまりおかしな事を口走ってしまうーーーっ!!」ジタバタジタバタ
『本当…あの時の僕はどうにかしていたんです……。やけにハイになっていたというか…多分式に睨まれて恐怖していた事も関係あります』
『いや……多分これは素のお前だろ……。お前は式が関わると色々タガが外れるからな』
39 = 1 :
黒桐「落ち着け……落ち着くんだ僕……。そうだ…KOOLになれ……。冷静になって考えるんだ」フーッハーッ
黒桐(まだ助かる道はある……。簡単な事じゃないか……。そもそも何故今回に限り僕と式が同衾すると危ないのか)
黒桐(それは……今の状態のまま式と同衾すれば……多分僕は本能のままに式を襲い、式の怒りを買い……最悪の場合死に至るからだ)
黒桐「解決策は簡単だ。僕が冷静であれば良い。いつもの様に同衾しても手を出さない心構えでいれば良い。そうすれば式を怒らせる事はない」
黒桐「そうだ。簡単なんだ。普段から気が長い事に定評がある僕じゃないか。今回だっていけるいける」ハハ
黒桐「よし、まずはベッドに腰を下ろして落ち着こう」オチツケ…。2…3…5…7…
40 = 1 :
ジャーッ
黒桐「」ビクンッ!
黒桐「あ、あの、あの音は…?」
ジャーッ
黒桐(式が……シャワーを浴びている音…)
黒桐(今……式は扉の一枚向こうで……。そう言えばさっきの寝てる式……やけに色……)
黒桐「……」ゴクッ
黒桐「ああもう……駄目なんだったら……。落ち着けよお前……」
黒桐(死ぬとかそういう冗談は関係無しに……本当にいけないんだよ……)
42 :
しえん
完結するまで起きてる
43 :
コクトーってかうみねこドラマCDの譲治のノリか、中の人繋がり的に
44 = 1 :
黒桐(おかしい……。今の僕は本当に何かおかしい……)
黒桐(さっきの式の寝姿を見てから……自分をコントロール仕切れてない…)
黒桐(それは、つまり……)
黒桐「あー……畜生。やっぱり俺、本当に君にいかれちまってるんだ」
『……そう言えば前にお前、私が式のいる病院に医師として招かれてると教えた時、奇怪な行動に出たな』
『……そうでしたっけ?』
『ああ。お前は式が関わると普段の冷静さは何処へやらすぐ感情的になる』
『どうやらお前は感情が自分の中の許容量を超えると奇行に出る性質らしい。まあ殺人みたいな物騒な物じゃない分マシか』
『はは、言えてますね……。じゃあ、話を続けます…』
45 = 1 :
黒桐「……」フゥー
黒桐(僕は……自分で自分をコントロールできずに人を傷つけるような真似は、あまりしたくない)
黒桐(まあ人間だから……どう頑張ったって自分を抑えきれない時はあるだろうけど……)
黒桐(それでも……君だけは傷つけたくない。君にだけは―――傷付いてほしくない)
黒桐「…はぁ」
ガラガラ
式「ふぅー……。上がったぞ、幹也」ホカホカ
黒桐「…式」
46 = 17 :
猿ったか?
47 = 1 :
式「……」
黒桐「……」
式「……」
黒桐「……」ッ…
黒桐(だんまり…か。やっぱりさっきの事怒ってるんだろうな)
黒桐(そりゃそうだ……。女の子が冗談でも自分を豚呼ばわりされて(誤解だけど)、腹を立てない訳がない…)
黒桐(本当……何考えてたんだよ僕は……。眠る式の姿見て頭のネジが外れちまってたのか……大馬鹿野郎)
『(……言動を省みるに、その時のお前は明らかに頭のネジが2~3本外れてたんだろうな。それだけ式の姿が強烈的だったという事か)』
48 = 1 :
黒桐「あの……」
式「……」
黒桐「……っ」
黒桐(謝らなければいけないって分かってるのに……言葉が出て来ない……)
黒桐(何が『式が嫌がっても、勝手に世話をやくって決めたんだ』、だ……)
黒桐(今、君の嫌がる事を言って、君を傷付けたかもしれないと考えただけで、こんなにも心が苦しいのに……)
49 = 1 :
黒桐「……っ」ググッ
式「……あのさぁ」
黒桐「! ……何、かな?」
式「オレ……今日はもう疲れたから、早く眠りたいんだけど」
黒桐「……ああ、そうだね。ベッドは整えておいたから、いつでも眠れると思うよ」
式「そうか。じゃあオレ、もう寝るな。お休みコクトー」
黒桐「……お休み、式」
式「…? どうしたんだお前。何かさっきから元気ないぞ」
50 = 1 :
黒桐「いや…。何でもないよ」
式「ふーん…。なら別に良いんだけどな。さて…と」バフッ
式「幹也、電気消してくれ。もう寝よう」
黒桐「? 電気は消すけど、もう寝ようってどういう……」
式「どういうって……。何だよ、オレとお前はいつも同じベッドで寝るじゃないか」
黒桐「(…?)でも式、さっきの事怒ってるんじゃ…?」
式「何の事だよ? さっき風呂に入る前に、オレなんかお前に言ったか?寝ぼけてたんで覚えてないんだ」
黒桐「えっ……」キョトン…
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