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    元スレ妹「喫茶店はじめました」

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    51 = 1 :

    「妹ちゃん、そろそろ帰ってくるかもね」

    「あ、もうそんな時間か」

    「妹ちゃんと、こういうお店の話した?」

    「いや、あいつ何か都合の悪いことは隠そうとしてるフシがあるなぁ」

    「……きっとね、お兄ちゃんに迷惑かけたくないんでしょ」

    「というと?」

    「それは……」

    「ただいま帰りました……」

    「今の話、内緒ね」

    「う、うん」

    52 = 23 :

    あげほ

    53 = 1 :

    「お、おかえりー」

    「あ、兄さん……いらっしゃい」ズタボロ

    「おいおい、大丈夫か?疲れてるな」

    「大丈夫です……でもちょっと疲れました……」

    「おかえりなさい」

    「ただいま、母さん」

    「ばんご飯は?」

    「お店の余り物食べたから平気です……」

    「(余り物って、冷凍もんか……)」

    54 = 1 :

    「ちょっと横になってきます……」

    「お、おう」

    「ちょっと、大丈夫?」

    「若いですから。明日にはピンピンです」

    「……」

    「ごめんなさい兄さん、せっかく来てくれたのに」

    「……気にすんなよ。ゆっくり休みな」

    「はい」

    55 = 34 :

    兄が妹の店のシェフになる

    56 :

    俺をその喫茶店に正規雇用してくれ

    月収は妹パンツ3枚でいいから

    57 = 1 :

    「大丈夫かしら……」

    「ちょっとキッチン借りるぞ」

    「え、えぇいいけど」

    「えーと……」ゴソゴソ

    「何か作るの?」

    「うんまぁ……豚肉があるな、あとは……ニンニクもニラもある」

    「もしかしたらスタミナ料理とか」

    「せーかい」

    「食べてきたって言ってたわよ」

    「ありゃ嘘だな。疲れて食欲ないって顔だったよ」

    58 :

    随分食材豊富な冷蔵庫だな

    59 = 44 :

    >>58
    未亡人宅の冷蔵庫にスタミナ付けるものが入ってるということはつまり…

    60 = 1 :

    「食欲ないのに、スタミナ料理なんて食べられるかしら……」

    「……」トントン

    「レバニラならぬ豚ニラ?」

    「油っこいときついだろうな」ジュージュー

    「でしょうねぇ」

    「となると、スープ仕立てにしたほうがいいな」グツグツ

    「なるほど、さすがね」

    「おっけ、あいつ好みの味だと思うけど」

    「いい匂いねー」

    61 = 1 :

    ~妹の部屋~

    「うぅ……足がパンパンです」

    「腰も痛い……はぁ」バキバキ

    「……何か、いい匂いがします」クンクン

    「おーい、もう寝た?」

    「え……兄さん?」

    「入ってもいい?」

    「はい……どうぞ」

    62 = 1 :

    「疲れて横になってたのか」

    「は、はい……でももう平気です」

    「無理すんなって、ほら」

    「くんくん……いい匂い」

    「軽い味付けにしてるけど、スパイスをきかせてるから」

    「もしかして作ってくれたんですか?」

    「駄目だぞ、疲れててもメシはちゃんと食え」

    「は、はい……すみません」

    「よそってやるよ、おかわりもあるからな」

    63 :

    いい兄ちゃんだな

    64 = 1 :

    「美味しいっ!」モグモグ

    「明日になればもっと美味しくなるぞ」

    「どうしてですか?」モグモグ

    「大抵のものは煮たときより冷めてから味が染みるんだよ……てか常識だろ」

    「初めて知りました、さすが兄さんです」

    「料理のイロハのイだよ」

    「おかわりください」

    「ん、はいはい」

    65 = 1 :

    「ごちそうさまでした」

    「あいよ」

    「身体がポカポカします」

    「ちょっと身体が暖まるスパイスも入れたから」

    「まさか媚薬じゃないでしょうね、兄さん」

    「なんでそんなもんがここにあるんだよっ!」

    「あはは、そうですね」

    「身体が暖まると循環が良くなって疲労回復にいいからな。あとはゆっくり休め」

    「科学的なんですね」

    66 = 1 :

    「兄さんのおかげで、明日も頑張れそうです」

    「休みとかないのか?」

    「えっと、お父さんの時と同じですよ」

    「週に一回だけしかないのか……」

    「大丈夫です、体力だけはありますから」

    「なぁ……」

    「何ですか?」

    67 = 13 :

    おもしろいよ

    68 :

    いいじゃないか

    69 = 1 :

    「ほんとはあの店、お前ひとりしかいないんだろ?」

    「な、なぜそれを」ギク

    「あんだけチンする音が響いてたらわかるって」

    「明日から消音モードにします」

    「そういう問題か?」

    「そういう問題です」

    「あのさ……ちゃんとした料理人が来るまで、店閉めたほうがいいんじゃないか?」

    「えっ……」

    70 = 1 :

    「今日だって文句言われてたし」

    「あ、あれは……はい……」

    「ああいう風なの、言ってくれるだけいいほうだぞ」

    「……」

    「ほんとに怖いのは、何も言わないで二度と来ないってお客さんだから」

    「はい、でもこれじゃないとお店が回らないんです……」

    「鯖味噌も冷凍なのか?」

    「ですよ」

    「すごい時代だなぁ」

    71 :

    今は何でも冷凍であるからな

    73 :

    漫画喫茶とかカラオケじゃ定番だよね

    74 = 1 :

    「お話はわかりました」

    「うんうん」

    「でももう少しだけ、頑張って見てもいいですか?冷凍は減らしますから」

    「それはまぁ……お前次第だけど」

    「ありがとうございます」

    「何でそんなあの店にこだわるんだよ」

    「あそこにいると、お父さんが居るみたいで落ち着くんです」

    「居るみたいでってか遺影があるからな……」

    「よく友達と放課後、あそこでお茶してたんですよ」

    「知ってる知ってる」

    75 = 1 :

    「まぁ、父さんみたいに無理だけはしないでくれよな」

    「わかってます」

    「俺がいいたいのはそれだけ、じゃあ」

    「……」

    「ちょくちょく様子見に行くからさ、頑張れ」

    「あの、兄さん……」

    「ん?」

    「もし良かったら、でいいんですけど」

    「何でも言ってみろ」

    「……」

    77 = 1 :

    「あの……兄さんが良かったら」

    「うん」

    「私のお店で……は、働き」

    「……」

    「……は、働きアリの駆除をお願いします」

    「は?」

    「さ、最近アリがわくので困ってます」

    「業者に頼めよ」

    「わかりました」

    78 = 1 :

    ~数日後~

    「よし、じゃ今日も様子を見に行ってみるか……」

    「……俺もなんだかんだ言って妹に甘いなぁ」

    「……ふぅ」

    「っと、着いた」

    からんころーん

    「お、ひとりだけど客がいるな……」

    79 = 23 :

    もどかしいぜ

    80 = 1 :

    「妹は厨房か……」

    「冷凍やめたから結局、手がまわらなくなったんだろうな」

    「……ま、勝手に入っても問題ないだろう」

    「お、おまたせしました。天丼になります」

    「喫茶店らしいメニューがいっこうに出てこないな」

    「ったく、遅いよ!何分待たせるわけ」

    「も、申し訳ありません」

    「……」

    81 = 1 :

    「よっ」

    「あ……兄さん」

    「また手作りにしたのか」

    「は、はい……少しでも美味しいものをって思って」

    「いい心がけだなぁ」

    「兄さんのスープを食べてから、少し勉強してるんです」

    「はは、何か照れるな」

    「えっと、注文はなんにしますか兄さん」

    「えーとな、今日は……」

    「ちょっとそこの君っ!」

    「は、はいっ!」

    82 = 1 :

    「どうされましたか?」

    「どうされましたかじゃないよ。なんなのこの天丼は」

    「え……」

    「衣がガチガチ、熱の通りすぎで具は縮んじゃってるし食べれたもんじゃないよ。タレも甘すぎ」

    「す、すみません……すみません」

    「あらら……」

    「ったく、これなら冷凍食品食べたほうがマシだよ」

    「……っ……すみません」

    「作り直してよ」

    「はい……はい……」

    「……」

    83 = 1 :

    ~厨房~

    「……」

    「……よっ」

    「に、兄さんっ……どうしてこんなところに」ゴシゴシ

    「泣いてるのか?」

    「ち、違いますっ……煙が目に入って」

    「別に俺に隠すことないだろ」

    「ぐすっ……に、兄さんは向こうで座ってて下さい。後で注文とりにいきますから」

    「まぁ待てって」

    85 :

    兄貴、ついにか

    87 :

    「今忙しいですから……後にしてください。ちゃんと注文とりに……」

    「注文じゃなくて面接頼む」

    「……え?」

    「この店で働きたいんだけど、駄目かな?」

    「に、兄さんが……ですか?」

    「調理師免許もあるし、まぁ現場経験は1年ちょいしかないけど」

    「うそ……だって兄さんは、他にちゃんとお仕事が」

    「あぁ、そっちは無理いってやめてきた」

    「……っ!な、なんでそんな」

    「こっちのほうが家から近いしなぁ。立派な志望動機だろ」

    「…兄さんっ……!」

    88 = 87 :

    「断られたら、無職なんだけど」

    「うっ……うっうっ……ぐす……」

    「泣いてないで合否を」

    「し、仕方ないから……雇ってあげますっ」

    「超上から目線」

    「身内がニートになったら困りますからっ……うぅ……ぐす」

    「はいはい、じゃあ天丼作らないとな」

    90 = 87 :

    「……お願いします、天丼」

    「おうよ」

    「天ぷら、作ったことあるんですか?」

    「うーん、あんまり自信ないけど」

    「だ、大丈夫ですか?」

    「まぁお前よりはうまく作れるぞ」

    「むっ!何ですかその言いぐさは」ギュウ

    「事実だろっ!足踏むな」

    「事実かどうか作ってみないとわかんないですっ」

    92 :

    良いと思う

    93 :

    ふう

    94 :

    良いよ
    完結させてくれよ

    95 = 87 :

    「うーん……何でダメ出しされたっけ」

    「……ほぼ全部です」

    「まずは衣か……」

    「ここに混ぜたのがありますよ」

    「あーあ、こりゃダメだな」

    「ど、どうしてですか!?」

    「トロトロにかき混ぜすぎ。これじゃ空気が中に入って衣が膨らんじゃうだろ」

    「なるほど……」

    「ケーキのスポンジはこういう風にするけど……天ぷらの衣はサクサクにしないと」

    「はい……」

    「よーし、これで衣はよし」

    97 = 87 :

    「よーし、揚がったぞー」ジューパチパチ

    「は、早いですけどちゃんと火が通ってますか?」

    「お前は油の温度が低すぎたんだよ。低いとカラッと揚がらないぞ」

    「むむむ……奥が深いです」

    「あとはタレかぁ……さっきは何を使ったんだ?」

    「これです」ドン

    「おまっ!これ焼き肉のタレだろ」

    「こっちのほうが味が濃くて美味しいと思うんですが」

    「いいから素直に天つゆ使おうな」

    「次から気をつけます」

    99 :

    なんか自分が最初に料理作った頃思い出すな

    100 = 87 :

    「よし、フタして蒸らして完成だな」

    「兄さん、すごいです……」

    「俺なんかまだまだだよ……ほんとなら修行中の身なんだから」

    「うぅん……すごいです、本当にカッコいいです」

    「い、いいからほら、はやく持っていって」

    「はいっ!」


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